アクセス解析の基本事項
アクセス解析とは、CV数をアップさせるために運営者がサイトの現状やユーザーを分析することを言います。まずは、アクセス解析の目的やアクセス解析から得られるデータについて詳しくご紹介します。
サイトの改善・売上アップが目的
CVとはサイトにおける目標の達成を意味します。例えば、ショッピングサイトにおいては商品の購入、企業のサイトであれば問い合わせや資料請求などがCVにあたります。
CV数を増やすためにアクセス解析を活用しデータを収集するわけですが、集めたデータをただ見ているだけでは成果には結びつきません。重要なのは、収集したデータからサイトの問題点を見つけ、改善につなげることです。
適切な改善を行い、サイトからの売り上げや利益を増加させることが最終的なアクセス解析の目的と言えるでしょう。
アクセス数やユーザーの行動がわかる
次にアクセス解析によってどのようなことがわかるのか、アクセス解析の基本用語と一緒にご説明します。
- ■ユーザーの性別、年齢、興味関心
- ■ユーザーがどこからサイトに来たか(流入経路)
- ■ユーザーが最初に見たページはどれか(ランディングページ)
- ■ユーザーが特定のページを閲覧した回数(PV:ページビュー)
- ■サイトを訪問したユーザーの数(UU:ユニークユーザー)
- ■どのくらいの割合でユーザーがCVしているか(CVR)
- ■ユーザーが1回の訪問で見ている平均のページ数(平均PV)
- ■他のページに移動せず帰ってしまったユーザーの割合(直帰率)
これらのデータを1つ1つ検証したり、組み合わせて仮説を立てていくことでユーザーの行動がわかるようになり、サイトの課題が見えてきます。単純に、1日の訪問者が増えた減ったというだけではなく、多角的に捉える必要があることを覚えておきましょう。
アクセス解析の方法
アクセス解析の目的がつかめたところで、続いてはどのようにアクセス解析をしていけばよいのか、その方法について具体的にご紹介しましょう。
解析ツールを使用する
アクセス解析を行うには、ユーザーのアクセス情報を記録したデータを活用します。しかし、これを解析するためには専門的な知識が必要です。そこで、アクセス解析専門のツールを使用するのが一般的です。
解析ツールにもデータ取得方法の違いによっていくつか種類があります。まずはそれぞれ種類別の特徴をご紹介します。
サーバログ型
サーバログ型はWebサーバに記録されているアクセスログからデータを取得します。
- 【メリット】
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- ■ログが残っている場合は過去に遡ってアクセス解析可能
- ■ユーザーのアクセスだけでなくクローラー(※)のアクセスも分析することが可能
- 【デメリット】
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- ■リアルタイムでの分析ができない
- ■サイトの規模が大きい場合はデータ取得・解析に時間がかかる場合もある
※クローラー:Web上の文書や画像などの情報を取得し、自動的に検索データベースに格納する巡回プログラム
パケットキャプチャ型
パケットキャプチャ型はWebサーバ上のネットワークに監視ツールを設置し、Webサーバからのレスポンス時に発生するパケットを蓄積し解析を行います。
- 【メリット】
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- ■リアルタイムでスピーディに解析が可能
- ■JavaScriptが動作しないブラウザや端末でも解析可能
- 【デメリット】
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- ■監視ツールの設置のために初期の導入費用が高くなりやすい
- ■外部のASPサービスにデータが蓄積される設定の場合は分析が行えない
Webビーコン型
Webビーコン型ではブラウザのページが表示されると、JavaScriptが作動しデータを取得します。取得したデータはサードパーティーツールや自社の解析ツールに蓄積され解析を行います。
- 【メリット】
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- ■サードパーティーツールを活用することで専用ツールの設置が不要
- ■導入費用を抑えることが可能
- 【デメリット】
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- ■ページが表示される前に、ユーザーが次ページに移動したり表示を中止するとデータを取得できない
PDCAを回す
使用するツールが決まりアクセス解析を実行する時、重要になるのが「PDCAサイクル」という考え方です。PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取った言葉で、業務を効率よく進める方法としてビジネスではよく使われています。
アクセス解析においても、このPDCAサイクルは重要です。サイト運営においてのPDCAは以下のようなものになるでしょう。
- ■Plan:ターゲット層を設定しニーズに合ったサイトを考える
- ■Do:実際にWebサイトを制作する
- ■Check:アクセス解析によりサイトの効果を検証、評価する
- ■Action:検証結果をもとに、サイトの構成や集客に関して改善を行う
ただ、サイトを立ち上げて満足してしまう、アクセス解析で分析するが改善に至らないなど、PDCAが途中で止まってしまう場合はサイト運営が失敗しやすいです。サイトの効果を最大限に引き出すためにも、継続してPDCAサイクルを回していくことが大切です。
アクセス解析のポイント
アクセス解析の方法が分かったところで、最後に解析する際のポイントをご紹介します。効率よくアクセス解析をするためにもポイントを押さえて実行しましょう。
指標を絞る
前述したようにアクセス解析では、非常に多くのデータが取得可能で、ついつい多くの指数を見てしまいます。しかし、一度に全てを改善するのは難しく労力もかかりますので、指標を絞って分析することが重要です。
数ある指標の中でも、最初に確認すべきアクセス解析の基本指標が「直帰率」「平均PV」「CVR」です。この3つを押さえることで、サイトのデザインや構成、ページ導線(※)、入力フォームの書式、流入経路など基本的な部分の効果検証ができます。
また、他の指標を利用する場合でも、効果的な改善のためには検証する指標を絞り込むのが望ましいでしょう。
※導線:サイトの作り手がユーザーを導く経路
ランディングページを分析する
ランディングページとは直訳すると「着地するページ」です。つまり、ユーザーが最初に見るページのことです。ランディングページはCVRを上げるのに非常に重要なポイントとなっています。
多くの人は、一番最初に目にしたページで自分の求めている情報との関連が低いと感じると、次のページにいく前にサイトを離れてしまうからです。
そこで、設定しているターゲットとランディングページの構成がマッチしているかどうかを分析することが重要になります。サイトの中でもPV数が多いランディグページを改善することで、CVRを高めることができるでしょう。
ユーザーの行動を分析する
サイトの運営において、ユーザーを分析することは欠かせません。例えば、CVへの貢献度が高いユーザーの特性を分析し傾向を知ることで、ターゲティングの精度向上や、ユーザーに合ったコンテンツの追加につなげることができます。
また、ユーザーによく見られているページ、あまり見られていないページなど、サイト内での動向を把握することで、改善すべきページが見えてくる場合もあります。効率よく改善するためにも、ユーザー行動の分析ははずせない項目と言えるでしょう。
効果的なアクセス解析を行いましょう
今回はアクセス解析の基本的な知識やポイントについてご紹介してきました。アクセス解析から課題を見つけてサイトを改善し続ければ、自社のCVは何倍にも増えるでしょう。まずは、自社に合う製品を選び、効率的にアクセス解析ができるようにしましょう。