労務管理と勤怠管理の違い
労務管理とは従業員の賃金や福利厚生など労働基準法の規則にそって従業員の働く環境を整えることで、勤怠管理とは労務管理の一部であり従業員の働いた時間や内容を管理することです。では早速それぞれ概要を見ていきましょう。
労務管理とは従業員の賃金や福利厚生を管理すること
労働管理とは従業員の賃金・福利厚生に関する管理を行い、適切に働ける環境を作ることです。具体的には、労働時間を管理し、法律に違反していないかという確認や、賃金システムの見直しを行います。
他にも従業員の入社から退社までの手続きも労務管理に含まれ、従業員が入社するときの労働条件にも大きく関わる内容が多いです。
入社時の労働条件には以下の内容が含まれます。
- ■労働期間
- 入社日やいつまで働くのかを決めます。
- ■労働時間
- 1日の労働時間や働く曜日・休日・休憩時間を決めます。
- ■労働の対価
- 給与などの賃金、交通費の有無、各種手当を決めます。
- ■業務内容
- 具体的な仕事内容や働く場所を明記します。
このように労務管理には、従業員の労働環境・労働条件に関する幅広い業務が該当します。労務管理の業務内容をもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
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勤怠管理とは従業員の勤怠や就業状況を管理すること
勤怠管理とは、従業員の勤怠・就業状況を管理することで、労務管理の一部です。主に出勤・退勤時間、休憩時間、出社日数を把握し、就業規則や法律を守れているか確認します。
勤怠管理は労務管理の中でも毎日行うものであり、給与計算にも大きく関わっているため、重要度は高いでしょう。勤怠管理は労務管理と区別されることが多いです。
労務管理をするうえで勤怠管理が必要な理由
労務管理を行う際には勤怠管理をしっかり行う必要があります。その理由を解説していきます。
従業員の給与を正しく支払うために必要
勤怠管理を適切に行わなければ、従業員の給与を正しく支払うことができません。従業員の給与は基本給以外にも残業代など時間によって変化する項目が多いです。また、保険料や税金の金額も勤怠管理を適切に行っていなければ計算できません。
このように、勤怠管理には自社の労働状況を把握するだけでなく、支払いを適正に行う役割があるのです。
コンプライアンスのために必要
事業者が労働者を雇用するときは、労働基準法などを遵守しなければなりません。実際に、近年では長時間労働など法定時間を守っていないブラック企業が注目されており問題になっています。
法律を遵守しなければ、労働基準監督署から指導を受けることもあるでしょう。さらに事態が悪化すれば会社自体のイメージが悪くなります。
労務トラブルを予防するために必要
従業員の勤務時間を把握していれば、適切な給与を支払うだけでなく健康管理にもつながります。
近年では、長時間労働による過労死など健康被害も問題になっています。このように問題がある労働環境であれば、従業員に訴訟を起こされるリスクも否めません。そこで、勤怠管理を適切に行っていれば、労働環境を整えることができる上、生産性も向上するでしょう。
労務のトラブル予防について紹介してきましたが、以下の記事で労務管理の問題についてもっと詳しく紹介していますので気になる方は是非参考にしてください。
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労務管理・勤怠管理をシステム化するメリット
労務管理・勤怠管理は従業員すべての莫大な情報を管理しなければなりません。そのためすべて手作業で管理することは不可能に近いでしょう。ここでは労務・勤怠管理をサポートするシステムのメリットを紹介します。
手動の業務を自動化して効率アップできる
従業員一人ひとりに対して労務管理を行うと、業務の負担が増えます。例えば、タイムカードで打刻をしていれば、勤務時間をエクセルなどに転記する手間が発生するでしょう。
そこで勤怠管理システムを使えば、打刻データがそのままシステム上に反映されるため手間も省けるでしょう。最近では、スマートフォンで打刻をすることが可能なので、より効率化できます。
適切な勤務時間を簡単に管理できる
勤怠管理をシステム化することで、勤務時間を管理する手間が軽減されます。これにより、適切な給与計算や、法令遵守も可能となります。従業員の立場からしても、サービス残業の抑止力としての効果が期待できるでしょう。
従業員の不正打刻を防止できる
タイムカードを使った打刻方法であれば、他の人が打刻可能なため、不正が発生し安くなってしまいます。一方、勤怠管理システムでは、静脈や指紋認証、GPSを活用した認証システムを採用しているため、不正打刻を阻止することができます。
そのため、出張や、本社・事務所に出社しない社員の打刻も正確に行うことが可能です。
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労務管理と勤怠管理の違いを理解して業務を効率的に行おう
労務管理と勤怠管理を正確に行うことで、従業員の働く環境をよりよくでき、ビジネスの発展にも貢献するでしょう。しかし、従業員の人数が多くなるほど、管理する情報や行うべき手続きは増えます。そのうえ、度々改正される法律や規制に対応しながら管理することは至難の技です。システムの導入も視野に入れ、的確に管理を行いましょう。