登壇者プロフィール
株式会社Innovation X Solutions 代表取締役社長
大塚 友広氏
2005年株式会社イノベーション入社、2007年起業、2017年Marketing-Robotics株式会社取締役、2019年株式会社ラフール執行役員、2021年株式会社Innovation X Solutions代表取締役社長就任。
(※所属・役職は登壇当時のものです。)
自社が商談数を約150%アップできたわけ
弊社はSalesDocというSaaSプロダクトを販売しています。2021年の受注数の推移を振り返ると、10月ー12月は1月ー3月と比較して150%増加しました。受注数は「商談数×受注率」なので、商談数を約150%アップさせながら、受注率を一定に維持しているということです。
なぜ、なかなか商談がしにくい時代に商談数を増加できたのか。弊社は、ウェブ上のお客様の行動を可視化できる自社ツールを活用しました。具体的には、営業資料をデータ化して分析しトレースしていくことによって、受け取ったお客様の行動に合わせたアプローチを行い受注に結びつける、という活動をしたのです。
営業資料というのは、名刺に次ぐ第二の営業ツールです。しかし、手渡ししたり、メールに添付してお送りしたりしても、その後どういう動きをしていたのか分からずブラックボックス化していますよね。そこを可視化できるようにしたのです。
顧客と連絡が取れない本当の理由とは
コロナ禍において「どれくらい顧客と連絡が取れなくなっているか」というアンケート結果(Japan Sales Report 2021,株式会社マツリカ)があります。顧客と連絡が取りづらくなったとか、顧客の状況把握が難しくなったという企業様は31.4%いました。これらの企業様の中で業績が向上した割合は19.1%です。一方で、売上が業績が悪化した割合は27.6%ですので、かなり差があるんですね。
業績が悪化してしまった企業は、顧客との連絡に課題を抱えていると考えられます。これは、顧客の購買行動の変化に対応できていないということではないでしょうか。買い手の状況は、さまざまな要因によって定期的に変わっていきます。組織が変わったり、認識が変わったりということだけでなく、特に今回はコロナ禍で、通勤できなくなったりとか、自宅で仕事をするようになったりという大きな変化がありました。在宅勤務で「ホームtoホームの営業」なんていう言葉が生まれたくらいです。
この変化に対応できないと、顧客と連絡が取れず、営業担当がどんどん疲弊してしまってアクション数が減ってしまうという負のサイクルが完成してしまいます。時代に合わせた営業手法を取り入れて、顧客の状況を把握していく必要があるのです。
顧客と連絡が取れない時代の営業戦略とは
まだまだ足で稼いだり、電話を使ったり、営業資料を持って訪問したりという企業様も多いのが現状だと思います。しかし、電話してもつながらない、つながっても「まだ検討していません」と言われてしまうとか、ひたすらリストの上から順にアプローチするしかない、ということは営業担当が疲弊する原因になってしまいます。
営業担当が本当にやりたいこと、やらなければいけないことは、必要としている顧客に必要としているタイミングで、必要としている情報を届けること。そして顧客の課題を解決することです。これはマーケティングの仕事でもあると思います。
ここから、弊社のテクノロジーを活用した成果を出すための仕組みづくりについてお話をします。顧客に連絡が取れない時代でも、最新のデータドリブンセールスを取り入れていくことで成果を上げることができます。データドリブンセールスとは、データを活用して営業活動の質を高めることで、具体的なアクションを3つに分けて紹介します。
見込み確度の高い顧客を見つけること
例えば新規獲得リード100件獲得できたとします。この100人全員に対して同じ営業リソースをかけてはいけません。顧客の検討度合いはさまざまですので、顧客の検討度合いに合ったアプローチをしていくことが大切です。
検討度合いの可視化は、自前でシステムを作ったり、マーケティングオートメーションツールを導入したりすることで可能です。もしくは弊社のSales Docを使うことでも実現できます。今回は、Sales Docを使うとどうなるかを例にして紹介します。
まず顧客にメールで営業資料を送ります。そうすると営業資料を送った後の顧客の行動を可視化することができるんです。どういう風に可視化できるかを詳しく説明します。
アウトバウンド経由で資料を送ったAさん。P1、P2、P3と書いてあるところは、ページの数を表しています。例えば今、4ページ目のところで少し上がっていっていますね。長い時間見ているというところが分かります。セミナー参加後に資料を送ったBさんに関しては、競合比較表のところで滞在時間が長くなっています。Cさんの場合は、ずっと低い位置で平らです。
Aさんは、製品を検討しているようなので早く接触しないといけませんね。Bさんに関しては、競合製品と比較している可能性があります。もうすでに他に何社か声をかけていて、比較用のツールとして弊社の検討しているのかもしれません。企業様のシステム導入の場合、検討段階で似たようなツールを複数調べて比較を行うことが多いですよね。
資料の閲覧情報の詳細がわかれば、比較検討度合いが高そうなAさんとBさんに架電回数を増やしたり、メール件名や本文を工夫したり、さらに会社情報を調べて具体的な提供メリットを提案する、補足の資料を送るという活動ができます。まずは商談を獲得してより具体的なコミュニケーションを取って、課題を洗い出していく必要がありますので、そこに持っていくためにどうするかという考え方で、アクションを行うのです。
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスといった組織を作っている企業様は多いでしょう。無駄な架電を減らしてより効率的なセールスに切り替えるためには、スキームを見直すことも必要かと思います。例えば、顧客の状況に応じて、インサイドセールスやフィールドセールスで持っている案件を、一度マーケティングチームに戻してしまうことなどの対応が必要です。
必要としているタイミングで連絡をすること
例えば、お客様から問い合わせが入った際に営業担当は「商談させてください」と連絡を入れるかと思います。そのとき「まずは資料を送ってもらってもいいですか?」と言われると、メール添付で資料を送りますよね。そこで後日「資料を見てもらいましたか?」と電話したら、「いや、まだなんですよ」と言われて、またかけ直すというパターンは、結構よくあることだと思います。このやり取りを繰り返していくと、営業担当者は疲弊して、追客をやめてしまいます。その結果、競合に負けてしまうということはよくあるのではないでしょうか。
Sales Docを活用すると、お客様が資料を見ているタイミングをアラートで知らせてくれます。例えば、A社のAさんにメールや資料を送った場合、閲覧してくれたタイミングで「今、A社のAさんが資料を見ていますよ」というのを営業担当が確認できるのです。お客様が資料を見ているタイミングは比較的時間に余裕があるときと考えられるので、営業担当の架電に対する心理的ハードルが大きく下がりますし、接触率も大幅に向上します。さらに閲覧している資料を元にトークができるのでアポイント率も大幅アップが可能です。例えば製品比較ページをたくさん見ているのであれば、「今、比較検討をされているんですか?」というお話もできます。事例を見ているお客様であれば、追加事例を挙げることもできるのです。
顧客のニーズに沿った提案をすること
顧客の閲覧状況に合わせて、トークや提案内容を変える例を詳しく紹介します。
価格プランや導入事例のところで滞在時間が長くなっている場合には「貴社に合った導入事例をご紹介させてください」とお話しします。競合比較表をよく見ているのであれば「実際のデモ画面で機能紹介させてください」といった案内が有効です。競合比較をしているということは、より具体的な情報を求めているんですよね。先程の例のCさんのように、ほとんど読んでいない方には、メールで製品の1分動画を送りより深く知ってもらうなどの打ち手があります。
さらに弊社はSales Docの機能を活用して営業資料の閲覧中にポップアップが出るようにしています。「相談を希望します」とか、「連絡を希望します」というボタンを押していただくようにしておけば、検討度の高い顧客からの商談を追客無しで獲得できるんです。
スケジュール管理ツールなどとの連携もできるようになっていますので、アポイントの獲得まで自動で行なえます。弊社の場合、お陰様でSales Docへのお問い合わせが増えているんですけれども、問い合わせ後に商談化した案件の20%がこのポップアップからのアポイント獲得となっています。
まとめ
社会の大きな変化によって、顧客と連絡が取りづらくなっている企業様は多いと思います。その一方で、業績が伸びている企業はこのような状況下であっても顧客との接点をつくったり、連絡をとったりする工夫をしています。つまり、顧客の購買行動の変化に対応することが必要です。情報を必要としている顧客に最適なタイミングで情報提供する仕組みづくりがとても重要なのです。さらに無駄なアプローチが減ることで、営業担当の疲弊も防ぐことができます。
弊社のツール「Sales Doc」を活用いただくと、顧客の行動を可視化できるので、最適なタイミングでアプローチを行うことが可能です。法人向けのプランと個人向けプランがあり、個人向けプランであれば月々980円で気軽に使えます。個人でセールスを行っている方やインセンティブ制度を導入している企業の営業部門の方などにもおすすめです。ぜひご検討いただけましたら幸いです。
Sales Docの公式サイトはこちら
https://promote.sales-doc.com/
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