ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■扱う帳票の種類別
- 定型帳票が中心:LINE WORKS PaperOn、バクラク請求書受取
- 取引先ごとに異なる非定型帳票が多い:バクラク請求書受取、freee支出管理 受取請求書キャビネット、楽楽電子保存、invox電子帳簿保存
- 手書きの帳票がある:LINE WORKS PaperOn
- ■AIに任せたい処理の範囲別
- 読み取りとデータ化まで:LINE WORKS PaperOn、invox電子帳簿保存
- 仕分けとほかのシステムへの連携まで:バクラク請求書受取、freee支出管理 受取請求書キャビネット、楽楽電子保存、SVF
- 保存した帳票の検索や集計まで:COGENT AI Cabinet
帳票電子化ツールでAIが担う3つの処理
帳票電子化ツールのAIは、主に「読み取る」「抜き出す」「振り分ける」の3つの処理を担います。帳票電子化とは、請求書や注文書、納品書などの帳票を紙からデータへ移し、保管や活用をしやすくする取り組みです。それぞれの処理を紹介します。
紙の帳票を読み取るAI-OCR
AI-OCRは、紙やPDFの帳票に書かれた文字を読み取り、テキストデータに変換する技術です。OCRとは光学文字認識のことで、画像から文字を判別する仕組みを指します。
従来のOCRは、活字でもかすれや傾きがあると誤読しやすい面がありました。AI-OCRは機械学習で多くの文字の形を学んでいるため、手書き文字や崩れた文字にも対応できる製品があります。ただし、読み取りの正確さは帳票の状態やスキャンの品質にも左右されます。
非定型帳票からの項目抽出
項目抽出は、帳票の中から日付や取引先名、金額といった必要な項目だけを見つけて取り出す処理です。取引先ごとにレイアウトが違う非定型帳票では、項目の位置が毎回変わるため、従来は帳票ごとに読み取り位置を設定する必要がありました。
近年は、生成AIの文脈を理解する力を組みあわせ、レイアウトが異なる帳票でも項目を推定して抽出する製品が登場しています。抽出したい項目を文章で指示できるものもあります。一方で、推定が外れる場合もあるため、抽出結果の確認は欠かせません。
帳票の自動仕分けとファイル名の付与
自動仕分けは、読み込んだ帳票が請求書か見積書かといった種類をAIが判別し、保存先のフォルダや処理の流れに振り分ける機能です。複数の種類の帳票をまとめてスキャンする現場で役立ちます。
あわせて、読み取った取引先名や日付をもとに、ファイル名を自動で付ける機能を持つ製品もあります。ファイル名の付け方がそろうと、後から探す手間を減らせます。保存のルールと連動させたい場合は、命名規則を自社で指定できるかを確認しましょう。
帳票の種類で変わるAIの向き不向き
帳票電子化でAIが役立つかどうかは、扱う帳票の種類によって変わります。自社の帳票がどの種類に当てはまるかを把握すれば、必要なAI機能の範囲を判断しやすくなるでしょう。代表的な3つの種類ごとに、AIの向き不向きと準備のポイントを整理します。
レイアウトが決まった定型帳票
自社で作成する申込書や社内の申請書のように、項目の位置が決まった定型帳票は、読み取り位置を事前に設定できるため、データ化の結果が安定しやすい傾向があります。高度なAI機能がなくても対応できる場合があります。
定型帳票が中心の企業では、読み取り位置の設定のしやすさや、帳票の種類を追加する際の作業量を比べるとよいでしょう。記入欄に枠を設ける、手書き欄を減らすなど、帳票自体を読み取りやすい形に見直すことも効果的です。
取引先ごとに異なる非定型帳票
取引先から届く請求書や納品書は、会社ごとにレイアウトが異なる非定型帳票です。取引先が多いほど読み取り位置を個別に設定する手間がかかるため、AIによる項目抽出が効果を発揮しやすい領域です。
ただし、明細行が多い帳票や、複数ページにわたる帳票では、抽出の難しさが増す場合があります。導入前に、自社に届く代表的な帳票をいくつか選び、どの項目が正しく取り出せるかを試しておくことが重要です。
手書き文字を含む帳票
現場の点検表や手書きの申込書など、手書き文字を含む帳票は、AI-OCRの読み取り性能が結果を大きく左右します。書き手の癖や記入欄からのはみ出しによって、誤読が生じる可能性があるためです。
手書き帳票を扱う場合は、読み取り結果に確信度が表示されるか、確信度の低い箇所を強調して確認を促す機能があるかを見ておきましょう。記入方法のルールを現場に周知することも、読み取りの安定につながります。
帳票電子化にAIを使うときの注意点
AIを使っても、帳票電子化のすべての工程を自動化できるとは限りません。読み取りの誤りや法令への対応、データの扱いなど、AIの機能とは別に検討すべき点があります。導入前に押さえておきたい3つの注意点を紹介します。
読み取り結果の確認工程を残す
AI-OCRや項目抽出の結果には、誤りが含まれる可能性があります。金額や口座番号のような誤りが許されない項目は、人が目で確認する工程を残しておきましょう。
すべての帳票を同じ手間で確認するのではなく、AIの確信度が低い箇所を重点的に確認する運用にすれば、確認作業の負担を抑えられます。誰がどの帳票を確認したかの記録を残し、担当者が替わっても同じ品質で作業できるよう手順を文書にしておくと安心です。
電子帳簿保存法の要件はAIとは別に満たす
取引関係の帳票を電子化して保存する場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。紙の帳票をスキャンして保存する「スキャナ保存」には、解像度や改ざん防止、検索機能などの要件が定められています。
AIで読み取ったデータが正しくても、保存方法が要件を満たさない場合は、紙の原本の保存が求められる可能性があります。ツールが要件に対応しているかは、提供会社の説明や公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証の有無などで確認しましょう。詳細は国税庁の情報もあわせて確認してください。
外部のAIへ送るデータの範囲を決める
クラウド型のAI-OCRや生成AIを使う場合、帳票の画像や内容が提供会社のサーバへ送られます。帳票には取引先の情報や個人情報が含まれることがあるため、データの扱いを事前に確認する必要があります。
送信したデータが保存される期間や、AIの学習に使われるかどうかは、利用規約や契約で確認しましょう。社外に出せない帳票がある場合は、オンプレミス型や国内データセンターで処理する製品も選択肢となります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で帳票電子化の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AI機能で選ぶ帳票電子化ツールのポイント
AI機能付きの帳票電子化ツールを選ぶ際は、カタログに書かれた読み取りの正確さの数値だけで判断しないことが大切です。数値は測定に使った帳票によって変わるためです。自社の帳票と業務の流れにあわせて確認したい3つのポイントを紹介します。
自社の帳票で読み取りを試す
有効な確認方法は、自社で実際に扱う帳票を使って読み取りを試すことです。無料トライアルやデモで、定型帳票、非定型帳票、手書き帳票など種類ごとに複数枚を読み込んでみましょう。
試す際は、正しく読み取れた項目の割合だけでなく、誤りがどの項目に集中しているかも確認します。修正にかかった時間を記録しておくと、導入後の作業時間を見積もる材料となります。個人情報を含む帳票を使う場合は、社内ルールに沿って扱いましょう。
確認と修正の画面を比べる
AIの読み取り結果を確認し、誤りを直す画面の使い勝手は、日々の作業時間に直結します。帳票の画像と読み取り結果を並べて表示できるか、修正箇所をキーボードだけで移動できるかなどを比べましょう。
修正した内容をAIが学習し、次回以降の読み取りに反映する機能を持つ製品もあります。ただし、反映の仕組みや範囲は製品によって異なるため、どの程度の期間で改善を見込めるかを提供会社に確認すると安心です。
連携先へのデータ出力を確かめる
読み取ったデータを会計システムや販売管理システムへ取り込めるかも重要です。CSV形式での出力に対応しているか、API連携で自動的に受け渡せるかを確認しましょう。
出力の形式が連携先の取り込み形式とあわない場合、変換の手間が発生します。項目の並び順や日付の形式を設定できるかも確かめておきましょう。帳票の原本画像とデータを結びつけて保存できれば、後から内容を照合する際にも役立ちます。
AI機能で比べる帳票電子化ツール一覧
この記事で紹介する帳票電子化ツールについて、AIによる読み取りやデータ化、仕分け、検索・分析などの機能を一覧にまとめました。AIが支援する業務は製品によって異なるため、自社で効率化したい作業にあわせて比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| LINE WORKS PaperOn | AI-OCRと生成AIで書類をデータ化。手書き文字やFAX文字にも対応し、過去の修正履歴をもとに修正案を提示する |
| バクラク請求書受取 | AI-OCRが定型・非定型の請求書を読み取り、仕訳や振込データを自動作成。仕訳の学習機能や会計システム連携を備える |
| freee支出管理 受取請求書キャビネット | 受け取った書類をAIが読み取り箇所も含めて自動でデータ化。AIを活用したフォルダの自動振り分けにも対応する |
| 楽楽電子保存 | AI-OCRが取引年月日・金額・取引先などを読み取るクラウド型の電子帳簿保存システム。メール添付書類の自動取得にも対応 |
| invox電子帳簿保存 | 国税関係書類の日付・金額・取引先を自動でデータ化。セルフ入力、AI OCR、オペレータ入力からデータ化の方法を選べる |
| SVF | 帳票の生成・保管・流通を担うデジタル帳票基盤。保管用のSVF Archiverは文書の自動仕分けやAI OCRによるデータ化に対応 |
| COGENT AI Cabinet | 書類をAIナレッジベース化して電子保存するサービス。自然言語の指示でファイルの絞り込みから集計・要約までを行える |
AIによる読み取り・保存・活用を支援する帳票電子化ツール
ここでは、AI-OCRによる書類のデータ化や仕訳作成の支援、文書の自動取得・仕分け、保存した帳票の検索・分析などに対応する製品を紹介します。それぞれのAI機能の対象業務や、関連製品との連携範囲を確認しながら選びましょう。
LINE WORKS PaperOn
- 文書処理の業務をひとつに集約
- あらゆる文字を高精度に読み取り
- 現場からスマホで文書業務を簡単に開始
LINE WORKS株式会社が提供する「LINE WORKS PaperOn」は、AI-OCRと生成AIで紙の書類のデータ化を支援するIDPソリューションです。手書き文字やFAX文字、訂正印や二重線が入った文字など、読み取りが難しい文字にも対応します。読み取ったデータは文脈理解によって修正され、マスターデータベースとの連携で補完まで行えます。過去の修正履歴をもとに修正案が示されるため、確認・修正の手間を抑えられます。スマホ撮影や複合機スキャン、メール、FAXなど複数の方法で書類をアップロードできます。
バクラク請求書受取
- AI-OCRが請求書を数秒で自動で読み取り!手入力をゼロに
- レポートで受取状況や支払い状況を可視化して支払い漏れをゼロに
- 稟議から支払いまで一気通貫、内部統制を強化!
株式会社LayerXが提供する「バクラク請求書受取」は、請求書の受け取りから会計処理・支払処理までをまとめて自動化するクラウド型のシステムです。AI-OCRが定型・非定型の請求書を読み取り、仕訳や振込のデータを自動で作成します。一度登録された仕訳データを学習して仕訳を自動生成する機能や、同一請求書を判定して二重処理を防ぐ機能も搭載。会計システムとの連携や仕訳情報のCSV出力・API連携に対応し、電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しています。
freee支出管理 受取請求書キャビネット
- 受領後、AIが自動振り分けでラク
- あらゆる書類をオンライン保存でラク
- 支払期日管理と支払手続きがラク
フリー株式会社が提供する「freee支出管理 受取請求書キャビネット」は、請求書や見積書、納品書などのビジネス書類をオンラインで受け取り、保管できるサービスです。受け取った書類はAIが自動でデータ化し、読み取る箇所も自動で認識するため、帳票ごとに読み取り位置を設定する手間を減らせます。AIを活用したフォルダの自動振り分けにも対応しています。紙で届いた書類はスマホアプリで撮影して電子化でき、ファイル管理や契約管理、ワークフローなどの周辺システムとも連携できます。
楽楽電子保存
- 書類の「保存」だけでなく「取得」まで完全自動化
- 現場が迷わない操作性 &「最短3営業日」で運用開始
- 「楽楽クラウド」連携でバックオフィス業務とコストを最適化
株式会社ラクスが提供する「楽楽電子保存」は、電子帳簿保存法の要件に即した帳票の保存業務を効率化する、AI技術を搭載したクラウド型の電子帳簿保存システムです。AI-OCRが取引年月日・金額・取引先などの項目を自動で読み取り、ファイル名の手入力や索引簿作成の手間を減らします。「証憑取得AIエージェント」がメール添付書類の取得から登録までを自動化する点も特徴です。電子・紙を問わず書類を一元管理でき、「楽楽精算」など同社のクラウドサービスとも連携できます。
invox電子帳簿保存
- 月契約で業界最安水準、使った分だけのムダのない料金
- 低コストなAI OCRと99.9%精度保証のオペレータ入力を選択できる
- 継続率99.8%/シリーズ累計40,000社以上が利用(2026年6月時点)
株式会社invoxが提供する「invox電子帳簿保存」は、請求書や契約書、納品書などの国税関係書類と電子取引情報を取り込み、取引年月日・取引金額・取引先を自動でデータ化して電子保存するシステムです。データ化の方法は、セルフ入力、AI OCR、精度保証付きのオペレータ入力から選べます。AI OCRだけに頼らず、オペレータによる確認を組みあわせられる点が特徴です。データ化の結果は原本の画像と並べて確認でき、メールやGoogleドライブなどからの自動取り込みにも対応しています。
SVF
- 累積導入42,000社以上、国内シェアNo.1の帳票ソフトウェア
- 様々な上位システムと連携、社内に散在する帳票システムの統一化
- オンプレミス・クラウド対応・電子帳簿保存法も対応
ウイングアーク1st株式会社が提供する「SVF」は、帳票の生成・保管・流通を支援するデジタル帳票基盤です。シリーズ製品の「SVF Archiver」では、紙やPDFなどの文書を指定フォルダに自動で仕分け・保管でき、帳票形式や用途に応じて複数のAI OCRエンジンを使い分けたデータ化にも対応しています。電子帳簿保存法に対応した保管が可能で、JIIMA認証も取得しています。基幹システムとの連携や、取引先への帳票配信・受領など、帳票業務を幅広く支援します。
COGENT AI Cabinet
- 書類をAIナレッジベース化!プロンプトで欲しい情報を即座に抽出
- ペーパーレス化によって、省スペース化を実現
- 電子帳簿保存法に対応しているため、書類の保存は不要
株式会社Cogent Labsが提供する「COGENT AI Cabinet」は、書類をAIナレッジベース化して電子保存するサービスです。AIアシスタントに自然言語で指示すると、対象ファイルの絞り込みから集計・要約までを2段階で行えるため、保存した帳票から必要な情報を探す手間を減らせます。注文書や請求書、見積書、納品書などさまざまな帳票に対応し、電子帳簿保存法に対応した形で保管できます。AI OCR「SmartRead」との連携や、専用フォルダへのアップロードによる自動取り込みにも対応しています。
まとめ
帳票電子化ツールのAIは、AI-OCRによる読み取りや非定型帳票からの項目抽出、自動仕分けで、手入力の工程を減らす役割を担います。効果は帳票の種類によって変わるため、自社の帳票で試すことが重要です。確認工程や電子帳簿保存法への対応、外部へ送るデータの扱いにも注意しましょう。帳票電子化を進める際は、資料請求で複数製品のAI機能と連携方法を比較してみてください。

