グループウェア選定で起こりやすい失敗
グループウェアの選定では、比較検討の進め方によって導入後の運用に差が出ます。ここでは選定時に起こりやすい失敗のパターンと、その背景にある要因を整理します。
目的を定めずに比較を始めてしまう
目的が曖昧なまま製品比較を始めると、機能の多さや知名度で選んでしまい、実際の業務課題を解決できない場合があります。スケジュール共有や情報共有など、解決したい課題を先に言語化しておく進め方が有効です。
例えば、情報共有の遅れが課題であるにもかかわらず、勤怠管理機能を重視して選ぶと、本来の目的が達成されない可能性があります。選定担当者だけでなく、実際に使う部署の意見を聞く工程を挟むと、目的と選定基準のずれを防ぎやすくなります。
現場の運用負荷を考慮しない
機能の充実度ばかりに注目すると、実際の操作性や現場の運用負荷が見落とされる場合があります。多機能な製品ほど設定項目が増え、管理者の負担が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。
また、従業員のITスキルにばらつきがある組織では、操作が複雑な製品を導入すると定着が進まない場合があります。導入前に一部の部署で試用し、操作性や設定の手間を確認しておくと、こうした事態を避けやすくなります。
選定前に整理すべき課題と利用目的
グループウェアを比較する前に、自社が抱える課題と利用目的を整理しておくと、選定基準が明確になります。ここでは目的の整理方法と、関係者間での認識合わせについて解説します。
解決したい課題を洗い出す
スケジュール管理や情報共有、掲示板の活用など、部署ごとに抱える課題を洗い出す作業が選定の起点になります。課題を具体的に書き出すことで、必要な機能とそうでない機能の区別がしやすくなります。
課題の洗い出しには、各部署の担当者へのヒアリングやアンケートが役立つ場合があります。例えば営業部門ではモバイル対応、管理部門では文書管理の機能を重視するなど、部署によって優先度が異なる場合があります。この違いを事前に把握しておくと、選定基準を立てやすくなります。部署間でこうした違いがある場合は、全社共通で必須とする機能と、部署ごとに任意で追加する機能を分けて整理すると調整しやすくなります。
関係者間で選定基準を共有する
洗い出した課題をもとに選定基準を作成したら、情報システム部門や利用部門の担当者と共有しておく進め方が有効です。認識のずれがあると、導入後に不満が出る可能性があります。
選定基準の共有には、必須機能と任意機能を分けた一覧表を用意すると分かりやすくなります。予算やスケジュールもあわせて共有することで、比較検討の段階で関係者の意見が食い違う場面を減らしやすくなります。
グループウェアの機能比較で確認すべき観点
グループウェアには複数の機能が搭載されているため、自社の課題に合わせて確認すべき観点を絞り込む作業が選定を進めやすくします。ここでは主な確認観点を整理します。
基本機能の充実度を確認する
スケジュール共有や掲示板、ファイル共有といった基本機能が自社の運用に合っているかを確認します。機能の有無だけでなく、実際の操作画面や設定方法まで確認しておくと導入後の齟齬を防ぎやすくなります。
基本機能の確認では、無料トライアルやデモ環境を活用する方法が有効です。例えばスケジュールの共有範囲を細かく設定できるか、掲示板への通知が確実に届くかなど、日常の運用に直結する項目を具体的に試しておくと判断しやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| スケジュール共有 | 共有範囲や表示形式を細かく設定できるかを確認します |
| 掲示板・通知 | 投稿内容が関係者へ確実に通知されるかを確認します |
| ファイル共有 | 容量制限や更新履歴の管理方法を確認します |
外部ツールとの連携範囲を確認する
既に利用しているチャットツールやファイル管理システムとの連携範囲を確認しておくと、業務の分断を防ぎやすくなります。連携が不十分な場合、二重入力の手間が発生する可能性があります。
連携機能については、対応するツールの種類だけでなく、連携時にできる操作の範囲まで確認する必要があります。連携がうまくいかない場合は、グループウェア側の設定不足や連携先ツールの仕様変更、利用者側の設定ミスなど複数の要因が考えられます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でグループウェア製品の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入形態とセキュリティ要件の見極め方
グループウェアにはクラウド型とオンプレミス型があり、それぞれ運用方法やセキュリティ対策の考え方が異なります。ここでは導入形態を選ぶ際の観点と、セキュリティ要件の確認方法を解説します。
クラウド型とオンプレミス型の違いを理解する
クラウド型は自社でサーバーを保有せず利用できる形態で、オンプレミス型は自社のサーバーに構築する形態です。初期費用や運用の手間、拡張のしやすさなど、それぞれに異なる特徴があります。
クラウド型は導入までの期間が比較的短く、リモートワークとの相性がよいとされています。一方でオンプレミス型は、自社独自のセキュリティポリシーに合わせた運用がしやすいという特徴があります。自社の情報システム体制や予算に応じて選ぶ観点が重要です。あわせて、将来的な利用人数の増減や拠点の拡大予定も踏まえておくと、導入後の切り替えにかかる手間を抑えやすくなります。
セキュリティ機能と運用体制を確認する
アクセス制御や通信の暗号化、ログ管理といったセキュリティ機能が自社のポリシーを満たしているかを確認します。加えて、障害発生時のサポート体制も比較しておくと安心につながります。
セキュリティに関する不具合は、製品側の設定不足だけでなく、利用者側のパスワード管理や連携先システムの設定など複数の要因で発生する場合があります。導入前にベンダーへ運用体制や過去の対応事例を確認しておくと、リスクを把握しやすくなります。また、社内での権限設定や退職者アカウントの削除といった運用ルールも、あわせて整備しておくことが望まれます。
選定後の社内展開と定着に向けた進め方
グループウェアは導入して終わりではなく、社内に定着させるまでの進め方が成果を左右します。ここでは展開時の準備と、定着を促す運用の工夫を紹介します。
段階的な展開計画を立てる
全社一斉に導入するのではなく、一部の部署から段階的に展開する進め方が有効な場合があります。先行導入した部署の意見を反映しながら進めることで、大きなトラブルを避けやすくなります。
段階的な展開では、先行部署でのマニュアル整備や問い合わせ窓口の設置が役立ちます。展開のスケジュールをあらかじめ関係者に共有しておくことで、他部署からの問い合わせが集中する状況を避けやすくなります。加えて、先行導入の期間中に発生した疑問や要望を記録しておき、後続部署への展開資料に反映させると、同じ質問が繰り返される手間を減らしやすくなります。
運用ルールを整備し定着を促す
グループウェアの活用が進まない背景には、運用ルールが整備されていないことが挙げられます。情報の入力ルールや更新頻度を決めておくと、利用が習慣化しやすくなります。
運用ルールの整備に加えて、定期的な利用状況の確認も定着を後押しします。利用が低調な部署には個別にヒアリングを行い、操作の分かりにくさや業務との不整合など、要因に応じた対応を検討する進め方が有効です。定着状況を数値で把握できるよう、ログイン頻度や投稿数などの指標をあらかじめ決めておくと、改善の効果を確認しやすくなります。
グループウェアに関するFAQ
グループウェアの選定を進める際によく寄せられる質問をまとめました。比較検討を進めるうえでの参考にしてください。
- Q1:グループウェアの選定にはどのくらいの期間が必要ですか。
- 課題整理から比較検討、試用、導入までを含めると、数週間から数か月程度かかる場合があります。組織の規模や関係者の数によって必要な期間は異なります。
- Q2:無料トライアルはどのように活用すればよいですか。
- 実際の利用部署にトライアルを試してもらい、操作性や既存業務との相性を確認する方法が有効です。複数製品を同じ条件で比較すると判断材料が整理しやすくなります。
- Q3:小規模な組織でもグループウェアは必要ですか。
- 規模が小さくても、情報共有やスケジュール管理の課題があれば導入を検討する価値があります。組織の状況に応じて必要な機能の範囲を見極めることが重要です。
選定基準に沿って比較したいグループウェア製品
ここまで整理した選定基準や確認観点をもとに、代表的なグループウェア製品を紹介します。基本機能の充実度や導入形態、対応範囲などを踏まえて比較検討する際の参考にしてください。
サイボウズ Office
- チームのコミュニケーションを助ける誰でもかんたんに使える機能
- パソコン、タブレット、スマートフォンなど様々なデバイスに対応
- ユーザーのニーズに合わせて進化しつづけ、累計導入80,000社突破
サイボウズ株式会社が提供する「サイボウズ Office」は、スケジュール管理や掲示板、ファイル管理、ワークフローなど、日常業務に必要な機能を備えたクラウド型グループウェアです。5人からの少人数でも契約でき、ブラウザがあればどこからでも利用を始められます。直感的に操作できる画面設計を採用しており、部署ごとの利用状況に応じて機能の利用範囲を設定できる点も特徴です。会議室予約システムなど一部の外部サービスと連携できる機能も備えています。
desknet's NEO
- 情報の集約と、業務改善を 完全ノーコードで実現できる
- ユーザーの活用が進みやすく、 高い効果を生むことができる
- クラウド・オンプレミス両対応で、多様な環境へ対応可能
株式会社ネオジャパンが提供する「desknet's NEO」は、スケジュールや施設予約、ワークフロー、文書管理などの機能を統合したグループウェアです。クラウド型とオンプレミス型の両方に対応しており、企業の規模や情報システムの方針に応じて導入形態を選択できます。アプリケーションの追加によって機能を拡張できる仕組みを備えており、部署ごとに必要な機能を組み合わせて運用しやすい点が特徴です。セキュリティ関連の機能も備えており、権限設定やログ管理に対応しています。
Garoon
- 使いやすくベテランから若手社員まで社員全員に浸透する
- 管理者の負担を軽減できるシステム管理
- プラグインやAPIによる高い拡張性や豊富な連携製品
サイボウズ株式会社が提供する「Garoon」は、大規模組織での利用を想定したグループウェアで、スケジュール共有や掲示板、ワークフロー、施設予約などの機能を備えています。複数の拠点や部署をまたいだ情報共有を想定した設計になっており、組織階層に応じた権限設定やアクセス制御に対応しています。外部システムとの連携機能も備えており、既存の業務システムと組み合わせた運用がしやすい点が特徴です。導入後の運用や設定変更についてもサポート体制が整えられています。
GroupSession
- 日本企業の商習慣に沿う承認経路や座席表を用意
- テーマ変更やメニュー追加など画面を自由にカスタマイズ
- 無料版・クラウド版・大規模版から導入形態を選択
日本トータルシステム株式会社が提供する「GroupSession」は、スケジュール管理や掲示板、ワークフロー、施設予約などの基本機能を備えたグループウェアです。オープンソース版とパッケージ版が用意されており、企業の予算や運用方針に応じて選択できます。操作画面はシンプルな構成となっており、幅広いITスキルの従業員が利用しやすいよう設計されています。導入規模に応じた柔軟な構成が可能で、部署単位での段階的な導入にも対応しやすい点が特徴です。
WaWaoffice for Workspace Organizer (株式会社アイアットOEC)
- 直感的な操作ができる、誰でも使いやすいシンプルな画面。
- 他システムとの連携により活用の幅が拡大
- 低コストで導入でき、ニーズに合わせた価格調整が可能
SynerGクラウド (株式会社ビジネスサービス)
- Webベースで導入が容易、低コスト。
- 高セキュリティ運用(誤送信防止、アクセス権管理)に対応。
- スケジュール、掲示板、共有で社内情報を一元管理。
サークルスクエア (株式会社シティーズ)
- 24周年、170万ユーザー突破の実績
- 多機能なスケジュール共有・出欠管理、アルバム、チャット。
- スポーツチーム、PTA、町内会など幅広く利用可能
まとめ
グループウェアの選定では、機能比較の前に自社の課題を整理し、関係者間で選定基準を共有する進め方が重要です。導入形態やセキュリティ要件を確認したうえで、段階的な展開と運用ルールの整備を進めることで、社内への定着につながります。


