契約書管理システムに連携性が求められる理由
契約に関わる業務は、営業や法務、経理など複数の部門にまたがって進みます。契約書管理システム単体で完結せず、周辺システムとの連携性が業務効率を左右する場面が増えています。
契約業務が複数システムに分散する背景
契約締結までの流れは、商談情報の登録から契約書の作成、承認、締結、支払管理まで複数の工程に分かれます。それぞれの工程で異なるシステムを利用している企業も少なくありません。
例えば、商談情報はCRMで管理し、契約書の作成や保管は契約書管理システムで行い、支払処理は会計システムで実施するといった形です。工程ごとにシステムが分かれるほど、情報を橋渡しする連携性の重要度が高まります。部門をまたいだ確認作業も増えやすく、担当者間の認識のずれにつながる場合もあります。
連携不足が生む二重入力や確認漏れ
システム同士が連携していない場合、担当者が同じ契約情報を複数のシステムへ手作業で入力し直す必要があります。入力の手間が増えるだけでなく、転記の際に誤りが生じる可能性もあります。
また、契約更新日や支払期日といった重要な情報が各システムで別々に管理されると、確認漏れが発生する場合があります。連携性を高めることで、情報の一元管理につながり、確認作業の負担を軽減しやすくなります。あわせて、更新通知や期日アラートを一箇所で把握できる体制を整えることも有効です。
電子契約サービスとの連携でできること
契約締結の手段として電子契約サービスを利用する企業が増えており、契約書管理システムとの連携性は選定時の重要な確認ポイントです。ここでは連携によってできることを整理します。
電子署名データを自動で取り込む仕組み
電子契約サービスと契約書管理システムが連携している場合、締結済みの契約書データや署名情報を自動で取り込むことができます。手作業でのアップロードが不要になり、登録の手間を減らせます。
連携の方式は製品によって異なり、APIを通じてリアルタイムに同期する形式や、一定間隔でデータを取り込むバッチ形式があります。導入前にどちらの方式かを確認しておくと、運用のイメージが立てやすくなります。
締結後の書類をシステム間で同期する流れ
契約が締結された後は、書類のステータスや保管場所を契約書管理システム側にも反映させる必要があります。連携性が高い組み合わせでは、この同期が自動で行われます。
一方で、連携範囲が限定的な組み合わせでは、締結後にステータスだけを反映し、書類本体は手動で移動させる運用になる場合もあります。連携の対象範囲がどこまで及ぶかを事前に確認することが有効です。取引先ごとに異なる電子契約サービスを利用しているケースでは、複数サービスへの対応状況もあわせて確認しておくと安心です。
グループウェアや会計システムとの連携範囲
契約業務は社内の承認フローや支払処理とも密接に関わります。グループウェアや会計システムとの連携性を確認することで、承認から支払までの流れを整理しやすくなります。
承認フローをグループウェアと共有する方法
契約書の承認をグループウェアの申請機能と連携させることで、契約書管理システム上で承認状況を確認できる場合があります。承認者が別々の画面を行き来する手間を減らせます。
連携の形式としては、承認結果をAPIで反映させる方式のほか、通知機能を通じて承認依頼を届ける方式もあります。自社で利用しているグループウェアとの対応状況を確認しておくと安心です。
支払管理を会計システムと結びつける方法
契約書に記載された支払条件や金額を会計システムへ連携できると、支払処理のための再入力を省ける場合があります。契約情報と経理情報を結びつける連携性は、経理部門の業務負担の軽減にも関係します。
ただし、対応する会計システムの種類は製品によって異なります。自社が利用している会計システムと連携実績があるかどうかを、導入前の比較段階で確認しておくことが重要です。連携が難しい場合でも、CSV形式でのデータ出力に対応していれば、部分的な連携を検討できることもあります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で契約書管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
CRMやワークフローシステムと連携する利点
営業活動や社内の申請業務と契約情報を結びつけることで、契約書管理システムの活用範囲が広がります。CRMやワークフローシステムとの連携性がもたらす利点を確認します。
商談情報と契約情報をCRMでひもづける方法
CRMで管理している商談情報と契約書管理システムの契約情報を連携させると、商談から契約締結までの経緯を一つの画面で確認しやすくなります。営業担当者が契約状況を把握する際の手間が減ります。
連携の実装方法としては、CRMのAPIを通じて契約ステータスを自動更新する仕組みが一般的です。連携できる項目の範囲は製品によって異なるため、必要な項目が対象に含まれているかを確認してください。
稟議や承認をワークフローシステムに統合する方法
契約締結前の稟議や社内承認をワークフローシステムで運用している企業では、契約書管理システムとの連携によって申請から契約書保管までを一続きの流れとして扱える場合があります。
連携によって、承認済みの契約書が自動的に契約書管理システムへ格納される仕組みを構築できることもあります。既存のワークフローシステムとの連携実績を確認し、導入後の運用を具体的にイメージしておくと良いでしょう。
API連携のしやすさを見極めるポイント
連携性を重視して契約書管理システムを選ぶ際は、API連携のしやすさを具体的に確認しておくことが有効です。仕様や実績を確認する観点を整理します。
API仕様や認証方式を確認する観点
API連携のしやすさを判断する際は、公開されているAPI仕様の情報量や、認証方式が自社のセキュリティ基準に適合するかを確認する必要があります。仕様が明確に公開されているほど、連携設計を進めやすくなります。
また、APIの呼び出し回数に上限が設けられている製品もあります。想定する利用規模に対して制限が支障にならないか、導入前に確認しておくことが重要です。
連携実績や拡張性を評価する観点
API連携のしやすさは、仕様書の内容だけでなく、実際にどのようなシステムとの連携実績があるかからも判断できます。自社が利用している電子契約サービスやCRM、会計システムとの連携実績があるかを確認してください。
連携実績が少ない組み合わせであっても、標準的なAPI仕様に対応していれば、個別に連携を構築できる場合があります。開発リソースを確保できるかどうかも、選定時にあわせて検討する観点です。将来的に利用するシステムが増えることを見込み、拡張しやすい構成を選んでおくと、後々の連携追加がしやすくなります。
周辺システムとの連携に強い契約書管理システム
ここでは、電子契約サービスや会計・経理システム、CRM、ワークフローシステムなど周辺システムとの連携を意識した機能を備える製品を紹介します。自社の業務フローに合う連携範囲を確認する際の参考にしてください。
TOKIUM契約管理
- 製本済みの契約書を非破壊でスキャン代行
- あらゆる電子契約サービスから自動取り込み
- AIが契約書の管理台帳を自動作成
株式会社TOKIUMが提供する「TOKIUM契約管理」は、契約書のスキャンやアップロードによってデータ化を行い、契約内容を台帳化して一元管理できるサービスです。契約更新日や解約期限などの重要日程をアラートで通知する機能を備えており、確認漏れの防止に役立ちます。また、経理・購買関連のTOKIUMシリーズをはじめとした他システムとの連携を想定した設計となっており、契約情報と関連する業務データを結びつけて管理したい企業に向いています。契約書の検索性を高めたい場合にも活用できます。
Contract One
- 契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
- Contract One内で生成AIを活用し、さまざまな部門の課題を解決
- 法改正への対応をサポート
Sansan株式会社が提供する「Contract One」は、契約書のスキャンやデータ化からステータス管理、検索までを一元的に行える契約書管理システムです。同社が培ってきた名刺管理サービスで培ったデータ化のノウハウを生かし、契約書内の情報を項目ごとに整理して管理できる点が特徴です。API連携にも対応しており、社内で利用しているCRMやワークフローシステムなど他のシステムと契約情報を結びつけて活用したい企業に適しています。契約状況を営業部門と法務部門で共有しやすくする用途にも利用されています。
マネーフォワード クラウド契約
- 法務相談-作成-申請-承認-締結-保存-管理までまるっとサポート
- 送信料・保管料がずっと0円。定額制のシンプルな料金体系
- 紙の契約書も電子契約もまとめて一元管理
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド契約」は、契約書の作成から締結、保管、更新管理までをクラウド上で行えるサービスです。同社が展開するマネーフォワード クラウドシリーズの会計・請求書発行サービスなどと連携できる点が特徴で、契約情報を経理業務や請求業務の流れに結びつけて管理しやすくなっています。契約締結後の支払管理や更新対応まで、周辺業務とあわせて効率化したい企業に向いているサービスです。
OPTiM Contract
- AIが契約書管理台帳を自動作成・契約期限を自動で通知!
- AI読取のカスタマイズ、AI要約、AI契約紐づけなど豊富なAI機能!
- Docuworks文書の保管やスキャンデータの全文検索にも対応!
株式会社オプティムが提供する「OPTiM Contract」は、AI-OCR機能によって契約書内の情報を自動で読み取り、台帳化できる契約書管理システムです。契約書の検索や更新期日の管理に加えて、API連携を通じて社内の他システムと契約データをやり取りできる構成になっています。既存の業務システムとの連携を検討しながら契約書管理の効率化を進めたい企業や、複数部門にまたがる契約情報を横断的に把握したい企業に活用されています。
楽々Document Plus
- 申請~締結・保管まで一気通貫!(電子契約サービス連携)
- 期限管理や(手書きOCR検索可)など豊富な機能でスマートに管理
- AI-OCRによる属性自動入力や、対話型QAのAI-Chatで業務効率向上
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、契約書をはじめとした社内文書を一元管理できる文書管理システムです。同社が展開するワークフローシステム「楽々Workflow」との連携に対応しており、契約の稟議・承認から文書の保管までを結びつけて運用できる点が特徴です。社内の承認フローと契約書管理を一体的に整備したい企業や、グループウェアとの連携を含めた業務全体の効率化を検討している企業に向いています。
Contract Eyes (株式会社ASU)
- 契約管理システム刷新で法務業務を高度化
- 契約管理システムを刷新
- 大企業が導入している。
NEXTDarwin (ネクストソリューション株式会社)
- 文書の部品化で作成・修正を効率化
- 自動組版で工数削減と品質安定化
- ウェブ完結で作成・承認、グループワークを支援。
ConPass (株式会社日本パープル)
- AIが契約管理項目を自動抽出し、入力の手間を削減。
- ワークフローで進捗を可視化。
- 検索、関連リンク、権限設定で安全かつ容易に探せる。
リコー ドキュメントライフサイクルサービスSelect (株式会社リコー)
- 紙文書の電子化と日々の文書スキャン。
- 電子化データをクラウドへ一括登録し共有。
- 耐震・耐火倉庫で原本保管と集配送に対応。
契約書管理システムに関するFAQ
連携性に関して寄せられる質問をまとめました。導入検討時の参考にしてください。
- Q1:電子契約サービスと連携できる契約書管理システムはどう選べばよいですか
- 自社で利用している、または導入を検討している電子契約サービスとの連携実績があるかを確認する方法があります。連携方式がAPI経由かファイル連携かによっても運用の手間が変わるため、あわせて確認すると良いでしょう。
- Q2:会計システムやCRMとの連携で失敗しないためには何を確認すべきですか
- 連携対象となる項目の範囲や、データの更新頻度を事前に確認することが有効です。連携が想定と異なると、結局は手作業での確認が必要になる場合があるため、実際の画面や連携範囲を導入前に確認しておくことをおすすめします。
- Q3:API連携がうまくいかない場合、原因は製品側にありますか
- 連携の不具合は、製品側の仕様だけでなく、接続先システムの設定や利用者側の設定に起因する場合もあります。原因を特定するには、両システムの担当者が連携してログや設定内容を確認することが有効です。
- Q4:連携機能の利用にあたって費用面で確認すべき点はありますか
- 連携機能が標準搭載か追加オプションかによって費用が異なる場合があります。API利用料が別途発生する製品もあるため、見積もりの段階で連携にかかる費用の内訳を確認しておくことが重要です。
まとめ
契約書管理システムを選ぶ際は、保管や検索の機能に加えて、電子契約サービスや会計システム、CRM、ワークフローシステムとの連携性を確認することが重要です。連携できる範囲やAPI仕様を具体的に比較し、自社の業務フローに合った製品を選ぶことで、契約業務全体の効率化につなげやすくなります。

