顔認証の入退室管理システムとは
顔認証の入退室管理システムとは、生体認証の一種である顔認証を用いて、オフィスや施設への入退室を管理するシステムです。入退室者の顔をカメラで撮影し、事前に登録されたデータベースと照合することで、本人確認を行います。ディープラーニングされたAIの活用などにより、認証精度が高いのが特徴です。
顔認証の入退室管理システムの機能
顔認証の入退室管理システムの主な機能は以下のとおりです。
- ■開錠の制御
- 顔認証後、電気錠と連携しドアやゲートを開錠する。
- ■スケジュール設定
- 入退室できる曜日や時間帯を設定可能。
- ■入退室通知
- 管理者や警備員に認証結果を連絡したり、保護者に子どもの入退室情報を通知したりできる。
- ■入退室履歴の出力
- 入退室履歴の閲覧やデータ出力が可能。
- ■システム連携
- 勤怠管理システムや予約管理システムなどと連携できる製品もある。
- ■感染症対策・健康管理
- 体表温度の測定やマスク着用の検知が可能。
顔認証の入退室管理システムのメリット
ここからは、顔認証の入退室管理システムの導入メリットについて解説します。
入退室管理を自動化できる
顔認証の入退室管理システムを導入することで、従来の手動による受付業務が自動化され、大幅な効率化につながります。来訪者のチェックインプロセスがスピードアップし、受付スタッフの負担が軽減されるとともに、来訪者の待ち時間も短縮されます。また、顔認証から開錠までの時間は短く数秒以内に完了するため、来訪者の流れがスムーズになるでしょう。
セキュリティをさらに強化できる
顔認証は、個人の顔の特徴を用いて本人確認する高度な技術です。そのため、従来のIDカードや暗証番号よりもはるかに高いセキュリティレベルを実現できます。IDカードや暗証番号は盗難や紛失、悪用のリスクがありますが、顔認証はこうした心配がありません。
また、顔の特徴を詳細に分析し、なりすましを感知する顔認証技術も存在します。そのため、機密情報を扱う高セキュリティ施設での不正侵入リスクを大幅に削減可能です。
非接触でスマートオフィスを実現できる
顔認証入退室管理システムは、最先端技術の活用でオフィス環境を快適にし、作業効率の向上に貢献します。従業員や来訪者は、物理的なカードやキーを使用することなく、スムーズに施設へアクセスできます。そのため、従来の入退室管理手法に比べて、時間の節約と業務の効率化が可能です。
また、感染症対策の観点からも有効な手段です。非接触型であるため、システムを介した人と人との接触を減らし、ウイルス感染のリスクを抑えられるでしょう
顔認証の入退室管理システムの比較ポイント
ここからは顔認証の入退室管理システムの選び方について解説します。
認証精度
認証精度は、利便性や安全性にも影響を及ぼすため、重要なチェックポイントの一つです。具体的には、マスクや眼鏡着用時でも本人認証が可能か、写真を用いたなりすまし認証の防止が可能かを確認しておきましょう。
また、顔認証には2D認証と3D認証があり、セキュリティ強度を重視する場合には3D認証が適しています。3D認証は、赤外線センサーで顔の立体情報を取得して認証する方式です。このため、平面的な顔写真でのなりすましや、照明の変化する暗所での認証にも強みを発揮します。
認証速度
エントランスなど大人数が出入りする場所での混雑防止や、スムーズな認証・入退室を実現したいなら、認証速度にも注目しましょう。顔認証入退室管理システムの多くが、1秒以内での認証を可能とし、なかには0.2~0.3秒位内で高速認証できる製品もあります。また、ウォークスルー対応の製品を検討するのもよいでしょう。
システムエラー時の対応やサポート
システム選定時には、システムダウン時のサポート体制も重要です。迅速な技術サポートに加え、ダウン中の代替手段の有無も確認しておきましょう。例えば、手動による入退室管理や緊急時のアクセス制御などの仕組みが用意されているか、事前に確認しておくことが大切です。
顔認証の入退室管理システム導入にかかる費用
顔認証の入退室管理システムの費用内訳は、以下のとおりです。
- ●認証端末やコントローラ費
- ●工事費用
- ●サーバ費用
- ●月額利用料
顔認証の入退室管理システムの費用は、システム規模や導入形態、システム連携の有無、カスタマイズなどでも変動します。また、高精度なカメラや機能を必要とする場合、価格は高額になる傾向です。
月額料金については、設置する端末数や扉の数による従量課金制をとるシステムがある一方、料金を非公開にするシステムも目立ちます。スマートロックタイプで工事不要で導入できる製品の場合、顔認証に対応するためには、オプション利用が必要になるケースも多いようです。
▶おすすめの顔認証入退室管理システムを比較
ここからは、おすすめの顔認証つき入退室管理システムを紹介します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
製品・サービスのPOINT
- 圧倒的な導入コストの低さ
- 12種類から選べる解錠方法
- 入退室のログ管理を自動化
株式会社ビットキーが提供する「bitlock PRO(ビットロックプロ)」は、多機能でコストパフォーマンスに優れた入退室管理システムです。12種類の解錠方法をもち、顔認証(オプション)にも対応します。利用者の好みや企業のセキュリティポリシーに応じて最適な方法を選択できるでしょう。
【参考価格】初期費用無料、月額5,000円〜(税込み)
《ALLIGATE(アリゲイト)》のPOINT
- いろいろな扉・既存システムからのリプレイスに対応
- 設置工事から24時間365日の保守窓口まで、一気通貫のサービス
- 社内ネットワークの構築不要で導入コストを軽減
株式会社アートが提供する「ALLIGATE(アリゲイト)」は、クラウド型の入退室管理システムです。ICカードやスマホアプリを使用して入退室でき、物理鍵の紛失リスクを軽減します。勤怠管理システムや防犯カメラとの連携も可能。電気錠タイプの「ALLIGATE Lock Pro」では、顔認証(オプション)が利用できます。
【参考価格】初期費用50,000円~/扉、月額12,000円~/扉
《SECURE AI Office Base》のPOINT
- 顔認証と体温チェックを同時に行える!
- 専用回線で高セキュアな運用が可能!
- 企業規模を問わずフレキシブルに運用可能!
株式会社セキュアが提供する「SECURE AI Office Base」は、クラウド型システムで、専用ターミナルを用いた顔認証で入退室を管理します。入退室管理以外にも、マスク有無のチェックや、在室管理・打刻管理にも活用可能です。4種類の料金プランがあり、顔認証機器の台数で価格が変動します。
【参考価格】初期費用あり、月額10,000円~/台
Bio-IDiom KAOATO
「Bio-IDiom KAOATO」は、NECソリューションイノベータ株式会社が提供する顔認証パッケージソフトウェアです。米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストで高評価された顔認証エンジンを搭載し、信頼性の高さが特徴です。さらに来訪者検知、入退室管理、本人確認といった多様な用途に対応できます。
【参考価格】お問い合わせください。
グローリー顔認証ソリューション
グローリー株式会社が提供する「グローリー顔認証ソリューション」は、高精度な顔認証技術を採用しています。顔の検出から認証完了までの時間は平均1秒以内で、マスク着用や歩きながらの認証も可能です。特定のハードウェアに依存しない柔軟な設計が特徴で、設置場所に応じたカスタマイズにも対応します。
【参考価格】お問い合わせください。
Safie Entrance2
セーフィー株式会社が提供する「Safie Entrance2」は、クラウド型の顔認証入退室管理サービスです。ユーザーの登録情報は集約管理されるため、拠点が複数ある企業でも効率的な運用が可能です。遠隔からの緊急解錠にも対応します。
【参考価格】初期費用109,230円(買取プラン) ドアコントローラ43,780円、月額16,500円~(100顔)
セキュリティシステムsavic-net™G5 入退室管理
アズビル株式会社が提供する「セキュリティシステムsavic-net™G5 入退室管理」は、顔認証だけでなく、指静脈認証やICカード認証にも対応します。スケジュール制御やエレベータ不停止制御、アンチパスバックなど、セキュリティ強化につながる機能を多数搭載しています。
【参考価格】お問い合わせください。
AUTH thru KEY
株式会社ロココが提供する「AUTH thru KEY」は、同社の顔認証入退場管理システム「AUTH thru」に電気錠を連動したシステムです。電気錠システムとタブレットがあれば、大規模工事不要ですぐに運用できます。さらに検温器との連動で、体表温度の記録も可能です。
【参考価格】お問い合わせください。
FreeiD
DXYZ株式会社が提供する「FreeiD」は、オフィスの入退室や決済、身分証明などに活用できる顔認証システムです。高精度の顔認証エンジンを搭載し、マスク着用時でも顔認証が可能。セキュリティと利便性を両立させたスマートなオフィス環境を構築できます。
【参考価格】お問い合わせください。
まとめ
顔認証の入退室管理システムは、従業員の利便性を向上させるほか、企業の入退室管理業務を効率化させる効果があります。システムごとに機能や特徴は異なるため、自社のニーズやセキュリティ要件に見合った製品を選ぶことが重要です。
入退室管理システムを効率よく比較検討するためにも、ぜひ一括資料請求をお役立てください。資料請求した場合、価格や機能、特徴を一覧で比べられる比較表を作成できます。