登壇者プロフィール
株式会社N2i 代表取締役
篭橋 裕紀 氏
1984年生まれ、岐阜県出身。広告代理店、システム開発会社での営業職を経て、2017年5月に株式会社N2iを共同で創業。N2iでは、ビジネス用途向けのSaaSなどを企画・開発・提供している。
株式会社RevComm 営業統括
角田 潤彌 氏
慶應義塾大学卒業後、日本コカ・コーラやデロイトトーマツ コンサルティングをはじめ、世界的なリーディングカンパニーにてマーケティングやM&A、事業再生を行う。その後、ベンチャー企業を中心とした新規事業開発や上場企業での取締役CFO/CHRO/CSOを歴任。RevCommに参画後は、海外展開・新規事業開発・営業部門を幅広く統括。
今だからこそ、”音声の見える化”を!
株式会社N2i 篭橋 裕紀 氏(以下、篭橋):
電話対応を行っていらっしゃる企業って多いと思うのですが、電話での問い合わせって、曖昧な言葉で聞かれることが多いんですよね。特に、医療や法律のような専門的な話になると、お客様は自分では分からないことを曖昧な言葉で表現するわけです。
すると、その中で「言った」「言わない」だとか、あとは社内で問い合わせ内容を連携できていないといった問題が生じてしまいます。その辺をDX推進によってしっかりデータ化・見える化するのは非常に大事だと思っています。
株式会社RevComm 角田 潤彌 氏(以下、角田):
強烈なテーマですよね、”音声の見える化”って。ただ、実は昔から広く行われているんですよね。たとえば、商談のマニュアルやスクリプトはその良い例です。音声を見える化し、それに基づいて上手なコミュニケーションを模索すれば結果が出ますよ、という単純なことです。そして、これまでも大事でしたが、コロナ禍などの影響でいっそう重要性が際立って見えてきたのが今のタイミングなんです。ですので、今回は今求められている”音声の見える化”についてお話していきたいと思います。
コミュニケーションに、音声のデータが活用できる時代
篭橋:
音声って人に伝わる形にするのが大変なところがあって。たとえば、電話の相手が怒っていても、どのくらい怒っているのか、声のトーンがどうなのかといったことは社内で共有しづらいことがあります。ですから、これをデータ化した音声とテキストで伝えること、つまり社内でのバトンタッチが大事です。
また、今このタイミングで音声活用が叫ばれるのは技術の問題もありますね。日本語は難しく、解析が大変と言われてきましたが、今はどんどん技術が発達しています。その結果、今は「じゃあこれをどう活用していこうか」というフェーズになり、顧客対応への利活用が重要視されるようになってきたのかな、と思っています。
角田:
人のコミュニケーションって、どうやって上手か下手かを評価するのか、客観的な手法がなかったんです。上司が横で聞いていて「良い」と思っても、お客さんはそう感じていないかもしれない。ところが、デジタルなデータとして解析できるようになると、客観的に評価できるわけです。これが現在の技術では可能になったからこそ、音声の活用がホットなトピックになっています。
特に今はコロナ禍で、上司が横で聞くことさえもできません。すると、もはや自己申告で評価するしかない。これでは何が良くて何が悪いのか分からないですよね。そこで、データに基づいてコミュニケーションの良し悪しを判断できたら、上司と部下のコミュニケーションから無駄がなくなる。つまり、素敵な「バトンタッチ」ができちゃうと。
篭橋:
ご紹介ありがとうございます!
営業パーソンが「爆速」で成長する?
角田:
弊社のサービス、MiiTelを使っていただいているお客様の中にも、売上を大幅に伸ばしていらっしゃる方は実際に増えています。なぜそんなことが起きているのかというと、理由は極めてシンプルです。このMiiTelってプロダクト、さっきバトンタッチの話もありましたが、会話内容をすべて録音・解析しているんですよ。
すると、いわゆるスーパープレイをしている人の話し方が分かり、成功マニュアルができあがります。大学受験でいう赤本のようなものを、コンピューターが勝手に作ってくれるんです。あとはこのマニュアルをベースに、カラオケみたいに自分の営業を一生懸命それに合わせてやっていけば、今まで上手じゃなかった営業パーソンも短期間でスーパープレイを身に付けられちゃうんです。
その結果が営業パーソンの「爆速」成長です。
篭橋:
僕も昔テレアポをやっていたんですけど、アポ率が悪くて。そういうとき、MiiTelさんみたいなサービスがあればもっと早く上達できたのにな…と思います。解析したデータを見て「あ、このワード使えばいいんだ」みたいな発見は、営業パーソンとしては大事だなと思っていますね。
角田:
そうですね。たとえば、私がずっと篭橋さんの発言にかぶせて話していたら、見ている方はイライラしてしまうと思うんです。そこで、MiiTelが「かぶってるよ」と教えてくれるんです。他にも話が速かったりすると、全部MiiTelが「あなたの話し方はこうです」と指摘し、点数化してくれる。その指摘に従って欠点を直していけば、お客様はもっと話しを聞いてくれると思うんです。
これは営業に役立つだけじゃなくて、信頼関係を構築できるツールだと私は勝手に思っています。みんながこれでコミュニケーションをとれば、極めて良い世の中になるだろうなってことを勝手に思っていますね。
社内の情報伝達の質が劇的に上がる
篭橋:
社内コミュニケーションが重要な場面で、「クレーム対応」を懸念されている方は多いと思います。炎上すればするほど手間のかかる仕事になってしまいますからね。
しかし、クレームで電話を受けた人と対応する人が違う場合も多い。その際、話を引き継ぐ必要がありますが、感情的な話ですから、クレームを受けた人がきちんとメモを取れないことがあります。その後社内の情報伝達で、大部分の情報は失われてしまうんです。さらに丁寧に対応しようと時間がかかってしまい、お客様を余計にイライラさせてしまうケースがあります。
こうしたケースでも、音声を録音データ化・テキスト化できれば怒りの温度感までもを伝えられますよね。結果として対応がスムーズになるはずです。社内連携という観点から、録音文字起こしって非常に有効だなと思っています。ここの社内連携をキーにしているサービスは今までもないので、バトンタッチでは大事にしてプロダクトを作っています。
あと、BtoBだと営業担当が変わることは頻繁にあって、それが解約のきっかけになることもあります。なぜかというと、いわゆる「人となり」がちゃんと伝わらないまま引き継がれてしまうからです。「ユニークな人だから面白いこと言った方がいいよ」なんて引き継ぎをしても、それって個々の繊細な関係性によって成り立っているものなので、口頭で言われただけでは分かりません。
そこで、我々は音声データを聞きながら引き継ぐことを提案したいです。やっぱり記憶には限界がありますから、後から振り返って見ると非言語コミュニケーションの部分をちゃんと思い出せないんです。正確な情報に基づいてバトンタッチするにはデータが欠かせませんし、今後の技術の発展によって、さらに情報の精度は上がっていくのかなと思っています。
音声活用が実現する新しい働き方
角田:
我々RevCommは新しい働き方を進めていまして、フルリモート・フルフレックスを実践しています。生産性を高めるプロダクトを提供する会社として、まず自社で生産性を意識しなければならないと思っていますので、いろいろ実験していきたいなと考えています。そして生産性が高まれば、人はもっと本来やらなきゃいけないこと、やりたいことに集中できるようになると思います。
最近の話で言えば、もうすでに海外に住んでいる従業員もいますし、地方に引越して遠隔で仕事をしながら子どもと一緒に山登りを楽しんでいる人もいて。働くことと日々を生きることの境目がなくなって、色んなことを実現できるようになってきているのが、本当に面白いと思いますね。
人生はそんなに長くないので、やりたいことをすべてやったほうがいいと思います。そして、それが実現するかどうかは生産性にかかっている。我々のプロダクトを使って「なんでこんなことやってるんだろうな」を「もっとこういうことやろうね」に持っていくのが重要だと思っています。
篭橋:
そうですね。角田さんがおっしゃったようにリモートワークってブラックボックスになりがちですが、特に電話はブラックボックスになりやすいのかな、と思います。ですから、それを音声活用で解消できるのは間違いないですね。
もう1点挙げるなら、電話ってお問い合わせの中でも一番感情が顕著に出る大事なお問い合わせだと僕は思っています。このお客様の声を活用することで、商品そのものの改善に活かすことができますが、テープ起こしって非常にコストがかかる。これをAIで完結し、費用を抑えられれば、どの企業でもお客様の声を活用できるようになります。こういった未来を実現させたいですね。
おわりに
篭橋:
この業界でいくと、僕らは後発にあたりますが、角田さんは市場についてどう思いますか。
角田:
皆さん、今はすでにスマートフォンやタブレットを使っているじゃないですか。しかしグローバルでは、それらの出荷台数をスマートスピーカーが抜いているんです。
これが何を意味するかというと、コミュニケーションのベースが文字から声に変わっているんですよ。今までだと文字で検索していたものが、話しかけるだけで完結する。このことを踏まえると、声を解析してコミュニケーションに活かそうとしている人は、やがていろいろな形でシェアを取っていくと思いますし、もうそうなってきているとも思います。
篭橋:
僕も原稿を書く時、タイピングよりも音声で入れたほうが楽ですね。
角田:
3歳とか4歳の子が「Hey Siri」とか言ってますよね。そういう世の中になってしまったということです。
よく、「解析技術がまだまだだね」って言われる会社さんいらっしゃるんですけれども、導入して1年もすればものすごい学習します。なので「どうせだったら使ってみましょうよ」みたいに営業しちゃうんですけど。そんなもんですよね。
篭橋:
電話対応が多い業界では、やっぱり社内の連携に困る、取った方が困るみたいなところって非常に多いと思っています。そういったところにわれわれ「バトンタッチ」はお手伝いできるといいなと思っています。
角田:
今ちょうどコロナ禍で、皆さん気持ちも落ちてるような状況だと思います。ただ、こういうある意味で工数が余ってる時期だからこそ「本当にいいサービスとはなんなのか」ってことを考えて、生産性の向上を図っていただけたらと思っています。そして、ぜひ我々のMiiTelをご検討いただきまして、社内やお客様との関係を改善していく素地を作っていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
登壇企業による提供製品をご紹介!
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ITトレンドEXPO次回もお楽しみに!
当日のセッションでは、登壇者が視聴者の皆さんからの質問にリアルタイムで答えてくれます。ぜひ次回のITトレンドEXPOへのご参加お待ちしております!(参加無料)
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