【比較表】建設業向け会計ソフト一覧
建設業向け会計ソフトには、日々の仕訳や決算業務を効率化する汎用型から、工事台帳や工事別原価管理など建設業特有の業務に対応した製品まであります。企業規模や用途、建設業向け機能、提供形態などを比較し、自社に適した製品を確認してみましょう。
| 製品名 | おすすめの企業・用途 | 建設業向けの主な特徴 | 提供形態 | 参考価格 |
|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド会計 | 会計業務を効率化したい 一人親方・小規模~中小企業 | プロジェクト単位での管理や クラウドでの会計業務効率化 | クラウド SaaS | 2,480円~ |
| MJSLINK DX 財務大将 | 管理会計を強化したい 中小・中堅建設会社 | 建設工事業特有の会計基準に対応 プロジェクト別の分析も可能 | オンプレミス クラウド | お問い合わせください |
| 建設大臣NX | 工事台帳・原価管理まで行いたい 建設会社 | 工事台帳・出面管理・共通費配賦 経営事項審査にも対応 | クラウド パッケージソフト | お問い合わせください |
| PCA会計DX | 会計・予算管理を効率化したい 中小・中堅企業 | 部門・科目別の管理会計や 予算管理・分析に対応 | パッケージソフト | お問い合わせください |
| スイート建設会計 Ver.2 | 工事別の原価・収益を 細かく管理したい建設会社 | 工事別原価・収益管理や台帳作成 間接費の自動配賦に対応 | クラウド | お問い合わせください |
会計業務そのものを効率化したい場合は、汎用型も選択肢になります。一方、工事台帳の作成や工事別原価管理、建設業特有の会計処理まで一元化したい場合は、建設業向け機能が充実した製品がおすすめです。
必要な機能や料金は製品によって異なるため、気になる製品があれば複数の資料を取り寄せ、工事台帳・原価管理・既存システムとの連携可否などを比較してみましょう。
建設業向け会計ソフトを徹底比較
ここからは、比較表で紹介した建設業向け会計ソフトについて、機能や特徴を詳しく紹介します。自社の企業規模や、工事別原価管理・工事台帳など必要な機能を踏まえて比較してみてください。
マネーフォワード クラウド会計
- 自動入力・自動仕訳で会計業務がどんどんラクに
- 法人運営に必要な12のサービスを基本料金内で利用可能
- 無料のメールサポートや有人チャットサポートで初心者も安心
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド会計」は、会計業務の効率化を支援するクラウド型サービスです。銀行口座やカード、決済サービスと連携し明細を自動取得、学習機能付きの自動仕訳で入力作業を削減します。損益計算書や貸借対照表も自動作成でき、複数拠点でのデータ共有も可能。さらに法改正への対応は無料アップデートで行われ、他社会計ソフトからの移行もスムーズに行えます。
「マネーフォワード クラウド会計」は、日々の会計業務を効率化したい一人親方や小規模~中小規模の建設会社におすすめです。
MJSLINK DX 財務大将
- 管理会計機能が充実し、オプションが豊富な財務システム
- 多彩なモジュールと豊富なオプション
- 建設工事業、公益法人等の業種特有の会計基準にも対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「MJSLINK DX 財務大将」は、会計業務を効率化し経営判断を支援する財務会計システムです。AI仕訳や監査支援で入力・チェックを自動化し、正確性と省力化を実現。フレキシブルなマスタ設計により幅広い業種に対応し、管理会計と制度会計の両立も可能です。さらに部門・プロジェクト別の分析やシミュレーション機能、電子帳簿保存法対応、Excel連携やワークフロー機能を備え、経営管理の高度化を後押しします。
「MJSLINK DX 財務大将」は、日々の会計処理だけでなく、工事や部門ごとの会計データを経営判断に活用したい中小・中堅建設会社におすすめです。
建設大臣NX (応研株式会社)
- 振替伝票入力で工事台帳・経理帳票を同時出力
- 出面管理・共通費配賦など建設特有業務に対応
- 経営事項審査や進捗管理機能を搭載
PCA会計DX (ピー・シー・エー株式会社)
- 仕訳入力と同時に元帳・試算表へ自動集計
- 多彩な予算管理・分析機能を提供。
- 部門・科目別に最大3階層の管理会計が可能。
スイート建設会計 Ver.2 (株式会社フォーラムエイト)
- 工事別の原価・収益管理と台帳作成に対応
- 間接費の自動配賦と仕訳起票で原価管理を効率化
- 給与計算から会計・人事まで一連の業務を自動連携し効率化
勘定奉行iクラウド[建設業編]
「勘定奉行iクラウド[建設業編]」は、オービックビジネスコンサルタントが提供する建設業向け会計ソフトです。工事原価管理に特化しており、仕訳入力や会計帳票、債務管理、内部統制など幅広い業務をカバーします。クラウド型とオンプレミス型の両方に対応し、既存の勘定奉行シリーズとも連携可能。複数部門での情報共有や業務効率化をスムーズに実現できる点が大きな特徴です。
「勘定奉行iクラウド[建設業編]」は、工事原価管理を含め、建設業特有の会計処理を効率化したい企業におすすめです。
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建設業向け会計ソフトの特徴
建設業向けに設計された会計ソフトは、業界特有の課題を解決し、経理担当者の負担を軽減する機能が充実しています。実際に紹介している製品には、以下のような特徴があります。
- ● 工事ごとの収支や進捗を管理できる工事台帳機能・プロジェクト別管理機能を搭載
- ● 自動仕訳やAI仕訳、入力補助機能により経理業務を効率化
- ● 財務諸表や会計レポートを作成し、経営判断に必要な情報を把握しやすい
- ● クラウド型・オンプレミス型など、自社の運用環境にあわせて選択できる
- ● 電子帳簿保存法などの法制度への対応を効率化できる
- ● 原価管理システムなど他システムと連携し、二重入力を削減できる製品もある
建設業界の会計業務が複雑化している理由
建設業の会計業務は、一般企業と比べて独自の要素が多く、処理が複雑になりやすいのが特徴です。ここでは、複雑化の背景について詳しく解説します。
着工から完成が長期
建設業では、建物や施設の規模が大きくなるほど工期が長期化する傾向にあります。そのため、売上や原価を「工事完成時にまとめて計上する」か「進捗に応じて分割して計上する」かといった会計基準の選択が必要になります。工期が長引けば長引くほど仕訳や管理の手間が増え、会計処理は複雑になりやすい傾向です。
建設業特有の勘定科目を使用
一般的な会計業務では使われない、建設業特有の勘定科目が存在します。例えば「未成工事支出金」「完成工事高」「完成工事未収金」などです。これらの科目は建設業に精通していないと理解しづらく、担当者に大きな知識と経験が求められます。その結果、業務の属人化や効率低下を招きやすいのが課題です。
複数現場の同時進行
建設会社は複数の工事現場を同時に進めるケースが少なくありません。各現場ごとに収支や進捗を管理する必要があり、遅延や変更が発生するとその分処理も複雑化します。現場数が増えるほど、会計担当者の負担は大きくなり、専門知識なしでは正確な業務遂行が難しくなります。
建設業向け会計ソフト導入のメリット
建設業の会計業務における課題を解決し、効率的に管理するために役立つのが「建設業向け会計ソフト」です。ここでは、導入によって得られる主なメリットを解説します。
工事現場ごとに会計処理ができる
建設業向け会計ソフトは、プロジェクト単位での管理に対応しているのが特徴です。工事名や請負金額を登録して現場ごとの収支を記録できるため、複数現場を同時に進めていても状況を整理しやすくなります。工事台帳や現場ごとのデータ管理機能を活用すれば、進捗や収益を一目で把握でき、的確な経営判断につながります。
複雑な勘定科目をわかりやすく処理できる
「未成工事支出金」や「完成工事高」など、建設業特有の勘定科目は一般企業の会計にはないため、経理担当者にとって負担になりがちです。建設業向け会計ソフトであれば、勘定科目があらかじめ組み込まれており、自動起票や入力補助機能によってスムーズに処理できます。入力ミスを防止する仕組みや、リモートサポートを備えた製品もあるため、安心して業務を進められます。
属人化を防ぎ業務効率化につながる
建設業の会計業務は専門知識に依存しやすく、担当者が限られてしまうと属人化のリスクが高まります。会計ソフトを導入すれば、直感的に操作できる画面設計や自動レポート作成機能によって、経験の浅い社員でも正確に処理できるようになります。これにより特定の人に業務が集中するのを防ぎ、組織全体の業務効率化を実現できます。
なお、建設業に限らず会計ソフトのメリットを知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
「汎用型」と「建設特化型」の違い
建設業で利用できる会計ソフトは、大きく「汎用型」と「建設特化型」に分けられます。それぞれ対応できる業務範囲や費用が異なるため、自社が会計ソフトでどこまで管理したいのかを明確にしたうえで選びましょう。
| 項目 | 汎用クラウド型 | 建設特化型 |
|---|---|---|
| 代表的な製品 | マネーフォワード クラウド会計、freee会計 など | 建設大臣、勘定奉行(建設業編) など |
| 価格 | 比較的抑えやすい | 汎用型より高額になる傾向 |
| メリット | ・導入コストが低い ・場所を選ばず利用できる ・アップデートが自動 | ・建設業特有の機能が標準搭載 ・複雑な原価管理に対応 ・JV(共同企業体)会計などにも対応 |
| デメリット | ・建設業の専門機能は限定的 ・原価管理には別アプリとの連携が必要な場合がある | ・導入コストが高い ・オンプレミス型が多い(クラウド型もある) |
安価で手軽に導入しやすいのが汎用クラウド型のメリットです。一人親方や小規模事業者など、日々の仕訳や請求、決算業務を中心に効率化したい場合は、汎用型でも十分対応できるケースがあります。
一方、複数の工事を同時に進めており、工事台帳の作成や工事別原価管理、建設業特有の勘定科目への対応まで一つのシステムで行いたい場合は、建設特化型がおすすめです。工事ごとの収支や進捗を細かく把握できるため、原価管理や経営状況の分析にも活用できます。
ただし、「建設業向け」とされる製品でも、工事台帳や原価管理、経営事項審査、JV(共同企業体)会計などへの対応範囲は異なります。自社に必要な機能を整理したうえで、複数製品の資料を取り寄せて比較すると選びやすいでしょう。
建設業向け会計ソフトと原価管理システムの違い
建設業では、会計ソフトとあわせて原価管理システムが利用されるケースもあります。どちらも工事にかかわる金額を扱うため混同されやすいものの、主な役割は異なります。
会計ソフトは、仕訳入力や帳簿作成、決算処理など会社全体の会計業務を効率化するためのシステムです。建設業特化型の製品であれば、未成工事支出金や完成工事高など建設業特有の勘定科目への対応に加えて、工事台帳や工事別収支を管理できる場合もあります。
一方、原価管理システムは、材料費・労務費・外注費・経費などを工事ごとに集計し、工事の採算を管理することを主な目的としたシステムです。実行予算と実際に発生した原価を比較し、工事途中でも利益を把握しやすくなるため、原価超過の早期把握にも役立ちます。
そのため、仕訳や決算を中心に会計業務全般を効率化したい場合は会計ソフト、工事ごとの原価や利益をより詳細に把握したい場合は原価管理システムが適しています。両方の機能が必要な場合は、建設業向け会計ソフトに必要な原価管理機能が備わっているか、または既存の原価管理システムと連携できるかを確認しましょう。
建設業向けの原価管理システムについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
建設業向け会計ソフトの選び方
建設業向け会計ソフトは多くの製品があり、機能や価格、サポート体制もさまざまです。ここでは、導入前に確認しておきたい選び方のポイントをわかりやすく解説します。
- ●建設業特有の勘定科目に対応しているか
- ●企業規模(一人親方・中小・中堅)に適しているか
- ●クラウド型かオンプレミス型か
- ●既存の他システムと連携できるか
- ●直感的な操作ができるか
建設業特有の勘定科目に対応しているか
建設業の会計処理では、「未成工事支出金」や「完成工事高」など、一般企業では使わない勘定科目を扱います。ソフトがこうした勘定科目に対応していないと、仕訳が複雑化したり追加作業が必要になったりします。
製品紹介ページやマニュアルに「建設業特有の勘定科目に標準対応」と明記されているかを確認しましょう。導入前にデモやトライアルで、実際に科目が登録できるか操作してみるのも有効です。
企業規模(一人親方・中小・中堅)に適しているか
一人親方や小規模事業者と、複数の工事を同時に管理する中小・中堅建設会社では、会計ソフトに求める機能が異なります。
- ■一人親方・小規模事業者の場合
- 日々の仕訳や請求・確定申告を効率化できるクラウド会計ソフトが候補です。工事件数がそれほど多くなければ、一般的な会計ソフトとExcelや原価管理ツールを組み合わせる方法もあります。
- ■中小・中堅建設業者
- 工事別原価管理や工事台帳、部門別・現場別の収支管理などが重要です。複数現場を並行して管理する場合は、建設業向けの機能を備えた会計ソフトを中心に比較しましょう。
クラウド型かオンプレミス型か
会計ソフトにはクラウド型とオンプレミス型があり、それぞれ特徴が異なります。クラウド型はインターネット環境があればどこからでもアクセスでき、複数の現場からの利用やリモートワークに適しています。
一方、オンプレミス型は自社サーバにインストールして利用するため、セキュリティ面の安心感があります。自社の規模や利用環境に合わせて選びましょう。
既存の他システムと連携できるか
原価管理システムや販売管理システムなど、建設業では複数の業務システムを利用するケースが一般的です。会計ソフトがこれらと連携できると、データを二重入力する手間が省け、業務効率が大幅に向上します。導入前に、利用中のシステムとの互換性を確認しておくことが重要です。
直感的な操作ができるか
建設業界では、経理担当者が必ずしも会計ソフトに精通しているとは限りません。そのため、画面がわかりやすく直感的に操作できるかどうかも大切なポイントです。仕訳入力の補助機能や自動レポート作成機能があると、専門知識が少ない人でも扱いやすくなり、属人化の防止にもつながります。
建設業に限らず会計システム全般の選び方を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
建設業向け会計ソフトに関するFAQ
建設業向け会計ソフトについてよくある疑問をまとめました。一般的な会計ソフトとの違いや工事台帳への対応など、製品選定前に確認しておきたいポイントを紹介します。
Q1:建設業では一般的な会計ソフトでも利用できますか?
一般的な会計ソフトでも、仕訳入力や帳簿作成、決算など基本的な会計業務には対応できます。そのため、一人親方や小規模事業者など、工事ごとの詳細な原価管理を必要としない場合は汎用型の会計ソフトでも対応できるケースがあります。
ただし、建設業では「未成工事支出金」「完成工事高」など特有の勘定科目を使用するほか、工事ごとの原価や収支を管理する必要があります。工事台帳や工事別原価管理まで会計ソフト上で行いたい場合は、建設業特化型の製品を選ぶとよいでしょう。
Q2:一人親方や小規模事業者にはどのような会計ソフトがおすすめですか?
一人親方や小規模事業者で、主な目的が日々の記帳や請求、確定申告などであれば、比較的低コストで利用できるクラウド型の会計ソフトが候補になります。銀行口座やクレジットカードとの連携、自動仕訳などに対応した製品を選べば、経理作業の負担を軽減できます。
一方、工事件数が多い場合や、工事ごとの材料費・外注費・労務費などを細かく管理したい場合は、工事別原価管理に対応した建設業向け会計ソフトや原価管理システムも含めて比較しましょう。
Q3:建設業向け会計ソフトで工事台帳を作成できますか?
建設業向け会計ソフトのなかには、工事台帳を作成できる製品があります。工事ごとに請負金額や材料費、労務費、外注費などを集計できるため、各工事の原価や収益を把握しやすくなります。
ただし、工事台帳で管理できる項目や原価の集計方法、帳票の種類などは製品によって異なります。現在使用している工事台帳と同じ項目を管理できるか、導入前に資料やデモで確認することをおすすめします。
Q4:建設業向け会計ソフトと原価管理ソフトの違いは何ですか?
会計ソフトは、仕訳や帳簿作成、決算など会社全体の会計処理を行うことが主な目的です。一方、原価管理ソフトは、工事ごとに材料費・労務費・外注費などを集計し、予算と実績を比較して採算を管理することを主な目的としています。
建設業向け会計ソフトのなかには原価管理機能を備えた製品もあります。会計処理と工事原価管理を一元化したい場合は、どこまで原価管理できるかを確認して製品を選びましょう。
Q5:建設業向け会計ソフトの費用はどのくらいですか?
建設業向け会計ソフトの費用は、提供形態や搭載機能、利用人数などによって異なります。一般的なクラウド会計ソフトは月額制で導入しやすい製品が多い一方、工事原価管理や工事台帳などの専門機能を備えた建設業特化型では、初期費用や導入支援費用が発生する場合があります。
価格だけで判断せず、必要な機能が標準搭載されているか、オプション費用やサポート費用を含めて総額で比較することが大切です。複数製品の資料を取り寄せ、機能と費用のバランスを確認するとよいでしょう。
まとめ
建設業の会計業務は、長期工期や複数現場の同時進行、特有の勘定科目の存在などにより複雑化しやすいのが特徴です。こうした課題を解決するには、自社の業務に適した会計ソフトの活用が有効です。企業規模や必要な機能、提供形態、既存システムとの連携性などを確認し、自社に合う製品を選びましょう。
建設業向け会計ソフトは、製品によって工事台帳や原価管理への対応範囲、料金などが異なります。気になる製品があれば、複数の資料を取り寄せて機能や費用を比較してみてください。



