ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■業務システムへの反映方式別
- ■ID台帳の取り込み元別
- 人事システム・人事データと連携:SeciossLink(セシオスリンク)、SmartHR、ID統合管理ソリューション、WebSAM SECUREMASTER、Soliton ID Manager
- Active Directory・LDAPとの連携:AXIOLE、SeciossLink(セシオスリンク)、Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)
- ■台帳やアカウントの運用で重視したい機能別
- 変更履歴・時系列の確認:IIJ IDガバナンス管理サービス、ID統合管理ソリューション、Soliton ID Manager
- 名寄せ・表記ゆれの整理:アカンサス
- 特権IDのアクセス管理:ACTCenterPIM、CyberArkPrivilegedAccessManager
ID管理ツールにとってのデータベースの役割
ID管理ツールの中心には、社員ごとのIDや所属、権限をまとめたデータの保管場所があります。この保管場所がどのような形式でデータを持つかによって、検索の仕組みや連携しやすい相手が変わります。まずはその役割と種類を確認しましょう。
ID情報を一元化するID台帳
ID管理ツールのデータベースは、社内のIDを1か所で管理する「ID台帳」の役割を担います。人事システムなどから社員情報を取り込み、そこからメールや業務システム、ファイルサーバーへアカウントを配る起点です。
ID台帳がない状態では、システムごとに管理者が手作業でアカウントを登録するため、退職者のアカウントが残ったり、権限の付与内容がばらついたりする場合があります。ID台帳を正しい情報の基準として決めておくことで、各システムの状態と見比べて差分を確かめられます。
ディレクトリ型とリレーショナルデータベース型
ID台帳の保管方式には、ディレクトリ型とリレーショナルデータベース型があります。ディレクトリ型は、ユーザーや組織の情報を階層構造で管理する方式です。LDAPなどのプロトコルを使って情報を検索・参照できます。
リレーショナルデータベース型は、表形式でデータを持ち、所属と役職、権限のように複数の情報を組み合わせて扱う処理に使われます。製品によって採用している方式は異なり、両方を組み合わせる場合もあります。方式そのものより、自社の連携先とつなげられるかを確かめることが大切です。
ID管理のデータベースに持たせる情報
ID管理ツールのデータベースに何を持たせるかで、自動化できる処理の範囲が決まります。本人を識別する属性に加えて、権限を判断するための組織情報や、いつ何が変わったかの履歴まで設計しておくと、運用や監査で役立ちます。
本人を識別する基本属性
ID台帳の基本は、社員番号や氏名、メールアドレス、ログインIDといった本人を識別する属性です。特に、異動や氏名変更があっても変わらず、ほかの人に再利用されない識別子を決めておくことが重要です。データベースでは、こうした識別子を主キーとして管理する方法があります。
氏名やメールアドレスを主キーにすると、結婚による改姓やアドレス変更のたびに別人として扱われ、アカウントが二重に作られる恐れがあります。業務委託や派遣の社員のように社員番号がない人には、別の採番ルールを用意しておきましょう。
権限を決めるための組織とロールの情報
アカウントの作成や権限の付与を自動化するには、部署や役職、雇用区分、勤務地といった組織の情報が欠かせません。ID管理ツールは、これらの属性の組み合わせから「営業部の社員には営業支援システムの利用権限を付ける」といったルールを当てはめて処理します。
こうした業務上の役割ごとに権限をまとめたものをロールと呼びます。部署コードの体系が人事システムと業務システムで異なる場合は、対応表をデータベースに持たせる必要があります。コードの変換をどこで行うかも設計時に決めておきましょう。
変更履歴と有効期限の情報
ID台帳には、現在の値だけでなく、いつ誰が何を変更したかの履歴を残しておくと監査に対応しやすくなります。権限の付与や削除の記録を後から確認できれば、不要な権限が付いたままになっていないかを点検できます。
あわせて、入社日や異動日、退職日、契約の終了日といった有効期限の情報を持たせると、日付に応じてアカウントを有効化・無効化できます。履歴の保存期間や、退職者のデータをいつ削除するかは、社内の規程を確認して決めましょう。
業務システムのデータベースへIDを反映する方式
ID管理ツールから業務システムへアカウントを反映する方式は、主にデータベースへの直接連携、APIやSCIMによる連携、CSVファイルによる連携の3つです。連携先ごとに使える方式が異なるため、システムの一覧を作って当てはめていきます。
データベースへ直接書き込む連携
自社開発の業務システムや古いパッケージでは、ユーザー情報をデータベースの特定のテーブルに持っていることがあります。この場合、ID管理ツールがデータベースへ接続し、ユーザーのテーブルへ直接追加や更新を行う方式が使われます。
画面からの登録を経ないため、業務システム側の入力チェックや関連テーブルの更新が行われない可能性があります。業務システムの開発元や保守担当に、直接書き込んでよいテーブルと項目を確認し、検証環境で動作を確かめてから本番に適用しましょう。
APIやSCIMを使う連携
SaaSや新しい業務システムでは、API経由でアカウントを作成・変更・削除する方式がよく使われます。APIとは、外部のプログラムからシステムの機能を呼び出すための窓口です。SCIMはユーザー情報をやり取りするための標準仕様で、対応するサービスどうしなら連携の設定をそろえやすくなります。
APIには呼び出し回数の上限が設けられていることがあり、大量の異動を一度に反映すると一部の処理が失敗する場合があります。失敗した処理を管理者へ通知し、再実行できるかを確認しておくと安心です。
CSVファイルを介した連携
直接の接続ができないシステムには、ID管理ツールが出力したCSVファイルを業務システムに取り込む方式が使われます。連携先に一括登録の機能があれば使えるため、連携の選択肢を広げられる点が利点です。
一方で、ファイルの受け渡しや取り込みの実行が手作業になる場合は、反映の遅れや取り込み忘れが起こる可能性があります。ファイルの置き場所への定期的な出力と自動取り込みを組み合わせ、取り込み結果のログを確認する手順まで決めておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でID管理ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
データベース自体のアカウントもID管理の対象に
ID管理というと業務システムの利用者アカウントに目が向きがちですが、データベースそのものにログインするためのアカウントも管理の対象です。権限が大きいアカウントほど、誰が使っているかを明確にしておく必要があります。
データベース管理者や共有アカウントの扱い
データベースの管理者アカウントは、全データの参照や削除ができる強い権限を持つため、特権IDと呼ばれます。複数の担当者で1つの管理者アカウントを共有していると、操作した人を特定できず、パスワードの変更も滞りがちです。
担当者ごとに個別のアカウントを発行するか、共有アカウントを使う場合は利用申請と操作ログで使用者を記録する運用が考えられます。特権IDの貸し出しや操作の記録を専門に扱う特権ID管理ツールもあるため、一般のID管理ツールと役割を分けて検討するとよいでしょう。
アプリケーションが使う接続用アカウント
業務システムがデータベースへ接続するための専用アカウントも、人が使うアカウントとは別に管理が必要です。設定ファイルにパスワードが書かれたまま長期間変更されていない、担当者の異動後に用途がわからなくなる、といった状態は避けたいところです。
接続用アカウントの一覧に、利用しているシステムと管理責任者を記録しておきましょう。パスワードを変更する際は、接続するシステムの設定も同時に更新する必要があるため、手順を文書にまとめて複数人で共有しておくと安心です。
ID台帳のデータベースを正しく保つ運用
ID管理ツールの効果は、ID台帳のデータが正しいかどうかに左右されます。導入時に既存データを整えるだけでなく、稼働後も定期的に各システムのアカウントと突合することで、台帳と実態のずれを小さく保てます。
重複と表記ゆれの名寄せ
既存のシステムからデータを集めると、同じ人が別のIDで複数登録されていたり、氏名の全角と半角が混在していたりすることがあります。こうした重複や表記ゆれを整理し、1人に1つのデータへまとめる作業を名寄せといいます。
名寄せでは、社員番号のように変わらない項目を手がかりに照合し、判断に迷うデータは担当部署に確認します。導入時に一度整えたら、新規登録時の入力ルールを決めて、ずれが再び生じにくい状態を保ちましょう。
各システムのアカウントとの定期的な突合
ID管理ツールを使っていても、業務システムの管理画面から直接アカウントが追加されると、ID台帳にない利用者が生まれます。こうしたアカウントは、退職時の削除対象から漏れる可能性があります。
定期的に各システムのアカウント一覧を取り込み、ID台帳と突合して差分を洗い出しましょう。台帳にないアカウントは所有者を確認し、不要なものは停止します。突合の結果と対応内容を記録しておけば、次回の点検や監査でも経緯を説明できます。
ID台帳と連携方式で比べるID管理ツール一覧
紹介するID管理ツールについて、ID台帳への取り込み方や業務システムへの反映方式に注目して、各製品の特徴をまとめました。自社の連携先が対応している方式と照らしあわせて確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| IIJ IDガバナンス管理サービス | 過去・現在・未来のIDや組織情報を時系列で管理。SCIM v2やAPIによる連携に対応 |
| AXIOLE | LDAPベースの認証アプライアンス。LDIF・CSV形式などでユーザー情報を取り込める |
| SeciossLink(セシオスリンク) | ADや人事情報との連携に対応。CSVファイルアップロードAPIで人事データを取り込める |
| Secioss Identity Manager Enterprise(SIME) | MySQLやOracle DatabaseなどとのID同期に対応。CSV連携やSCIM・RESTful APIによる外部システムとの連携も可能 |
| SmartHR | 従業員データベースと連動し、入退社・異動に伴うアカウント作成・削除の対象を自動抽出 |
| ID統合管理ソリューション | 人事管理システムやデータベースなど、異なるシステム間のデータ形式の違いを吸収してIDを同期 |
| WebSAM SECUREMASTER | 人事データベースやADと連携し、業務システムへのID情報の配付・同期を支援 |
| Soliton ID Manager | 人事情報や権限を一元管理。変更履歴の管理やCSVの一括インポート・エクスポートに対応 |
| ACTCenterPIM | OS・データベース・仮想環境などの特権IDを管理し、アクセス制御や操作の監査を支援 |
| アカンサス | ID情報の管理に加え、部署名などの表記ゆれの修正や名寄せに対応 |
| CyberArkPrivilegedAccessManager | オンプレミスやクラウド環境の特権アカウントへのアクセスを一元管理 |
| OSSTech Unicorn ID Manager | Linux向けのオープンソース統合ID管理製品。CSVやコマンドによるID連携に対応 |
データベース連携やID台帳の管理を支えるID管理ツール
業務システムのデータベースやディレクトリとID情報を同期できる製品、人事データと連動してID台帳を管理できる製品を紹介します。連携先の種類や対応範囲を比較しましょう。
IIJ IDガバナンス管理サービス
- 散在するIDやアカウント情報を一元管理
- 簡単設定のプロビジョニングで業務負荷を解消
- 不正なID・権限設定が一目で分かる
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJ IDガバナンス管理サービス」は、IDや組織情報を時系列で管理できるクラウド型のIDガバナンス管理サービスです。カレンダーで日付を指定すると、過去・現在・未来のIDやマスタ情報を確認できます。入退社や異動だけでなく、兼務や出向・転籍といった人事イベントにも標準対応。所属や属性に応じたアカウント発行やライセンス付与を自動化し、権限の棚卸しも行えます。SCIM v2による汎用連携やAPIを利用した外部システムとの連携にも対応しています。
AXIOLE
- ネットワーク認証に必要なスキーマ構築済みの認証アプライアンス
- LDAP/RADIUS認証に対応し様々なネットワーク機器から認証が可能
- 「時間」や「場所」を考慮した、より厳密な複合認証が可能
株式会社ネットスプリングが提供する「AXIOLE」は、LDAPベースの認証アプライアンスサーバです。ネットワーク認証に必要な属性を含むスキーマがあらかじめ用意されており、ユーザー情報を登録して利用を始められます。LDIF・CSV・UNIX Password形式によるデータのインポート・エクスポートに対応。既存のActive DirectoryやLDAPサーバーのユーザー情報を使った認証や、アカウント情報の同期も可能です。LDAP/RADIUS認証やSAML認証に対応し、社内の認証基盤を集約したい企業に適しています。
SeciossLink(セシオスリンク)
- シングルサインオンであらゆるサービスに連携
- IDの一元管理で業務効率化
- FIDO認証や証明書認証などの多要素認証で認証を強化
株式会社セシオスが提供する「SeciossLink(セシオスリンク)」は、人事情報や社内のディレクトリと連携してIDを一元管理できるクラウド型サービスです。人事システムから出力したCSVファイルを、CSVファイルアップロードAPIで自動的に取り込めます。Active DirectoryやLDAPなどのディレクトリ情報との連携にも対応し、Microsoft 365やGoogle Workspaceなどへのアカウントのプロビジョニングが可能です。シングルサインオンや多要素認証も備え、社内システムとSaaSが混在する環境のID管理を支援します。
Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)
- 複数のシステムに散在するIDを一元管理
- パスワードポリシーの管理も可能
- あらゆるサービス・システムと連携できる
株式会社セシオスが提供する「Secioss Identity Manager Enterprise(SIME)」は、さまざまな業務システムと連携できるオンプレミス型の統合ID管理ソフトウェアです。MySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Server、Oracle Databaseなどのデータベースに対応しています。Active DirectoryやOpenLDAP、主要なクラウドサービスへのID同期も可能です。CSV連携では連携先に応じてフォーマットを定義でき、ID同期時には任意のスクリプトを実行できます。また、外部システムからの連携に利用できるSCIM APIやRESTful APIを備えています。
SmartHR
- ID管理とSSOで、アカウントの作成・削除とアクセスを一元管理
- プロダクトとBPOで、情シス業務全体の負荷を軽減
- 最新の人事データと連動、アカウントとアクセスの対応漏れを防止
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、人事労務の従業員データベースをID管理に活用できるクラウドサービスです。在籍状況・部署・役職などの人事情報と連動し、入社・異動・退職に伴って作成・削除が必要なアカウントを自動で抽出します。外部サービスごとに誰がアカウントを保有しているかを一覧で確認でき、連携可能なサービスではアカウントの作成・削除にも対応。シングルサインオンやパスワード管理機能も備え、人事情報と各サービスのアカウント管理を一元化できます。
ID統合管理ソリューション (TISI株式会社 (※株式会社インテックはTIS株式会社と合併し、2026年7月より社名を「TISI株式会社」に変更いたしました。))
- SaaSを利用する際の認証を強化する統合認証サービス
- ID統合システムとID同期システムを組み合わせて対応
- 証明書認証など様々な認証方式にも対応
WebSAM SECUREMASTER (日本電気株式会社)
- 国産なので、日本企業特有の業務スタイルに対応します
- 内部統制強化の支援に繋がる機能で管理者負担が軽減します
- 主要システムとの連携のためのテンプレートを標準で用意
Soliton ID Manager (株式会社ソリトンシステムズ)
- よりスムーズなログイン・管理が可能!
- 自社ルールに適合した柔軟な設定を実現!
- 申請ワークフローを活用し効率的なデジタル証明書の配布が可能!
ACTCenterPIM (NTTテクノクロス株式会社)
- 国内シェア10年連続1位の実績。
- 法令・基準に対応し監査を効率化
- エージェントレスでOS、DB、仮想環境を幅広く管理。
アカンサス (NTTテクノクロス株式会社)
- NTTグループのセキュリティ準拠
- 部署名の揺れ修正と名寄せが可能
- ID棚卸業務の労力を75%削減
CyberArkPrivilegedAccessManager (CyberArk Software株式会社)
- ハイブリッド・マルチクラウドの特権アクセスを一元管理。
- ゼロスタンディング特権など多層防御でリスクを抑制。
- PAM as-a-Serviceとセルフホストの両対応
OSSTech Unicorn ID Manager (OSSTech株式会社)
- 複数システムのID情報を統合・一元管理。
- WebブラウザでID管理やパスワード操作が可能
- CSVやコマンド連携により柔軟なID連携を実現
まとめ
ID管理ツールとデータベースの関係は、ID台帳としての保管と、業務システムのデータベースへの反映に分けて考えると整理できます。ID台帳には変わらない主キーと組織情報、履歴を持たせ、連携先ごとに直接連携やAPI、CSVを使い分けましょう。データベース自体のアカウントや台帳の突合も忘れずに運用することが大切です。自社の連携先に対応したID管理ツールを比較したい方は、資料請求を活用してください。

