グループウェアの市場規模
では、まず初めにグループウェアの市場規模を見ていきましょう。
2016年のグループウェア市場規模は1,160億円
株式会社富士キメラ総研が2017年に発表した調査によると、2016年のグループウェアの市場規模は1,160億円となっています。内訳を見ると、社内にサーバーを設置するパッケージ型が170億円、クラウド上のサーバーにユーザーがアクセスするSaaS型(クラウド型)が990億円と、SaaS型が85%を占めています。
SaaS型が増加している背景には初期費用が低く、サービス導入への障壁が低いことがあげられ、パッケージ型からの移行や新規導入している企業が増えているのです。
出典: 『ソフトウェアビジネス新市場 2017年版』まとまる(2017/8/2発表 第17072号)| 株式会社富士キメラ総研
2019年時点での導入率は87.2%
リクルートが運営する総合情報サイト「キーマンズネット」が2019年5月に行ったグループウェアの利用状況に関する調査によると、アンケート対象の300企業のうち87.2%が「導入済み」と回答しており、全体の9割近くの企業が導入していることがわかりました。
従業員規模別では、従業員数が多くなればなるほど導入率が高い傾向にあり、従業員が少ないほど未導入である割合が高いようです。
出典: グループウェアの利用状況(2019年)/前編 (1/2)| キーマンズネット

今後のグループウェア市場
次に、グループウェア市場規模の今後の展望を見てみましょう。
2021年には1,986億円まで成長すると予測されている
株式会社富士キメラ総研の先ほどの調査によると、2021年には2016年度比171%の1,986億円と、大幅な成長が見込まれています。さらに、その内訳を見るとパッケージ型が141億円と2016年度を下回るのに対して、SaaS型は1,845億円であり、SaaS型の需要がさらに高まるとのことです。
SaaS型が今後伸びていく要因
この背景にあるのは、「働き方改革」の促進であり、自宅で勤務を行うリモートワークや外出先・出張先での利用を考えた際に、場所や時間を問わず利用できるSaaS型が好ましいのです。
また、クラウドサービスの発展によって、ワークフロー機能や経費計算機能をはじめとするグループウェアの基本機能も補完されてきており、ベンダーも周辺サービスの強化を図るなど、SaaS型を利用しやすい環境整備が進んでいることも一因と考えられます。
出典: 『ソフトウェアビジネス新市場 2017年版』まとまる(2017/8/2発表 第17072号)| 株式会社富士キメラ総研
クラウド型(SaaS型)のグループウェアは以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
知っておきたいグループウェアの歴史
ここからは、グループウェアの歴史を簡単に紹介します。
グループウェアの登場は1990年代
グループウェアの登場は1990年代にさかのぼります。Lotus Notesの登場で爆発的に企業にグループウェアが浸透し、電子メールとニュースグループをメインに使われてきました。グループウェアが生まれた背景には、各企業が抱えていた、ホワイトカラーの生産性向上という問題の解決が挙げられるでしょう。
業務が定型化し、情報化もされたことで、PCを導入してハードウェア面での改革が進んだ後は、ソフトウェアでの業務改善が求められました。そのニーズにこたえるかのように登場したLotus Notesが市場を席巻し、文書共有や電子会議室などの優れた機能によって、ホワイトカラーの生産性向上に一役買いました。
文書管理からコミュニケーションへ、そして基盤システムへ
当初は文書共有が主な機能だったグループウェアも、LANの普及によってメールの導入が進みました。その結果として、業務改善を目的として、各機能が融合され、メールで文書が添付されることによって、決裁に似た回覧決裁機能が追加されるようになりました。
そして、これらの定型業務のほかに、非定型業務もグループウェアで取り込みたいという要望が高まりました。それはすなわち、現在では常識になりつつある外部アプリケーションとの連携を意味します。
こうして、グループウェアは電子決裁や庶務事務管理、経費清算など幅広い用途で活用されるようになり、アプリケーションの基盤システムとして導入されるようになったのです。
グループウェアの歴史については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
市場の流れを理解して、自社にあった製品選定を!
グループウェアの市場は今後も拡大し、特にクラウド型の製品が主流となっていくことが予想されています。クラウド型グループウェアは、どこからでもアクセスできる点で画期的なシステムであり、実際に大半の企業がクラウド型の導入を決めています。
製品を選定する際は、市場の流れを理解したうえで、自社にあった製品を選定しなければ、導入後の定着につながりません。まずは以下の記事や資料請求を通じて製品について理解し、慎重に製品を選んでいきましょう。
