契約書管理規程とは
契約書管理規程とは、契約書の取り扱いや保管・管理方法をルール化したものです。
では、契約書管理規程の作成前に取り組むべき作業を見ていきましょう。
- 1.統括部門、担当者を決定する
- 契約書管理は各部門に分散させないようにしましょう。管理レベルに差が生じたり、部門の統廃合や担当者の異動が原因で業務が煩雑化したりする可能性があるためです。
- 2.契約書管理台帳を作成する
- 契約書管理で管理すべき項目を洗い出し、契約書管理台帳を作成します。
- 3.契約書の棚卸、台帳への入力
- 保管している契約書の内容を1件ずつ確認し、契約書管理台帳へ入力します。このとき網羅的に入力するのが理想ですが、契約書の量が多いと膨大な時間がかかります。そこで、契約書の量に応じ、優先的に入力する項目をあらかじめ決めておくと良いです。
1~3までの作業後、契約書管理規程を作成します。
契約書管理規程の決め方
契約書管理規程は、「発生→伝達→保管→保存→廃棄」といった契約書のライフサイクルに沿って作成されます。それぞれのフェーズの具体的な作業を解説します。
1.契約書の作成など「発生」に関する規定を決める
契約書を作成したり収受したりした際のルールを規定します。紙の契約書を取り扱う場合に決めておくべきルールは以下のとおりです。
- ■件名、作成者などの記載事項
- ■書式や文体
- ■件名のつけ方
- ■収受した際の保管場所やファイル名の付与方法、開封権限
2.回覧や配布など「伝達」に関する規定を決める
作成した契約書を回覧したり配布したりする際のルールを決めます。ルールの一例は以下のとおりです。
- ■契約書の承認フロー設定
- ■承認済契約書の処理方法(押印など)
- ■承認済契約書を社外へ発信する際の方法(郵送・メール・FAXなど)
- ■各発信方法における注意事項(パスワード設定・送り状など)
3.場所や取扱いなど「保管」に関する規定を決める
頻繁に閲覧する契約書などはオフィス内に保管し、そのルールを決めます。契約書の閲覧頻度や機密レベルに応じ、適切な方法で保管されなければいけません。一般的なルールは以下のとおりです。
- ■使用するキャビネットや格納場所に関するルール
- ■施錠方法や情報漏えい防止対策に関するルール
- ■コピーの取り扱い
- ■閲覧・アクセス権限
4.保有期限など「保存」に関する規定を決める
契約書といった文書は法令により保存年限が設けられています。したがって、それに基づき適切に保存する必要があります。また、契約書の形態により規定されるルールは異なります。形態別のルールは以下のとおりです。
- 【紙文書】
-
- ■保存場所
- ■使用する保管箱の種類
- ■保存箱へのラベルの貼り方
- 【電子文書】
-
- ■ファイルの種類
- ■スキャナの仕様や要件に関するルール
- ■保存するメディアの種類
- ■メディアの保管場所
紙・電子文書共に施錠や帳簿への登録、持ち出しや閲覧に関するルールを規定しましょう。
5.処分方法など「廃棄」に関する規定を決める
必要なくなった契約書は適切に廃棄しなければいけません。しかし、紙・電子文書で処理方法が異なるため、廃棄に関するルールを規定します。一般的なルールは以下のとおりです。
- 【紙文書】
-
文書レベルに応じた廃棄に関するルール(シュレッダー・溶解処理)
- 【電子文書】
-
- ■メディアの廃棄に関するルール
- ■サーバ上のデータ廃棄に関するルール
紙・電子文書共に、廃棄作業の証跡や保存年限を過ぎても残しておくべき重要な文書に関するルールなどを明記します。
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契約書管理規程を運用する際のポイント
契約書管理規程は、作成するだけでなく、正しく運用されなければいけません。運用が規程どおりでなかったり、社員への浸透が不十分だったりすると、情報漏えいなどのリスクが高まります。
社員全員への浸透を目指すには、実務に即しており、理解されやすい規程の作成を心がけましょう。そして運用過程で社員の声を拾い上げ、定期的にアップデートしていきましょう。
以下は具体的な取り組みの一例です。
- ■社内通達の活用
- ■社内SNSの利用
- ■研修の実施
- ■担当者への個別説明
契約書のライフサイクルに着目して管理規程を作ろう!
契約書管理規程とは、契約書の取り扱いや保管・管理方法をルール化したものです。規程は契約書のライフサイクルである「発生→伝達→保管→保存→廃棄」に沿って作成されます。
作成する際は分かりやすく理解されやすい内容にし、現場への浸透に努めることが大切です。実務に沿った契約書管理規程を作成し、契約書を適切に管理しましょう。