次世代物流システムの市場規模
次世代物流システムの市場規模を見ていきましょう。
- ■2024年は7,542億円の見込み
- 次世代物流システム・サービス市場は、2023年に続いて拡大が見込まれています。
- ■2030年には1兆1,670億円の見通し
- ロボティクス・AI・IoTの活用が広がり、市場は2023年比62.9%増まで成長すると予測されています。
2024年は7,542億円の見込み
株式会社富士経済は、「2024年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望」で次世代物流システム・サービス市場を調査しています。同調査によると、2024年の市場規模は7,542億円の見込みです。2023年と比べると105.3%です。この金額は、日本市場と日系メーカーの海外販売を合わせたものです。
物流業界の人手不足を背景に、ロボティクス、AI、IoTなどを活用したシステムの導入が進み、市場は拡大を続けています。
2023年は、2024年問題の解決に向けた物流センターの新設や自動化設備の導入が増え、案件も大型化しました。2024年は市場の伸びが鈍化するものの、拡大が見込まれています。
2030年には1兆1,670億円の見通し
同社は、次世代物流システム・サービス市場が2030年には1兆1,670億円(2023年比62.9%増)に拡大すると予測しています。人手不足が顕在化する2030年問題に向けて、ロボティクス、AI、IoTを活用したシステムの導入が加速し、物流DXが進むとみられています。
物流機器・物流サービス全体の市場との違い
なお、物流の市場には、次世代物流システム・サービスのほかにも、マテハン機器などの物流機器の市場や、運送・倉庫などの物流サービス全体の市場があります。対象が違うため、調査によって市場規模の数字は大きく異なります。数字を見るときは、どの市場かを確認しましょう。
参考:物流DXの実現に向け自動化・デジタル化が進む 次世代物流システム・サービス市場を調査|富士経済
参考:2024年版 次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望|富士経済
市場規模が拡大する理由
なぜ物流システムの市場規模は拡大しているのでしょうか。
DXの取り組みが加速
AIやロボットを活用した業務の自動化や高度化などの取り組みを通じた、DX化(デジタルトランスフォーメーション)の加速が理由に挙げられるでしょう。物流業界における人手不足の深刻化や、2024年問題への対応によって、省人化や効率化を目的とした自動化ニーズは高まりをみせています。特に、伸びが期待される市場について以下で説明します。ロボティクス・オートメーション
ロボティクス・オートメーションは、固定設備と違い、レイアウトやオペレーションの変更・生産ラインの構築などに高い柔軟性をもちます。そのため、今後もニーズは高まりをみせるでしょう。
なかでも、次世代物流ロボットシステムの国内市場は、2030年に317億円(2023年比7.4倍)に達すると予測されています。次世代物流ロボットシステムは、ビジョンシステムと垂直多関節ロボット、ハンド・グリッパ、AGVなどを組み合わせ、荷卸しや荷積みを行うシステムです。物流向けの知能化ロボットシステムで、デバンニングロボットも含みます。導入コストが高いため、まずは24時間稼働の宅配、通販、食品などの物流施設で導入が進むとみられています。
屋外で使う無人搬送車(AGV)は、3D LiDAR SLAMの活用により、走行性能が向上しています。その国内市場は、2030年に2023年比16.3倍になると予測されています。
IoT
IoT(ソフトウェア・ソリューション)では、従来のアナログ管理からデジタル管理へのシフトが進んでいます。背景には労働力不足や従業員の高齢化への対応があり、これが市場拡大の要因の一つです。
WMS(倉庫管理システム)の国内市場は、2030年に457億円(2023年比57.6%増)になると予測されています。WMSには、バース管理システムやTMS(配車計画支援システム)など倉庫外のソフトウェアとの連携によるサプライチェーンの最適化が期待されています。バース管理システムは、2030年に163億円(2023年比5.1倍)になる見通しです。2024年問題への対応で2024年に急拡大し、2025年以降は主要拠点への導入が落ち着くことで、伸びが緩やかになるとみられています。
AI
AIの活用により、複雑で自動化が難しかったピッキングや、トラックコンテナからの荷卸し(デバンニング)の自動化が進んでいます。AIを組み合わせることで、瞬時に状況判断を行い、事前登録なし(マスターレス)でピッキングができるようになりました。そのため、自動化を推進する大規模な物流センターを中心に、導入が広がっています。
サブスクリプション型サービスに注目
近年、サブスクリプション型サービスの展開が増加傾向にあります。初期費用を抑えられるほか、繁忙期や閑散期による物量の変動にも柔軟に対応できるため、需要が高まっています。
市場規模を参考に最新物流システムの導入を検討しよう
2024年の次世代物流システム・サービス市場は7,542億円の見込みで、2030年には1兆1,670億円に到達すると予測されています。市場規模拡大の要因には、人手不足や2024年問題を背景にした自動化ニーズの高まり、物流DXの加速化などが挙げられます。
システムの機能や製品を比較したい方は、物流管理システム比較15選もあわせてご覧ください。基本機能を知りたい方は、物流管理システムの基本機能の記事が参考になります。
次世代物流システム・サービス市場の今後の傾向を踏まえたうえで、最新物流システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

