登壇者プロフィール
株式会社アースリンク
M&S本部 主任
瀧本 汐里 氏
2017年に新卒としてアースリンクに入社。インサイドセールス担当として、コールとメールで18,000件の活動をして年間130件以上の商談を創出。現在では、インサイドセールスでの商談率向上を目的に、展示会出展計画やWeb施策、メール配信などマーケティング領域とチームのマネジメントを担当。
インサイドセールスで売上を上げるための3つのポイント
インサイドセールスで売上を上げるためのポイントは3つあります。1つ目がゴールを明確に設定していること、2つ目が数字での管理を徹底していること、3つ目がリードナーチャリングを行っていること。これらが実践できている組織はインサイドセールスで売上が上がっております。
まず1つ目は「ゴールを明確に設定していること」です。KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を持たせてゴールの設定を明確にしている組織が、インサイドセールスで売上を上げられています。
では、具体的にどのようなKGI、KPIを持たせているのでしょうか。ご存じの方も多いかと思いますが、営業の仕組みである「ザ・モデル(The Model)」に基づいて一部をマーケティング・インサイドセールスというプロセスにし、それぞれの段階で母数、成功率、ゴールを数値化します。
KGIはマーケティングからセールスまで共通して受注を意味し、KPIはマーケティングであれば見込客数、インサイドセールスであれば案件数、セールスであれば受注数を意味します。これらを設定することで、売上により大きなインパクトを与えるにはどこを改善すれば良いかが見えてくるのです。
また、それぞれのプロセスで何が起こっているか見えるようになり、全体を俯瞰した上で何をすべきか、施策の精度や有効性を上げることができます。今回のKGI、KPIの設定は一例ですので、業種や商材など企業様によって異なります。つまり、自社に合ったゴール設定をしていくとより効果が見えやすくなるということです。
2つ目は「数字での管理を徹底していること」です。数値管理を徹底することできちんと原因を見つけ、正しい対策を打つことができます。設定したKGI、KPIに対して達成度合いの確認をし、未達成の際は何が原因かを明確にして、対策を考えて実行する必要があるのです。
例えば、インサイドセールス担当がKPIに置いている「商談化」の件数を3件達成できていない、という課題があった場合、まず何が原因かをドリルダウンしていきます。分析した上で、コール数が足りていない、担当者への接続が出来ていないなどの課題を見つけ、次の対策を練りPDCAを回していきます。コール数や接続数などの数値がきちんと管理できていれば原因を見つけ、正しい対策を打つことができます。結果、インサイドセールスの効果がより上がるのです。
3つ目は「リードナーチャリングを行っていること」です。リードナーチャリングとは、見込み客の購買意欲を醸成する手法です。ここでは、大きく3つのステップに区分して説明していきます。
第1ステップは、担当者との接続。企業リストに対してコールを行って担当者を割り出し、リードを獲得する方法です。第2ステップは、定期合意を増やすこと。獲得したリードに対して今後の情報提供も兼ねた定期連絡の許諾を貰い、連絡先を増やしていきます。第3ステップは、定期連絡で情報提供。集めたリストに対して、課題のヒアリングや情報提供の定期連絡を実施します。ここで購買意欲を醸成し、見込み客を育成するのです。これらを行うことで段階的に購買意欲を引き上げ、関係性を構築します。
リードナーチャリングの結果、商談創出率が最大40倍アップという結果も出ており、定期連絡先を増やしナーチャリングを実施している組織が上手くいっていると分かります。以上のように、インサイドセールス実施のポイントは「ゴール設定の明確化」「数字での管理を徹底していること」「リードナーチャリングを実施していること」が重要です。この3つのポイントを実施していただいた弊社のお客様の事例をご紹介させていただくと、回線業者様は投資対効果が15倍、住宅設備の卸売業様は約1年間で12件の新規受注が生まれております。
インサイドセールスで成果が出ていない企業の共通点
では、成果が出ない組織として、この3つができていないとどのようなことが起きるかをお話しします。
1つ目に、ゴールの設定ができていないと、インサイドセールスの担当者の管理が難しくなります。例えば、なかなか商談化しないという課題の場合、KGI、KPIを設定していないとどこに原因があるのか見えづらくなってしまいます。さらに、マーケティングやセールスの部門と上手く連携ができなくなってしまうこともあります。インサイドセールスからアポイントをパスしたのにセールスが丁寧に扱ってくれないとか、マーケティングからリードをインサイドセールスにパスしてもらったのにきちんとフォローしない、といった問題がよく起こるのです。
2つ目に、数字での管理が徹底できていないことによる課題です。例えば、田中さんと山田さんという2人のコール担当者がいます。コール数はどちらも100件で、その内アポイント獲得件数は田中さんが1件、山田さんが3件だったとします。なぜ結果が違うのかを考えていきましょう。コール数とアポイント数だけを見ると、山田さんの方がスキルが高いと思いがちですが、じつはそれだけでは違いを正しく把握できません。
担当者への接続数が田中さんは10件、山田さんは30件だった場合、接続からのアポイント率はどちらも同じ10%で、山田さんのスキルが特別高いわけではないと判断できます。そこで、接続件数の違いの原因が何なのかを調べる必要があります。コールしたリスト内容の数字が把握できれば、何が接続率に影響しているのかを知ることができるのです。
その結果、田中さんは過去に担当者へ接続したことが無いリスト100件に対して接続率が10%、山田さんは過去に担当者へ接続したことのあるリスト100件に対して接続率が30%でした。この場合、担当者との接点を持ったリストの方が接続率が高いと判断できます。
このような分析によって、田中さんの成果を上げるためには担当者と過去に接続したリストを増やす、もしくは接続率を上げるために商材を変えてみるなどの対策が考えられます。けれど数字で管理できていないとボトルネックを見つけられず、適切な対策が打てなくなってしまうのです。
3つ目は、リードナーチャリングができていないことによる課題です。ナーチャリングができていないと潜在リードを逃してしまうことがあります。展示会やウェブからのリードには、情報収集段階のお客様もいらっしゃいます。一度の電話だけで止めてしまうと顕在化する顧客を逃してしまう可能性が出てくるのです。
さらにもう1つの問題は、アポイントを獲得するものの、商談化しづらいことです。ナーチャリングが仕組化できていないと、ただアポイントを取るだけのコールになってしまいます。お客様がまだ気づいていない課題感を引き出すことが出来ず、潜在層の状態のままになってしまうのです。そのため商談創出ができず、「効果が出ない」と感じてしまいます。
インサイドセールス導入時にネックとなる課題
インサイドセールスを導入したいと考えている企業様が、なかなか上手く進められない、と陥りやすい課題として3つ挙げられます。
1つ目は「リソース不足」。リソース不足により、そもそも新規開拓に手を付けられなくなります。営業パーソンが見込み客獲得からクロージングまでの全てを行ったり、既存顧客のフォローをしつつ新規開拓を行ったりしているケースをよく伺います。そのような状態ですと、営業パーソンはクロージングに集中できなかったり、新規開拓が疎かになったりしてしまうのです。
2つ目は「ノウハウ不足」です。インサイドセールスをやってみたいけれどもKGI、KPIの設定をどのようにすればいいのかということや、ナーチャリングの具体的なやり方が分からない。また、リードをたくさん持っているけれど、どこからコールをすればいいのかが分からない、といったノウハウ不足のためにインサイドセールスを立ち上げられないという話もよく伺います。
3つ目は「インサイドセールス担当者の教育」です。そもそもリソース不足や経験不足で教育できる人がいないなど、教育から立ち上げるための時間が無いことをよく伺います。これらの課題があると、インサイドセールスを立ち上げたくても立ち上げられません。
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