契約書管理における課題は?
契約書管理における課題を3つ見ていきましょう。
部署間での情報共有が困難
契約書は社内の複数の関係者が目を通すことになります。営業部はもちろん、総務部や経理部は契約内容の承認や決済手続きのために契約書が必要になるでしょう。したがって、契約書の情報は社内でスムーズに共有できなければなりません。
しかし、契約書は営業スタッフ個人が管理しているか、総理部や法務部がまとめて管理していることが少なくありません。これでは、契約書を確認するのに時間がかかってしまい、業務に支障をきたします。
一方、確認を容易にするために契約書の情報をコピーして関係部署が所有するのも不適切です。契約書の内容が変更されても、各部署が持つコピーには反映されないため、担当者が都度コピーを配布する手間がかかります。
セキュリティが不安
情報共有を円滑化しようとした場合、問題となるのがセキュリティです。契約書は機密情報であるため、関係者以外が閲覧できる状態にあってはいけません。また、関係者であっても、印刷や編集は安易に行われるべきではありません。紛失や情報漏えいを防ぐには、適切なアクセス制御・操作制限を施す必要があります。
更新手続きが大変
契約書には期限が設定されており、それは契約書ごとに異なります。つまり、膨大な数の契約書の期限を、すべて適切に管理する必要があるということです。
しかし、人力でそれらの情報を管理するのは困難です。たとえ可能でも、契約書が増えるにしたがって無理が生じるでしょう。担当者自身がすべて覚えておくのも、簡単なことではありません。万が一失念すれば、大きな損失につながる可能性もあります。
契約書管理における課題を解決するには?
では、上述した課題を解決するには、どうすればよいのでしょうか。
管理台帳を作成・管理する
契約書を適切に管理するには、管理台帳の活用が有効です。その方法を見ていきましょう。
管理台帳の作成
エクセルなどで管理台帳を作成することで、原本がなくても契約書の基本情報や保管場所の確認が可能になります。具体的には、以下の項目を記入しましょう。
- ■契約書分類
- ■契約名
- ■契約番号
- ■締結先名
- ■自社担当者名
- ■締結日
- ■契約開始・終了日
- ■自動更新の有無
- ■原本保管場所
これらの項目以外にも、頻繁に確認したい事項があれば、記入しておくとよいでしょう。
台帳登録と棚卸の実施
台帳を新規作成する場合は社内の契約書の情報をまとめる必要があります。棚卸により契約1件1件の情報を確認し、台帳に記入していきます。しかし、社内のすべての契約書情報をまとめるのは、膨大な手間がかかります。
そのため、期間や契約書の種類を絞って台帳に入力するとよいでしょう。また、前述した記入項目も、自社では不要と判断できるものがあれば省いても構いません。自社が必要とする情報を効率よくまとめ、確認できる状態にしておくことが大切です。
棚卸は1度行って終わりではありません。管理台帳の運用開始後も、登録漏れ等により、台帳と原本の情報に差異が生じることがあります。情報の相違を排除するため、定期的に棚卸をしましょう。
管理ルールの策定
適切に契約書の管理が行われるためには、管理ルールの策定が必要です。契約書を締結する際にどの段階で台帳に記入するのか、また承認ルートはどうするのかなどを定めます。特に大人数で運用する場合は、ルールの周知徹底が必要になるでしょう。
契約書管理システムを導入する
管理台帳はエクセルで作成するのが一般的です。しかし、エクセルではどんなに運用ルールを厳密に定めても、人為的なミスが発生する可能性が少なからず残ります。
そこで有効なのが、契約書管理システムです。具体的には製品によって異なりますが、以下のような機能・特徴で契約書管理の手間を大幅に削減します。
- ■直感的に記入できるフォーム
- ■契約書の期限通知
- ■電子化した契約書への円滑なアクセス
- ■承認ルートの設定
- ■アクセス・操作制限
- ■バーコードやタグによる台帳と原本情報の紐づけ
セキュリティリスクや棚卸の手間、更新忘れの可能性などを排除できます。不必要な操作はできないため、運用ルールを遵守させるのも簡単です。システムの導入には費用がかかりますが、生産性の向上により、メリットのほうが大きくなるでしょう。
契約書管理の課題を解決し、自社の業務効率を向上しよう!
契約書管理には以下の課題があります。
- ■部署間での情報共有が困難
- ■セキュリティが不安
- ■更新手続きが大変
これらの課題を解決する方法は以下のとおりです。
- 管理台帳の活用
- 契約書の情報を台帳にまとめ、運用ルールを策定することで、契約書に関する事務を円滑化。
- 契約書管理システムの導入
- 便利な機能を豊富に備えているため、原本や台帳の管理を効率化できる。
以上を踏まえ、自社の契約書管理の効率化を目指しましょう。