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会計ソフトの運用ルールの作り方|月次締め・承認・電子帳簿保存法

会計ソフトの運用ルールの作り方|月次締め・承認・電子帳簿保存法

会計ソフトの運用を安定させるには、誰がいつ何を入力し、誰が確認して締めるのかをルールとして決め、ソフトの権限や承認の設定で支えることが重要です。担当者の経験に頼った運用では、異動や退職のたびに処理が滞り、誤りにも気づきにくくなります。この記事では、会計ソフトを導入済みの企業に向けて、月次締めの流れ、承認と権限による内部統制、電子帳簿保存法に沿った保存、法改正やデータ保全への備えを解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■運用を支える機能別
    ■運用体制別

    会計ソフトの運用はルールと体制づくりから

    会計ソフトは導入しただけでは正しく動き続けません。入力や確認の手順が人によって違うと、同じ取引でも科目や税区分がぶれてしまいます。運用の土台として、ルールの文書化と担当者の役割分担から整えましょう。

    運用ルールの文書化

    最初に、会計ソフトの運用ルールを文書にまとめます。主な項目は、取引の種類ごとの勘定科目と税区分、摘要の書き方、証憑の保存場所、入力の期限、修正の手順です。迷いやすい取引ほど、具体例を添えておくと判断がそろいます。

    ルールは一度作って終わりではありません。新しい取引先や取引の種類が増えたとき、税制が改正されたときに見直す必要があります。更新した日付と内容を記録し、社内の共有フォルダなど誰でも参照できる場所に置いておくと、最新版がどれかで迷わずに済みます。

    担当者の役割と引き継ぎの体制

    会計ソフトの運用では、入力、確認、締め、システム管理の役割を分けて考えます。少人数の会社でも、入力した本人以外が内容を確認する仕組みを作ると、誤りに気づく機会が増えます。

    1人の担当者だけが操作方法を知っている状態は、休暇や退職のときに業務が止まる原因です。主担当と副担当を決め、月に1回は副担当が締め作業に関わるなど、複数人が手順を把握できる体制にしておきましょう。手順書と運用ルールをあわせて引き継ぎの資料にします。

    関連記事 会計ソフトのメリット・デメリット!導入の必要性を解説

    会計ソフトで月次締めを回す運用フロー

    月次締めは、会計ソフトの運用を毎月点検する機会です。締めのスケジュールを固定し、締めた後のデータを守る仕組みを用意すると、毎月の数字を安心して経営判断に使えます。締めの流れを3つの段階に分けて説明します。

    締め日と入力期限の設定

    まず、月末から何営業日目までに入力を終え、何営業日目に締めるかを決めます。請求書の到着や経費精算の申請が遅れると締めも遅れるため、関係部署にも提出期限を周知することが欠かせません。

    入力期限を過ぎた取引は、概算で計上して翌月に修正するのか、翌月に計上するのかを決めておきます。判断を担当者任せにすると、月ごとに扱いが変わって比較ができなくなります。期限と例外の扱いは、運用ルールの文書にあわせて記載しておきましょう。

    締め処理後の入力制限

    締めが終わった月の仕訳が後から変わると、報告済みの数字と帳簿が一致しなくなります。会計ソフトに月次の締め処理や、指定した期間の入力を制限する機能があれば、確定した月のデータを保護できます。

    締め後に誤りが見つかった場合の手順も決めておきます。管理者が一時的に制限を解除して修正するのか、当月に訂正の仕訳を入れるのかを明確にし、解除した場合は理由と日時を記録しましょう。入力制限の設定単位や解除できる権限は製品によって異なります。

    残高照合と上長によるレビュー

    締めの前には、預金や売掛金、買掛金などの残高を、通帳や取引先別の明細と照合します。照合の結果は、確認した日付と担当者、差異があればその理由とあわせてチェックリストに記録しておきます。

    照合が終わったら、上長や経理責任者が試算表を確認し、前月や予算と比べて大きく動いた科目の理由を確かめます。レビューを経てから締めるという順番を固定すれば、確認が抜ける月を防げるでしょう。チェックリストは、翌月以降の運用を改善する材料としても活用できます。

    承認と権限で内部統制を整える

    内部統制とは、業務の誤りや不正を防ぎ、財務情報の信頼性を保つための社内の仕組みです。会計ソフトの承認機能や権限設定を使えば、ルールを人の注意だけに頼らず、システムで支えられます。

    入力者と承認者の分離

    仕訳を入力する人と、その仕訳を承認する人を分けると、1人の判断だけで帳簿が確定することを防げます。会計ソフトに承認の機能があれば、承認されるまで仕訳を確定させない運用が可能です。

    承認の対象をすべての仕訳にすると、承認者の負担が大きくなります。一定額以上の取引や、手入力した振替伝票、決算整理仕訳など、誤りの影響が大きいものに絞る方法もあります。担当者が少ない会社では、税理士による定期的な確認を承認の代わりに組み込むことも検討しましょう。

    操作ログと変更履歴の確認

    操作ログとは、誰がいつどの仕訳を登録・修正・削除したかの記録です。ログを残せる会計ソフトであれば、数字に疑問が生じたときに経緯をたどれます。意図しない修正があった場合も、原因の特定に役立ちます。

    ログは残すだけでなく、定期的に確認する運用が大切です。例えば月次締めの際に、締め後の修正や削除がないか、権限のない操作がないかを確認します。あわせて、退職者や異動者のアカウントを停止し、利用者ごとの権限が現在の担当業務とあっているかも見直しましょう。

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    電子帳簿保存法に沿った会計ソフトの運用

    電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで保存する際の要件を定めた法律です。会計ソフトで作る帳簿、受け取った電子データ、紙をスキャンしたデータで要件が異なるため、それぞれの保存手順を運用ルールに落とし込みましょう。

    電子取引データの保存ルール

    メールやWebで受け取った請求書や領収書などの電子取引データは、2024年1月以降、電子データのまま保存することが求められています。保存には、改ざんを防ぐ措置と、取引年月日・取引金額・取引先で検索できる状態にすることなどが必要です。

    運用では、どのフォルダやシステムに保存するか、ファイル名の付け方、誰が保存するかを決めます。会計ソフトに証憑を保存する場合も、別の文書管理サービスを使う場合も、要件を満たせるかを確認しましょう。会計ソフトを選ぶ際は、要件への適合を第三者が確認するJIIMA認証の有無も判断材料の1つです。

    関連記事 会計ソフトに法改正が与える影響とは?3つの制度から解説!

    優良な電子帳簿と訂正削除履歴

    会計ソフトで作成した仕訳帳や総勘定元帳を電子データで保存する場合、一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」として保存し、事前に届出を行うと、過少申告加算税が軽減される措置があります。

    優良な電子帳簿の要件には、仕訳の訂正や削除の履歴を残すこと、帳簿間で記録のつながりを確認できること、検索できることが含まれます。これらは製品の機能と運用の両方で満たす必要があるため、要件の詳細は国税庁の資料で確認し、顧問税理士とも相談しましょう。

    スキャナ保存を使う場合の手順

    紙で受け取った請求書や領収書をスキャンして保存するスキャナ保存は、紙の原本を保管する手間を減らせる方法です。ただし、受け取ってから入力するまでの期間や、タイムスタンプの付与またはそれに代わる訂正削除履歴の確保など、守るべき要件があります。

    スキャナ保存を使うなら、誰がいつスキャンし、誰が内容を確認するかを手順に定めます。期限内に処理できなかった書類の扱いも決めておきましょう。会計ソフトとスキャナ保存の機能が別のサービスに分かれている場合は、証憑と仕訳を結びつける方法も確認が必要です。

    法改正への更新とデータ保全の運用

    会計ソフトの運用は、日々の処理だけでなく、制度の変化とデータの保全にも目を配る必要があります。税制改正への対応が遅れたり、データを失ったりすると、正しい申告や帳簿の保存に支障が出かねません。

    税制改正への更新対応

    消費税の税率や税区分、インボイス制度の経過措置などは、改正によって会計ソフトの設定の変更が必要になる場合があります。クラウド型は提供元が自動で更新するのが基本で、インストール型は更新版の適用やバージョンアップが必要なケースがあります。

    いずれの場合も、改正の施行日を把握し、自社で設定を変える時期を確認する担当者を決めておきます。提供元のお知らせや、顧問税理士からの情報をもとに、税区分の追加や科目の設定を見直しましょう。変更した内容は運用ルールの文書にも反映します。

    バックアップと帳簿の保存期間

    インストール型の会計ソフトでは、データのバックアップを自社で行う必要があります。保存先をパソコン本体だけにせず、外部の媒体や別の場所にも保管し、復元できるかを定期的に試しておくと安心です。

    クラウド型でも、解約や契約の変更でデータを閲覧できなくなる場合に備え、決算後に帳簿を出力して保管しておきましょう。法人の帳簿は原則7年間、欠損金の繰越控除を受ける事業年度は10年間の保存が必要です。保存期間を踏まえて、過去データの保管方法を決めておきます。

    関連記事 会計ソフトの失敗しない選び方とは?5つの選定ポイントを紹介!

    運用ルールを支える会計ソフトの機能一覧

    承認や権限の管理、電子帳簿保存法への対応、会計事務所とのデータ共有など、運用を支える機能の観点から、この記事で紹介する会計ソフトを一覧にまとめました。

    製品名特徴
    ジョブカン会計権限管理や承認機能に加え、上位プランでは操作ログやIPアドレス制限も利用できる
    PCA Arch 財務経理4段階の承認機能を備え、JIIMA認証を取得。電帳法対応のクラウドストレージも利用できる
    Galileopt DX 財務大将JIIMA認証を取得した電子帳簿や、スキャナ保存対応のオプションを用意する財務会計システム
    freee 会計経費精算や稟議ワークフローの承認に対応し、上場準備企業も想定した内部統制機能を備える
    弥生会計 Next会計事務所とのデータ共有に対応。電帳法やインボイス制度などの法令改正には自動で対応
    マネーフォワード クラウド会計税理士と会計情報をオンラインで共有しやすく、法改正には無料のアップデートで対応する
    弥生会計インストール型。クラウドストレージ「弥生ドライブ」で会計事務所とデータを受け渡せる
    ツカエル会計オンライン複数のメンバーで同じ帳簿を同時に操作・閲覧できるクラウド会計システム
    エプソンの財務会計クラウドで会計事務所と最新データを共有でき、AI-OCRや口座連携で入力作業を軽減

    承認・電子保存・情報共有で運用を支える会計ソフト

    承認や権限の設定、操作履歴の管理、電子帳簿保存法への対応、会計事務所とのデータ共有など、日々の会計業務を支える製品を紹介します。必要な機能や利用できるプランを確認し、自社の運用ルールにあう製品を比較しましょう。

    ジョブカン会計

    株式会社DONUTS
    《ジョブカン会計》のPOINT
    1. クラウドなのに驚きの速さ!自動集計で作業効率が大幅にアップ!
    2. 予算/実績管理機能で経営状況もリアルタイムで確認
    3. プロジェクトごとの収支管理で的確な経営判断をサポート!

    株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン会計」は、内部統制に必要な機能をそろえたクラウド会計ソフトです。ユーザーごとに異なる権限を付与でき、担当者ごとに行える作業を分けられます。ビジネスプラン以上では権限管理や承認機能、履歴管理を、エンタープライズプランでは操作ログやIPアドレス制限、決算書作成履歴の閲覧も利用可能です。電子帳簿保存法については、履歴管理や検索機能などにより「優良」区分での対応ができます。入力と確認を分担して運用したい企業に向いています。

    PCA Arch 財務経理

    ピー・シー・エー株式会社
    《PCA Arch 財務経理》のPOINT
    1. 日々の業務をスムーズにする財務管理の効率化をサポート
    2. AIアシスタントが24時間365日、いつでも回答
    3. データ連携により銀行入出金に関する仕訳処理を大幅削減

    ピー・シー・エー株式会社が提供する「PCA Arch 財務経理」は、承認権レベルの設定や4段階の承認機能を備えたクラウド会計ソフトです。JIIMAの電子帳簿ソフト法的要件認証を取得しており、関連サービス「eDOC for PCA Arch」を活用した電子帳簿保存法対応の証憑管理も可能です。データ登録時に証憑の事業者登録番号を確認し、適格事業者のチェックを効率化する機能や監査機能も搭載しています。法令対応プログラムは無償で提供されるため、承認と電子保存の仕組みをまとめて整えたい企業の候補です。

    Galileopt DX 財務大将

    株式会社ミロク情報サービス
    《Galileopt DX 財務大将》のPOINT
    1. 豊富なビジネスプロセスモジュールを搭載
    2. 企業の成長に合わせた柔軟なシステム構築が可能
    3. インボイス制度やスキャナ保存など、制度改正にも迅速に対応

    株式会社ミロク情報サービスが提供する「Galileopt DX 財務大将」は、経理事務の省力化や決算早期化を支える、従業員100名以上の企業を対象とした財務会計システムです。オプションとして、JIIMA認証を取得した電子帳簿や電子帳簿保存法のスキャナ保存対応、仕訳や残高をチェックするMJS AI監査支援などを用意しています。振替伝票の入力支援機能で定型仕訳パターンの登録や逆仕訳の作成ができ、入力ミスの防止にも役立ちます。導入支援・運用支援は訪問や電話、リモートで受けられます。

    freee 会計

    フリー株式会社
    《freee 会計》のPOINT
    1. 経営レポートを自動作成、リアルタイムな意思決定が可能に
    2. 経費精算やワークフローにも対応。転記や人的ミスを減らす
    3. 上場準備企業様にも最適な内部統制機能

    フリー株式会社が提供する「freee 会計」は、上場準備企業も想定した内部統制機能を備えるクラウド会計ソフトです。経費精算や支払依頼、稟議ワークフローなどの周辺業務をまとめて扱え、承認者はアップロードされた領収書と申請内容を確認しながら承認できます。承認された経費はワンクリックで仕訳登録できるため、転記の手間や誤りを抑えられます。請求書や領収書はスキャナやスマートフォンでデータ化して保存でき、証憑の管理にも役立ちます。申請から承認までの流れを整えたい企業に向いています。

    弥生会計 Next

    弥生株式会社
    《弥生会計 Next》のPOINT
    1. 簿記や経理の知識がない初心者でもすぐに始められる会計ソフト
    2. これ1つで請求書発行などバックオフィス業務をまるごと効率化
    3. 経営状況の見える化を実現することで、事業の成長をサポート

    弥生株式会社が提供する「弥生会計 Next」は、会計事務所とのデータ共有をスムーズに行えるクラウド会計ソフトです。登録したデータから決算書が自動で作成され、会計事務所への書類やデータ送付の手間を抑えられます。電子帳簿保存法やインボイス制度などの法令改正には自動で対応するため、更新作業の負担も軽減できます。経費精算の申請・承認や取引書類の保存までこれ1つで完結し、仕訳の履歴確認や重複チェックの機能も備えています。顧問税理士と連携しながら運用したい企業の選択肢です。

    マネーフォワード クラウド会計

    株式会社マネーフォワード
    製品・サービスのPOINT
    1. 自動入力・自動仕訳で会計業務がどんどんラクに
    2. 法人運営に必要な12のサービスを基本料金内で利用可能
    3. 無料のメールサポートや有人チャットサポートで初心者も安心

    株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド会計」は、税理士と会計情報をオンラインで共有しやすいクラウド型会計ソフトです。多くの士業事務所がパートナープログラムに登録しており、クラウド上の最新データを顧問税理士とリアルタイムに確認できます。税法改正などの法改正には無料のアップデートで対応するため、バージョンアップの作業を自社で行う必要がありません。明細の自動取得と仕訳候補の登録で入力の手間を減らせば、締め作業に向けた確認の時間も確保しやすくなるでしょう。

    弥生会計

    弥生株式会社
    《弥生会計》のPOINT
    1. かんたん取引入力と質問形式設定で初心者も迷わない
    2. 銀行・カード明細やレシートを自動取込しAIで自動仕訳
    3. インボイス制度と電子帳簿保存法の要件に即応

    弥生株式会社が提供する「弥生会計」は、デスクトップ環境で安定して動作するインストール型の会計ソフトです。専用のクラウドストレージ「弥生ドライブ」にデータを保存・共有でき、会計事務所など社外の関係者とデータを受け渡す際に活用できます。「スマート証憑管理」を使えば、受領した証憑がインボイスの要件を満たすかを自動判定し、電子帳簿保存法の要件を満たした形式で保存可能です。2台同時利用やネットワーク環境での運用に対応したラインアップもあり、利用人数にあわせて選べます。

    ツカエル会計オンライン (株式会社ジョブカン会計)

    《ツカエル会計オンライン》のPOINT
    1. インストール不要!インターネットがあればどこからでもアクセス
    2. 複数タブ起動で複数帳簿を一括操作!
    3. 複数メンバーで同じ帳簿を同時に操作・閲覧可能!

    エプソンの財務会計 (セイコーエプソン株式会社)

    《エプソンの財務会計》のPOINT
    1. 伝票・帳簿・仕訳入力など複数の入力方式を選べ初心者にも対応。
    2. クラウドで会計事務所と最新データを共有し柔軟に連携。
    3. AI-OCRや口座連携で入力作業とミスを大幅削減。

    まとめ

    会計ソフトの運用を安定させるには、入力や締めのルールを文書にまとめ、複数の担当者で回せる体制を作ることが出発点です。そのうえで、締め後の入力制限や承認、操作ログで内部統制を支え、電子帳簿保存法に沿った保存手順を整えましょう。税制改正への更新やバックアップも運用の一部です。運用体制にあう会計ソフトを比べたい方は、資料請求を活用してください。

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