Webビーコン型アクセス解析ツールとは
Webビーコン型は、アクセス解析におけるデータ収集方法の1つです。Webビーコン型のアクセス解析ツールは、ページに埋め込まれたタグによってアクセスデータを取得します。そして解析サーバにデータが蓄積され、それを基に各種分析が行われます。
Webビーコン型のアクセス解析ツールを使うためには、HTML内にJavascriptでコードを記述するのが一般的です。また、Webビーコン型は「タグ型」と呼ばれることもあります。サイトにタグ(コード)を記述してデータを収集するためでしょう。
アクセス解析ツールとして有名なGoogleアナリティクスもWebビーコン型です。そのため、現在のアクセス解析ツールはWebビーコン型が主流ともいえるでしょう。
Webビーコン型アクセス解析ツールのメリット
Webビーコン型アクセス解析ツールにはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
ツールを導入しやすい
Webビーコン型アクセス解析ツールの1つめのメリットは、導入のしやすさです。Webビーコン型でデータを集めるためには、サイトにJavascriptによるコードを記述する必要があります。
スクリプトの記述というと少々難しいイメージがあるかもしれません。しかし、実際にはツールの指示に従ってコピー&ペーストするだけです。
また、ポピュラーなアクセス解析ツールのGoogleアナリティクスは基本無料で利用可能です。その点も導入を容易にしているといえるでしょう。
取得できるデータ量が多い
Webビーコン型のアクセス解析ツールは、取得できるデータ量が多いです。取得できるデータ量が多ければ多いほど精度の高い分析ができ、サイト改善に役立つでしょう。
実際、Googleアナリティクスでは非常に多くの指標が計測可能です。中にはアクセス解析に直接用いないものもありますが、別の観点から重要になるものもあります。
指標が多ければよいというわけではありませんが、重要な指標が欠けているとアクセス解析はできません。また、アクセス解析は時に多角的に行う必要もあるため、指標の多さは視点の多さと言い換えることもできるでしょう。
Webビーコン型アクセス解析ツールのデメリット
次に、Webビーコン型アクセス解析ツールのデメリットをご紹介します。Webビーコン型のアクセス解析ツールを使う際は、下記の点を念頭においておきましょう。
計測するためのタグが必要
Webビーコン型のアクセス解析ツールは、サイトに記述されたタグ(コード)によってデータを集計します。そのため、適切なタグが記述されていないページやサイトからはデータ集計ができません。
よくあるミスは、特定ページのみタグを入れ忘れることです。Webビーコン型のアクセス解析ツールを活用するには、サイト内全てのページへのタグの埋め込みが必要です。しかし、手作業でタグを入力する場合、特定のページのタグが抜けていたり、記述ミスが起きる可能性があります。
適切なタグが記述されていないページは、正確なデータが送られず、アクセス解析に支障をきたしてしまいます。途中でそれに気づき修正したとしても、分析可能なのはそれ以降となります。
タグを埋め込んだ後からのデータしか分析できない
Webビーコン型のアクセス解析ツールは、タグによってデータを送信し、集計します。そのため、タグを埋め込むまではアクセスデータの集計ができず、アクセス解析を行うことができません。
サイトによっては、開設してしばらくしてからアクセス解析ツールを導入するケースもあるでしょう。その場合、Webビーコン型のアクセス解析ツールを選ぶと、開設から導入までの期間は解析対象外となってしまいます。
Webビーコン型とサーバログ型の違いとは
サーバログ型は、Webサーバに残ったアクセスログを基にアクセス解析を行う点がWebビーコン型との違いです。そのため、アクセスログさえ残っていればツール導入前のアクセス解析が可能な場合があります。
また、サーバログ型ではユーザーのアクセスだけでなくクローラー(※参照)のアクセスも分析可能です。そして、Webビーコン型のようにタグを記述しなくても解析可能な点もメリットといえるでしょう。
一方、サーバログ型のアクセス解析ツールはリアルタイム性に弱いという特性を持っています。Webビーコン型であればほぼリアルタイムな解析が可能なのに対し、サーバログ型はおおよそ1日1回しか解析が行われません。
インターネットが一般化しアクセスログが膨大になったことにより、高頻度の更新はマシンスペックを圧迫するためです。
※クローラー:ロボット型の検索エンジンがインターネット上のファイルを収集するためのプログラムのこと
Webビーコン型とパケットキャプチャリング型の違いとは
パケットキャプチャリング型のアクセス解析ツールは、ユーザーがWebサーバとやり取りするパケットをキャプチャします。そして、そのパケットデータを基に解析が行われる点がWebビーコン型と異なります。
パケットキャプチャリングの難点はその導入の難しさでしょう。専用の解析サーバを導入する場合は費用がかかります。加えて、外部のASPサービスを利用している場合はログがそちらに流れてしまうため、アクセス解析を行うことができません。その点もWebビーコン型との違いとして挙げられます。
また、パケットキャプチャリング型のアクセス解析ツールを使うためには、一般的にWebサーバを自社内で管理しておく必要があります。Webビーコン型の場合は解析をWebサーバに依存しないため、利便性に差が生じるとも言えます。
まとめ:適切なアクセス解析ツールを選んで運用しましょう
Webビーコン型を中心に、3種類のアクセス解析ツールをご紹介しました。Webビーコン型はサイト内にタグを記述し、そこからデータを集計して分析する手法です。
そのため、リアルタイム性に優れ、導入が容易というメリットがあります。一方、適切なタグの記述が行われていない場合は集計ができないという難点もあるでしょう。
それぞれの特徴や性能を見極め、自社にとって最適な分析ツールを導入しましょう。