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事業承継を円滑におこなうための基礎知識と実践方法

2023年01月17日 最終更新

事業承継を円滑におこなうための基礎知識と実践方法

中小企業を取り巻く事業承継の問題が深刻化しています。経営者の平均年齢は60代にさしかかり、休廃業や解散を選択する企業も後を絶ちません。それでは、事業承継を円滑に進めるためには、どのような取り組みをしていけばよいのでしょうか。

この記事は2021年11月時点の情報に基づいて編集しています。

事業承継とは

事業承継とは

事業承継ときくと、会社の株式や土地や建物といった資産を承継することと考えられがちです。しかし、事業承継は目に見える資産の継承だけでありません。

ここでは、そもそも事業承継とはなんなのか説明していきます。

事業承継の考え方

事業承継とは、事業の継続に必要な全ての資産を後継者に引き継いでバトンタッチをおこなうことです。ここで、「資産」ときくと、目に見える資産をイメージしてしまい、相続税や贈与税の対策に重点を置いてしまうことが少なくありません。

たしかに、従業員などの人的資源や株式、事業用資産の引き継ぎも重要ですが、事業を継続するうえでは、目に見えにくい会社の強みやノウハウといった「知的資産」の継承も極めて重要です。事業承継を円滑に進めるためには、知的資産を含めた全ての資産を後継者に譲り渡すという考え方が求められるのです。

事業承継に必要な「会社の魅力」の磨き上げとは

それでは、目に見えにくい知的資産を見える化し、後継者に引き継ぐためには、どのような取り組みが求められるのでしょうか。

まずは、見える化を進めるために、中小機構が公開している「事業価値を高める経営レポート」や、経済産業省が公開している「ローカルベンチマーク」を使って自社の沿革や、会社の強みや弱みといった内部環境を整理するとよいでしょう。

重要なことは、このような知的資産の見える化作業を、現経営者と後継者が一緒におこなうことです。これまで会社が存続できている要因を、後継者も正しく把握し、確実に引き継がなければなりません。そのうえで、今後の事業存続の方向性を定め、経営戦略を打ち出していきます。

事業の見える化をきっかけにした会社の魅力を高める取り組みこそが、事業承継の磨き上げなのです。

参考:事業価値を高める経営レポート 作成マニュアル改訂版|中小機構
参考:ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)|経済産業省

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中小企業を取り巻く事業承継の実情

「事業承継は税金対策」という誤った考え方をしている方が多いことや、後継者が不足していることが原因で、中小企業の事業承継はうまく進んでいません。

それでは、中小企業の事業承継は、どのような状況にあるのでしょうか。

廃業予備軍が中小企業の3割を占める

平均年齢

そもそも、中小企業の経営者の平均年齢は増加傾向にあります。

2019年には59.9歳に達し、年商1億円未満の規模の小さな会社では平均年齢がすでに60歳を超えています。小規模事業者ほど、高齢化が進んでいるのです。

こうした中、後継者不在率は全国平均で65.1%と、高い水準となっています。中小企業の3社に1社は廃業予備軍といわれており、雇用やGDPに深刻な影響を与えることが懸念されるようになりました。事業承継の問題は、日本が抱える構造的な問題になっているといえるでしょう。

参考:全国社長年齢分析(2020 年)|帝国データバンク

多様化する事業承継の形

多様化する事業承継の形

後を引き継ぐ親族がなく、従業員にも有力な後継者がいないからといって、事業承継の道が絶たれるわけでありません。

従来であれば、親族内承継が事業承継方法の9割を占めていましたが、現在では親族外承継が3割を超える水準にまで増加しています。中小企業のM&Aも増加傾向にあり、子どもに事業を継がせられないからといって安易に廃業を選択せず、粘り強く承継先を探すことが求められているといえるでしょう。

参考:中小企業白書 2019|中小企業庁

計画的に事業承継に取り組まないと…

中小企業の廃業は、例え小さな零細企業でも社会に与える影響は決して小さくありません。従業員の雇用は守られず、取引先の事業の存続も難しくなるかもしれません。後継者がいる場合でも、計画的に事業承継に取り組まないと、後継者に株式が集中できなかったり、相続の争いに巻き込まれたりするでしょう。

事業承継の問題を後回しにしないことこそが、多くの中小企業に求められていることなのです。

事業承継の方法

事業承継の方法は、ひとつではありません。それぞれの方法のメリットやデメリットを考慮に入れながら最適なものを選択する必要があります。

ここでは、事業方法の中で、代表的な3つについて解説します。

親族内承継の場合

経営者の子どもや兄弟など、親族に承継する方法です。一般的に社内外の理解を得やすく、事業承継も進めやすいため、まずは検討したい承継方法であるといえるでしょう。その一方で、承継者の能力や意欲が問題になるケースも少なくなく、株式などの財産の移転が、相続の問題に発生する可能性があります。

親族内承継を選択する場合は、後継者の承継の意思を早期に確認し、長期的な視点で株式の移転や知的資産の承継をすすめることが重要となります。目立った承継対策をせずに、急に経営者の健康状態が悪化すると、会社の存続すら危ぶまれる事態となってしまいます。

親族に承継するケースでは、特定事業承継計画の認定を受けていれば、贈与税・相続税が猶予されたり、免除されたりする事業承継税制があります。このような事業承継税制を活用し、相続の問題を避けながら後継者の費用負担をできる限り軽減させ、株式を後継者に移転する方法も検討する必要があります。

従業員承継の場合

従業員の中から後継者を選び出し、承継する方法です。業務に精通していることが多いため、特に従業員からの理解を得やすい方法であるといえます。

この方法の場合、後継者への株式移転の手段は、後継者による株式の金銭的な取得が中心となります。このため、後継者の資金力が問題になるケースが多い承継方法であるといえます。また、多額の経営者保証がある場合、事業承継に二の足を踏むケースも考えられます。

したがって、従業員承継を選択する場合は、後継者の資金面の問題を解決しなければなりません。金融機関からの融資を活用したり、MBOの手法を使って株式を取得する方法を検討したりしてください。経営者保証のガイドラインに基づき、金融機関と経営者保証の解除を交渉することも有効です。

M&Aを活用する場合

親族や従業員に後継者がいない場合でも、事業承継をあきらめてはいけません。近年では、小規模事業者でもM&Aを選択できるようになりました。取引先や同業他社など、身近な会社の中で、M&Aに協力できるパートナーを探してみましょう。

身近な会社とのM&Aが難しい場合は、地域の事業引継ぎセンターに相談してください。事業引継ぎ支援センターとは、各都道府県に設置されている公的なM&Aのあっせん機関です。M&Aに興味がある買い手の中には個人も含まれているため、地域の零細企業でもM&Aが実現できる可能性があります。

親族や従業員にくわえ、地域の会社にも事業を承継することが難しい場合でも、事業引継ぎ支援センターを活用し事業を存続させた事例もあります。

安易に廃業を選択せずに事業を承継するために

たとえ、地域の小さな零細企業でも、顧客にとってなくてはならないお店であったり、取引先の技術力を支えていたりする重要度の高い会社です。安易に廃業を選択すれば、地域を疲弊させ、日本全体の経済にも深刻な影響を与えます。

事業承継の選択肢は増えており、必ず承継先はみつかります。大切な会社を存続させるために、今こそ本気で事業承継に向き合ってみてください。

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