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結局、ナーチャリングは何から始めればいいの?【ITトレンドEXPO 2021 summer セッションログvol.2】

結局、ナーチャリングは何から始めればいいの?【ITトレンドEXPO 2021 summer セッションログvol.2】

近年、Webマーケティングの重要さが再度注目を浴びています。特に“ナーチャリング”はとても大事な要素ですが、正しく理解し活用できている企業は少ないかもしれません。本セッションでは、マーケティングオートメーションツールを提供するベンダー2社が、ナーチャリングの基本と取り組み方について徹底解説します。

※本記事は2021年7月9日~11日にITトレンド主催で開催された「ITトレンドEXPO 2021 summer」のセッションを一部抜粋・編集しお届けします。

登壇者プロフィール

Mtame株式会社 取締役
田中 次郎 氏

2008年スターティア株式会社に入社し、Webサイトのソリューション営業を開始。その後スターティアラボの立ち上げに参画し、電子ブック作成ソフト・ARソフトの新規営業チームを受け持つ。大阪支店長を経て2015年に東京本社へ戻り、アカウントベースドマーケティングのMG兼、新商材の立ち上げを担う。現在は「BowNow」の商材責任者 兼 取締役として事業部全体のマネジメントをおこなう。

株式会社Innovation & Co. 取締役
内田 雅人 氏

2010年に株式会社イノベーション入社。2019年に株式会社Innovation & Co.の取締役に就任。現在、MAツール「List Finder」、セール支援ツール「Sales Doc」の事業責任者を担当。

そもそもマーケティングってどんなもの?

株式会社Innovation & Co. 内田 雅人 氏(以下、内田):
マーケティングという言葉は非常に広い意味合いで使われる言葉ですので、少し整理してみましょう。まず、広義にはいわゆる4P(Product・Price・Place・Promotion)、つまりサービス作りや値決め、流通、販売促進を指します。

一方、狭義のマーケティングは販売促進・販売活動を指す言葉として使われます。今日僕らがお話ししたいのは狭義のマーケティングについてです。さらに細かい話は、ぜひ田中さんからしていただきたいと思います。

Mtame株式会社 田中 次郎 氏(以下、田中):
先ほどナーチャリングの話が出ましたが、これは狭義のマーケティング(販売促進・販売活動)のプロセスです。では、売上につながる商談を増やしていくという観点から、マーケティングについてお伝えしていきます。

マーケティングのプロセスは大きく「リードジェネレーション(顧客の創出)」「リードナーチャリング(顧客の育成)」「リードクオリフィケーション(顧客の選別)」に分けられます。まず顧客と接点を持つのがジェネレーション、次が今回のテーマであるナーチャリング、そして育成した顧客の中でも見込み度の高い顧客を選び出すクオリフィケーションです。この後は、営業部門に引き渡して商談・受注に繋げていきます。

BtoBでの具体的な活動例を挙げると、リードジェネレーションではSEOやSNSでWebサイト上にアクセスを集め、資料ダウンロードやセミナーを通じて顧客リストを得ます。そしてリードナーチャリングの段階では、メールマガジンなどのコンテンツで商品への理解を深めていただく。最後に、ある一定のレベルに達したと思う顧客を選び出し、営業部門にパスするという流れです。

なぜナーチャリングが大事になってきたのか?

内田:
経済学的な話をすると、モノが売れにくくなったからだと思います。高度経済成長期ってモノを作れば売れていたと思うんですが、今ではそんなことはないので、お客様を育てて適切なセールスタイミングを捉える活動が必要になったんじゃないかと思っています。

あと、デジタル技術の発展によってナーチャリング活動が可能になったことが一番大きんじゃないかと思います。

田中:
内田さんが仰る通り、作れば売れると言われていた時代はとうの昔に終焉していて、すぐに買いたいという「今すぐ客」は非常に少なくなっています。「今すぐ客」に出会えればすぐに売れるので理想的ですが、そもそも出会うのが非常に困難です。しかも、どの企業様にとっても「今すぐ客」は魅力的なので、競合が非常に多い。一方で「今は検討していないがこれから検討する」という潜在顧客層は数が多いです。

そして、これは僕も営業出身だから分かるんですが、今すぐ検討出来ない潜在顧客層には一生懸命営業できません。「検討は一年後です」と言われたら「もういいや」って思ってしまうんです。でも、ここを育成、ナーチャリングすることで後々利益につながる可能性がありますし、そのことがデータ上でも明らかになってきたというのがポイントかと思っています。

内田:
恐らく田中さんの会社もそうですし、僕らの会社も実際にナーチャリング活動によって受注額が増えるようになっています。

実際、うちの会社の営業が獲得する商談のうち約50%は、過去にアポ拒否受けているとか、過去に商談したけど失注で終わっている人からいただいていますね。反対に言えば、ナーチャリングをしていなかったら約半分の商談を失っていることになりますので、やっぱりナーチャリング活動は大事かなと思います。

田中:
うちも実は55%なんです。

内田:
やっぱりそれくらいになりますよね。皆さんも肌で感じたことはあると思いますが、急に検討し始めるケースって多いです。たとえば、あるお客さんと6ヶ月ぐらい前に商談したけれども「予算無いよ」と言われて失注したとします。

しかし、現時点では組織体系が変わって予算確保できてもう一度購買ニーズが高まっているということが結構頻繁にあるんです。なので、タイミングを上手に掴んで再商談につなげるのは何よりも大事ですし、これがデジタル技術の発展で実現可能になったのが一番大きいかなと思います。

田中:
仮に1万枚の名刺を持っていて、1万枚営業の手で人の手でやろうとすると、1万回コールしないといけないんです。その中で、購買ニーズが高くなっている企業様に巡り会えるのは奇跡的で、普通にやれば工数破綻しちゃいます。でも、テクノロジーの進化によって購買意欲の高そうな300人くらいに絞り込めれば、効率的に電話できるんですよね。

内田:
僕も営業畑出身なんですけど、商談と商談の間に、企業さんの近くの駐車場で名刺確認しながら端から電話していましたけれども。それで再検討して下さっているお客様に繋がる可能性って非常に低いので、非生産的です。今は、それを止めてもう少しツールに頼れるような世の中になっているのかなと思います。

「なんちゃってマーケティング担当者」が陥る罠

内田:
「なんちゃってマーケティング担当者」っていうのは、片手間でマーケティング担当者的なことをしなきゃいけない立場の人のことですね。実際営業担当なんだけど、誰もやる人がいないのでメール配信は担当している。僕らもそういうお客様からよくご相談をいただきます。田中さんの会社ではどうですか。

田中:
「なんちゃって」と言ったら失礼過ぎますけど、うちのクライアント様にも例があります。マーケ担当者が1名以下の会社さんが非常に多いです。1名以下というのは、兼務しているということです。営業さんが兼務していることもあれば「何かIT詳しそうだからお前やってみろ」みたいに社長から言われて始めるケースもあります。

そしてよくあるのが、「計画の作りすぎ」です。真面目な方ほど一生懸命計画作るんですが、そこに時間をかけすぎるのは得策じゃないと思っていて。正直、正攻法と言われている方法をまず試してみて、そこからPDCAを回して改善していくのが効率的かと個人的には思っています。僕らも1年がかりで計画して施策を行ったことがありますが、1年経つと世の中は変わっていて、状況も変わっているんですよね。ですので、やっぱりスピーディに動いてさらに深堀りしていくほうが良いと思います。

内田:
机上の空論にばかり時間を使って、実際何もしていないみたいなことも目にしますね。あとは、反対に「とにかくお客様に連絡取ればいいんじゃないか」みたいな思考に陥っている方も目にします。メルマガを片っ端から送りつけるとか、リストの上からひたすら電話をかけるような例ですよね。

計画しすぎるのもいけませんが、しなさすぎて粗い活動をするのも成果に結びつかなかったりします。そこは全体像を見ながら、いい塩梅を模索していただくのが良いかなと思いました。

田中:
2015年ぐらいからテレアポに対するネガティブな反応が非常に増えてきて、迷惑電話扱いされることが多くなったんです。そこから「電話がつながらないからメールを送ろう」と片っ端からメール配信する…というのは結局同じことをやっているだけなので、気を付ける必要があるなと改めて思います。

ズバリ、ナーチャリングはここから始めよう!

内田:
色んな施策やるというのももちろん大事ですが、セールス分野の人とマーケティング分野の人がコンセンサスを取るのがとても大事です。検討度合いの高そうな見込み度の高い顧客から確実に営業していくのが鍵で、これさえできていればPDCAは回っていきます。ですから、社内調整に時間をかけてでも、ここを見失わないようにしていただきたいなと思います。

田中:
「お客様との関係構築」ですね。お客様にポジティブに覚えてもらうために、ホームページ上やメールで配信するコンテンツをきちんと作らなければならないと思っています。

そして、お客様の反応を捉えることです。なにかのタイミングで検討レベルがいきなり上がることがありますよね。「社長が同業会社から『これ良いよ』って聞いたからうちも検討するんだ」と、いきなり検討フェーズにあがることもBtoBではあります。ですから、その瞬間をきちんと捉えるというのは非常に大事で、そのためにもホームページ上のコンテンツが重要になります。

メールだけでは反応が計測しきれないため、ホームページ上に検討してる人しか見ないような情報をちゃんと配置してあげて、見てくれている人をピックアップして営業につなげられると理想的なので。名刺のデータ化ももちろん必要ですし、コンテンツ作りも、どちらもやっていく必要があるなと思っています。

おわりに

田中:
マーケティングもナーチャリングもなんとなく難しそうだと思ってしまいがちですが、皆さんが成功しやすい流れ、正攻法はすでにあります。まずはそれを試していただいて、少しずつ自社用にチューニングしていくことが大事です。ですから、正攻法を理解していて、「こういう風にやったら良いですよ」とアドバイスできる、信頼できるベンダーや協力会社を見つけるのも非常に大事かなと思っています。

内田:
そうですね。中小企業でも、1名以下のマーケ担当者しかいない会社であっても、ナーチャリング活動はできるようになっています。今日登壇した2社が提供している商材も、月に数万円の規模から始めていただけるソリューションです。極論で言うと、僕らのプロダクトに関係のないことでも、なるべく営業現場は皆様のご相談に乗るというスタンスで営業の活動もさせていただいてますので、何かあれば、お気軽にご連絡いただきたいなと思っております。

ITトレンドEXPO次回もお楽しみに!

当日のセッションでは、登壇者が視聴者の皆さんからの質問にリアルタイムで答えてくれます。ぜひ次回のITトレンドEXPOへのご参加お待ちしております!(参加無料)
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