ロードバランサが使いにくいと感じる製品の特徴
使いにくさは、感覚だけでなく、確認できる観点に分けて捉えると比較しやすくなります。操作画面、情報の入手、運用の手間という観点ごとに、使いにくくなる例と確認点を整理します。重視する観点は、運用体制によっても変わるでしょう。
| 観点 | 使いにくくなる例 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 操作画面 | 設定項目が多く、目的の設定を探しにくい | 画面の構成、検索や絞り込みの機能 |
| 情報の入手 | 手順書が少なく、設定方法を調べにくい | マニュアルの範囲、日本語での提供 |
| 運用の手間 | 変更の反映や確認に手作業が多く残る | 変更履歴、設定の反映方法 |
操作画面と設定項目の分かりにくさを見る
ロードバランサの設定は、振り分け先、方式、ヘルスチェック、証明書など項目が多岐にわたります。画面の構成が整理されていないと、目的の設定を探すのに時間がかかる場合があります。
デモや試用の画面で、よく使う設定にたどり着くまでの操作の回数を数えてみましょう。画面の文言が日本語か、用語の説明が付いているかも、担当者の負担に関わる点です。複数の担当者で同じ操作を試すと、感じ方の違いも把握できます。
ドキュメントと情報の入手しやすさを確かめる
操作に迷ったとき、手順書やよくある質問が整っていると、自力で解決しやすくなります。製品のマニュアルがどの範囲まで公開されているか、日本語で提供されているかを確認しましょう。
設定例や、構成ごとの手順が掲載されていると、初期設定の参考になります。ユーザー向けの情報交換の場が用意されているかも、確かめたい点です。
契約前の段階で閲覧できるかも、ベンダーに聞いておきましょう。情報が更新される頻度も、確認しておくと役立ちます。
運用の負担が増える仕組みに注意する
設定を変更するたびに、複数の機器へ個別に反映する必要がある場合は、作業の負担が増えます。変更の履歴を残せるか、元の状態へ戻せるかも、日々の運用に影響します。
運用の手間は、導入後に気づきやすい部分です。変更の頻度が高い運用を想定し、一回の変更にかかる手順と時間を、事前に確かめておきましょう。
評価の際は、具体的な操作で比べると、判断しやすくなります。担当者の人数や経験によって感じ方が変わる点も、考慮に入れましょう。
使いにくさにつながる初期設定の難しさと準備
ロードバランサの初期設定は、ネットワークや通信の知識が求められる場合があります。難しさの程度は製品や構成で変わるため、必要な作業と知識の範囲を事前に把握し、準備を進めましょう。ここでは、主な設定の区分と準備の進め方を整理します。
- ■ネットワークの設定
- IPアドレスの割り当て、通信の経路、接続先の登録
- ■振り分けの設定
- 方式の選択、重みの調整、セッション維持の条件
- ■監視の設定
- ヘルスチェックの方法、判定の条件
- ■暗号化の設定
- 証明書の登録、暗号化通信の終端の有無
初期設定で必要になる知識と作業の範囲
初期設定では、ネットワークの構成、IPアドレスの設計、通信の仕組みについての基本的な知識が必要です。ロードバランサは通信の要となる機器のため、設定の誤りが、サービス全体に影響する可能性があります。
難しさは、構成の複雑さにも左右されます。サーバーが少なく、通信の種類が限られていれば、設定は比較的少なく済みます。冗長構成や複数のサイトをまたぐ構成では、作業の範囲が広がる点に注意しましょう。
設定を進める手順の整理
設定を進める前に、構成図と設定項目の一覧を作っておきましょう。何をどの順に設定するかが明確になると、抜けや誤りを防ぐ助けになります。上の表のような区分で整理する方法があります。
設定した内容は、その都度記録に残します。検証環境で動作を確かめてから、本番に適用する流れが安全です。
ベンダーの設定例や、標準の設定テンプレートがあれば、あわせて活用しましょう。手順を共有しておくと、担当者が代わったときにも、同じ品質で作業を進められます。
構築支援や事前学習の活用
自社だけで設定が難しい場合は、ベンダーや販売代理店の構築支援を検討する方法があります。支援の内容は、設定方法の案内、設計の支援、作業の代行など、提供会社によって異なります。
支援を受ける場合でも、設定の意図を理解する担当者を社内に置くことが大切です。ベンダーが提供する研修や資料で、事前に基本を学んでおくと、打ち合わせもスムーズに進みます。
費用の範囲も、契約前に確認しましょう。支援の範囲が自社の期待と一致しているか、見積もりの前に確認しましょう。
サポート対応が遅く使いにくいと感じるときの対処
サポートの対応が遅いと感じる場面は、契約の内容や問い合わせの仕方によっても変わります。サポートの範囲を理解し、問い合わせる側の準備も整えることで、対応の待ち時間を減らせる場合があります。ここでは、契約、問い合わせ、自社の備えの3点から整理します。
サポートの範囲と契約内容の違いを理解する
サポートには、問い合わせ窓口、設定方法の案内、障害の調査、作業の代行など、さまざまな範囲があります。契約の種類によって、受付時間や対応の優先度が異なる場合もあります。
対応が遅いと感じたときは、まず契約内容を見直しましょう。想定していた範囲が契約に含まれているかを確かめます。
必要に応じて、受付時間の長いプランや、優先的に対応する契約への変更も検討します。契約内容は、更新の時期に見直すと、現在の運用にあわせて調整できます。
状況を整理して問い合わせる
問い合わせの内容が不足していると、確認のやり取りが増え、解決まで時間がかかります。発生した日時、症状、直前の変更、製品のバージョン、ログなどを、最初にまとめて伝えましょう。
緊急度も明確に伝えます。サービスが止まっているのか、設定の方法を知りたいだけなのかで、対応の優先度が変わるためです。
問い合わせの履歴を社内で共有すると、同じ質問の繰り返しも避けられます。社内で共通の問い合わせ用の書式を作っておくと、伝え漏れを減らせます。
自社で調べられる情報源を用意する
サポートだけに頼らず、自社で調べられる情報源を整えておくと、待ち時間の影響を減らせます。マニュアル、設定の手順書、過去の問い合わせの記録を、社内で検索できるようにまとめましょう。
よくある質問への回答や、障害時の初動の手順も用意しておくと安心です。担当者が複数いれば、1人に問い合わせが集中することも避けられます。ナレッジを更新する担当を決めておくと、情報が古くなるのを避けやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でロードバランサの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
スマートフォンで使う際の制限と使いにくさ
ロードバランサの管理画面は、パソコンでの操作を前提にしている製品もあります。スマートフォンで使いたい場合は、画面の対応や緊急時にできる範囲を、導入前に確認しておきましょう。確認したい項目を、次の表にまとめます。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 画面の表示 | 小さな画面でも、設定や状態を読み取れるか |
| 操作の範囲 | 状態の確認だけか、設定の変更も行えるか |
| 通知 | 障害の通知をスマートフォンで受け取れるか |
| 接続の条件 | 社内ネットワークや専用の接続が必要か |
管理画面のスマートフォン対応の有無
管理画面がスマートフォンの画面に最適化されていない製品では、表示が小さく、操作しにくい場合があります。専用のアプリや、画面の表示を切り替える仕組みがあるかは、製品によって異なります。
クラウド型の場合は、提供会社が用意する管理用の画面やアプリを使える場合があります。スマートフォンでの利用を想定するなら、実際の画面を試用できるかをベンダーに確認しましょう。画面のサイズが異なる端末でも、必要な情報が読み取れるかを確かめましょう。
緊急時にスマートフォンで行える操作の範囲
外出先で障害の通知を受けた場合、状態の確認や、サーバーの切り離しなどの操作が行えると助けになります。ただし、スマートフォンでの操作は、誤操作の危険もあります。
緊急時に行ってよい操作の範囲を、あらかじめ決めておきましょう。設定を変更する場合は、複数の担当者で確認する運用も有効です。
操作の履歴が残るかどうかも、確認しておきたい点です。訓練として、通知を受けてから確認するまでの流れを試しておくと、実際の場面で落ち着いて動けます。
セキュリティと端末管理の条件
管理画面へ社外のスマートフォンからつなぐ場合、接続の条件が定められている場合があります。VPNという、通信を暗号化して社内ネットワークへつなぐ仕組みや、多要素認証が必要になることもあります。
個人の端末で管理画面を扱う場合は、社内のセキュリティの規定を確認しましょう。端末の紛失時にアクセスを止める手順も、決めておくと安心です。
不明な点は、情報システム部門に相談してください。接続の許可や制限の設定は、ベンダーの案内もあわせて確認すると進めやすくなります。
使いにくさを減らすロードバランサの選び方と試用
使いにくさは、導入前の試用や担当者の意見を取り入れることで、減らせる場合があります。実際の運用を想定した確認を行い、導入後のギャップを小さくしましょう。ここでは、試用、担当者の意見、提供形態の3点を取り上げます。
無料トライアルやデモで操作を確かめる
操作の感覚は、実際に使ってみないと分かりにくいものです。無料のトライアルやデモが用意されていれば、よく使う設定やサーバーの追加、障害時の切り離しなどを試しましょう。
試用では、自社の構成に近い環境で、日常の運用で行う操作を試すのが理想です。評価の項目を事前に決めておくと、製品間の比較がしやすくなります。
試用が難しい場合は、画面を見られるデモの依頼も検討しましょう。試用の期間や、利用できる機能の制限も、申し込み前に確認しておきましょう。
運用する担当者の意見を選定に反映する
日常の運用を担う担当者は、操作画面や手順の使いやすさをよく把握できる立場です。選定の段階から参加してもらい、試用の感想や不安な点を聞きましょう。
意見は、評価の観点を決めて集めると、比較しやすくなります。例えば、設定にかかった時間、迷った操作、分かりにくかった用語を記録します。
担当者の経験の違いも考慮して、複数人で確かめてください。出た意見は記録して、ベンダーへの質問にも活用しましょう。
提供形態を変えて負担を軽くする
設定や保守の負担が課題なら、提供形態を見直す方法もあります。クラウド型は、機器の設置や保守を提供会社が担う範囲が広く、運用の負担を軽くできる場合があります。
ただし、設定できる範囲や細かな調整の自由度は、製品によって異なります。負担の軽さと自由度のどちらを重視するかを、自社の要件にあわせて判断しましょう。
費用の考え方も、形態ごとに比べておくと安心です。提供形態は、将来の見直しも見据えて選ぶと、後の変更を減らせます。
操作性を試用で確かめたい製品
使いにくさを避けるため、運用の負担や操作面を試用や資料で確かめておきたい製品を紹介します。担当者の運用にあうかを見極めましょう。
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株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ」は、UTMにロードバランサ機能を持たせた製品です。導入から運用、保守までを一括して対応する案内があり、管理者の負担を軽くしたい場合に検討できます。ロードバランサ機能はバランシングとSSLオフロードに対応しています。設定変更や運用監視をどこまで依頼できるかは、契約前に確認しておくと、日々の操作で負担になる部分を見極めやすくなります。
Thunder® ADC (A10ネットワークス株式会社)
- 仮想アプライアンスやベアメタルなど多様な構成に適応
- SSL/TLS暗号処理を高速化し円滑にコンテンツを配信
- Harmony Controllerで全体を俯瞰的に管理
Elastic Load Balancing (アマゾンウェブサービスジャパン合同会社)
- 自動的なスケーリングと高い可用性で安定稼働を実現
- 単独のロードバランサでAWSからオンプレミスまでカバー
- 750 時間/月の無料枠が提供
ロードバランサに関するよくある質問
ロードバランサの使いにくさについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:使いにくさを感じたとき、設定の見直しで改善できますか?
- A:画面の表示項目の整理や、よく使う設定の手順書づくりで、負担が軽くなる場合があります。製品の仕様が原因の場合は、ベンダーに相談しましょう。
- ■Q2:担当者の経験が浅い場合、運用はどう進めればよいですか?
- A:手順書の整備と、複数人での作業の確認が有効です。ベンダーの研修や設定の支援の有無も確認し、必要に応じて活用しましょう。
- ■Q3:試用で使いやすさを確かめるとき、見るべき操作は何ですか?
- A:サーバーの追加と削除、振り分けの設定変更、障害時の切り離し、ログの確認など、日常で行う操作を試しましょう。操作にかかった時間や迷った点も記録すると比較しやすくなります。
- ■Q4:使いにくい製品から乗り換える場合、何を準備しますか?
- A:現在の設定の一覧と構成図を整理し、新しい製品で再現すべき項目を洗い出しましょう。移行の手順と切り戻しの方法も、事前に決めておきます。
まとめ
ロードバランサが使いにくいと感じる理由は、操作画面、初期設定、サポート、スマートフォンでの利用など、複数の観点に分けて捉えられます。導入前に試用を行い、運用する担当者の意見も取り入れて確認しましょう。サポートは範囲を確認し、問い合わせの準備も整えると安心です。複数の製品の資料請求から、使い勝手を比較してみてください。

