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雇用保険制度の改正内容について【2020年8月労務ニュース】

2023年04月10日 最終更新

雇用保険制度の改正内容について【2020年8月労務ニュース】

新型コロナウイルス感染症に関する情報が毎日のように流れていますが、その間に埋もれていた雇用保険関係の法改正情報をお伝えします。また、会社から休業手当を受けることができない労働者向けの個人給付制度が7月よりスタートしましたので解説します。

今月も、人事・労務担当者に向けた役立つ情報をコンパクトにお届けします。

この記事は2020年8月時点の情報に基づいて編集しています。

雇用保険制度の改正内容

新型コロナウイルス感染症に関する情報ばかりが取り沙汰されています。その中で、雇用保険関係でいくつか注目の法改正情報があります。以下改正の概要を説明します。

参考:雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要|厚生労働省

参考:雇用保険法|電子政府の総合窓口(e-Gov)

育児休業関係

まずは、育児休業関係の法改正です。最近では、男性が育児休業を取得することも増えてきたため、注目の法改正といえます。

(1)育児休業給付の独立

育児休業給付について、失業等給付から独立することになりました。今まで、育児休業給付は失業等給付の一種である「雇用継続給付」に分類されていました。それは、「育児でキャリアを中断させないための雇用の継続を目的とした給付」という位置付けでした。

しかしこの度、景気の影響を受けやすい失業等給付と切り離し、育児休業給付を明確に区分することになりました。この独立には、雇用保険財政を透明化する狙いがあるようです。(令和2年4月施行)

育児休業給付の独立

(2)給付率の変更

現行では以下のような給付率になっています。

育休開始から6か月以内
休業開始時賃金×支給日数×67%
育休開始から6か月経過後
休業開始時賃金×支給日数×50%

しかし、今後は80%までアップさせることが検討されています。

育児休業取得から6ヶ月間の給付率が67%から80%に変更されると、給付中は社会保険料などの支払いが免除されるため、実質的には休業前の手取り額とほとんど変わらない額の育児休業給付を受け取れることになります。

実質的な収入減とならない制度を整えることで、今後も男性の育児休業の取得率アップを目指していく予定といえるでしょう。給付率について今後の政府からの情報に注意していきたいところです。

給付率の変更

高齢者雇用関係

高年齢者雇用関係では次のような改正が予定されています。

  • 1.65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置(定年引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、労使で同意した上での雇用以外の措置(継続的に業務委託契約する制度、社会貢献活動に継続的に従事できる制度)の導入のいずれか)を講ずることを企業の努力義務にするなどの改正。 (令和3年4月施行)
  • 2.雇用保険制度において、65歳までの雇用確保措置の進展等を踏まえて高年齢雇用継続給付を令和7年度から縮小するとともに、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置の導入等に対する支援を雇用安定事業に位置付ける。(令和7年4月施行・令和3年4月施行)

難しい言葉が並んでいますが、簡単に要約すると「今まで65歳までの雇用確保措置だったものが、段階的に70歳まで雇用確保を求めるものに変わっていく」ということになります。 企業は、これらの情報を踏まえた労務管理体制を考えていく必要がありそうです。

休業支援金・給付金とは

新型コロナウイルス感染症の影響で休業を余儀なくされた中小企業の労働者の中で、休業中に休業手当を受けることができなかった人に対して、労働者本人が直接申請できる給付金制度が始まりました。事業主も「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」の概要を理解しておきましょう。

給付の要件

主な要件については以下のとおりです。

■給付の対象となる労働者

令和2年4月1日から9月30日までの間に事業主の指示を受けて休業した中小企業の労働者(休業手当の支払いを受けていない者に限る)

■給付金の計算方法
  • ・休業前賃金日額 × 80% ×(各月の日数(30日又は31日)― 就労した又は労働者の事情で休んだ日数)

この「休業前賃金日額」とは、原則として過去6ヶ月の賃金(諸手当を含む総賃金)のうち任意の3ヶ月を選んで合計し、90で割って計算します。ただし、この休業前賃金日額は11,000円を上限とします。

■給付金の申請方法

原則として郵送します(オンライン申請も準備中)。また、事業主を通じてまとめて申請することも可能です。

■給付金の申請方法

申請書、支給要件確認書に加えて、運転免許証など本人確認書類、通帳の写し、給与明細などを揃えます。

支給要件確認書とは、事業主の指示による休業であることなどの事実を確認するものです。事業主及び労働者それぞれが記入の上、署名します。事業主の協力を得られない場合は、事業主記入欄が空欄でも受付されますが、この場合労働局から事業主に連絡があります。

給付についての注意点

以下、2点に注意しましょう。

  • ・休業中の法定未満(平均賃金の6割未満)の休業手当受給を含め、休業手当を受けている場合は、この支援金・給付金の対象とはなりません。
  • ・会社として雇用調整助成金を申請している場合でも、休業手当が支払われていない労働者は支援金・給付金の支給対象となります。

参考:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(概要)|厚生労働省

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