アクセス解析でサイトの問題点を見つけるには?
アクセス解析でサイトの問題点を発見するにはどうすればよいのでしょうか。
サイトを運営する目的を認識しよう
サイトの問題点とは、サイトがその運営目的を達成できていない原因のことです。そのため、問題点を明らかにするためには目的を明確化する必要があります。
どのサイトも最終的な目的はCV(コンバージョン)数の増加です。CVとは、商品の購入や資料のダウンロードなど、そのサイトでユーザーに到達してほしい事柄を指します。
CV数を増やすためにはまず以下の目的を達成する必要があります。
これら2つが伸び悩んでいれば、その要因がサイトの問題点です。
アクセス数などの数値データを確認しよう
アクセス数とCV率が伸び悩んでいる場合、その要因を特定する必要があります。そのためには、アクセス解析で具体的な数値を確認しましょう。確認すべき数値には以下のようなものがあります。
- ■訪問者数
- ■サイト訪問経路
- ■離脱率
- ■クリック率
- ■直帰率
- ■サイト滞在時間
たとえば、訪問者が多くても離脱率が高いのであれば、サイトのユーザビリティに問題があるかもしれません。このように、アクセス解析の数値を見ながらアクセス数とCV率向上を阻害している要因を洗い出しましょう。
CVが達成されたポイントを確認しよう
商品の購入やメルマガの登録など、CVが達成されるポイントを確認しましょう。サイト訪問者をCVポイントに導き、実際にアクションを起こしてもらうことが最終的な目的です。
CVポイントのアクセス数が少ないのであれば、ほかのページからうまく誘導できていない可能性があります。またCVページへのアクセス自体が多いのにCV数が少ない場合は、入力フォームやページのデザインに問題があるかもしれません。
ユーザーのニーズ・流入元を確認しよう
ユーザーのニーズや流入元も重要な要素です。ユーザーのニーズに沿った内容でなければ、直帰率が高くなってしまうでしょう。自社のコンテンツが、どのような経路で訪れたユーザーのニーズに合っているのかを把握することが大切です。
検索クエリとクリック数を確認しよう
アクセス解析で検索クエリ(キーワード)とクリック数を確認することにより、ニーズを知ることが可能です。
自社のサイトが表示されているクエリを知ることでユーザーの意図が分かり、クリック率でニーズを満たせているかを確認できます。より検索クエリから分かるニーズを満たすものにページ内容を改善することで、クリック率やCV率の向上が期待できるでしょう。
また、検索エンジンもユーザーのニーズに沿ったコンテンツを好む傾向があるため、検索クエリとクリック数の確認は検索順位を上げるうえでも重要です。
ヒートマップでコンテンツの関心度を確認しよう
ヒートマップとは、表示されているページをユーザーの関心の濃淡によって色分けしたものです。マウスの動きのログをもとに、ユーザーの関心が集まる場所は赤やオレンジ、関心の薄い場所は青や緑で表示されます。ユーザーの思考を可視化したものだといえるでしょう。
そのデータをもとに個別ページを改善することが大切です。本当に見せたいものに関心が集まっていないのなら、改善の余地があるといえます。
発見した問題点からサイトを改善するには?
問題点を発見したら、次はその問題点を解決する必要があります。具体的にどうすればよいのでしょうか。
ユーザー視点で導線を考えよう
Webサイトを訪問したユーザーがどのような経路でCVページに到達し、アクションを起こすのかを考えましょう。具体的には、以下のことを意識してみましょう。
- ■サイトの入り口からCVページまでがつながっているか
- ■CVページまでの道(リンク)が分かりにくくないか
- ■CVページで成約につながるようなシナリオになっているか
サイトのアクセス数が多くても、入り口となっているページがCVページに繋がっていないのであれば意味がありません。繋がっていても、わかりにくければCV率は低下するでしょう。
また、入り口からCVページまでの内容を見て、アクションを起こしたくなるような道筋になっているかどうかも重要です。数値の確認はもちろんですが、実際にユーザーの視点に立ってサイトを見直すことも大切です。
デザインを見やすくしよう
サイトのデザインが悪いと直帰率が高くなります。せっかくアクセス数が増加しても、CV数は低迷するでしょう。デザインを見直す際には以下のようなことが重要です。
- ■サイトの内容が一目でわかる
- ■どこから見始めてよいのか分かる
- ■要素は重要なものに絞って表示する
また、これらの要素を考えるうえではターゲットの属性も考慮する必要があります。たとえば、ECサイトであればネット通販が初めての人と慣れている人では、見るポイントも異なるでしょう。
単に視覚的に見やすいだけでなく、ユーザーの属性やコンテンツに合ったデザインを意識しましょう。
フォームを改善しよう
会員登録や問い合わせなどがCVポイントである場合、せっかくそのページにたどり着いてもフォームが悪くて離脱されることがあります。以下のような点に注意して改善しましょう。
- ■フォームの入力項目が多すぎないか
- ■半角や全角などの条件が分かりにくくないか
- ■入力補助機能(郵便番号による住所に自動入力など)があるか
- ■フォームページに余計なリンクはないか
これらの細かい部分を工夫することで、ユーザーが快適にフォーム入力できるようになるでしょう。
Fetch as GoogleでSEO対策しよう
サイトのアクセスが少ないのであれば、SEO対策をして検索エンジンからの流入増加を目指しましょう。そのために有効な方法の1つがURL検査(旧Fetch as Google)です。
検索エンジンでは、クローラーと呼ばれるロボットがインターネット上のWebサイトを移動して情報を収集し、検索結果に反映しています。このクローラーが自社のサイトに来なければ、検索結果にサイトが反映されません。
そのクローラーを呼ぶための手段がURL検査です。新規サイト立ち上げ時やページの更新時に利用しましょう。
サイトマップ送信でSEO対策しよう
サイトマップの送信もSEO対策に有効です。サイトマップというと、ユーザーが見やすいようにサイト内のページを一覧化したものを指しますが、そのほかにも検索エンジン用のXMLサイトマップがあります。
それを検索エンジンに送信することで、自社のサイトがどのようなものかを検索エンジンに把握させられます。これが直接サイトの評価向上に結びつくかは不透明ですが、検索エンジン対策の一つとして実施しておきましょう。
サイトを改善するコツは?
Webサイトを改善する際のコツとは何でしょうか。
優先順位の高いページから対策する
サイトの中には重要度の高いページとそうでないものがあります。訪問者の多いページやCVページ、トップページなどは重要度が高いといえるでしょう。アクセス解析やサイト改善の施策の際には、そのような重要度の高いページを優先することが大切です。
すべてのページで最適な施策をするに越したことはありませんが、注げる時間や労力には限りがあります。そのため、ページの優先順位を意識して作業しましょう。
PDCAを継続的に回す
サイトの改善は一度施策を講じれば終わりではなく、継続的にPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回す必要があります。施策がうまくいっても、まだ改善の余地があるかもしれません。
施策を実行した後は再びアクセス解析でその成果を確認し、次につなげましょう。それを怠ってしまうと、ライバルとなるサイトにユーザーが流れてしまうおそれがあります。
また、サイト訪問者の属性や世間のトレンドは常に移り変わっています。そのため、その都度最適なサイトを目指さなければなりません。一度うまくいったからといって安心せず、アクセス解析のデータをもとに試行錯誤を繰り返すことが大切です。
問題発見のポイントを押さえてアクセス解析を活用!
アクセス解析でサイトの問題を見つける方法や改善する方法、またその際に意識すべきコツについて解説しました。
アクセス数の増加や離脱の防止など、CV数を増やすために考えることはたくさんあります。アクセス解析の数値を見ながら問題点を洗い出し、一つずつ改善していきましょう。