テレビ会議システムの連携性で失敗しないための基本知識
まずは連携性という言葉が具体的に何を指すのか、基本的な考え方を整理しておきましょう。連携先の種類を理解しておくと、自社に必要な機能を見極めやすくなります。
連携性が低いと起こる業務トラブル
テレビ会議システムの連携性が低いと、会議の予約やURLの共有を手作業で行う必要が生じます。その結果、担当者の負担が増えます。カレンダーと自動で紐づかない場合は、招待漏れや会議室の予約重複といったミスも起こりやすくなります。
たとえば予定管理ツールと連携していないシステムでは、会議時間の登録に手間がかかります。社員がそれぞれのカレンダーへ手入力する必要があるためです。変更が発生するたびに複数のツールを修正する手間もかかります。結果として利用が定着せず、せっかく導入したシステムが使われなくなるケースもあります。
連携性の高さを左右する主な連携先
テレビ会議システムの連携性は、主に社内で使っているグループウェアやチャットツール、会議室に設置されたハードウェアとの相性で決まります。連携先が多いほど、既存の業務フローを大きく変えずに導入できる可能性が高くなります。
具体的な連携先には、Microsoft TeamsやSlackなどのコミュニケーションツールがあります。OutlookやGoogleカレンダーといったスケジュール管理ツール、会議室専用端末であるコーデック機器も代表的な連携先です。自社で日常的に使用しているツールを洗い出したうえで、対応状況を比較することが重要です。
Microsoft TeamsやOutlook・Googleカレンダーと連携できるテレビ会議システム
ここでは、社内で利用頻度の高いMicrosoft TeamsやOutlook、Googleカレンダーとの連携に注目します。確認すべきポイントを解説します。
Teams連携のポイントと注意点
Microsoft Teamsと連携できるテレビ会議システムを選ぶ際は、Teamsの会議画面から専用端末やカメラをそのまま操作できるかを確認することがポイントです。連携方式には、Teams Roomsとして認定された機器を使う方法があります。既存のテレビ会議システムからTeams会議に参加する方法もあります。
認定機器を利用する場合は接続の安定性が高い一方、対応コストがかかります。既存の会議室環境や予算にあわせて選ぶことが重要です。また、社内会議と社外とのTeams会議の両方が発生する組織では、両方の用途に対応できるかも確認しておく必要があります。
OutlookやGoogleカレンダーとの予定連携
OutlookやGoogleカレンダーと連携しやすいテレビ会議システムでは、会議室の予約と会議URLの発行を同時に行えます。担当者が別々のツールを行き来する手間を省けるのが利点です。予定表に会議室の空き状況が反映される仕組みがあると、予約の重複も防ぎやすくなります。
選定の際は、カレンダーへの反映がリアルタイムで行われるか、予定変更時にURLも自動更新されるかを確認しておくと安心です。管理者権限で複数拠点のカレンダーを一括管理できる機能があれば、全社導入時の運用負荷をさらに抑えられます。
API連携で自社システムと組み合わせるテレビ会議システムの選び方
会議の予約状況や利用ログを自社の基幹システムと連動させたい場合は、API連携の対応範囲を確認しておくことが大切です。ここでは活用例と注意点を紹介します。
API連携でできることと活用例
API連携がしやすいテレビ会議システムでは、勤怠管理システムや顧客管理システムと会議データを連動させることができます。営業部門であれば、商談の議事録や録画データを顧客管理システムに自動で紐づけるといった活用も可能です。
また、社内ポータルサイトから会議室の空き状況やシステムの稼働状況を確認できるようにする例もあります。APIの仕様が公開されているシステムであれば、自社の情報システム部門が独自の連携機能を開発しやすくなる点も利点です。
API連携を検討する際の注意点
API連携を検討する際は、提供されているAPIの種類や取得できるデータの範囲を事前に確認することが重要です。会議情報のみ取得できるのか、録画データや参加者ログまで扱えるのかによって、実現できる連携の幅が大きく変わります。
加えて、API利用にあたって追加費用が発生するプランかどうかを確認しておきましょう。開発にあたって技術的なサポートを受けられるかも、導入後の想定外コストを防ぐポイントです。情報システム部門と事前にすり合わせておくと安心です。連携開発を外部のシステム会社に依頼するケースもあるため、見積もり段階で開発範囲を明確にしておくと、後からの仕様変更による追加費用を避けやすくなります。
CSV出力など会議データを柔軟に活用するための機能
会議の利用実績や参加者データを社内で分析したい場合は、CSV出力の柔軟性も選定基準のひとつになります。具体的な活用場面を確認しましょう。
CSV出力が役立つ場面
CSV出力が柔軟なテレビ会議システムでは、会議の開催日時や参加者、利用時間などのデータを表計算ソフトに取り込めます。部門ごとの利用状況を集計しやすいのが利点です。テレワークの浸透状況を把握したい情報システム部門や総務部門にとって扱いやすい機能です。
たとえば拠点ごとの利用回数を月次でまとめると、稼働率の低い拠点への追加案内の判断材料になります。逆に、利用が集中している拠点への回線増強を検討する材料にもなります。ログ出力の項目数が多いシステムほど、詳細な分析が可能になります。
データ活用を進める運用のポイント
CSV出力機能を活かすには、出力できるデータ項目をあらかじめ確認しておくことが重要です。社内で必要な分析項目と照らし合わせておきましょう。出力頻度が手動のみか、定期的な自動出力に対応しているかによって運用の手間も変わります。
また、個人情報を含むデータを扱う場合は、出力権限を管理者に限定するなど、社内のセキュリティ規程に沿った運用ルールもあわせて整備しておくとよいでしょう。運用担当者を明確にしておくことも継続的な活用につながります。出力したデータを既存の勤怠システムや経費精算システムに取り込んで活用している企業もあります。CSVの項目名や区切り文字が自社の他システムと合っているかを事前に確認しておくと、取り込み時の手直しを減らせます。
連携性の高いテレビ会議システムを選ぶ際の比較ポイント
最後に、連携性を軸にテレビ会議システムを比較検討する際に押さえておきたいポイントをまとめます。導入前のチェックリストとして活用してください。
導入前に確認すべきチェック項目
連携性を重視してテレビ会議システムを選ぶ際は、五つの観点で対応状況を整理すると比較しやすくなります。具体的には、Teamsなどのコミュニケーションツール、カレンダーツール、会議室のコーデック、API、CSV出力です。すべてを満たす製品を探すより、自社にとって優先度の高い連携先を明確にすることが大切です。
あわせて、Zoomと連携がしやすいかどうかも、社外との会議が多い企業では重要な基準です。取引先が指定するツールに柔軟に対応できるシステムであれば、外部との会議調整もスムーズに進めやすくなります。
現場の運用体制との相性
連携機能が豊富でも、実際に使う社員が操作方法を理解できなければ定着しません。導入前にはトライアル期間を設け、実際の会議室環境やカレンダー運用にあわせて操作性を確認することが重要です。
あわせて、導入後のサポート体制や、機能追加時の情報提供の頻度も比較しておくと、長期的に安心して運用できます。情報システム部門と現場の担当者の双方が使いやすいと感じられるかを基準に選定することがポイントです。
TeamsやZoomの会議室で使われる連携対応デバイス例
会議室のコーデックやカメラ・スピーカーフォンは、Teams・Zoomなどの主要プラットフォームに合わせて選ぶ方法もあります。各プラットフォームでの利用実績があるデバイスから検討するのも一つの方法です。ここでは代表的な製品を紹介します。
Webex Room シリーズ (シスコシステムズ合同会社)
- 専用のキットにより4Kディスプレイと連携可能!
- 様々な画面に応じた共有をすることが可能!
- その人に合わせた空間をイメージ可能!
Poly Studio シリーズ (ポリコムジャパン株式会社 (Poly))
- セットアップ自体が簡単に行えるので届いたらすぐに使用できる
- サポートが充実しているので不明点があっても問題ない
- ZOOMなどと高性能のコラボレーションツールがある
JabraPanaCast (Jabra)
- 180°パノラマ視野とAIによる全員表示。
- USB接続で導入・運用が容易。
- 主要UCプラットフォーム対応、ハイブリッド運用支援。
VB342Pro (アバー・インフォメーション株式会社)
- AIが発言者を追尾、参加者を個別表示。
- ジェスチャーで直感的なカメラ操作
- 10マイクアレイで8mの集音範囲
ヤマハユニファイドコミュニケーションスピーカーフォンYVCシリーズ (ヤマハ株式会社)
- バッテリー搭載で、利用場所を選ばない
- 騒音に応じて利用できる2つのモード
- パソコンとのUSB接続に特化。
EPOSEXPANDシリーズ (EPOS)
- 会議で声を聞き取りやすい高品質スピーカーフォン。
- Bluetooth対応など多様なラインアップ。
- 最大16人対応の拡張可能モデル
まとめ
テレビ会議システムの連携性は、複数の観点から比較することが重要です。具体的には、Microsoft TeamsやOutlook、Googleカレンダーとの予定連携が挙げられます。会議室のコーデック対応、API連携やCSV出力の柔軟性も重要な観点です。自社で日常的に使うツールを洗い出したうえで、優先度の高い連携機能を備えたシステムを選びましょう。そうすることで、導入後の運用負荷を抑えながら円滑なコミュニケーション環境を実現できます。

