オープンソース(OSS)のCRMシステム比較
まずは、オープンソースで使えるCRMシステムを見ていきましょう。
F-RevoCRM
シンキングリード株式会社が提供している「F-RevoCRM」は、VtigerCRMをベースに作られており、システム構築や運用のサポートがあります。オープンソースCRMの中でも比較的日本企業が使いやすいといえるでしょう。顧客管理などの営業支援からマーケティングや問い合わせ管理、販売管理まで対応しています。さらに、ワークフロー機能やレポート作成、分析機能もあり、機能が充実しています。
SugarCRM
SugarCRM社が提供している「SugarCRM」は、有償版とオープンソース版が展開されており、CRMの中でも代表的なツールです。マーケティング管理やグループウェア機能など、有償版の一部の機能が使え、マニュアルやコミュニティも充実しています。開発機能が装備されているのでカスタマイズも比較的容易でしょう。なお、有償版のみ日本語対応です。
VtigerCRM
Vtiger社の「VtigerCRM」は、中小企業や小規模企業などで多く利用されているオープンソースCRMです。顧客管理だけでなく、営業管理やマーケティング管理など幅広い領域をカバーします。さらに、日本語版のコミュニティサイトの内容が充実しており、疑問や質問が解決しやすい環境が整っているでしょう。
SuiteCRM
SalesAgility社が提供している「SuiteCRM」は、Salesforceなど主要なCRMの代替として知名度の高いPHP製のCRMです。Webブラウザ上で直感的にカスタマイズできる機能が搭載されている点も人気の理由でしょう。既存システムやBIツール、ERP、CTIなどとの連携にも対応しています。なお、日本語に未対応のため英語での利用となります。
CiviCRM
CiviCRM社が提供している「CiviCRM」は、非営利団体によく利用されているオープンソースCRMです。会員管理のほか、イベント管理や、寄付やグッズ販売などの資金調達管理といった機能があります。なお、CiviCRM日本ユーザー会が日本語化を推進しています。
運用負荷の少ない人気のCRMはこちらからご覧いただけます。
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無料で使える!CRMシステム
つづいて、無料プランのある日本語対応のCRMシステムを見ていきましょう。
Ambassador Relations Tool
株式会社コンファクトリーが提供している「Ambassador Relations Tool」は、CRMやMA(マーケティングオートメーション)、メールマーケティングといったマーケティングに必要な機能を搭載しています。有料プランもありますが、無料プランでも一度に最大1万人までの顧客に送信メールを送ることができます。
Fullfree
株式会社フリースタイルが提供している「Fullfree」は、オープンソースのような柔軟性を持った無料の顧客データベースで、定期的にバージョンアップが行われています。カスタマイズも自由なので、会員管理システムや注文管理システムの構築が可能でしょう。また、電話と連動できるCTIシステムも搭載しているため、コールセンター業務にも役立つでしょう。
HubSpot CRM
HubSpot社が提供している「HubSpot CRM」は、無料プランでもユーザー数の制限なく使えて、100万件ものコンタクトを保存できます。営業支援や顧客管理、メールマーケティングなどを行えて、部門を問わず幅広く利用できます。
FlexCRM
ノイアンドコンピューティング株式会社が提供している「FlexCRM」は、スマホアプリ対応のCRMで、小規模グループ向けの無料プランがあります。なお、無料プランの場合は広告表示がされますが、共有データベースやグループウェアなどの機能を利用可能です。ユーザー管理やアクセス権限設定などのセキュリティ機能も充実しています。
フリーウェイ顧客管理
株式会社フリーウェイジャパンが提供している「フリーウェイ顧客管理」は、3人までかつ1,000データまでなら無料で、さまざまなデータベースを作成できるCRMです。シンプルな画面デザインで使いやすく、金融機関で使用されているセキュリティシステムを採用しているため安心でしょう。
オープンソースCRMシステムの選び方
オープンソースのCRMを導入する際は、「コミュニティ」と「セキュリティ」の2点を十分に確認する必要があります。
一般的にオープンソースにはサポートがありません。ただし、開発者や利用者のコミュニティがあり、そこで開発情報や更新情報が公開されていることが多いです。世界的にユーザー数が多くコミュニティが活発であれば、改修やカスタマイズなどのやり取りが頻繁に行われているので不明点があっても解決しやすいでしょう。
セキュリティに関しては、頻繁にアップデートされているものが望ましいでしょう。有名なオープンソースであれば、世界に数多く存在する開発者がデバックしているため安定しており安全です。しかし、閉鎖的な環境で開発されているオープンソースだと更新がなかったり、動作が遅かったりすることが多いです。
オープンソースのCRMを利用する際は、コミュニティやセキュリティプログラムの更新頻度をよく確認しましょう。
オープンソースCRMシステムの注意点
オープンソースのCRMは無料で利用できますが、サーバを用意してシステムを構築する必要があります。加えて、開発元からの運用サポートが期待できないため、自社で保守・管理をしなければなりません。コスト削減のためにオープンソースを選ぼうとしている場合は、このような初期費用やランニングコストがかかることを把握しておきましょう。
また、無料で利用できる分、有償のシステムと比較すると機能に大きな差があります。自社開発によって機能を増やせますが、その場合においても大きな負担になるため注意しなければなりません。
コスト削減を重視するのであれば、自社にシステムを構築するオンプレミス型ではなく、インターネットを介してサービスを利用するクラウド型CRMの導入も検討するとよいでしょう。
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オープンソースCRMシステムを比較し、最適な製品を導入しよう
無料で利用できるオープンソースのCRMは複数あり、慎重に選択すれば自社に合った運用が可能かもしれません。しかし、運用サポートがないため自社で保守・管理しなければならず、社内にそのリソースが必要です。
無料で利用できるCRMシステムだけでなく、有償型のCRMとも機能面や価格面などから比較して、最適な製品を導入しましょう。