RDBとは
RDBとはリレーショナルタベース(Relational Database)の略で、関係データベースと訳されます。データを複数の表にして管理し、それぞれの表の関係を定義することで、構造が複雑なデータも扱えるようにした管理方式です。
データベースには、ツリー状にデータを関連付けて保存する「階層型データベース」や、データを相互に結び付けて保存する「ネットワーク型データベース」もありますが、現在はRDB(リレーショナルデータベース)が主流です。Oracle Database、MySQL、PostgreSQLなどが代表的な製品で、中小企業をはじめ広く導入されています。なお、リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェアをRDBMS(RDB管理システム)といいます。
以下の記事では、企業データベースの種類や役割などの基本知識を解説しているので、あわせてご覧ください。
RDBとNoSQLとの違い
長くデータベースの主流として活躍しているRDBに対し、新しく発展してきたデータベース管理の方式がNoSQLです。両者の主な違いは、データベースを制御するための言語であるSQLの使用の有無にあります。SQLとは、ISOで規格化されたデータベース言語のことです。
RDBはデータを表として管理する際にSQL言語を使用し、データの整合性を保ちながら複雑なデータの操作を得意としています。
一方で、NoSQLはSQLを必要とせず、大量データの高速処理が可能です。データの一貫性よりも処理速度やスケーラビリティを重視し、大規模なデータや多様なデータ形式に対応しています。
RDBのメリット
RDBは、コストを最小限に抑えつつもシステムの拡張が行える点がメリットです。また標準的なSQLの知識があれば高度なスキルを要さず、複雑な検索や集計にも対応しています。具体的なメリットは以下のとおりです。
- ■コストが抑えられる
- RDBでは、新しい処理や機能を追加する際、既存のデータベースに新しいテーブルを追加するため、コストを最小限に抑えられる。追加処理にかかるコストを低減させながら、システムの機能拡張が行える。
- ■複雑な検索や集計にも対応する
- データに矛盾や重複のないよう一貫性をもって管理できるため、検索や分析に優れている。複雑な検索条件の設定やデータの集計、複数テーブルの結合など高度な操作が可能。
- ■高度なスキルを必要としない
- SQL言語の知識さえあれば操作できる。SQLはデータベースの操作に使用される標準的な言語であるため、SQLの基本を学べばデータの追加や検索、更新、削除などが可能。
【比較表】おすすめのRDB製品一覧
おすすめのRDB(リレーショナルデータベース)製品について特徴や機能、価格を一覧表にまとめました。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
ITトレンドでは、リレーショナルデータベース(RDB)だけでなく、ネットワーク型データベースや階層型データベースなどさまざまな種類の製品を取り扱っています。なお、人気の製品からチェックしたい方は、以下の資料請求数ランキングもご覧ください。
おすすめのRDB製品を比較
ここからは、おすすめのRDB(リレーショナルデータベース)について、各社製品の特徴を比較していきましょう。
《Oracle Database 21c》のPOINT
- データセンターやパブリッククラウドなど導入形態が多様
- 運用コストを最大9割カット
- サブスクリプションサービスで活用方法を学習可能
日本オラクル株式会社提供の「Oracle Database 21c」は、世界中で導入実績をもち、機能性や拡張性の面で定評のあるRDBです。イノベーション・リリースとして2021年に提供され、ブロックチェーンテーブルやSQLマクロなどの機能を新たに実装しました。
オンプレミスとクラウドのどちらにも対応し、活用方法を学べるサービスも充実しています。主に、Oracle Database新機能・マルチテナント・アプリケーション開発・セキュリティなどさまざまなスキルを学習できます。
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
ー |
機能 |
DBソフト/データ統合/データ連携/データ移行/DBセキュリティ |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
100名以上 250名未満
《SQL Server 2017》のPOINT
- オンプレミス・クラウド両方の環境に対応
- NISTにより脆弱性の少なさが高い評価を獲得
- 豊富な料金プランから選択可能
日本マイクロソフト株式会社が提供するデータベース管理システム「SQL Server 2017」は、Windows・Linux・Dockerコンテナなどの環境に対応しています。企業向けにBI機能を搭載しており、WindowsのほかiOSやAndroid端末からインサイトを取得できます。
料金プランが豊富で、無料プランも用意されているため、本格導入前にじっくり試用できるのもメリットです。暗号化や動的データマスクなどセキュリティレベルも高く、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)により、脆弱性が少なく安全なデータベースであることが認められています。
提供形態 |
パッケージソフト |
参考価格 |
931ドル~(※無料プラン有) |
機能 |
DBソフト/データ統合/データ連携/データ移行/DBセキュリティ |
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
10名以上 50名未満
改善してほしい点
その他製造
1,000名以上 5,000名未満
《Tibero RDBMS》のPOINT
- Oracle RDBMSと高い互換性を持つリレーショナルデータベース製品
- 低コストで購入しやすいライセンス料金と毎年一定の保守料金
- Oracle RDBMSから自動移行ツールを提供
日本ティーマックスソフト株式会社が提供している「Tibero RDBMS」は、低コストで高負荷の処理が可能なエンタープライズRDBMSです。Oracleを含むほかのRDB製品との高い互換性をもち、システム移行の際に、既存のデータやアプリケーションを大幅に変更する必要がありません。
従来環境からの移行期間は、平均1か月です。トレーニングは不要または短時間で利用開始できるほか、専用のカスタマーポータルを通じてサポートを提供しています。
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
25,000円~ |
機能 |
DBソフト/データ統合/データ移行 |
PostgreSQL
「PostgreSQL」は、オープンソース型のリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。Windows・macOS・Linuxに対応しており、拡張性や可用性に優れているほか商用に活用できる基本機能を搭載しています。
また英語のほか、日本語・中国語・韓国語などのさまざまな言語に対応可能です。無料ながら商用製品と謙遜のない高い信頼性をもちます。
MySQL Enterprise Edition
「MySQL Enterprise Edition」は、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムである「MySQL」の商用バージョンです。企業やビジネス向けに特化した機能やサポートを提供しています。パフォーマンスのモニタリングやチューニング、クエリ最適化などの機能が提供されており、大規模なデータベース環境でも使いやすいのが特徴です。
さらに自動フェールオーバー機能によって、障害発生時でもシームレスに別のサーバに切り替えられます。また、データの暗号化やアクセス制御、監査機能など、セキュリティ面においても充実しています。
Amazon Relational Database Service
「Amazon Relational Database Service」は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社(AWS)が提供するクラウド型のデータベースです。MySQLやOracleなどの複数のDBエンジンから好きなものを選択でき、プロジェクトの計画からデプロイまでの手順を効率化します。
料金プランは選択したDBにより異なりますが、従量課金制と定額制があります。低コストで可用性に優れたデータベースを構築したい方に最適です。
IBM Db2 Database
IBMが提供する「IBM Db2 Database」は、大規模なデータベース環境でも、効率的にデータを管理し、高速な処理を実行できるリレーショナルデータベース管理システムです。拡張性にも優れており、必要に応じてリソースの追加や削除が行えます。
SQLクエリや分析関数、OLAP機能など高度な分析機能を搭載しており、ビジネス上の洞察を得るのに役立ちます。クラウド版では、無料プランを提供しているほか、有料版は月額99ドルから利用可能です。
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RDBの注意点
さまざまなメリットがあるRDBですが、導入の際には以下の点に注意しましょう。
- ■データ量が増えると処理速度が下がる
- 複雑な処理ができる分、データが増えると処理速度が遅くなる。
- ■拡張性が低い
- 仕組み上、サーバの台数を増やしたりクラウドへ移行したりといった拡張が難しい。
- ■データの種類によっては対応できない
- 音声や画像データなど、テキスト以外のデータを取り扱うのが困難。
RDBを選ぶ際のポイント
自社に最適なRDB製品を選ぶには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ■目的や課題に合っているか
- 用途や業務内容に特化したソフトが多いため、目的や課題を洗い出してから製品選定を行う。必要な機能やデータ量などを明確化し、どのようなデータを扱うか、処理速度や可用性の要件を把握する。
- ■コストは予算にみあっているか
- データベースのライセンス費用や運用コスト、導入にかかる費用、人件費、廃棄費用などトータルでコストを算出する。さらにデータが増加した場合の拡張費なども踏まえ長期的な視野で見積もる。
- ■セキュリティ・コンプライアンス対策は十分か
- データの暗号化やアクセス制御、監査機能など自社のセキュリティポリシーを満たすセキュリティ対策が取られているかを確認する。
- ■運用形態にあっているか
- RDB製品にはオンプレミス型とクラウド型があり、自社の運用形態に適したものを選択する。オンプレミス型はカスタマイズ製が高く、取り扱うデータ量が多い企業や規模の大きな企業に適している。クラウド型はバックアップに優れており、複数デバイスでの利用が可能。
以下の記事では、データベースソフトの選び方について詳しく解説しています。自社に最適な製品を選ぶための参考にしてください。
自社にあったRDBを導入しデータを整理しよう
企業に眠る情報資産を、戦略的な意思決定に活用するためには、RDB(リレーショナルデータベース)の導入がおすすめです。RDBは、複雑な検索や集計にも対応している一方で、コストを抑えて利用できます。導入製品の選定には、無料トライアルを活用し操作性やUIを確認してみましょう。より多くのツールを比較検討したい方には、一括資料請求がおすすめです。各社製品の詳細情報を一度に取り寄せれば、効率よく製品比較ができます。ぜひご利用ください。