直感的に操作できる編集機能
CMSの基本は「誰でも使いやすい編集画面」です。HTMLやプログラミングの知識がなくても、スタッフが自分でページを更新できるかどうかが、運用コストを左右します。編集機能の使いやすさは、製品選定でまず確認すべき点です。
WYSIWYG(見たまま編集)機能とは
WYSIWYG(ウィジウィグ)とは「What You See Is What You Get」の略で、プレビュー画面を見ながらWordのような感覚でテキストや画像を編集できる機能です。HTMLを直接記述する必要がなく、非技術者でも直感的に操作できます。多くのCMSがこの機能を搭載しており、ドラッグ&ドロップで画像を配置したり、ボタンひとつで文字を太字にしたりといった操作が可能な製品もあります。
WYSIWYG機能の品質はCMSによって差があります。確認すべき点は、(1)表組みやリストの編集が直感的にできるか、(2)モバイル表示のプレビューが確認できるか、(3)画像の圧縮・リサイズがCMS内で完結するか、の3点です。試用版やデモ環境で実際に操作して確かめることをお勧めします。
メディア管理とコンテンツの一元管理
CMSには画像や動画などのメディアファイルを一元管理する機能も備わっています。アップロードした素材をライブラリとして蓄積し、複数ページで使い回すことができます。素材の重複アップロードが減り、ファイルサイズの管理もスムーズです。
メディア管理機能を選ぶ際は、(1)フォルダによる分類ができるか、(2)同名ファイルの上書き確認があるか、(3)使用中のファイルが削除できないよう保護されているか、を確認してください。素材数が増えるほど整理のしやすさが運用効率に影響します。
組織で使うための承認・ワークフロー機能
複数のスタッフがコンテンツを作成・更新する組織では、不正確な情報が誤って公開されるリスクを防ぐ仕組みが必要です。承認ワークフロー機能は、コンテンツの品質管理と責任の明確化を支える重要な機能です。
段階的な承認フローの仕組み
高度な承認ワークフロー機能を持つCMSでは、コンテンツの作成者から確認者、そして最終承認者へと段階的にレビューを回す仕組みが構築できます。各担当者はシステム上で差し戻しやコメントを残せるため、メールのやり取りなしにフィードバックを完結できます。役割ごとの権限設定により、一般スタッフが誤って本番公開してしまうリスクも防げます。
承認フローを検討するうえでの確認ポイントは、(1)承認者が複数人設定できるか、(2)承認状況を一覧で把握できるダッシュボードがあるか、(3)通知メール・チャット連携で承認漏れを防げるか、です。承認の段階数や並列承認(複数人が同時に承認する形式)に対応しているかも合わせて確認してください。
公開スケジュール予約機能
公開スケジュール予約機能は、あらかじめ設定した日時に自動でページを公開・非公開にできる機能です。キャンペーンや新製品告知を深夜0時に公開する場合でも、担当者が夜間に作業する必要がなくなります。業務負荷を軽減しながら、タイミングを逃さないコンテンツ配信が実現します。
予約公開機能を選定する際は、(1)公開と非公開の両方が予約できるか、(2)予約一覧が確認・編集できるか、(3)予約時刻を分単位で設定できるかを確認してください。キャンペーン終了後の非公開予約がない場合、古い告知が残り続けるリスクがあるため、非公開予約が可能かどうかは重要な確認項目です。
コンテンツ品質を守るバージョン管理機能
ページを誤って更新してしまった場合や、意図しない変更が加わった場合に素早く元の状態へ戻せる機能は、運用リスクを大幅に下げます。バージョン管理機能はCMSの信頼性を評価するうえで重要な指標のひとつです。
リビジョン管理と履歴の保存
リビジョン管理機能とは、ページを更新するたびに以前の状態(バージョン)を自動で保存しておく機能です。誤って本文を削除したり、画像を上書きしたりした場合でも、任意のバージョンへ戻せます。複数人で同じページを編集する環境では、誰がいつ何を変更したかを追跡できるため、トラブル時の原因特定にも役立ちます。
リビジョン機能を評価する際の確認事項は、(1)何世代まで保存されるか(保存件数・期間の上限)、(2)バージョン間の差分が視覚的に確認できるか、(3)任意のバージョンへ1クリックで復元できるか、です。保存件数が少ない製品では古い履歴が自動削除される場合があるため、運用頻度に応じた上限かどうか事前に確認してください。
マルチサイト・多言語管理
企業が複数のブランドサイトや言語別サイトを運営する場合、CMSのマルチサイト管理機能が有効です。1つの管理画面から複数のサイトを統括できるため、スタッフの操作習熟コストを抑えながら、運用の一元化が図れます。多言語対応では、同一コンテンツの翻訳版を紐づけて管理できる機能がついているかどうかが重要です。
確認すべきポイントは、(1)サイトごとにアクセス権限を分離できるか、(2)共通ヘッダー・フッターを一括変更できるか、(3)翻訳ステータスを管理する仕組みがあるか、の3点です。サイト数・言語数が増えるほど管理コストが高まるため、拡張性も含めて評価してください。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCMSの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
SEO対策に直結する機能
検索エンジンからの集客を重視するサイトでは、CMS自体がSEOに対応した設定機能を備えているかどうかが重要です。外部プラグインに頼らず、管理画面内でSEOの基本設定を完結できると運用効率が上がります。
メタ情報とOGPの設定機能
SEO対策で欠かせないのが、ページごとにタイトルタグ・メタディスクリプション・OGP(ソーシャルメディア向けの表示情報)を個別設定できる機能です。これらの設定を編集画面から直感的に行えるCMSは、担当者がプログラミングの知識なくSEO管理を担えます。OGP設定はSNSでページがシェアされた際の表示品質に影響するため、重要な確認項目です。
確認ポイントは、(1)ページごとにタイトルタグを独立して設定できるか(サイト共通タイトルの強制指定がないか)、(2)ディスクリプションの文字数カウント機能があるか、(3)OGP画像をページ単位で設定できるか、です。テンプレートで一括設定しか対応していない製品では、個別ページの最適化が難しくなります。
サイトマップ自動生成とURL設定
XMLサイトマップを自動生成する機能があると、検索エンジンのクローラーがサイト構造を把握しやすくなります。ページを追加・削除するたびに手動でサイトマップを更新する手間が省け、インデックス漏れのリスクを軽減できます。あわせて、URL構造を任意に設定できるかどうかも確認が必要です。
URL設定で確認すべき点は、(1)パスを任意の形式で設定できるか、(2)記事公開後にURLを変更した際、リダイレクト設定を行えるか、(3)パンくずリストの構造化データを自動出力できるか、です。URLの設計はSEO効果に長期的な影響を与えるため、導入前に仕様を十分確認してください。
問い合わせ・フォーム作成機能
Webサイトで問い合わせや資料請求、セミナー申し込みを受け付けるには、フォーム作成機能が必要です。プログラミングなしで柔軟にフォームを作れる機能は、マーケティング施策のスピードを上げるうえでも有用です。
ノーコードでのフォーム作成
フォーム作成機能を標準搭載するCMSでは、ドラッグ&ドロップで入力項目を並べてフォームを設計できます。テキスト入力欄・選択式プルダウン・チェックボックス・ファイル添付など、さまざまな入力タイプを組み合わせることが可能です。フォームの完成後は管理画面から送信内容を確認・ダウンロードできるため、外部ツールを使わずに問い合わせ管理が完結します。
フォーム機能の評価ポイントは、(1)必須/任意を項目ごとに設定できるか、(2)自動返信メールのテンプレートを設定できるか、(3)スパム対策(reCAPTCHAなど)に対応しているか、です。個人情報を含むフォームデータの保管方法・暗号化についても、セキュリティ観点から確認してください。
フォームデータの集計・連携機能
フォームで収集したデータを集計したり、CRM(顧客管理システム)やメール配信ツールに連携したりできる機能があると、マーケティング施策の自動化が進みます。手作業でのデータ転記が不要になり、入力ミスや転記漏れのリスクを減らせます。
外部連携で確認すべき点は、(1)Webhook・APIでデータを外部ツールに送信できるか、(2)CSV出力に対応しているか、(3)フォームごとに通知先メールアドレスを設定できるか、です。既存業務システムとのデータ連携が多い組織では、対応するAPI仕様を事前に確認することをお勧めします。
CMSの機能に関するよくある質問(FAQ)
CMSの機能について担当者からよく寄せられる疑問を3つまとめました。製品選定の判断材料として参考にしてください。
- ■Q1:CMSを導入するとHTMLの知識はまったく不要ですか?
- 基本的なページ作成・更新であれば、HTMLの知識がなくても操作できる製品が多くあります。ただし、デザインテンプレートの改修や特殊なレイアウトの実装には、HTMLやCSSの知識が必要な場合があります。導入前にどこまでがノーコードで対応できるかをベンダーに確認してください。
- ■Q2:会員限定コンテンツを配信する機能はすべてのCMSに備わっていますか?
- 会員登録・ログイン・閲覧権限の管理機能は、製品によって対応状況が異なります。会員向けコンテンツ配信や有料会員サービスの構築を検討している場合は、会員管理機能の有無・会員数の上限・課金連携の可否を事前に確認してください。プラグインや外部サービスとの組み合わせで実現できるケースもあります。
- ■Q3:CMSのセキュリティリスクを下げるために確認すべき機能はありますか?
- CMS運用では、不正ログインやデータの改ざんが主なリスクです。確認すべき機能として、(1)二要素認証への対応、(2)IPアドレス制限によるログイン制限、(3)定期的なセキュリティアップデートの提供、(4)操作ログの記録と閲覧機能、の4点が挙げられます。クラウド型CMSを選ぶ場合は、サービス提供会社のセキュリティ認証(ISO 27001など)も確認してください。
まとめ
CMSの機能は製品によって大きく異なります。WYSIWYG編集・承認ワークフロー・バージョン管理・SEO設定・フォーム作成・会員管理など、自組織の運用課題に対応した機能を持つ製品を選ぶことが重要です。まずは「誰が・どのような目的で・どの頻度で更新するか」を整理したうえで、必要な機能を絞り込んでから製品を比較してください。デモや無料トライアルを活用して、実際の操作性を確かめることをお勧めします。


