ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AIを活用したい業務別
- 端末の異常検知や脅威検知:IIJセキュアエンドポイントサービス、TrellixMobileSecurity、Lookoutモバイルエンドポイントセキュリティ
- 配付ルールの自動適用など運用作業の補助:BizMobile Go!
- AIチャットボットによる操作サポート:SKYSEA Client View
- ■管理したい端末別
- iPhoneやiPadが中心:LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版、CLOMO MDM
- Android端末が中心:LINC Biz emm
- WindowsやmacOSのPCも一元管理:LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版、SKYSEA Client View、IvantiNeuronsforMDM
MDMとAIの関係とは?
MDMにおけるAIは、端末から集まる大量の情報を分析し、管理者の判断や作業を補助する役割を担います。まずはAIがどのような仕組みで端末管理に組み込まれるのか、また同じ略称の別分野との違いを整理します。
端末ログを分析して管理を補助する仕組み
MDMは、スマートフォンやタブレット、PCの設定や状態を管理画面から一元管理するシステムです。管理対象の端末からは、OSのバージョン、インストール済みアプリ、位置情報、ポリシーの適用状況といった情報が集まります。
MDMのなかには、AIを活用して端末の状態を監視したり、管理者の作業を支援したりする製品があります。また、関連するモバイルセキュリティ製品では、AIによる脅威検知にも対応しています。ただし、AIの役割は製品によって異なるため、通常の自動監視やルールにもとづく制御と区別して確認することが重要です。
マスターデータ管理のMDMとの違い
「MDM AI」で調べると、マスターデータ管理(Master Data Management)とAIの話題が見つかる場合があります。マスターデータ管理は、顧客や商品などの基本データを整える取り組みで、端末管理とは別の分野です。
この記事で扱うのは、モバイル端末管理(Mobile Device Management)のMDMです。情報収集の際は、資料や記事がどちらのMDMを指しているかを確認すると、製品比較で取り違えを防げます。
AIを活用したMDMの端末監視と脅威検知
端末監視は、AIを活用しやすい分野の一つです。ここでは異常の見つけ方、リスクのある端末の洗い出し、検知後の対応という3つの段階に分けて、AIがどこを補助するのかを見ていきます。
普段と異なる端末の動きを見つける
AIを活用した異常検知では、端末や通信の情報を分析し、不正なアプリや通常とは異なる挙動などを検出します。例えば、不審な通信や既知の攻撃パターンに当てはまらない脅威を検知する仕組みがあります。ただし、分析に利用する情報や検知対象は製品によって異なります。
AIは従来のルールだけでは見つけにくい脅威の検出にも役立ちます。一方で、正規の操作を異常と判断する場合もあるため、検知結果を確認のきっかけとして扱い、担当者が状況を確かめる運用が重要です。
リスクのある端末を洗い出す
AIは、OSが古いままの端末や、パスコードが未設定の端末、改造された可能性のある端末を一覧から抽出し、リスクの大きさで並べ替える用途にも使われます。改造とは、iPhoneの脱獄やAndroidのroot化のように、メーカーの制限を外す操作のことです。
こうした判定自体は従来のMDMでも可能ですが、AIを使うと複数の条件を組み合わせて優先度を示せる場合があります。どの条件で判定しているかを管理画面で確認できるかも、あわせて見ておきましょう。
検知後の自動対応の範囲を決める
検知後の対応には、管理者への通知、業務アプリの利用停止、社内ネットワークからの切り離し、遠隔ロックなどがあります。AIの判定をきっかけに、これらを自動で実行できる製品もあります。
自動対応は初動を早められる一方、誤検知だった場合に業務が止まるおそれがあります。通知だけにする処理、自動で実行する処理、管理者の承認後に実行する処理を分け、実行履歴を残して元に戻せるかを確認しておくと安心です。
MDMのポリシー設定と日常運用をAIで補助する
AIは、監視だけでなく管理者の日常作業も補助します。ポリシー設定や問い合わせ対応、アップデート配信の計画など、手作業が多い業務でAIをどう使えるかを整理します。
管理画面への自然な言葉での問い合わせ
生成AIを組み込んだMDMでは、「OSが古い端末を部署別に出して」のような話し言葉で管理画面に指示し、一覧や集計を得られる場合があります。検索条件の組み立て方を覚えなくても、必要な情報にたどり着きやすくなります。
月次の報告書や監査用の資料の下書きを作る用途にも向いています。ただし、生成された集計や文章が実際のデータと一致しているかは、提出前に担当者が確認する必要があります。
ポリシー案の作成と設定ミスの指摘
ポリシーとは、パスコードの条件や利用できるアプリ、カメラの使用可否など、端末に適用するルールの集まりです。生成AIを活用すれば、社内の要件をもとにポリシー案を整理したり、設定内容の確認項目を洗い出したりする方法が考えられます。ただし、こうした機能がMDM自体に搭載されているとは限りません。
設定項目が多いMDMでは、意図しない設定の組み合わせが起こる可能性があります。AIの提案を参考にする場合も、そのまま本番に適用せず、管理者が内容を確認して一部の端末で検証してから全体へ展開しましょう。
キッティングやアップデート配信の計画
キッティングとは、新しい端末に業務用の設定やアプリを入れ、すぐ使える状態に整える作業です。AIは、端末の利用状況をもとに、業務への影響が少ない時間帯にアップデートを配信する計画づくりを補助する場合があります。
OSアップデートは、業務アプリが新しいOSに対応しているかの確認も必要です。AIに配信時期を提案させる場合も、先行して一部の端末で動作を確かめる手順は残しておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でMDM(モバイル端末管理)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
MDMの自動対応で管理者が押さえる誤検知とプライバシー
AIを活用したMDMでも、すべてを自動化できるわけではありません。誤った判断が業務に与える影響を考え、AIに任せる処理と人が判断する処理を分けておくことが、安定した運用につながります。
誤検知と見逃しへの備え
AIの判定には、問題のない端末を危険と判断する誤検知と、危険な状態を見落とす見逃しの両方が起こる可能性があります。どちらが起きやすいかは、学習に使うデータや設定、利用環境によって変わります。
対策として、検知結果を定期的に見直し、誤検知が続く条件は除外設定やしきい値で調整します。また、AIの検知だけに頼らず、OSの更新状況の確認や定期的な棚卸しといった基本の管理も続けることが大切です。
端末ログの扱いと従業員のプライバシー
AIの分析には端末の利用ログや位置情報が使われるため、どの情報を収集し、どこに保存し、誰が閲覧できるかを決めておく必要があります。特に私物端末を業務に使うBYODでは、個人の利用状況まで把握しない設定が求められます。
収集範囲は就業規則や端末利用規程に明記し、従業員へ説明しておくと理解を得やすくなります。運用ルールの策定は、情報システム部門だけでなく人事や法務とも相談しながら進めましょう。
自社の端末構成でAI機能付きMDMを見極めるポイント
AI機能の有無だけで製品を選ぶと、自社の端末環境にあわない場合があります。ここでは、資料請求やトライアルの段階で確認しておきたい項目を3つに絞って紹介します。
対応OSとAI機能が使える範囲
MDMは製品ごとに対応OSが異なり、同じ製品でもOSによって使える機能が違う場合があります。AI機能も、特定のOSや上位プランだけで提供されることがあるため、自社の端末構成で使えるかを確認しましょう。
iPhoneとAndroid、Windowsが混在する環境なら、すべての端末でAIによる検知や集計の対象になるかが判断材料です。管理したい台数と料金体系もあわせて資料で確かめておくと、比較が進めやすくなります。
AIが参照するデータと保存先
AI機能が端末情報をどのように扱うかは、セキュリティ上の重要な確認点です。分析のためにデータが外部のAIサービスへ送られるのか、学習に使われるのか、保存先の国や地域はどこかをベンダーに確認しましょう。
回答は資料に書かれていないこともあるため、質問項目を事前に一覧にしておくと効率的です。社内のセキュリティ基準やクラウド利用の規程に照らして、問題がないかを情報システム部門で判断します。
試用期間での検証の進め方
トライアルが用意されている製品では、本番環境とは分けた検証用の端末で、AI機能が実務に役立つかを確かめます。例えば、意図的にOSが古い端末を用意し、検知や通知が想定どおり届くかを確認する方法があります。
検証では、管理画面の操作に迷わないか、通知が多すぎないかといった運用面も見ておきましょう。複数の担当者で触れてみると、特定の人しか使いこなせない状態を避けやすくなります。
端末監視や運用補助に役立つMDMの一覧
この記事で紹介するMDM(モバイル端末管理)製品と関連サービスを、AIに関わる機能や対応端末の観点で一覧にまとめました。気になる製品は、下の紹介とあわせて確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版 | スマートフォンとPCを管理でき、Apple Business・Android Enterpriseに対応 |
| CLOMO MDM | iOS・Android・Windows・macOSに対応し、紛失時のロックやデータ消去を一括で行える |
| SKYSEA Client View | PCに加え、オプションでiOS・Android端末を管理でき、生成AIのサポート「AIアドバイザー」を搭載 |
| LINC Biz emm | Androidエンタープライズに準拠したAndroid専用のMDMで、アプリの一括導入や遠隔ロックに対応 |
| BizMobile Go! | AIが1日1回すべての管理端末の状態を確認し、配付ルールとの差異を自動で修正するクラウド型MDM |
| IIJセキュアエンドポイントサービス | IT資産管理とアンチウイルスを1つにまとめたサービスで、AIを活用した機能で未知のマルウェアの検知に対応 |
| TrellixMobileSecurity | Android・iOS端末を対象に、未知の脅威や脆弱性への対策を支援するモバイルセキュリティ |
| Lookoutモバイルエンドポイントセキュリティ | デバイス・アプリ・ネットワーク・フィッシングなど、モバイル環境における脅威への対策を支援するサービス |
| IvantiNeuronsforMDM | iOS・Android・macOS・Windowsなどの端末を、クラウドの単一コンソールで管理できるMDM |
AI機能や対応OSで選べるMDM製品
ここでは、AIを使った脅威検知や運用補助の機能を備えた製品と、管理したい端末のOSにあわせて選べる製品を紹介します。AI機能はエディションやオプションによって使える範囲が異なる場合があるため、資料請求の際に確認しましょう。
LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
- 使いやすい管理コンソール・MDM としての基本機能を実装
- Apple Business・Android Enterprise に対応
- スマホに加え、 PC・M365も一元管理
エムオーテックス株式会社が提供する「LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版」は、PCとスマートフォンをクラウドで一元管理できるIT資産管理・MDMツールです。リモートロック・ワイプや位置情報の取得といった基本機能に加え、Apple Business・Android Enterpriseに対応し、デバイスの利用制御やアプリ管理を行えます。iOS・AndroidとWindows・macOSのPCをまとめて管理でき、操作ログの取得にも対応。スマートフォンとPCが混在する環境で、管理の窓口を1つにまとめたい企業に向いています。
CLOMO MDM
- 圧倒的な使いやすさ!
- 堅牢なセキュリティ!
- 丁寧なサポート!
株式会社アイキューブドシステムズが提供する「CLOMO MDM」は、キッティングからアプリの配布・管理、遠隔監視までを行うモバイル端末管理サービスです。iOS・iPadOSに加え、Android Enterprise、Windows、macOSにも対応しています。位置情報やインストール済みアプリなどの端末情報を遠隔で取得でき、パスワード設定の強制や特定のアプリ・カメラ機能の利用制限を一括で適用できます。紛失時の端末ロックやデータ消去にも対応しており、iPhoneやiPadを中心としつつ、複数のOSの端末も管理したい企業の候補になるでしょう。
クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View
- スマートフォンやタブレット端末等のビジネス活用をサポート
- 業務上不要な機能を使用禁止に設定可能。情報漏洩リスクの軽減に
- 使いやすい管理画面でモバイル端末の資産情報を一覧で確認!
Sky株式会社が提供する「SKYSEA Client View」は、PCの運用管理とモバイル機器管理(MDM)を支援するクライアント運用管理ソフトウェアです。MDMはオプション機能として提供され、iOS・Android端末の資産情報の収集や機能制限、紛失時のリモートロック・ワイプに対応しています。管理機からいつでも問い合わせできる、生成AIによるチャットボット形式のサポート「AIアドバイザー」を搭載し、操作や運用の疑問の解消に活用できます。蓄積したログをAIで分析してレポートとして提供する有償サービスもあります。エディションによって搭載機能が異なるため、資料で確認しましょう。
LINC Biz emm
- スマホメーカーなのでスマホはもちろん、EMMにも詳しくて安心
- 3ステップだけのカンタン操作でモバイル端末の管理が可能
- AndroidスマホであるAQUOSでの動作を保証します
シャープ株式会社が提供する「LINC Biz emm」は、Googleの「Androidエンタープライズ」に準拠したAndroid専用のモバイル端末管理システムです。業務に必要なアプリのインストールや機能制限を管理画面から一括で設定でき、別途契約が必要な「Androidゼロタッチ」を利用すると、端末の電源を入れるだけで必要な設定を反映できます。遠隔ロックや初期化、SDカード利用やUSBでのファイル転送の禁止にも対応しています。iOSやWindowsには対応していないため、Android端末を中心に管理したい企業に適しています。
BizMobile Go!
- 特許技術で場所別にワークモード自動切替し、情報漏えいを防止
- 業務時間内外で利用可能なアプリを自動切替し働きすぎを防止
- 端末状況がひと目で分かるWeb管理画面でらくらく運用
IoT-EX株式会社が提供する「BizMobile Go!」は、ジオフェンスに対応したクラウド型のMDM/EMMサービスです。AIが1日1回すべての管理端末の状態を確認し、配付ルールとの差異を自動で修正するため、誤って削除されたアプリも翌朝には再インストールされます。業務アプリや証明書の一括配付、不要な機能の利用制限、時間帯やOSバージョンを指定したOSアップデートの命令にも対応。Web管理画面の「見える化モニター」で端末の状態をひと目で確認でき、配付ルールの維持にかかる手間を減らしたい企業に適しています。
IIJセキュアエンドポイントサービス
- IT資産管理と各種セキュリティ機能をアセットレスに導入
- AIを駆使した「Aurora Protect」で、未知のマルウェアも検知
- 脆弱性の自動抽出から対策までをワンストップで実現
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアエンドポイントサービス」は、IT資産管理とアンチウイルスを1つにまとめたクラウド型のサービスです。PCに加えてiOS・Androidのスマートフォンやタブレットの資産管理にも対応し、遠隔から端末を管理するMDM機能も搭載。AIを活用した「Aurora Protect」で未知のマルウェアの検知に対応し、利用ルールに違反している端末の把握や操作ログの取得も行えます。各機能の情報やアラートを独自のポータルサイトで一元的に確認できるため、端末管理と脅威対策をまとめて運用したい企業に向いています。
TrellixMobileSecurity (Musarubra Japan株式会社)
- 常時稼働のオンデバイス保護で、オフライン時も脅威を防御。
- 機械学習ベースの脅威分析で、未知の攻撃や脆弱性を識別。
- 端末・アプリ・NWを一元管理し、統合運用を実現。
Lookoutモバイルエンドポイントセキュリティ (ルックアウト・ジャパン株式会社)
- 脅威(デバイス、アプリ、NW、フィッシング)を検知
- モバイルAI活用で高度に防御
- BYODのデータ漏洩リスクを軽減
IvantiNeuronsforMDM (Ivanti Software株式会社)
- マルチOS対応、単一コンソールで全端末を管理。
- ワイヤレスで自動プロビジョニングとセキュリティ設定を実現。
- 紛失・盗難時のリモート初期化とコンテナ化で漏えい防止。
まとめ
MDMでは、AIによる端末状態の監視や運用補助に対応する製品があり、関連するモバイルセキュリティ製品では脅威検知にもAIが活用されています。一方、端末情報の収集や設定の一括適用など、AIを使わずに自動化できる業務もあります。自社の端末構成や必要な管理機能を整理し、AIの対応範囲や誤検知への対処、データの取り扱いを確認したうえで、複数の製品を比較しましょう。

