オンラインストレージのメリットとデメリット
まずはオンラインストレージを導入することで考えうるメリットとデメリットをおさらいしましょう。
オンラインストレージの導入メリット
- ●場所を選ばず使えるので在宅勤務やテレワークに対応できる
- ●サーバ管理や運用にかかるコストや工数が削減できる
- ●バックアップやアップデートが自動で行える
オンラインストレージの導入デメリット
- ●カスタマイズが難しい
- ●セキュリティレベルや障害時の対応がベンダーに依存する
- ●インターネット環境が必須となる
メリットとデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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2021.01.06
オンラインストレージのメリット・デメリットとは?
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オンラインストレージを導入する時の注意点
ここからは、オンラインストレージを導入する際に気をつけるべき注意点について紹介します。
1.情報漏えいのリスク管理
オンラインストレージはデバイスを問わず気軽にファイルにアクセスでき、社内だけでなく社外のユーザーとも簡単にファイル共有ができます。その反面、インターネット上に社内の重要な情報を保存するため、情報漏えいのリスクが少なからずあるでしょう。例えば「ファイルの保存先URLを記したメールを誤送信し、データが関係ない第三者に流出してしまった」「セキュリティの脆弱性に気付かず無料のオンラインストレージを利用していたため、不正アクセスの被害にあってしまった」などです。そのほかIDやパスワードなど、アカウント情報が流出してしまう懸念もあるでしょう。
2.バックアップデータの移行
オンラインストレージの運用を開始する際、自社サーバ内で実行しているバックアップをオンラインストレージに移行することがほとんどです。しかしすでに膨大なバックアップデータが存在する場合、作業に時間がかかるなどのトラブルが想定されます。
3.無料サービスの保存期間
無料のサービスやお試しプランの中には、一定期間ログインしなかったり、アクセスしなかったりすると、データやアカウントが削除されるものもあります。無料プランを運営し続けるにはディスクの稼働率を上げる必要があるので、これは許容すべきルールです。
したがって、試用等で無料プランを選択した場合は、利用開始前に規約を十分確認しておく必要があるといえます。また、お試しプランから正式な環境へデータを移行できないこともあります。こちらも利用開始時に周知徹底しておきましょう。
4.利用可能容量の想定
オンラインストレージには、保存可能な最大ディスク容量が設定されているものと、基本容量+従量課金の2本立てでいくらでも保存できるものがあります。容量無制限だからと、社内で作成されるファイルを分別せずどんどん保存していくと、いくら容量があっても足りなくなってしまいます。
特に基本容量+従量課金で契約していると、基本容量を超えた従量課金部分で予算を超過してしまう危険性も認識しておくべきでしょう。
5.「シャドーIT」を見抜くのが難しい
無料サービスのオンラインストレージを各自が自由に利用していた場合、法人向けオンラインストレージを導入しすべてのデータを移行・集約するには、それなりの労力が必要です。その際に問題となるのが、従業員がアプリケーションや私用端末を無断利用する「シャドーIT」です。昨今では急増する在宅勤務やリモートワークの機会に加え、クラウドサービスの増加によりシャドーITが増えています。企業の行うセキュリティ対策や管理が行き届かないためセキュリティホールとなりうるのです。
リテラシー教育だけでは防ぎきれないため、業務で使用するオンラインストレージ以外をブロックする「フィルタリングツール」を導入することも視野に入れるとよいでしょう。
法人向けオンラインストレージの正しい選び方
これまで紹介したオンラインストレージのリスクを少しでも解消するには、正しい知識をもって製品を選ばなくてはなりません。ここからはオンラインストレージを法人利用する場合のサービス選定のポイントについて解説します。
自社のセキュリティ要件を洗い出す
法人向けオンラインストレージには、高セキュリティを謳ったものが多く存在します。そのなかで自社に適したものを選ぶには、まずは自社にとってどのようなセキュリティ機能が必要かを整理すべきでしょう。一般的には次のようなセキュリティ機能が備わっています。
- ●SSL/TLSなどによる暗号化通信
- ●ファイルの暗号化保存
- ●IPアドレスやアカウントごとの制限管理
- ●ログ管理
- ●ウイルスチェック
- ●バージョン管理
そのほかベンダーのセキュリティポリシーなどもチェックしてみるのがおすすめです。なおオプションで高度なセキュリティ機能が使える製品も多いので気をつけましょう。
必要に応じてデータ移行サービスがあるものを選ぶ
情報システム部門の不在などで、NASやファイルサーバからデータを移行する作業に負担を感じるようであれば、データ移行サービスのある製品を選ぶのがいいでしょう。既存のデータを移行するだけでなく、データの整理を行いストレージ容量の圧縮を図ってくれるサービスもあります。
データ容量の拡張性が高いものを検討する
事前にどの程度の容量が必要かわかっていればそれに対応したプランやサービスを選べますが、将来的には拡張の必要も出てくるでしょう。最初から大容量のものを選ぶとコストがかかるため、変動する可能性があるのであれば、オプションで容量を追加できるものや容量ごとのプランが豊富なサービスを選ぶのがよいです。
ディザスタリカバリについても考慮する
災害の多い日本だからこそ、情報漏えいのほか、災害時の事業の継続性の確保は重要です。データセンターの位置や、分散保存を行っているか、管理体制はどうかなども調べてみましょう。
ビジネス利用に適したオンラインストレージ人気3選
業界最大級の製品数を誇るITトレンド編集部がおすすめする法人向けオンラインストレージのうち、2021年上半期資料請求ランキングで上位にランクインした製品を紹介します。製品選びの参考にしてください。
《使えるファイル箱》のPOINT
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「使えるファイル箱」は使えるねっと株式会社提供のクラウド型ファイル共有サービスです。2要素認証設定のオンオフが自由にでき、SSL通信だけでなくシークレットキーでの2重暗号化が可能です。特定デバイスのアクセス制限や履歴の確認もできます。
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《GigaCC ASP》のPOINT
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日本ワムネット株式会社提供の「GigaCC ASP」は、メール誤送信対策が可能なファイル転送・共有サービスです。ウイルスチェックや不正アクセス防止に必要な管理機能が搭載されています。金融機関や官公庁での採用実績も多数あり、安心して利用できるでしょう。
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より多くの製品を比較したい、という方はこちらの記事も参考にしてください。
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2022.03.10
【2022年最新】おすすめの法人向けオンラインストレージ17選徹底比較
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オンラインストレージを利用するリスクを把握
オンラインストレージは導入することで得られるメリットは多くありますが、使い方を間違えると情報漏えいの危険性が出てきてしまいます。未然に防ぐためには、しっかりと製品を理解した上で導入する必要があります。
オンラインストレージ製品によって仕様やできることは異なるため、実際に製品を比較してみることをおすすめします。