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AI機能搭載の電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介

AI機能搭載の電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介

電子カルテのAIは、診断を代わりに行うものではなく、記録や文書作成の負担を軽くする補助機能として使われ始めています。代表例は、診察中の会話を文字にする音声入力や、診療記録から退院サマリなどの下書きを作る生成AIです。一方で、出力内容の確認や患者情報の扱いには注意が必要です。この記事では、電子カルテのAIの活用方法と限界、個人情報の扱い、製品を比較するポイントと運用のコツを解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■AI機能別
    ■提供形態別

    電子カルテのAIの活用方法

    電子カルテに組み込まれるAIの役割は、主に「入力」と「文書作成」の支援です。ここでは、現在の製品で提供が広がっている機能を3つに分けて紹介します。いずれも医師や看護師の作業を補うもので、内容の判断は人が行う前提です。

    音声入力による記録の文字起こし

    音声入力は、医師が話した内容や診察中の会話をAIが文字に変換し、カルテの記載を助ける機能です。キーボード入力の時間が減るため、患者の顔を見て話す時間を確保しやすくなります。

    製品によっては、会話から主訴や所見などを整理し、SOAP形式の下書きにまとめるものもあります。SOAPとは、主観的情報・客観的情報・評価・計画の順に記録する方式です。ただし、医療用語や薬剤名の誤変換が起こる場合があるため、確定前の見直しが欠かせません。院内でよく使う略語や薬剤名を辞書として登録できるかも、比較の際に確かめておくとよいでしょう。

    関連記事 電子カルテを使いこなすには?機能や導入手順をわかりやすく解説!

    生成AIによる文書の下書き作成

    生成AIは、カルテに蓄積された記録をもとに、退院サマリや診療情報提供書(紹介状)などの下書きを作る用途で使われ始めています。複数日の経過記録を読み返してまとめる作業を短縮できる点が利点です。

    病院向けの製品や大学病院などで、退院サマリの作成支援を提供・運用する例も公表されています。ただし、作られるのはあくまで下書きです。記載漏れや事実と異なる表現が含まれる可能性があるため、医師が内容を確認・修正してから確定する運用が前提となります。

    AI問診や紹介状取り込みとの連携

    AI問診は、患者が来院前や待合室でタブレットやスマートフォンから回答し、その内容を整理して医師に渡す仕組みです。電子カルテと連携すれば、問診結果を記録欄へ転記する手間を減らせます。

    また、紙で届く紹介状や検査結果をAI-OCRで読み取り、文字データとして取り込む使い方もあります。AI-OCRは、手書きや印字の文字をAIで認識する技術です。いずれも連携方法や取り込める項目は製品によって異なるため、対応範囲を事前に確認しましょう。読み取り結果をそのまま確定させず、原本と見比べる手順を残しておくことも大切です。

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    電子カルテのAIに任せられない領域と限界

    AIは記録業務を助ける一方で、任せてはいけない領域もあります。特に診断や治療方針の決定、出力内容の正確性の保証はAIの役割ではありません。ここでは、電子カルテのAIを使ううえで押さえておきたい限界を整理します。

    診断や治療方針の判断は医師が担う

    電子カルテのAIが作るのは記録や文書の下書きであり、診断や治療方針を決めるものではありません。最終的な判断と記載内容の責任は医師にあります。

    なお、病気の診断や治療を目的としてAIが判断を示すプログラムは、内容によっては薬機法上の医療機器プログラムに該当する場合があります。記録支援のAIと診断支援のAIは位置づけが異なるため、製品がどの用途を想定しているかを提供会社に確認しておくと安心です。

    例えば、AIが下書きした所見に気になる表現があれば、医師が診察時の内容や検査結果と照らし合わせて書き直します。AIの出力だけを根拠に診断を確定させない運用を、院内で共有しておきましょう。

    誤変換や事実と異なる出力への備え

    音声認識や生成AIは、誤った内容を含む出力を返す可能性があります。生成AIがもっともらしい誤情報を作る現象は「ハルシネーション」と呼ばれます。

    対策として、AIが作成した部分を画面上で区別できるか、元の記録と照らし合わせて確認できるかが重要です。あわせて、誰がいつ確定したかを記録として残せるかも確認しましょう。確認の手順を院内ルールとして明文化し、担当者が変わっても同じ水準で運用できるようにしておくと、誤りを見落とすリスクを抑えられます。

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    学習データや運用環境による精度の差

    AIの精度は、学習に使われたデータや、利用する診療科、話し方、周囲の雑音などの環境に左右されます。同じ製品でも、マイクの種類や設置場所によって認識結果が変わる場合があります。ある診療科でうまく機能しても、別の診療科で同じ結果が得られるとは限りません。

    そのため、カタログ上の説明だけで判断せず、自院の診療科や実際の記録に近い条件で試すことが大切です。試用期間やデモ環境が用意されているかを提供会社に確認し、医師や看護師など実際の利用者が評価に参加すると、導入後のずれを減らせます。

    電子カルテでAIを使う際の個人情報と安全管理

    カルテに記録される病歴や診療情報は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたります。AI機能を使うと、データの送信先や保存場所が増える場合があるため、安全管理の観点から確認したい事項を押さえておきましょう。

    要配慮個人情報とデータの送信先の確認

    AI機能の処理が院内で完結するのか、外部のクラウドに送信されるのかは製品によって異なります。外部に送信する場合は、データがどの国のどのサーバで処理されるか、AIの学習に再利用されないかを確認することが重要です。

    要配慮個人情報は、取得や第三者提供に本人の同意が必要となる場面があり、通常の個人情報より慎重な扱いが求められます。契約書や利用規約で、データの利用目的や削除方法が明記されているかもあわせて確認しましょう。

    院内では、AI機能を使える職員の範囲を決め、利用状況を操作ログで確認できるようにしておくと安心です。

    関連記事 世界の電子カルテ普及率は?各国の状況からみるICT化

    安全管理ガイドラインへの対応状況

    医療機関がシステムを導入する際は、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照します。現在の版は2026年6月に公表された第7.0版で、電子保存の三原則とされる真正性・見読性・保存性の確保などが示されています。

    クラウド型のAI機能を使う場合は、提供事業者側の安全管理体制も確認対象です。ガイドラインへの対応状況や、提供事業者向けのガイドラインへの準拠について、提供会社が資料で説明できるかを確認しておきましょう。

    あわせて、AIが作成した下書きと医師が確定した記録を区別して保存できるかも確認しておくと、真正性の確保について院内で説明しやすくなります。

    AI搭載の電子カルテを比較するポイント

    AI機能の有無だけで電子カルテを選ぶと、導入後に使われないまま終わるおそれがあります。自院の負担が大きい業務にAIが効くか、確認の手間を含めて効率化できるか、という観点で比較することが大切です。

    負担の大きい業務とAI機能の対応を見る

    まず、自院で時間がかかっている業務を洗い出しましょう。外来での記載に時間がかかるなら音声入力が候補です。入院患者の退院サマリの作成が遅れがちなら、文書作成支援を検討するとよいでしょう。

    次に、その業務に対応するAI機能が標準搭載か、追加料金のオプションかを確認します。AI機能は利用量に応じた従量課金や月額の追加料金が設定される場合もあります。導入時だけでなく、利用が広がった場合の費用も見積もっておくと、予算との差を防げます。

    関連記事 電子カルテの選び方とは?選定ポイントをわかりやすく解説!

    確認・修正のしやすさと操作性を見る

    AIの出力は人が確認して確定するため、その作業が負担にならないかが重要な比較ポイントです。下書きを修正する画面の見やすさや、確定までのクリック数を実際の操作で確かめましょう。

    また、医療機関によってはAI機能の利用範囲を職種や診療科ごとに制御したい場合があります。権限設定や操作ログの確認ができるかも選定時の確認項目です。AI機能を一時的に停止できるかも見ておくと、不具合時の対応を考えやすくなります。複数の製品を同じ条件でデモし、現場の利用者の意見を集めて比較すると判断材料がそろいます。

    将来の機能追加と標準化への対応を見る

    電子カルテのAI機能は、提供会社ごとに開発が進んでいる段階です。導入後にどのような機能追加が予定されているか、アップデートの頻度や費用の考え方を確認しておきましょう。

    あわせて、国が進める医療DXの動きも視野に入れます。電子カルテ情報共有サービスなど、医療機関間で情報をやり取りする仕組みへの対応方針を提供会社に確認しておくと、AIで作った記録を将来も活用しやすくなります。導入後に機能が増えた際の院内説明や研修の支援があるかも、あわせて確認しておくと安心です。

    AI搭載の電子カルテのAIを運用するコツ

    AI機能は導入しただけでは現場に定着しません。診察の流れのなかで誰が何を確認するかを決め、使いながら見直す運用が欠かせません。

    確認の担当と手順を決める

    AIが作った下書きは、記載者である医師が確認して確定する流れを基本とします。診察の合間に直すのか、診察後にまとめて確認するのかを先に決めておくと、確認漏れを防げます。

    職員が下書きを整える場合も、最終確認は医師が行うと定めておきましょう。誤変換や事実と異なる記載を見つけたときの修正と報告の手順も、文書にして共有しておくと現場が迷いません。確認に使える時間は診療科ごとに異なるため、運用開始後に見直す前提で決めましょう。

    対象業務を絞って段階的に広げる

    最初から全診療科で使わず、外来の音声入力など効果を確かめやすい業務に絞って始めます。数週間使い、記載にかかる時間の変化や修正が必要だった箇所を記録して、使い続けるかを判断します。

    手応えを確認できたら、退院サマリなどの文書作成へ対象を広げます。広げるたびに確認手順を見直し、うまくいかなかった事例も共有しておきましょう。小さく始めて範囲を決めることで、問題が起きたときの影響も抑えられます。

    院内ルールを整えて定期的に振り返る

    患者情報を外部のAIサービスへ送る範囲、録音時の患者への説明、利用できる職種を院内ルールにまとめます。ガイドラインの改訂や提供会社の機能追加に応じてルールを見直す担当者も決めておきましょう。

    あわせて、利用者から使い勝手や困りごとを定期的に集め、設定や運用の見直しにつなげます。見直した内容は院内に周知し、新しく加わった職員にも同じ手順を伝えられるようにしておくと、運用が属人化しません。

    AI機能搭載の電子カルテ一覧

    この記事で紹介する電子カルテのうち、製品ページでAI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。

    製品名特徴
    GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMOAIアシストを標準搭載したレセコン一体型のクラウド電子カルテ。会話の書き起こしやSOAP形式での要約に対応
    クラウド診療支援システムCLINICS会話を要約してSOAPを作るAI要約アシストや、医療文書の作成を支えるAI文書アシストを案内するクラウドシステム
    medicalforce保険診療と自費診療に対応するクリニック向けクラウドカルテ。診察中の会話からカルテの下書きを作るAI音声カルテを搭載
    エムスリーデジカル全患者のカルテをもとに医師が好む処置行為を学習するAI自動学習機能を備えたクラウド型電子カルテ
    Medicom クラウドカルテカルテの内容から算定可能な項目を自動で抽出するAI自動算定機能を搭載した、レセコン一体型のクラウド型電子カルテ

    AI機能搭載の電子カルテの紹介

    ここでは、AI機能を備えた電子カルテを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。

    GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO

    GMOヘルステック株式会社
    製品・サービスのPOINT
    1. AIが会話を書き起こし、文章を要約!入力作業を効率化
    2. 周辺機能もオールインワンで搭載!シームレスな操作感
    3. 初期費用・月額利用料0円!圧倒的コストパフォーマンス

    GMOヘルステック株式会社が提供する「GMOヘルステック株式会社のAIチャート byGMO」は、AIを搭載したレセコン一体型のクラウド電子カルテです。標準搭載の「AIアシスト」が診察中の会話を書き起こし、ボタン操作で会話内容や入力情報をSOAP形式に要約します。診療情報提供書や紹介状の下書き作成にも使え、出力内容は医師が確認したうえで利用する運用が案内されています。予約やWeb問診、オンライン診療などの機能もあわせて利用できます。

    クラウド診療支援システムCLINICS

    株式会社メドレー
    製品・サービスのPOINT
    1. 診療業務を革新するAIソリューション
    2. 業務効率化を支援するカルテ/レセコン機能
    3. 患者とのつながりを強化するかかりつけ支援機能

    株式会社メドレーが提供する「クラウド診療支援システムCLINICS」は、予約から電子カルテ、レセプトチェック、経営分析までを支えるクリニック向けのクラウドシステムです。診察時の会話をAIが要約してSOAPを作成する「AI要約アシスト」や、過去の診察データをもとに医療文書の作成を支援する「AI文書アシスト」が案内されています。製品ページではこれらのAI機能を順次リリース予定と案内しているため、提供状況は資料請求時に確認しましょう。カルテとレセコンが一体となっている点も特徴です。

    medicalforce

    アトミックソフトウェア株式会社
    《medicalforce》のPOINT
    1. 保険診療にも自費診療にも対応。ひとつのシステムで一元管理
    2. 予約・問診・カルテ・会計・決済をシームレスに連携
    3. 売上・患者データをダッシュボードで可視化し経営判断を支援

    アトミックソフトウェア株式会社が提供する「medicalforce」は、保険診療と自費診療の両方に対応したクリニック向けのクラウド型電子カルテです。予約・問診・カルテ・会計・決済を1つのシステムで管理でき、WebORCA連携で保険のレセプト請求にも対応します。AI機能群の一つである「AI音声カルテ」は、診察中の会話からカルテの下書きを自動で作成し、医師が確認・修正してからカルテに反映する仕組みです。

    エムスリーデジカル

    エムスリーデジカル株式会社
    《エムスリーデジカル》のPOINT
    1. 初期0円、AIによる自動学習で入力時間80%削減!
    2. 15年利用で約1,000万円のコスト削減が可能!
    3. 金融機関・政府機関も利用する安全技術

    エムスリーデジカル株式会社が提供する「エムスリーデジカル」は、クラウド型の電子カルテです。カルテに登録された全患者の情報をもとに医師が好む処置行為を学習するAI自動学習機能を備え、よく使う処置行為のリストがあらかじめセットされる仕組みで入力の手間を抑えます。iPadで手書きした内容や撮影した写真をカルテへ反映できます。自宅や外出先からも利用でき、WindowsとMacのどちらの端末も追加料金なしで台数を増やせると案内されています。

    Medicom クラウドカルテ

    ウィーメックス株式会社
    《Medicom クラウドカルテ》のPOINT
    1. 直感的で使いやすいシンプルなUIで、業務をスピーディに
    2. AI自動算定機能で、算定・会計漏れを防止
    3. 初期費用0円、月額費用 24,800円(税込27,280円)から利用可能

    ウィーメックス株式会社が提供する「Medicom クラウドカルテ」は、医事会計と電子カルテを一体化したクラウド型電子カルテです。カルテの内容から算定可能な項目を自動で抽出する「AI自動算定機能」を搭載し、算定漏れや請求漏れの防止を支援します。文書作成機能を標準で備え、オンライン資格確認や電子処方箋といった医療DXへの対応も案内されています。予約・問診管理システムとの連携はオプションで利用できます。

    まとめ

    電子カルテのAIは、音声入力による記録の文字起こしや、生成AIによる退院サマリ・紹介状の下書き作成など、記録業務の負担を軽くする用途で活用が広がっています。一方で、出力は下書きであり、診断や最終的な記載内容の判断は医師が担います。要配慮個人情報の送信先や安全管理ガイドラインへの対応も確認が必要です。自院の課題にあうAI機能を見極めるために、複数の電子カルテの資料を取り寄せて比較してみてください。

    IT製品・サービスの比較・資料請求が無料でできる、ITトレンド。「AI機能搭載の電子カルテを比較!AIの活用方法や運用のコツも紹介」というテーマについて解説しています。電子カルテの製品 導入を検討をしている企業様は、ぜひ参考にしてください。
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