グループウェアを比較する際に知っておきたいこと
グループウェアの概要について整理できたところで、実際に製品を比較する上で知っておくべきことについてまとめて解説します。
有料と無料のグループウェアの違い
グループウェアには有料のものと無料で利用できるものがありますが、これらの違いをひとことで言うと「使える機能・人数・データ量」です。
- 使える機能の違い
- 一般的に、無料のグループウェアは有料版と比較して使える機能が制限されているケースが多く、スケジュール管理機能と掲示板機能など、最低限の機能しか搭載されていない場合が多くあります。
- 使える人数の違い
- 無料のシステムは、利用できる人数が制限されている場合があり、多くは数名~十数名前後まで無料と設定されています。
- 利用できるデータ量の違い
- 有料のシステムと比べて無料版は一人あたりに割り当てられるデータ量が少なく、共有できるファイルの量などに制限を受けます。
オンプレミス型とクラウド型の違い
グループウェアの導入形態はオンプレミス型とクラウド型に分けられます。それぞれメリットとデメリットがあるため、製品選定において重要なポイントです。
クラウド型のグループウェア
クラウド型は、サービス提供会社がインターネット上に構築したシステムにアクセスして利用する形態のことを指します。自社でサーバーやシステムを構築する必要がなく、一般的にオンプレミス型のグループウェアと比較して安価に導入できます。また、アカウント情報が作成されればすぐに利用できる点や、インターネットにつながっている環境であればどこでも利用できる点もメリットと言えるでしょう。
料金体系は、利用人数ごとの月額課金型であるため、従業員数の急な変動にも柔軟に対応しやすいですが、利用者数が多かったり、長期間契約し続けたりすると、想定以上にコストが高くなることもあります。
オンプレミス型のグループウェア
オンプレミス型は、自社のサーバー上にシステムを構築して利用する形態のことを指します。自社で構築するため、クラウド型のグループウェアと比較してカスタマイズ性が高く、他のシステムと連携しやすいというメリットがあります。自社のセキュリティポリシーにあわせてシステムを構築できるため、クラウド型よりも安心して使えるという点や、独自の機能追加をしやすいという点もメリットと言えるでしょう。
料金体系は導入初期にすべての費用がかかるうえにサーバー構築費用なども必要となるため、クラウド型と比較して最初に多額のコストがかかりますが、人数が増えたり長期間使ってもシステムの費用は変わりません。
グループウェア選定ポイント
1.そもそもグループウェア導入によって何を実現したいのか?
自社に合ったグループウェアを選ぶためには、まず自社の業務を分析することが必要となります。
メールでのコミュニケーションが多いのか、グループ型のチャットが多いのか、それともトップダウンで情報が流れる掲示板型が多いのか、業務フローや組織体制によって情報伝達は異なります。自社のコミュニケーション方法を良く分析するといいでしょう。
グループウェアを選ぶ際、気を付けたいことがあります。それは、スケジュール管理やメールなどの独立した機能の評価だけではなく、各機能が統合された効率的な情報共有の実現によって、全社の生産性を向上させるコミュニケーションツールとして評価することが必要だということです。
そのためには、社内情報が集約され、活用されるための仕組みや日常的な使い易さを含むインターフェースなど、総合的な評価をしなくてはなりません。グループウェアの導入によって、社内コミュニケーションが活性化されるよう、使い勝手など自社に合う製品を選ぶようにしましょう。
2.マルチデバイス、グローバル対応なども評価基準のひとつに
今やビジネスにも欠かせないのがスマートフォンやタブレットの利用です。多くの製品がマルチデバイスに対応していますが、使い勝手が非常に重要になります。もちろん機能面でも、外出先から適切な情報が得られるような機能をしっかり試してください。モバイル対応している製品は、スケジュールの開始前や変更があった際に知らせてくれるリマインダー機能がついている場合もあります。
グローバル対応についても、各社の対応が始まっています。たとえば、ボタンクリック一つで英語表記に変更できる製品などもあります。これから海外進出する予定の国も対応しているかしっかりチェックしましょう。
3.機能と価格はトレードオフ。必要な機能は何か?
グループウェアに限らず「価格」が重要な選定ポイントであることは間違いありません。一般的に多くの機能を望めば、価格は高くなります。しかし、使いこなせないほど多くの機能を持っていることも無駄であることに他なりません。経営資源を圧迫するほど高価な製品を導入しては本末転倒です。自社のニーズをしっかりと把握し、機能面と予算面をはかりながら適切な製品を選定しましょう。
それでも、高機能で低価格であることに越したことはありません。クラウド型の場合、1ユーザー単位で価格設定している場合だけではなく、利用規模に応じたボリュームディスカウントが設定されている場合もあります。また、契約期間に応じて割引になるケースもありますので、しっかりと価格体系を確認しましょう。
4.自社に適合させるための必要なカスマイズは何か?
新規にグループウェアを導入するのではなく、既存システムからの乗り換えを検討している企業も多いのではないでしょうか。旧システムでカスタマイズによって実現していた機能を新システムですべて実現することは至難の業で、実現のためにはコストが発生します。これまで使えたけれども今後は使えない機能もあることをユーザーに納得してもらいましょう。
製品によっては、社内のエンジニアがカスタマイズすることで、細かい要請にも応えられる柔軟性を持つ製品もあります。この場合は価格だけではなく、導入時や運用時に発生する社内のエンジニアによる開発コストも考えなくてはなりません。
外部に開発を依頼することも含め、最終的にはカスタマイズによって得られるメリットと開発コストのバランスになるでしょう。自社に本当に必要な機能は何か、どこまでカスタマイズが必要かを見極めましょう。
グループウェア製品をまとめてご紹介
それでは、グループウェアの製品をまとめてご紹介します。無料・有料の観点から製品を分類していますので、気になるものが有りましたら詳しく調べてみましょう。
無料のグループウェア製品6選
こちらは無料で使えるグループウェアです。各種制限事項などを比較して、自社で利用可能か確認してみましょう。
ユーザー数は無制限に利用することができます。また、国産製品なため、細かな機能設定が可能となっています。
ユーザーに優しい直感的な操作ができます。スケジュールとの連携により、個人やチームでの多岐に渡るタスク管理やレポート管理が効率化できます。
スケジュールとの連携により、個人やチームでの多岐に渡るタスク管理やレポート管理が効率化できます。必要最低限の機能から、自分でカスタマイズが可能です。余計な機能を省くことができ、効率的な運用ができます。
無料でスマホ対応も可能です。また、提供形態がクラウド型なので、インターネット環境さえあれば簡単に利用ができます。
一般的な基本機能に加え、ワードやエクセルのファイル・画像などを、無料で最大50MBまで一斉送信できる機能があります。
ママさんのサークル運営に役立つグループウェアです。スケジュール管理、掲示板、メール配信、インフォメーション、メンバー管理機能などが無料で利用できます。
ITトレンド編集部厳選 グループウェア製品10選
人数や容量などを気にせず安心して利用したい方は、有料のグループウェアが適しています。まずはITトレンドがおすすめするグループウェアをご紹介します。
無料トライアル期間があり、導入するかどうかの検討ができます。導入後も基本料金の月額3,000円で20ユーザーまで活用が可能です。
レスポンシブWebデザインの活用により、デバイスに関わらず使いやすいインターフェイスとなっています。無料トライアルも可能です。
国内での利用シェアが高く、提供形態もクラウド型やパッケージ型など自社に合わせて選ぶことができます。
直感的に操作が可能なインターフェイスにより、かんたんに導入・運用ができます。また、大量のデータの利用も可能で、数万人規模の環境でも安定した利用が可能です。
クラウド提供されているため、かんたんに利用が可能です。他社サービスとの連携も可能で、自社のコミュニケーションインフラとしての基盤づくりができます。
グループワーク機能が充実しており、会社のメールに関しては、ログインせず操作が可能です。また、4段階のセキュリティ対策機能(禁止語句チェック、誤送信防止など)により、セキュリティが強化されています。
Googleカレンダーなど、普段使っているGoogleサービスとの連携が可能となります。また、バージョン管理に関しても自動的に最新のバージョンにアップデートされるので、自社でアップデートする必要がありません。
誰でも簡単に使いこなせる直感的なインターフェイスとなっています。また、3ヵ国対応(日・中・英)しており、海外支社との情報共有もスムーズに行うことができます。
利用デバイスを問わず利用可能で、セキュリティ保護も最新バージョンであるOffice365、Windows10で行われています。p>
文書管理やワークフローの機能を持ったグループウェアです。また、モバイル対応しているので、多様な働き方を推進している企業では役に立つでしょう。
まだまだある!その他のグループウェア9選
上記のおすすめ製品以外にも、以下のような製品もあります。気になる方はぜひ調べてみてください。
大規模向けのグループウェアです。プロジェクトの追跡、ファイル共有などをメールの受信ボックスから直接おこなえます。支社の多い企業が支社ごとにグループウェアの導入を進める際などにおすすめです。
デバイスを問わずスケジューラや掲示板機能などの利用が可能です。また初期費用は無料なため、導入へのハードルは低いといえるでしょう。
フルカスタマイズで自社にあったアプリをプログラミングなしで作成できるため、自社のニーズに合致したグループウェアを利用することができます。
直感的な操作が可能であり、誰でもかんたんに利用することができます。また、顧客管理情報や売上数字など、全て他の情報に紐付けることができるため、業務が一元的に管理できます。
クラウド型なので、インターネット環境があれば利用可能です。また、SSL暗号化通信、不正侵入検知などのセキュリティ対策も標準機能として搭載されています。
小売業に特化したグループウェアです。多店舗展開するお店の各店舗との情報管理に役立ちます。
中小、スタートアップ企業でも導入しやすい低価格でクラウド型の製品です。毎月新しい機能が追加され、Googleカレンダーとの連携が可能となっています。
タスクやプロジェクトの進捗が可視化・共有できるので、業務の生産性向上に繋がります。また、モバイル対応しているので、場所を問わず活用ができます。
ポータル機能、コンテンツマネジメントを持ち合わせたグループウェアです。コンテンツマネジメントを持ち合わせ、社内の情報共有や風土の醸成を実現します。
グループウェアの基本知識に不安な方へ
まずはグループウェアについておさらいしましょう。冒頭でもご説明しましたが、グループウェアとは企業内での情報共有やコミュニケーション活性化のために利用されるツールです。社内のネットワーク上に構築されていたり、サービス提供会社が自社Webサーバー上に構築しているツールにログインして利用したりしますが、従業員しかアクセスすることができないため、もっぱら内部の情報共有に利用されます。グループウェアにアクセスすれば見るべき情報がすべて見られる、というような状態になっていることも多く、社内インフラの一つといってもよい存在になっています。
できることは?簡単におさらいしよう
グループウェアにはスケジュール管理機能があるため、従業員全員が自分の予定をグループウェアに登録しておけば、誰でも確認することができます。例えば営業担当者の外出中、別の顧客から電話がかかってきたとしても、受電者がその担当者の予定を確認して戻り時間を伝えたり、用件を聞いて担当者に折り返し電話をさせるように指示することもできます。
そもそもグループウェアにどのような機能があるか整理したい方のために、機能やメリットをあらためて解説します。
押さえておきたい機能
グループウェアに搭載されている主な機能としては、以下のようなものがあります。
- ・スケジュール管理・共有機能
- 訪問予定や会議、来客の予定などを登録し、全社員に共有することができます。部署やグループの会議など、複数メンバーに同じ予定を登録することもできます。
- ・掲示板機能
- 全員に向けて伝える必要がある連絡事項などを掲示できる機能です。期間や対象範囲を制限することができる製品もあります。
- ・メッセージ機能
- グループウェア上で従業員同士がコミュニケーションをとれる機能です。特に複数のメンバーで会話をしたい時に、便利に使える機能です。
- ・ファイル共有機能
- 通達文書や資料などをグループウェア上で共有できる機能です。営業資料や各種文書のひな形などを共有することで、常に従業員が最新版のファイルを閲覧することができます。
- ・会議室予約機能
- オフィスにある会議室の空き状況などをグループウェア上で管理できる機能です。空いている会議室を探す手間が省けるなどのメリットがあります。
知らないと損するメリット
グループウェアを活用することで得られるメリットを整理しておきましょう。
- ・社内のコミュニケーション活性化
- グループウェアを活用すれば、同じ場所に集まらなくてもオンライン上で会話することができます。気軽な情報共有などもしやすくなるため、より社内コミュニケーションの活性化が見込めるでしょう。
- ・業務の効率化
- 掲示板機能を使えば、全社員への連絡は一度で済みます。メッセージ機能を使うことで、簡単な議論であればグループウェア上で解決するなど、無駄な会議を減らすことにつながります。
- ・紙コストの削減
- ファイル共有機能により、今まで紙で共有していた際の印刷コストなどを削減することができます。
まとめ
グループウェアの製品特徴を理解できましたか?無料のグループウェアでできること、できないことを知れたのではないでしょうか。自社の状況を鑑みた上で、最適なグループウェアを選びましょう。