Cookieとは
Cookieは、Webサイトへアクセスした情報を、ブラウザーに一時的にテキストで保存します。仕組み・ファイルに含まれる情報・メリット・種類などを解説します。
ユーザーを維持管理する仕組み
Cookieは、Webサーバとパソコンやスマホなどのクライアントの間で、ユーザーの状態を維持・管理するための仕組みです。Webサイトが稼働しているWebサーバから、Cookieと呼ぶ小さなデータを送信し、クライアントはテキスト情報として保存します。
クライアントがWebサーバにCookieを戻すと、Webサーバは同一ユーザー・ブラウザーからのアクセスであると認識できます。Webサーバはこの情報をベースに、固有にカスタマイズされクライアントに適した情報を表示可能です。
ユーザーの個人情報が含まれたファイル
Cookieには、Webサイトを閲覧したときの、さまざまな個人情報が記録されます。閲覧したWebサイトのアドレスはもちろんですが、Webサイトで入力したID・パスワード・住所・メールアドレスなどのほか、どのような商品をいつ購入したかなどです。
さらに、パソコン・スマホなど、どのような利用環境からアクセスしたのかも保存します。Cookieは、ユーザーのWebサイト閲覧の利便性を高めるために、さまざまな個人情報を記録しています。
サイト利用時にかかる手間を省ける
Cookieには個人情報が記録されているため、ユーザーは再び同じWebサイトを訪れた際、ログインIDやパスワードを入力する手間が省けます。1日に何度も閲覧するSNSなど、1回ログインすれば、その後はID・パスワードが不要で非常に便利です。
ID・パスワードを忘れても、Cookieに保存されていれば安心で、セキュリティ対策としてパスワードを頻繁に変更しやすくなります。ネットで商品を購入する際、カートに入れたままでほかのサイトを閲覧しても、また戻ればカートに商品が入っているので探す手間が省けます。
Webサイト側もCookieに保存されたデータは、貴重な情報です。ユーザーがどのようなWebサイトを見て、どのような行動を起こしたかが分かります。この情報をWebサイトの改善につなげたり、ユーザーの興味のある広告を配信したりできるメリットがあります。
2種類に大別される
ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの2種類があります。ファーストパーティーCookieは、閲覧したWebサイトのWebサーバから発行されます。サードパーティーCookieは、閲覧したWebサイトとは異なるWebサーバから発行される情報です。
例えば、閲覧したWebサイトに広告バナーが張られていた場合、閲覧したWebサーバからはファーストパーティーCookie、広告配信サーバからはサードパーティーCookieが発行されます。そのため、ほかのWebサイトに移っても、同じ広告が表示されることがあります。
Cookieのデメリット
Cookieには、さまざま個人情報が含まれているため、悪用されるリスクがあります。Cookieを活用するデメリットを解説します。
デバイスを紛失したとき第三者に悪用されやすい
スマホやパソコンを紛失したり、盗難されたりすると、第三者に悪用されてしまう恐れがあります。Cookieには、Webサイトの訪問記録に加え、個人情報や購入情報などが記録されています。スマホやパソコンにログインされると、SNSなどプライベートな情報を盗み見られ危険です。
ネットで大量に商品を購入されるなどの被害が考えられます。さらに、IPやパスワードを使いまわしていると、ネット銀行や証券などの被害に及ぶ恐れがあります。デバイスの管理には細心の注意と、最悪の事態に備えた暗号化などのセキュリティ対策が必要です。
プライバシーの侵害につながる可能性がある
Cookieはユーザーに多くのメリットがあるのですが、第三者の使用方法次第で、プライバシー侵害になる可能性があります。一例として、就職情報サイトを閲覧した学生のCookie情報をもとに、データ化し新卒採用企業へ販売していた問題がありました。
自分が全く知らないところで個人情報が抜き取られ、勝手に売買される、空恐ろしい出来事です。サードパーティーCookieは、特にプライバシー問題が発生しやすい仕組みになっています。ユーザーの行動をどこまでも追跡できて、多くのWebサーバにデータを反映させます。
この仕組みを利用すると、Webサイトを運営する組織が、簡単に個人情報を悪用可能です。これに対し、世界中でCookieの活用を規制する動きが加速しています。プライバシー保護のため、今後ますます、厳しい制限が加えられると予想されます。
Cookieを利用する際の注意点
職場・学校・図書館・ネットカフェなど、共用パソコンを利用する場合は、利用後忘れずCookieを削除しましょう。Cookieには、WebサイトのIDやパスワードなどの個人情報が残っているため、ほかの利用者が簡単に同じWebサイトにログインできてしまいます。
その利用者が悪意を持っていれば、不正アクセスや不正利用されてしまいます。共用パソコンを利用したら、ログアウトしただけで安心してはいけません。必ず、この後説明する削除方法でCookieを削除し、被害にあわないように注意してください。
スマホからCookieを削除する方法
スマホからCookieを削除する方法は、ブラウザアプリの種類により異なるため、それぞれについて詳しく説明します。
ブラウザアプリがchromeでAndroidの場合は、アプリを開きメニューから「履歴」をタップします。次に「閲覧履歴データ削除」をタップし、「Cookieとサイトデータ」にチェックを入れて「データ削除」をタップすればCookieを削除可能です。
chromeでiOSの場合は、アプリを開き「設定」をタップします。次に「閲覧履歴データ削除」をタップし、「Cookieとサイトデータ」にチェックを入れて「閲覧履歴データ削除」をタップすればCookieを削除可能です。
ブラウザアプリがSafariでiOSの場合は、ホーム画面から「設定」「Safari」の順にアップします。次に、「履歴とWebサイトデータを消去」と「履歴とデータを消去」をタップすればCookieを削除可能です。
Cookieを快適に使うために仕組みを理解しておこう!
Cookieには、閲覧したサイト情報やIDパスワードなどが含まれ、Webサイトを閲覧するために手間が省けとても便利です。
しかし、Cookieを活用すると以下のようなデメリットがあります。
- ・デバイスを紛失したとき第三者に悪用されやすい
- ・プライバシーの侵害につながる可能性がある
Cookieを快適に使うために仕組みを理解し、利用する際の注意点と削除方法を参考にして安全に使いこなしましょう。