契約書管理システムとは?
契約書管理システム(契約書管理サービス)とは、契約書を電子保存し、整理・検索できるようにするシステムのことです。
契約書は、一度使用して終わりではありません。後で確認しなければならないこともあれば、新しい契約の締結や契約更新をする際の参考にしたい場合もあります。紙の契約書で保存している場合、探すのに時間と手間がかかるでしょう。一方、電子化してタグ付けすることで検索性を高めれば、目的の契約書を瞬時に検出することが可能です。
契約書管理システムは大きく分けて2種類ある
契約書管理システムには、クラウド型システムとオンプレミス型システムがあります。
クラウド型とは、インターネットを介してオンライン上で使用する形態のことです。基本的に初期費用は無料で、必要なのは月々のランニングコストのみなため、手軽に導入できます。
一方オンプレミス型とは、自社でサーバを用意しそこにインストールして使用するシステムのことです。自社ですべて管理しなければならない分コストはかかりますが、カスタマイズ性が高く、セキュリティ面で安心でしょう。
契約書管理システムのメリット・デメリット
契約書管理システム導入のメリットは、以下のとおりです。
- ■コストの削減
- 契約書を紙で取り扱う場合、印刷用の紙やインクの費用、郵送費などが発生します。また、膨大な紙の契約書を物理的に管理するための人件費や、保管用のキャビネットを用意するための費用などもかかるでしょう。さらに、契約書の種類によっては収入印紙も必要です。
一方、契約書管理システムで契約書を電子化すれば、印刷や郵送のコストも、物理的に管理するためのコストも発生しません。また、電子書面には印紙税がかからないため、収入印紙も不要です。
- ■業務の効率化
- 紙の書類は探す際に大きな手間がかかります。台帳で管理していても、そこから該当書類を探すのには大きな労力が伴うでしょう。また契約書管理台帳の記録と、実際の保管状況が一致しないトラブルも起こりがちです。しかし契約書管理システムを使用すれば、瞬時に目的の契約書を検索できます。期限管理などの機能もあり、契約書管理業務全体の効率化が期待できます。
デメリットは以下の通りです。
- ■導入コストがかかる
- 導入時にはコストが発生します。クラウド型であれば月々の利用料金、オンプレミス型であればサーバの用意などに多額の初期費用がかかります。支払う金額に見合うだけのメリットを得られるのかどうか、慎重に判断したうえで導入を決断しましょう。
- ■使いこなすまで時間がどうしてもかかる
- 契約書管理システムを活用すれば瞬時に契約書を検索できますが、使いこなすまでには時間がかかります。誰でも使いやすい、操作性に優れた契約書管理システムを導入しなければ、結局定着せずじまいになる可能性もあります。
契約管理システムとの違い
契約書管理システムと混在しやすい「契約管理システム」は、契約書管理システムの大元となるシステムのことです。そのため、契約管理システムと明確な違いがあるのではなく、契約管理システムの中に契約書管理システムがあると認識しましょう。
契約書管理システムは名称のとおり、契約管理の中にある「契約書」に特化したシステムです。「文書管理システム」と表現されることもあるため、自社内での分類が難しくなる場合の呼称としておすすめです。
関連記事
契約書管理システムの選定・比較ポイント
自社に適した契約書管理システムを選ぶには、どのような点に留意すればよいのでしょうか。システムの比較ポイントを紹介します。
必要な機能は何か
契約書管理システムには、書類の電子化や検索といった基本的な契約書管理機能は製品を問わず搭載されています。しかし、基本機能に加えて製品独自の機能もあります。システム選定時は、機能面を重視するのがポイントです。
目的別にわけて、以下のような機能があると便利でしょう。
- ■電子契約機能
- オンライン上での電子契約締結に活用したい場合におすすめ
- ■文書管理機能・データベース機能
- 契約書以外の文書も管理したい、文書の保管と検索を効率化したい場合におすすめ
- ■AI機能
- 契約書の分類や保管に手間がかかっている、自動で整理してほしい場合におすすめ
このほかにも、契約書を登録する際にコメントを付与できる製品もあれば、設定項目が豊富で高度な検索に対応しているシステムもあります。自社の場合はシステムにどのような役割を期待するのか、具体的にどのような機能があれば助かるのかを事前に洗い出してから選定しましょう。
サポート体制
トラブルの際、すぐにシステムベンダーと連絡が取れ、対処してもらえるかどうかも重要なポイントです。対応が遅れれば遅れるほどビジネスが滞り、チャンスを逃す可能性もあります。24時間対応やチャットでの問い合わせ受付など、ベンダーがどのようなサポート体制を整えているのか確認しましょう。
セキュリティ体制
契約書管理システムには、重要な契約書情報を登録します。そのため、システムのセキュリティが充分でなければ、大切な情報が社外に流出してしまうでしょう。
例えば、どの従業員でも自由に契約書へアクセスできる状態では、従業員による不正な持ち出しにより、情報漏えいの恐れもあります。また契約情報が改ざんされるなどして、ビジネスに損失をもたらすこともあるでしょう。こうした不正行為を防止する機能や、操作ログを保存・確認できる機能があれば、安心して契約書管理システムを使用できます。
\ 契約書管理システム の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求! 資料請求フォームはこちら 資料請求した製品の比較表が無料で作成できます
電子契約に対応している契約書管理システム
在宅勤務が普及する昨今、電子契約に対応しているシステムを導入すれば、さらなる業務効率化が見込めます。まずは電子契約に対応したおすすめの契約書管理システムを紹介します。
《MyQuick》のPOINT
- 悩ましい電子契約と紙契約の一元管理をシステム面でサポート
- 電子署名サービスと連携して締結、期限管理等の業務効率をアップ
- 重要な書類を守るセキュリティ対策・バックアップサービスも提供
ITトレンド2022年上半期ランキング1位
インフォコム株式会社の「MyQuick」は、ユーザー数無制限で契約書を締結・管理するシステムです。台帳の項目を柔軟に設定し、自由度の高い管理が実現します。また契約書の締結では、電子契約サービス「クラウドサイン」「GMOサイン」「ドキュサイン」と連携しています。契約書作成から締結、保管までさまざまなフェーズで活用できるでしょう。
価格 |
月額40,000円~ |
無料トライアル |
ー |
機能 |
更新漏れ防止のアラート/AIによる入力支援 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《ジンジャーサイン》のPOINT
- わかりやすいデザインと充実したサポート体制!
- ワークフローと契約書管理が一気通貫で利用できる!
- 従業員の組織データを活用した権限設定が可能!
jinjer株式会社の「ジンジャーサイン」は、Web上で契約業務を完結できる電子契約サービスです。在宅勤務における契約書締結も、使いやすく高セキュアな当システムを活用すれば、最短1分で契約書の送付が完了します。運用設計から導入・運用まで充実のサポートを受けられるのもポイントでしょう。
価格 |
月額10,000円~ |
無料トライアル |
〇 |
機能 |
フォルダ管理/ワークフロー/WEB契約締結/検索機能 |
製品・サービスのPOINT
- 累計契約送信件数1000万件超!※弁護士が監修した電子契約サービス
- 大手金融機関からスタートアップまで幅広い層の導入実績
- マニュアルなしで誰でも使えるシンプルなUI
弁護士ドットコム株式会社の「クラウドサインクラウド型電子契約」は、弁護士が監修したクラウド型電子契約書システムです。当システムに契約書をアップロードし送信するだけで、「電子署名」「タイムスタンプ」が自動で発行されます。またCRM・Webデータベース・iPaaS・ノーコード開発・RPAなど、豊富なサービスと連携しているのもポイントでしょう。さらに大手からスタートアップまで、累計導入社数は130万社以上を誇ります。
価格 |
月額10,000円~ |
無料トライアル |
〇 |
機能 |
電子署名+タイムスタンプ/高度な承認リクエスト機能/テンプレート作成・管理/英語・中国語での契約締結など |
製品・サービスのPOINT
- 契約書作成ー申請ー承認ー締結ー保存ー管理までまるっとサポート
- 紙の契約書も電子契約もまとめて管理
- わかりやすいデザインと定額制の料金体系で安心して使える
株式会社マネーフォワードが提供している「マネーフォワード クラウド契約」は、押印申請ワークフロー・電子署名・契約管理を一つにまとめた電子契約プラットフォームサービスです。ワークフローシステムが搭載されているので、社内の承認業務を効率化できます。またバックオフィス業務の効率化に精通している同社は、会計・労務・人事管理などさまざまなプロダクトとの将来的な連携を見込んで、総合的に支援します。
価格 |
月額2,980円~ |
無料トライアル |
〇 |
機能 |
電子署名/Adobe認定証明(AATL)/ワークフロー機能/承認者固定機能/進行状況の確認/契約書を一元管理など |
《電子印鑑GMOサイン》のPOINT
- 導入企業数No.1※ 導入企業数300万社以上
- 圧倒的なコストパフォーマンス
- フォルダ設定や閲覧制限など文書管理機能が充実
「電子印鑑GMOサイン」は、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供するクラウド型電子契約サービスです。1件当たり110円というコストパフォーマンスのよさと、充実した文書管理機能、さらにサポート体制のよさで、多くの企業に選ばれています。立会人型・当事者型の2つの署名タイプに対応しているのもポイントです。さらに月5契約まではフリープランを提供しているので、まずは使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。
価格 |
月額9,680円 フリープランあり |
無料トライアル |
ー |
機能 |
文書管理機能/多言語対応/署名機能など |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《DD-CONNECT》のPOINT
- 簡単導入で手間がかからずコストダウンを期待できます!
- 専任コンサルタントのノウハウで電子契約の確実な運用を実現!
- 法令に準拠でコンプライアンス強化にも
大興電子通信株式会社が提供する「DD-CONNECT」は、電子契約システム導入から運用・維持、アフターフォローまで一括してサポートするアウトソーシングサービスです。電子交換誓約書や個人情報取扱合意書、税務や行政関連の法的な手続きも代行してくれるのは、ほかにはないポイントでしょう。また導入前後のフォローも手厚いので、充実したサポート体制を求める企業におすすめです。
価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
機能 |
電子署名/文書登録/署名・承認依頼/スマートフォン対応など |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《Ofigo契約書管理Facil》のPOINT
- 大量の契約書を全社で一元管理、スムーズな情報共有をサポート
- 関連契約が一目で把握できる便利な紐付け管理機能を搭載
- 電子契約サービス「クラウドサイン」「Docusign」との連携機能
株式会社CIJの「Ofigo契約書管理Fácil」は、大量にある契約情報の管理をサポートするシステムです。契約書情報を一元化し、更新漏れなどのトラブルを防ぐために期限管理機能が充実しています。さらに自動メール通知などにより期限を知らせ、契約の適正な更新をサポートします。
価格 |
月額30,000円~ |
無料トライアル |
ー |
機能 |
電子契約サービス連携/期限管理 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
文書管理/データベースに活用しやすい契約書管理システム
続いて、契約書をシステムに取り込みデータベース化できるものや、文書管理システムとしても活用できる契約書管理システムを紹介します。
《LAWGUE》のPOINT
- 「非効率な作業」の徹底的排除で、業務効率化
- 自社ナレッジを「見える化」し、業務標準化と質の統一を達成
- 探したい⽂書はAIが⾃動的に「⾒つけてくれる」
FRAIM株式会社の「LAWGUE」は、契約書・規程・開示文書などの文書の作成・検索・レビューを効率化する、クラウド・ドキュメント・ワークスペースです。AIを搭載したエディタによる効率的な編集機能が特徴的で、欠落している文章のサジェストや、比較すべき文章の検出、修正すべきポイントの自動補正などが可能です。利用ユーザーからは、「契約書のドラフト作成を効率化し、0.5人/月の作業工数を削減できた」という声もあります。
価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
機能 |
データベース/独自AI搭載エディタ/AI条項検索/AIレビューアシストなど |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《SAVVY/EWAP》のPOINT
- 契約書を電子化してデータベース化
- 現物(紙)は原本として管理
- 状況把握が楽になり進捗チェックや漏れチェックの効率化を実現
ジップインフォブリッジ株式会社の「SAVVY/EWAP」は、多観点ツリーと全文検索機能により、社内の契約書情報を可視化できるシステムです。属性内容で分類・仕訳し、階層構造やファイルのメタ情報など活用した自動仕分け機能により、情報の検索が容易になります。充分なセキュリティを確保しつつ、欲しい情報へすぐにアクセスできる環境を整えてくれるのも安心につながるポイントです。
価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
機能 |
超高速全文検索エンジン/多観点ツリー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《CLOUD CABINET》のPOINT
- 電子化せずに、紙文書と電子文書をまとめて管理。
- API連携で、電子契約もカンタン自動連携。
- 契約書管理に必要なめんどうな作業もまるっとサポート。
寺田倉庫株式会社が提供する「CLOUD CABINET」は、紙文書と電子データを一元管理するハイブリッド型の契約書文書管理システムです。紙の書類を同社へ郵送すれば、倉庫での保管・出し入れ・スキャンなどを代行してくれます。預けた書類は一覧表示され、必要なもののみを選択してスキャンできるので、電子化にかかるコストも最小限に抑えられるでしょう。
価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
機能 |
書類保管/スキャン/電子契約サービスAPI連携 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《楽々Document Plus》のPOINT
- 申請~締結・保管まで一気通貫!(電子契約サービス連携)
- スピーディーな全文検索&ワークフロー機能も搭載
- 「うっかりミス」を防止!期限管理機能で契約更新をサポート
住友電工情報システム株式会社が提供している「楽々Document Plus」は、契約書の管理はもちろん、一般のオフィス文書やISO文書などさまざまな用途に活用できる文書管理システムです。作成日や契約先、契約種別などの属性を付与して管理でき、高性能な全文検索エンジンと高速ビューワで、検索や表示にも手間がかかりません。さらにワークフロー機能を搭載しているので、承認作業も効率化できます。
価格 |
1,500,000円~ |
無料トライアル |
ー |
機能 |
ワークフロー/電子契約サービス連携/期限通知など |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
AI機能搭載の契約書管理システム
契約書管理システムには、AIが自動で契約書の管理を行ってくれるものもあります。
《LegalForceキャビネ》のPOINT
- アップロードするだけで契約書の全文をテキストデータ化
- キーワードによる全文検索で必要な契約書が瞬時に見つかる
- 自動リマインドで更新期限の見落としを防止
株式会社LegalOn Technologiesの「LegalForceキャビネ」は、AIを活用した契約書管理システムです。契約書をスキャンしてPDF化したものから、自動で情報を抜き出しテキストデータとして保存します。また、全文検索に対応し情報を容易に探し出せます。さらにAIが契約書の更新期限を⾃動計算し、メールで通知してくれるので、期限の見落とし防止にも役立つでしょう。
価格 |
ー |
無料トライアル |
〇 |
機能 |
契約書一括アップロード/テキストデータの自動生成(OCR)/契約書情報の自動抽出(データベース化)/電子契約サービス連携/契約台帳のダウンロード/英語対応など |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《OPTiM Contract》のPOINT
- 初期費用不要で、月額9,980円からお手軽導入!
- 契約書をアップロードするだけで管理台帳を自動で作成
- 契約終了と自動更新の接近を自動通知
株式会社オプティム提供の契約書管理システム「OPTiM Contract」は、契約書をアップロードするだけでAIが自動で、契約書の管理台帳を作成します。スキャンした契約書はOCR処理で、テキストデータ化します。また契約終了前の通知や閲覧権限の管理など機能豊富な点もポイントでしょう。さらに主要な電子契約サービスとの連携も行っています。
価格 |
スタータープラン:初期費用 無料/月額費用 9,980円 |
無料トライアル |
〇 |
機能 |
シングルサインオン/ID管理/ユーザー情報連携/アクセス制限/OCRなど |
そのほかのおすすめ契約書管理システム
そのほかのおすすめの契約書管理システムを紹介します。
《リーガレッジ》のPOINT
- 契約書の登録・管理を効率化する。
- 契約書内の情報を現在の契約レビューなどに有効活用する。
- 電子契約サービスとも連携し、紙と電子の契約書を一元管理。
株式会社コスモルートが提供する「リーガレッジ」は、契約業務の一連の流れをDX化するクラウドサービスです。契約書データを作成・管理し、法務ナレッジ化するサイクルをサポートします。また契約書は条文単位で保存され、情報の抽出も自動化されるので、契約書の管理業務が効率化されます。
価格 |
ー |
無料トライアル |
ー |
機能 |
契約書登録・検索/条文検索/条文テンプレート機能/Wordアドイン |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
自社に合った契約書管理システムを選ぼう
契約書管理システムがあれば、契約書を瞬時に検索できます。物理的に管理する手間はなくなり、紙やインクの費用も発生しません。契約書管理システムを比較する際には、必要な機能やベンダーのサポート体制、セキュリティに注目してみましょう。以上を踏まえ、自社にあった契約書管理システムを導入しましょう。