オンラインストレージとは
オンラインストレージとは、インターネット上でデータを保管するためにユーザにディスクスペースを貸し出すサービスです。基本的にユーザごとにパスワードを設定することで、他のユーザがファイルにアクセスできない仕組みですが、ファイル共有や共同作業にも対応したサービスもあります。
オンラインストレージはいつでもどこでもファイルのやり取りができるため、情報共有の手段として非常に重宝します。最近では機能面や価格面で以前より利用しやすくなっており、プライベートに限らず仕事上でも社内外の情報共有に活用している方も少なくないでしょう。
個人向けサービスと法人向けサービス
現在、オンラインストレージについてはベンダー各社によって様々なサービスが提供されています。そのため、導入にあたっては目的にあったサービスの選択が重要となります。
サービスの種類は大きく分けて家庭などでの利用を想定した個人向けサービスと、企業での業務利用を想定した法人向けサービスの2種類があります。
個人向けサービス
個人向けサービスは、手軽にサービスを開始できますが、その一方で、標準で使用できる容量は少なめに設定されていたり、容量が大きくてもその分ダウンロードの速度に制限があったりします。個人の利用には問題がなくても、企業が業務用として使用するには制限が多く適さない傾向にあります。
法人向けサービス
法人向けサービスは一般的に資料請求を行い契約を締結してから利用を始めるため、個人向けサービスより手続きに手間と時間がかかります。しかし、企業による複数ユーザでの利用を想定しているため大容量の確保が可能だったり、個人向けにはない様々な機能が装備されていたりします。
法人向けオンラインストレージを選ぶポイント
それでは、オンラインストレージを選択する場合、具体的にどのようなポイントでサービスを比較すればよいでしょうか。
セキュリティ面の確認
企業が大事なデータを外部に保管する場合、セキュリティが確保されているかは一番重要なポイントとなります。各社セキュリティ対策には重点をおいていますが、十分なものか確認をしておきましょう。情報漏えいの危険がないかどうか、堅牢なデータセンターがあるか、暗号化による通信が徹底されているかなど確認が必要です。
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データ容量や速度の確認
オンラインストレージに保管したいデータの容量は企業によって様々です。見積書・請求書などのデータ保存だけなら1アカウントあたり数GBで足りますが、解像度の高い画像や動画を保存する場合には数TBの容量を確保する必要もでてきます。まずは自社に必要な容量がどのくらいかを試算しましょう。
なお大容量のデータを保管する場合は、アップロードにかかる時間も把握することが重要です。ダウンロードの速度はサービスによって変わらないこともありますが、アップロードの速度は有料版であっても遅いことがあるため、注意が必要です。
料金体系
法人向けに提供されるオンラインストレージの料金は、通常初期料金と月額料金が必要です。月額料金は、ID数と容量ごとに決められることが多く、無制限プランが用意されることもあります。
また、容量は個人ごとに割り当てられる場合と、全体に対し総容量で割り当てられる場合があり一見して比較しにくいため、どちらがお得かを確認するには1人あたりの容量か総量に基準を決めて比較すると分かりやすいです。
さらに、各社ボリュームディスカウントや特定の法人(非営利団体や教育機関など)向けの割引も行っているため、該当する企業はチェックしてみましょう。
管理者機能の充実
企業内もしくは取引先も含めて多くのユーザでオンラインストレージを利用する場合、管理者は様々なルールや制限を設ける必要があります。
例えばファイル共有は許可した相手しか行えない設定や、ワークフロー承認後に共有できる仕組みといった機能を備えているか確認しましょう。モバイル端末からの利用時にも同様の制限に対応しているか併せて確認しましょう。
必要最低限の機能があるか
多くのオンラインストレージにバージョン管理機能が備わっていますが、そのほかはサービスごとにばらつきがあります。どの機能が自社の運用に必要かを検討した上でその機能が盛り込まれているサービスを選択しましょう。オンラインストレージサービスに備わっていることの多い機能例は以下のとおりです。
- ・ワークフロー機能
- ・ブラウザ上でのファイル更新
- ・IDが無い人へのファイル送信、IDが無い人からのファイル受信
- ・更新通知やファイル公開の期限、ユーザの有効期限などの自動化機能
- ・モバイル管理
- ・自動での同期
また、近年ではスマートフォンやタブレットの業務利用が増えており、スマートデバイスに対応しているかどうかも重要な確認ポイントです。モバイル版のアプリをリリースしているサービスであれば、より簡便なアップロード・ダウンロード・閲覧・共有が可能です。
サポート体制の有無
業務で利用する上で何かあった際のサポート体制の有無を確認しておくことは重要です。特に外資系サービスでは日本語の問い合わせが可能かを確認しておいた方がよいでしょう。
また、海外とのデータ共有を想定している場合には、サービスを受けられる国かどうか、サポートしている言語かどうかを確認しておく必要もあります。
法人向けオンラインストレージ比較選
それでは法人向けオンラインストレージの中でおすすめ製品を具体的にご紹介します。
GigaCC ASP の比較ポイント
- 「パスワード付きZIPファイル送信(PPAP)」の代替手段に最適
- 柔軟なセキュリティポリシーの設定、詳細なログ履歴管理に対応
- ファイルアップロード&ダウンロードの自動化が可能
日本ワムネット株式会社が提供している「GigaCC ASP」は、あらゆる企業の間でセキュアにファイルを共有・転送できるオンラインストレージです。
セキュリティを強化する対策として、ファイルを送信をするときに上長承認を必要とするワークフロー機能などを有します。また、外部企業との安全なファイル共有に欠かせないアクセス権限の管理機能なども備わっています。
Webブラウザーだけで2GBのファイル授受を可能とするオンラインストレージサービス「Bizストレージ ファイルシェア」。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供し、通信事業者ならではのスピードや高可用性、セキュリティ機能の充実も高ポイントです。
アクセス権限は8種類ありフォルダーごとに設定可能、取引先やプロジェクトごとに作れる共有フォルダーも該当するので、機密情報もリスクを抑えて共有できます。一時的なファイル送受信の際に役立つ上長承認機能も備わっており、誤送信や情報漏えいへの対策にも最適です。
Fleekdrive の比較ポイント
- 簡単&分かりやすい操作で社内や取引先とのファイル共有を効率化
- ファイルの暗号化、ウイルスチェックなどセキュリティ機能も充実
- 国内複数拠点での保管などBCP対策にも効果的、堅牢なインフラ
「Fleekdrive」は株式会社Fleekdriveが提供しているオンラインストレージです。直感的な操作が可能で使いやすく、世界190カ国で利用されている実績があります。
社内はもちろん、クラウド上で許可された取引先ともファイルを共有できます。ファイルの暗号化やウイルスチェックなどセキュリティ機能も充実、データは複数拠点(24時間365日体制でセキュリティ担当者を配備)で保管されるため、BCP対策にも有効です。
セキュアSAMBA pro の比較ポイント
- エクスプローラーと同じ操作感で利用が可能!操作面の不安無し!
- 端末にデータを残させない一元管理でテレワークに最適!
- 誤ってデータを上書きしても復元可能なのでデータ管理もラク!
「セキュアSAMBA pro」はスターティアレイズ株式会社が提供している、企業規模問わずに導入できるクラウド型ファイルサーバーです。インターネット環境があればどこでも利用でき、PC上にデータを保存させない運用方法のため情報漏洩対策に適しており、テレワーク実施企業にもおすすめです。
データ通信の暗号化やアクセス制限、ランサムウェア対策など高セキュリティを誇るだけでなく、バージョン履歴管理機能でデータの復元などにも対応できデータ損失防止にも役立てられます。
DirectCloud-BOX の比較ポイント
- 全職員が社内外でセキュアにファイル共有できる
- 定額制で月額90,000円~で ユーザー数無制限で使い放題
- トップクラスのセキュリティだから安全・安心
株式会社ダイレクトクラウドが提供する「DirectCloud-BOX」は、全てのプランをユーザ数無制限で利用できるオンラインストレージです。
ウイルスチェックや通信の暗号化、外部からの攻撃に対する防御策としてのWAF・IDSの実施など、セキュリティの高さも特長のひとつで、社内に限らず取引先とのファイル共有も快適かつセキュアに実現できるでしょう。
Box(PASS付zipファイル廃止に!お得Webプラン有)
Box(PASS付zipファイル廃止に!お得Webプラン有) の比較ポイント
- 世界10万社が利用の企業向けオンランストレージの決定版!
- 「Box」により、社内外コンテンツコラボレーションが加速
- 働き方改革に最適、容量も無制限!セキュアなVPN版もあります!
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供している「Box」は、世界で10万社もの利用実績を誇るクラウド型コンテンツ管理サービスです。高いセキュリティレベルと豊富な管理機能を有し、政府機関も使用するセキュアな環境でファイル共有が可能になります。
アップロードしたファイルのダウンロード禁止や、共有リンクのアクセス制限や無効化も可能です。また、シンプルでわかりやすいUIのため使い勝手の良いシステムです。
クラウドファイルサーバ type3 の比較ポイント
- AWS 環境に構築
- 完全定額制を実現
- 24時間365日のサポート体制
「クラウドファイルサーバ type3」は、AWS 環境に専用の Windows Server 2019 を構築しファイルサーバとして提供する、株式会社 USEN ICT Solutionsのアウトソーシングサービスです。
環境構築から障害対応、セキュリティ対策まで基本サービスに含まれているため、自社での管理運用負担を軽減させられるでしょう。また、定期的なメンテナンスを受けることで、突然の故障やデータ破損などのリスクを抑えられます。
NTTスマートコネクト株式会社が提供する「SmartConnect Smart Storage」は、大容量・低価格が特長の法人向けクラウド型ストレージサービスです。
提供プランのラインナップも豊富で、「低価格」「高IOPS」「世代管理」「超大容量 (ペタバイト)」など、重視・優先したい条件や機能によって選択可能です。自社だけでなく他社のクラウドサービスからのデータ集約にも対応できるほか、マルウェア対策機能やボリュームインターフェースの追加などオプションも充実しています。
eTransporter Collabo の比較ポイント
- 自在にカスタマイズできる「権限管理」
- 業務に直結した「コミュニケーション」
- コラボレーションを広げる「ユーザ数無制限」
「eTransporter Collabo」は株式会社NSDが提供しているファイル共有システムです。ユーザ登録できる人数に上限はないため、事業拡大による従業員数の増加などにも柔軟に対応できます。
アクセス許可項目を組み合わせられるため、役割に応じた権限設定が可能です。またフォルダに紐づいたチャットやメール通知も有し、業務に関するコミュニケーションを手間なく簡単にとることができます。
Dropbox の比較ポイント
- 長期間保存されるバージョン履歴から復元!ミスをしても安心
- 社外の人ともデータ共有!セキュリティも万全
- 30日間の無料トライアルあり!使用感を確認してから導入可能
「Dropbox」はDropbox Japan株式会社が提供する、機能性の高いオンラインストレージサービスです。スマートシンク機能によりハードディスク容量の圧迫を抑えたり、バージョン履歴の長期保存・復元も可能です。
保存したデータは権限を設定すればチームメンバーと共同編集できるほか、Dropboxを利用していない社外の人ともファイル共有が可能です。また情報漏えい対策のひとつとして、デバイス内に残っているデータを遠隔操作で削除する機能も搭載しています。
Quickスキャン V5 の比較ポイント
- スピーディな同期で瞬時にクラウドへアップロード!
- さまざまなクラウドサービスと連携!
- クラウドサービスに保存のデーターをカンタンに印刷も可!
株式会社大塚商会が提供している「Quickスキャン V5」は、複合機のスキャナー機能を使って紙文書を電子化するとともに、クラウド登録も簡単に行えるアプリケーションです。データをクラウドサービスのストレージに直接保存したり、複合機のパネル上から簡単に印刷できるため、業務効率アップにつながるでしょう。
連携可能なクラウドサービスは、OneDrive for BusinessやDropbox Business、box、Google ドライブ、たよれーる どこでもキャビネット、Kintoneなどです。
WebFile の比較ポイント
- セキュリティ機能充実!社内機密データの情報漏洩防止
- 操作もラクラク!ファイルのURLを送るだけで簡単配布
- ワンタイムパスワードで安全なファイル共有が可能
キー・ポイント株式会社が提供している「WebFile」は、セキュアな環境でのファイル送受信を可能にするファイル共有システムです。URLを共有するだけでファイルの配布・収集が簡単に行えるため、大容量ファイルのやりとりであっても相手に負担をかけません。
ユーザ同士でのファイルの共有も可能(オプション)で、書き換えや削除を権限付与で制限することにより不用意なミスを防止します。他にもファイル配布停止機能やワンタイムパスワードの使用など、情報漏えい対策にも力を入れています。
他にも無料プランがあるオンラインストレージ製品などもあります。興味がある方はこちらの記事もご覧ください。
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