サーバログ方式のアクセス解析ツールとは
アクセス解析にはいくつかの測定方式があります。ここでは、方式の一つである「サーバログ方式」について解説します。
Webサーバに記録されたログを解析
サーバログ方式のアクセス解析は、サーバ上に記録されたアクセスログファイルをもとに解析する方式のことです。
サーバログ方式は、以下のような仕組みで成り立っています。
- 1.ユーザーがWebサーバにページ表示をリクエストする
- 2.「アクセスログファイル」としてリクエストがWebサーバに保存される
- 3.定期的に解析サーバがアクセスログファイルを取り込み、解析する
サーバログ方式のメリット
サーバログ方式ではWebサーバ上に記録されたアクセスログを利用するため、Webサイトに手を加えずにアクセス解析ツールを設置できるのがメリットです。
また、Webサーバに記録されたアクセスログのすべてが解析対象となるため、ユーザーはもちろん検索エンジンクローラ(※1)のアクセスも分析できます。さらには、過去のログを分析したりPDFや画像などのファイルを計測したりすることも可能です。
※1:Web上の文書や画像などを周期的に収集し、データベース化を自動的に行うプログラムのこと。「ボット」「ロボット」「スパイダー」などと呼ばれることもある。
サーバログ方式のデメリット
サーバログ方式によるアクセス解析では、IPアドレス(※2)やユーザーエージェント(※3)によるユーザー判定をします。そのため、ほかのアクセス解析の方法と比べるとユーザーを判別する精度が低くなり、リピーターなどの集計には不向きだといえるでしょう。
また、解析サーバが定期的にWebサーバからアクセスログを取り込むため、リアルタイムな分析ができません。そして、Webサイトの規模が拡大するとアクセスログも増えるので、アクセス解析に時間がかかるケースもあります。
※2:インターネットに接続された機器のすべてがもつナンバーのこと。
※3:ユーザーが使用しているアプリケーション名やバージョン、言語などを送信するソフトウェアやハードウェアのこと。
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Webビーコン型との違い
アクセス解析にはサーバログ方式のほかに「Webビーコン型」があります。Webビーコン型の特徴について、詳しく見ていきましょう。
タグで集積されたアクセスデータを解析
Webビーコン型アクセス解析とは、Webページのhtmlに計測用のJavaScriptのタグを埋め込み、アクセスデータを集積して解析を行う方式です。
Webビーコン型の流れを簡単に紹介します。
- 1.ユーザーがWebサーバにページ表示をリクエストする
- 2.ページが表示されると埋め込んでおいたJavaScriptのタグが作動する
- 3.アクセスデータがASPまたは解析サーバへ送信・蓄積され、解析する
Webビーコン型はWebページの修正が必要
Webビーコン型ではリアルタイムでの解析が可能です。しかし、アクセス解析を対象とするすべてのWebページに、JavaScriptの計測タグを埋め込んでおく必要があります。
大規模なWebサイトの場合、タグを埋め込むだけで手間がかかります。もし、1ページでもタグを埋め忘れると正確なアクセス解析が困難になるでしょう。
またJavaScriptが利用できないブラウザの場合は、Webビーコン型を利用できません。ほかにも、ユーザー側がページ表示される前に離脱してしまうとアクセス情報が送信されない、など注意点があります。
Webビーコン型の導入を検討する際、自社のWebサイトに適合するのか確認しましょう。
パケットキャプチャリング型との違い
アクセス解析の方式の一つである「パケットキャプチャリング型」について解説します。
Webサーバのトラフィックを読み込んでデータを解析
パケットキャプチャリング型アクセス解析とは、Webサーバ上に流れる「パケット」と呼ばれるデータを監視・収集し、解析する方式です。
パケットキャプチャリング型の流れを簡単に紹介します。
- 1.ユーザーがWebサーバにページ表示をリクエストする
- 2.ユーザーとWebサーバの間でやり取りされた情報を専用装置(パケットキャプチャ)で読み取り、そのデータを解析サーバへ送信し、解析する
パケットキャプチャリング型は導入費用がかかる
パケットキャプチャリング型は、Webサーバ上に専用装置を導入する必要があるため、導入にコストがかかります。また、ASPサービスを利用している場合はアクセスログが外部に蓄積されているため、アクセス解析できないケースがあります。
一方で、リアルタイムでアクセス解析でき、JavaScriptが動作しないブラウザでも利用できるため、より詳細な解析が可能です。
アクセス解析ツールの選び方
アクセス解析ツールを導入する際、気をつけるべきポイントを紹介します。
目的をハッキリさせる
アクセス解析ツールを選ぶ際は「どのようなデータが必要なのか」「何を解析したいのか」など、ツール導入の目的を明確にすることが大切です。自社のWebサイトの問題点や改善点をピックアップして、それらを改善するためにはどのような機能が必要なのかを検討しましょう。
アクセス解析ツールには、さまざまな機能が搭載されています。機能面に惹かれてツールの導入を行うのではなく、自社に本当に必要な機能を見極めて導入しましょう。
費用をどの程度かけるか決める
アクセス解析ツールには、月々のコストが高額なものもあります。多機能に惹かれてツールを選定してもうまく使いこなせず、無駄なコストがかかります。
コストの無駄を回避するためには、導入コストや毎月のランニングコストを想定し、予算に見合ったツールを比較するようにしましょう。そして、費用面・機能面である程度ツールを絞れたら、無料トライアルで使用感を確かめてから、最終決定すると失敗が少なくなります。
サポート体制を確かめる
アクセス解析ツールを導入する際は、サポート体制が充実しているか確認しておくとよいでしょう。各機能の使い方や解析データの参照の仕方、トラブルが生じた際などサポートセンターに問合せをする場面は必ず出てくるでしょう。
問合せをした際、スムーズな対応が可能かどうか、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。無料トライアル期間中の対応をもとに判断するのもよいかもしれません。
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アクセス解析の種類を理解し、製品検討しましょう
サーバログ方式のアクセス解析では、サーバ上に記録されたログファイルをもとにアクセス解析をします。この解析方式では、過去のログやクローラーの解析が可能です。
さらにサーバログ方式以外にもいくつかの方式があり、どの方式が自社に合っているのか十分検討する必要があるでしょう。またツールの導入目的を明確にして、自社にフィットした製品を選定してください。