受注管理とは
受注管理とは、消費者・購入企業からの注文を受けて出荷するまでの過程を管理する業務です。これまでは受注までの業務を指すことが一般的でしたが、最近では受注してから出荷まで適用範囲が広がり、業務内容が増えているケースもあります。特にBtoBのビジネスでは、見積もりや新規顧客との契約締結も含む場合があります。
一般的な受注管理のプロセス
つづいて、一般的な受注管理のプロセスを見ていきましょう。受注管理は、以下の図のようなプロセスで行われます。
1.見積もりを作成する
まずはじめに、顧客からの注文内容を確認し、見積もりを作成します。取引実績や内容、発注商品の数量に適した金額を、見積もりとして提出します。見積もりの提出は1回だけで済む場合もありますが、他社と競合している場合は複数回提出するケースもあるでしょう。
2.契約を締結する
見積もりの金額とそれ以外の取引条件に問題がなければ、注文を確定し契約を締結します。契約締結前には、価格以外の条件で後々トラブルに発展しないよう、商品の保証や納期、支払い方法、期日などを十分に確認しなければなりません。
3.注文内容を登録する
契約が成立し注文が確定したら、注文内容を登録します。この情報は生産部門や在庫確認業務の担当者に共有され、出荷に向けた準備に利用されます。顧客と取引がはじめての場合は、契約締結とともに顧客情報の登録・管理も行いましょう。従来であればこの段階で受注管理としての仕事は完了しますが、最近では以降の段階も受注管理に含まれる場合があります。
4.在庫の確認と納期の連絡をする
注文内容の登録が終わったら、在庫確認を行います。ここで在庫が十分であれば出荷準備に移り、不十分であれば生産部門や発注部門と連携しながら必要な製品を準備しなければなりません。また、契約内容をもとに納品時期を確認し、取引先と密な連絡を取ることが自社の信頼獲得につながります。
5.受注伝票と注文請書を作成する
納期がある程度確定したら、受注伝票と注文請書を作成します。受注伝票とは、商品名や納品先などの情報を記載し自社で保管する書類です。内容は注文書をもとに作成されます。
一方で注文請書とは、注文書の内容を受領した旨を取引先に報告する書類です。注文請書は必ずしも作成する義務はありませんが、万一のトラブルやミスに備えて作成しておくのが得策でしょう。
受発注管理を効率化する方法については、以下の記事で解説しています。
受注管理の課題
上述したように、受注管理ではプロセスが複雑なためミス発生のリスクがあります。また、作業が属人化されがちなのも課題の一つです。受注管理業務における具体的な課題の内容を見ていきましょう。
複雑なプロセスでミスが発生しやすい
受注管理は、見積もりから注文書作成までの作業工程においてさまざまなタスクがあり、フローも複雑化しがちです。また得意先ごとに取引条件も異なるため、Excelやスプレッドシートを活用したアナログな管理では、ヒューマンエラーが起きやすいでしょう。
受注業務でのよくあるミスとしては、電話対応時の聞き間違えや記録漏れ、受注データの入力ミスなどが挙げられます。またExcelを活用した受注管理の場合、データが最新版かどうかの判別がつきづらく、誤った数値が混在する可能性もあります。
作業が属人化しやすい
業務が多岐にわたり複雑になっている場合、属人化が起こりやすくなります。例えば、電話での受注業務では、顧客の注文履歴や行動パターンを熟知している担当者に業務が集中しがちです。
属人化は、担当者が欠勤したりほかの業務で立て込んでいたりする場合、作業が停滞するリスクがあります。また、属人化された業務をほかの従業員が穴埋めしたとしても、作業の質が劣ったりミスが発生したりするかもしれません。さらに特定の担当者が対応できない場合は、顧客満足度の低下やクレームにつながるケースもあるでしょう。
これらの課題を解決するには、受発注システムの導入がおすすめです。以下のボタンより、人気の受発注システムの資料をまとめて請求できるので、活用してください。
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受注管理システムとは
受注管理におけるミスや作業属人化を防ぎ業務効率を向上させるためには、受注管理システム(受発注システム)を導入するとよいでしょう。ここでは、受注管理システムの概要や仕組み、機能について解説します。
受注管理システムの仕組み
受注管理システムとは、電話やFAX、メールなどのさまざまな受注情報を一元化し、受注から出荷までの煩雑な業務を自動化するシステムです。OMS(Order Management System)と呼ばれることもあります。他システムと連携し、在庫管理、出荷管理、請求管理、顧客管理などの関連業務に対応可能な場合もあります。
受注管理システムは、取引先にシステムを利用してもらい、注文をWebから一括して受けられる仕組みです。取引先が入力した受注内容は、ダイレクトにシステムに反映されるため、受発注業務を効率化し転記の手間や入力ミスの削減にもつながります。
受注管理システムの機能
受注管理システムには、受注業務を助ける多彩な機能が備わっており、業務を効率化します。また、発注企業は顧客ごとに設定された発注者管理画面にログインし、購買履歴や配送状況などが確認可能です。代表的な機能には、以下のようなものがあります。
- ■受注内容をシステムへ保存する
- ■在庫の確認をリアルタイムで行う
- ■注文内容をもとに注文書や見積書を発行する
- ■メールなどで顧客に納期や注意点を知らせる
- ■注文が確定後、請求を行い支払い管理をする
このように、システムに搭載されているさまざまな機能を活用することで、スピーディーかつミスのない受注管理が実現します。以下の記事では、さまざまな受注管理機能を搭載した受発注管理システムを比較紹介しているので、参考にしてください。
受注管理システム導入のメリット
受注管理システムを活用すれば、業務が効率化され顧客満足度の向上にもつながります。さらに、既存の在庫管理システムや販売管理システムと連携可能な場合もあり、関連業務に対応できます。詳しいメリットを見ていきましょう。
業務が自動化される
受注管理システムを導入すると、受注管理に関するさまざまな業務を自動化できます。また自動化により、作業負担が減るため人件費削減が実現します。プロセスの無駄を省くことで、納品までの期間を短縮できるでしょう。
システムを導入するには費用がかかりますが、「業務改善」「コスト削減」を考えると高い費用対効果が期待されます。また、アナログな管理よりも確認漏れや入力ミスなどのヒューマンエラーを防止できます。
他システムと連携できる
受注管理システムは、既存システムとの連携も可能です。例えば、在庫管理システムと連携すれば、顧客が注文した時点で在庫の有無を確認できるでしょう。また、販売管理システムや経理システムと連携することで、注文実績を転記する作業も省けます。
しかし、社内システムと連携できるかどうかは製品によって異なるため注意が必要です。製品によっては、自社でシステム開発し、連携するタイプのものもあります。
顧客満足度が向上する
受注管理システムは、受注側の作業を効率化させ、ミスの抑制やスピーディーな対応を後押しするため、顧客満足度向上につながります。また、発注側にとっても24時間注文できるのがメリットです。
従来の電話・FAXを使った取引ではないため、システムを通じて簡単に発注でき受注サイドからのレスポンスもスムーズです。結果として、発注側のデータがシステムに直接反映されるため、正確な取引を短時間・短納期で実現できるでしょう。
受注管理システムの選び方
受注管理システムの選定時には、機能性や操作性、導入実績などに着目してみましょう。また、取引先がシステムを扱いやすいか、利用料や工数の負担がないかも重視すべきです。具体的な選び方のポイントは、以下のとおりです。
- ■自社の課題に沿った機能が搭載されているか
- 導入目的を明確化し、自社の課題を解決する機能が搭載されているか確認する。また効率化させたい範囲によっては、既存の販売管理システムや会計システムなど基幹システムとの連携性にも着目する。
- ■マルチチャネルに対応しているか
- Webからの注文以外にも、電話やFAXなどの受注に対応可能か確認する。
- ■十分な導入実績があるか
- 自社と同じ業界・業種への導入実績をもつベンダーであれば、サポートやアフターケアなどのノウハウがある可能性が高い。製品の口コミなどもチェックする。
- ■操作性はよいか
- 受注管理は、アルバイトやパート従業員が行うケースもあるため、ITの知識をもたない従業員でも簡単に利用できる操作性の製品が望ましい。
- ■取引先が利用しやすいか
- 取引先にシステムを利用してもらうため、利用料や発注工数など取引先の負担にならないかも重視する。
- ■サポート体制は十分か
- サポートの営業時間やメール・電話などの連絡手段を確認する。消費税改定の際にも、ベンダー側で対応してもらえれば安心。
自社にあったシステム導入で受注管理を効率化しよう
受注管理とは、注文を受けて出荷するまでの流れを管理することです。多岐にわたる受注業務を効率化するためには、受注管理システムがおすすめです。
システム導入により、ヒューマンエラーを回避し正確でスピーディーな取引が実現します。業務の正確性、効率化のためにさっそく資料を取り寄せ、自社に合う製品の比較をしてみてはいかがでしょうか。