データベース・データストレージ・サーバの違い
データベース・データストレージ・サーバは、それぞれ明確に役割が異なりますが、実際の業務では連携して使用されます。特に「dbサーバ(データベースサーバ)」は、ストレージに保存されたデータを処理・提供する中核的な存在です。以下に3つの関係性をまとめます。
3つの関係と役割の違い
データストレージ・データベース・サーバは、それぞれ明確に役割が異なりますが、実際の業務では連携して使用されます。特にdbサーバ(データベースサーバ)は、ストレージに保存されたデータを処理・提供する中核的な存在です。以下に3つの役割の違いを整理します。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| データベース | 保存されたデータを構造化し、検索・更新・集計などを効率的に行う仕組み |
| データストレージ | 情報を保存するための装置や仕組み(HDD、SSD、クラウドストレージなど) |
| dbサーバ(データベースサーバ) | ネットワークを通じてデータベースを動作・提供し、クライアントに処理結果を返すコンピュータ |
例えば、業務アプリケーションからの入力データはストレージに保存され、データベースがその内容を管理し、dbサーバを通じてユーザーに検索や更新などの処理が提供されます。
データベースの知識については以下の記事でも解説しているため、参考にしてみてください。
データベースとは
データベースとは、特定の条件に該当するデータの集まりです。使う目的は「データを有効活用する」ことです。一般的に、データベースと聞くと情報システムをイメージしますが、顧客リストや電話帳なども立派なデータベースです。ただし、「メモ帳」のように無作為に並んだデータの集まりをデータベースとは言えません。
業務で使われるデータベースは、データをただ保管するだけでなく、複数人で共有し検索することが可能です。<保管しているデータを「共有する」「検索する」という機能がデータベースの主な役割といえるでしょう。
膨大な量の情報を扱う企業では、データベース管理システム(DBMS)を活用し、データの取り扱いを効率化しています。近年では、企業内に眠る膨大なデータは「資産」として扱われ、いかに上手く活用していくかが課題となっています。
データストレージとは
データストレージ(data storage)とは「記憶装置」のことで、データ保存を行うツール全般を指します。そのため、広い意味ではデータベースもストレージの一部といえるでしょう。
パソコンに内蔵されているHDDやUSBメモリ、CDやDVDなどもストレージに含まれます。このようにストレージには種類が多くあり、非常に意味が広い概念であるため、業務利用する際は特徴を理解して検討しなければなりません。
近年では、クラウド環境にデータを保存できる「クラウドストレージ」が広まっています。クラウドストレージはインターネット環境があればどこでも利用でき、効率的にデータの共有などを行うことが可能です。
サーバとは
サーバとはデータを扱うコンピュータのことです。サーバは英語で「server=給仕人」を意味する言葉であり、IT分野ではサービスやデータを提供するコンピュータを指します。
ネットワークを通じてサーバにアクセスし、ユーザーが操作を要求すると、それに応じた内容を返すことで搭載している機能が利用できます。
サーバには大きく分けて2種類あり、一つめは、Webサーバなどのソフトウェアがインストールされたものです。二つめはソフトウェアを格納する倉庫であるハードウェアを表します。サーバは自身が持つ機能によって「メールサーバ」や「Webサーバ」などの種類に分類さます。
ファイルサーバとは
サーバの中でも、ファイルを共有・管理するコンピュータのことを「ファイルサーバ」と呼びます。ファイルサーバは、ストレージやデータベースと同様に扱われることも少なくありません。サービスの提供元やユーザーによって定義はバラバラです。
一般的にはファイルサーバはファイルを保管し、社内で共有する目的で使われます。そのため、社内ストレージをファイルサーバと呼ぶこともあるでしょう。
ファイルサーバとデータベースの違いは機能面にあります。データベースは情報を有効活用できるよう加工する機能を搭載しており、活用範囲が異なる場合が多いです。
ストレージよりもデータベースがおすすめな理由
膨大な量のデータを業務で扱う場合、ストレージよりもデータベースの方が有効です。では、データベースの方が優れているポイントはどこでしょうか。データベースができることを整理しておきましょう。
データ編集が簡単
データベースはシステム上で簡単に編集・加工を行えます。ストレージに保管しているデータを編集するためには、一度ストレージから取り出し編集してから再アップしなければなりません。しかし、データベースは編集したいデータを検索する必要もなく、指示を出すだけで目的のデータの操作が可能です。
同時アクセスが可能
データベースを使うと複数人で同時アクセスができ、編集した内容も即時反映されます。例えば、ストレージ内に保存されているExcelファイルは一度に一人しか編集できません。データベースで複数人での共有が可能になれば作業効率が上がり、効果的でしょう。
バックアップ機能を完備
データベースにはバックアップ機能があります。例えば、ストレージに保存しているデータは消えたり壊れたりすると復元できない可能性が高いです。データをバックアップする際は手動で行わなければなりません。
データベースシステムを使っていれば、自動的にバックアップされるため安心です。業務で重要なデータを扱うときは、データベースの利用が適しているでしょう。以下の記事では、データベースの構造についてわかりやすく解説しているため、ご覧ください。
データベースとストレージの違いを押さえて製品検討しよう
データベースはデータを管理する専門的なツールです。社内にあるデータを一元管理し、自由に操作するためにデータベースは欠かせません。
ストレージと違い、データベースであれば編集や加工など作業効率を高めることが可能です。データベースとストレージの違いを押さえて、最適なツールを検討しましょう。


