オンラインストレージ利用に伴うリスクと安全対策
手軽で便利な反面、オンラインストレージは利用する際に気をつけるべき2つのリスクがあります。それぞれのリスクと安全対策について解説します。
1.不正アクセスによる情報漏えい
オンラインストレージは外部にデータを預けるため、不正アクセスによる氏名や住所、生年月日やメールアドレスなどの個人情報漏えいのリスクがあります。また、標的型サイバー攻撃(情報を盗むため、特定の相手を狙ったサイバー攻撃)による情報漏えいのリスクも高まっています。
対策:安全な事業会社の選定・強固なパスワード設定
オンラインストレージサービスを利用している場合、情報漏えいなどのリスク対策を図るには、2要素認証設定や2重暗号、ワンタイムパスワードなどの高セキュリティなサービスを提供している事業会社を選定するとよいでしょう。
さらにアカウント内部への侵入を防ぐためにもユーザー自身で難解なパスワードを設定し、自己防衛を図ることが最善の安全対策だといえます。
2.大規模なサーバの停止
オンラインストレージを利用する際は、サーバ停止によるリスクも存在します。サーバが停止すると、ファイルにアクセスできずに業務が停止し、最悪の場合データが消失する可能性があるでしょう。またサーバ停止の原因として、人的ミスやサイバー攻撃などが考えられます。
対策:ストレージ利用と同時にバックアップ
人的ミスやサイバー攻撃は防ぐ手段がないため、サーバが停止する事態に備えて常にデータのバックアップをとるようにしましょう。外付けHDDやSSDにデータのバックアップをとっておけば、データが盗難・消失した場合でも業務がストップしてしまう事態を回避できます。
または、データのバックアップをとるために別のベンダーが提供するストレージサービスを利用する方法もあります。利用状況に即したバックアップを行うことが大切です。
オンラインストレージの事故事例
それではここで、オンラインストレージの事故事例を紹介します。人為的なものや不正アクセスなど要因はさまざまですが、事故による会社への影響は計り知れません。事例を参考に、自社で気を付けるべきポイントについて洗い出してみましょう。
- ■社員の杜撰なパスワード管理によるアカウントの流出
- クラウドストレージを運営するA社では、社員のパスワード使いまわしにより、不正アクセスを受け、利用者のアカウント情報が漏えいした。
- ■設定ミスによる情報漏えい
- オンラインストレージの共有設定ミスにより、国内官公庁のデータ・ファイルが誰でも閲覧可能になっていたため、機密情報や個人情報が漏えいした。
- ■サーバーの脆弱性を狙った不正アクセス
- 国内ファイル共有サービスのB社では、サーバーの脆弱性を狙った不正アクセスにより480万件にのぼる情報が流出した。
おすすめのオンラインストレージ製品
ここで2021年オンラインストレージサービス 、上半期資料請求数ランキングTOP3の製品を紹介します。さまざまなセキュリティ対策が施されており、機能面も充実しているので、安全で快適に利用できるでしょう。
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製品名 |
対象従業員規模 |
提供形態 |
参考価格 |
無料トライアル |
レビュー評価 |
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使えるファイル箱 |
全ての規模に対応 |
クラウド / SaaS |
14,740円 ~(スタンダード1年プラン) |
○ |
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GigaCC ASP |
全ての規模に対応 |
クラウド / ASP |
- |
- |
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Fleekdrive |
10名以上 |
クラウド / サービス / SaaS |
1,500円/1ユーザー(Businessプラン) |
○ |
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《使えるファイル箱》のPOINT
- 社内サーバー不要で大幅コストダウン、管理業務の簡素化↑
- ユーザ数無制限だから個別アカウント管理で業務効率大幅UP↑
- 2要素認証/2重暗号化/アクセスブロックなどセキュリティ対策も◎
2021年オンラインストレージサービス上半期資料請求数ランキング第1位
使えるねっと株式会社提供の「使えるファイル箱」は、高い信頼性とユーザ数無制限の料金プランが魅力のクラウド型ファイル共有サービスです。2要素認証設定や2重暗号、ログ監視やワンタイムパスワードによるログインなど、さまざまな安全対策が施されており、堅牢なデータセンターでの管理も安心です。
《GigaCC ASP》のPOINT
- 「パスワード付きZIPファイル送信(PPAP)」の代替手段に最適
- ファイル送信とファイル共有をひとつのプラットフォームで提供
- 柔軟なセキュリティポリシーの設定、詳細なログ履歴管理に対応
2021年オンラインストレージサービス上半期資料請求数ランキング第2位
日本ワムネット株式会社が提供する「GigaCC ASP」は、大容量ファイルの送受信やクラウド共有など、企業間取引に活用しやすいファイル転送・共有クラウドサービスです。ウィルスチェック、不正アクセス防止などセキュリティ・管理機能も充実。金融機関や官公庁の採用実績多数誇る点もポイントです。
《Fleekdrive》のPOINT
- 誰もが使いやすいインターフェース
- 豊富な管理機能を搭載
- 徹底したセキュリティ環境
2021年オンラインストレージサービス上半期資料請求数ランキング第3位
株式会社Fleekdriveの提供する「Fleekdrive」は、世界190カ国で利用実績のある企業向けオンラインストレージです。ファイルの暗号化やウイルスチェックをはじめ、IPアドレス制限やPDFセキュリティなど、安全対策も充実しています。24時間、年中無休で管理者が配備されたデータセンターでの保管もポイントでしょう。
▼このほかにも、カテゴリー数・製品数業界最大級のITトレンドでは、さまざまなオンラインストレージを取り扱っています。2021年最新のおすすめ製品は以下の記事でも、紹介しています。
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2023.09.12
オンラインストレージ導入の注意点や人気製品を紹介
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▼さらに無料のオンラインストレージについては、以下の記事で紹介しています。
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オンラインストレージを選ぶポイントとは?
オンラインストレージは無料版と有料版がありますが、この2つの料金形態にはどのような違いがあるのでしょうか。4つの側面から選定ポイントを解説します。
無料版でトライアルが可能か?
まず、無料トライアルがあるかどうかを確認しましょう。オンラインストレージはさまざまなベンダーが製品を提供していますが、どのベンダーでも共通しているポイントがあります。
個人でサービスを利用するのであれば無料版でも十分でしょう。しかし、ビジネスで利用する場合は、容量などの機能に制限があると不便を感じるかもしれません。
有料版の容量は十分か?
有料版であっても、ベンダーごとに容量が異なります。したがって、製品ごとに容量の違いを比較することが大切です。提供されている容量を必要に応じて購入していく製品がほとんどですが、価格設定もベンダーごとに異なるため、十分に検討しましょう。
また料金プランによっては容量無制限の製品もあります。自社にあったサービスの選択が大切です。
利便性はどうか?
さまざまな機能を使いたい!というユーザーは利便性を重視しましょう。製品の中には、有料版で低容量でありながらも利便性を追求したサービスがあります。
オンラインストレージの一番の特徴は、データの共有です。業務内容やプロジェクトに応じた最良の使い方ができるかどうか、機能をしっかり比較することが大切です。また課金により機能を増やせるため、利用場面を十分に想定し、自社の業務フローに製品のあう製品の選定を行いましょう。
セキュリティ対策は万全か?
外部にデータを保管するといった形態上、ベンダーごとのセキュリティ対策は重視すべきポイントです。無料でオンラインストレージを利用する場合、ベンダーのセキュリティ対策に注目しましょう。
利便性の追求によりセキュリティ対策が不十分な製品も中には存在します。、もし機密性の高い情報を扱うのであれば、強固なセキュリティ対策を図るベンダーを選定する必要があります。
安全なオンラインストレージを利用し情報を守ろう!
ITの発展により、オンラインストレージはビジネスには欠かせないツールの1つとなっています。サービスを利用することでデータの共有ができ、時間や場所に限定されずにファイルにアクセスできるため、業務効率化を図れます。また共同作業が多くなるプロジェクトでの活用に有効なツールだといえるでしょう。
しかし、クラウド上にデータを保管するため製品を選定する際は、十分なセキュリティ対策が施されたサービスを利用することが大切です。情報をしっかりと守りながらビジネスの最適化を図るオンラインストレージを活用しましょう。