建設業に特化したCRMとは
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、顧客情報を管理・分析して、顧客との良好な関係を維持するためのマーケティング手法です。
建設業界では企業間での取引が主流で、プロジェクトの期間が長く、工程も複雑な傾向があります。そのため、長期にわたり顧客と良好な関係を維持するために、建設業向けに設計されたCRMの導入がおすすめです。
CRMの詳細については、以下の記事を参照してください。
関連記事
watch_later
2024.03.26
CRMとは?メリットや機能など基本知識を簡単解説
続きを読む ≫
CRM導入のメリットとデメリット
建設業がCRMを導入する場合、いくつかのメリットおよびデメリットが存在します。主なメリット、デメリットは以下のとおりです。
- ●メリット
- 社内や現場の業務効率化が期待できる
- スムーズな情報共有が可能になる
- ●デメリット
- 費用がかかる
- 従業員にCRM使用が定着しない可能性がある
CRM導入によるメリット
建設業界では、社員が本社や営業所、作業現場など、さまざまな場所で業務を行います。CRMを活用して各顧客情報や案件データを管理すれば、それぞれが好きなタイミングで簡単に情報にアクセス・検索・閲覧が可能です。最新情報の共有がしやすいため、仕様変更の連絡がスムーズになり、「言った言わない」などの連携ミスが削減できるでしょう。
現場作業員はCRMを通じて報告書や書類を直接本社へ提出できるようになるため、業務効率化が実現します。
顧客情報を一元管理することで、対応履歴の記録やニーズの把握に活かせるため、新規顧客の獲得戦略構築にも活かせるようになるでしょう。
CRM導入によるデメリット
CRM導入には初期導入費や運用費がかかるため、事前にどれだけの費用を必要とするか確認しておくことが大切です。オンプレミス環境ではサーバ費用がかかり、クラウド型では使用量に応じた運用費がかかる場合が多いでしょう。そのため、自社のニーズと予算を照らし合わせ、コストパフォーマンスの高い選択肢を検討するのが重要です。
また、CRMの運用を定着させるには、従業員のシステムに対する理解と適応が大切です。そのため、従業員がどのような機能を求めているか事前にリサーチし、シンプルでわかりやすい操作性のCRMを選定するのがよいでしょう。活用を推進するためには、定期的に説明会を開いたり、サポート体制を構築したりするといった施策を進めるのもおすすめです。
建設業界における顧客管理の課題
建設業界における顧客管理には、以下のような課題があります。
- ・取引内容が案件ごとに異なる
- ・取引内容の多くが受注生産形態
- ・取引内容の多くが長期契約
- ・取引相手の多くが会社組織
ここでは、各課題について詳しく解説します。
取引内容が案件ごとに異なる
建設業界では、案件ごとに工数や業務範囲が異なるため、一貫性のあるデータとして分析をするのが困難です。加えて、一案件に対し複数の協力会社が関わることが多く、案件ごとに関与する協力会社が変わることも珍しくありません。この状況が、データの統合と分析をさらに困難にしています。そのため、建設業界特有の複雑な案件内容を効率的に管理する体制を整えることが、顧客管理における重要なポイントとなります。
取引内容の多くが受注生産形態
建設業界は受注生産形態がほとんどであり、建築が完了したあとでなければ結果のよし悪しを判断しにくいのが現状です。この特性上、実際に要件を満たしているか確認し、フォローバックを受けるまで時間がかかります。そのため、次の案件に着手する前に成功要因を明確にし、必要な改善点を把握しておくのが困難です。また、受注生産形態による作業工程では、各工程における成功要因を明確に言語化や数値化するのも困難です。
取引内容の多くが長期契約
建設業界では顧客と長期的な関係を築くことが一般的です。製品となる建築物を提供するまでに要する時間が長いだけでなく、協力会社と連携した竣工後のアフターフォローやメンテナンスも常態化しています。また、長期にわたる取引のなかで、契約に関するさまざまな変更が生じる可能性もあるため、柔軟な対応が求められます。
取引相手の多くが会社組織
建設業界における顧客の多くは会社組織であり、個人顧客とは異なる顧客管理が必要です。会社組織による意思決定には、多くの過程を経る必要があり、設計・施工・管理など部門ごとに連絡や調整を行わなければならないため複雑です。そのため、一般的な顧客管理とは異なり、顧客ごとに綿密な情報管理が求められます。
建設業に特化したCRMの選び方
建設業界がCRMを選ぶ際は、以下の項目に注目しながら選択することをおすすめします。
- ・複雑な案件に対応できるか
- ・顧客管理のカスタマイズ性が高いか
- ・営業支援システムが搭載されているか
ここでは、各選び方について解説します。
複雑な案件に対応できるか
建設業界では、案件ごとに発生する情報量が膨大であり、営業から施工やアフターフォローに至るまで、各プロセスを網羅的に管理できる体制の確立が必要です。案件ごとに異なる顧客対応プロセスや施工の状況にも対応して記録できるシステムであれば、効率的な管理・運用が可能となるでしょう。加えて、建設業界特有の長期的な顧客関係を考慮した場合、案件ごとに顧客情報を一元管理できれば、担当者を変更した際も迅速な引継ぎが可能です。
顧客管理のカスタマイズ性が高いか
建設業界では、案件内容によって必要となる顧客情報も異なります。CRMを導入する際に自由にフォーム作成ができるシステムを選ぶことで、案件ごとに必要な項目のみを操作して簡単にフォーム作成が可能です。用途にあわせたカスタマイズができれば従業員もシステムを扱いやすくなり、操作性や利便性の向上につながるでしょう。
営業支援システムが搭載されているか
CRMには、SFA(営業支援システム)が搭載されているものがあります。建設業界では会社組織と長期的な取引を行うことが多く、竣工後も管理・メンテナンス・アフターフォローなどを請け負う機会もあります。SFAが搭載されているシステムであれば、営業用に役立つ機能を備えているため、効率よく営業活動が可能です。SFAが搭載されているシステムを選べば、顧客管理以外にも活用できるでしょう。
建設業におすすめのCRM
ここでは建設業におすすめのCRMを紹介します。各サービスの特徴だけでなく、自社の業務に適しているか比較・検討してみてください。
《Sales Cloud》のPOINT
- 15万社の圧倒的な導入実績とノウハウ
- 導入企業は、売上30%アップを実現!
- 世界でも日本でもトップシェアのCRM/SFA
製品・サービスのPOINT
- 定着率95%!定着支援の専門チームが課題に合わせて徹底支援。
- 5,500社超、185業種以上で採用されているCRM/SFA
- 確かな効果。売上192%、営業会議時間1/6を実現するCRM/SFAツール
《Mazrica Sales》のPOINT
- 現場の定着にもっともフォーカスしたクラウド営業⽀援ツール
- 誰でも簡単に操作できる画面設計で、運用定着率UP!
- 最短で2週間で利用開始!国内外1,000以上のアプリと連携可能
《ホットプロファイル》のPOINT
- 毎日、「購買意欲の高い見込み客情報」が営業に届きます。
- 営業の組織力を強化し営業の効率的な活動を支援
- BtoBビジネスで求められるサービスを容易に拡張
《HubSpotCRM》のPOINT
- コンタクトを100万件まで管理可能
- 外部ツールと連携してメール管理を効率化
- マーケティングやCS、CMSまで幅広く対応
《F-RevoCRM》のPOINT
- 顧客との接点をすべて管理するオープンソースの統合型システム
- 環境に依存せずオンプレミスでもクラウドでも提供
- 導入企業2万社以上の実績で顧客接点のデジタル化に柔軟に対応
kintone
サイボウズ株式会社が提供する「kintone」は、業務アプリが作成できるノーコード・ローコードツールです。自身で業務のシステム化や効率化に役立つアプリを作成できるため、自社のニーズにあわせたアプリを自由にカスタマイズしながら作成可能です。操作を学ぶセミナーやオンラインによる手厚いサポートも受けられます。
Zoho CRM
「Zoho CRM」はゾーホージャパン株式会社が提供する顧客管理・SFAシステムです。直感的に操作が可能なシンプルなUIや充実したサポート体制を提供しているため、パソコンが苦手な人でも扱いやすいでしょう。さまざまな機能が備わった顧客管理機能や高度なフィルタとソート機能を活用して、案件の進捗状況を一目で把握できます。
UPWARD
「UPWARD」は、UPWARD株式会社が提供する地図情報と連携したCRMです。地図をベースにしたシステムが多く、訪問履歴の自動記録や顧客データをもとに次に向かうべき訪問先を可視化する機能などを搭載しています。フィールドセールスにおいて効果の高いシステムです。
GRMarketing
株式会社イーグリッドが提供する「GRMarketing」は、シンプルで扱いやすい顧客管理プラットフォームです。ブラウザ一つで顧客管理から営業支援まで対応し、見積・請求書の作成や受注・売上管理などの事務作業も簡単に行えます。料金体系もシンプルで、ユーザー数が増加しても利用料は変わりません。
Synergy!
「Synergy!」はシナジーマーケティング株式会社が提供するクラウド型CRMシステムです。使いやすさを徹底的に考えたUIを実現し、マニュアルを見なくても簡単に使いこなせるのが特徴です。集客や顧客情報の統合・一元化だけでなく、クロスチャネル・メッセージングや各種分析といったCRMのあらゆる活動を支えてくれます。
JUST.SFA
「JUST.SFA」は、株式会社ジャストシステムが提供するSFAに特化したツールです。顧客管理やプロセス管理など、可視化したデータをもとに営業管理の最適化を行います。報告された内容をリアルタイムに集計し各チャートへ反映させ、営業活動の情報共有を迅速に行います。
建設業に適したCRMを比較検討して導入しよう
会社組織を主な顧客とする建設業では、案件内容が毎回異なる取引を長期にわたり行うため、複雑な顧客情報を管理するのが大変です。
しかしCRMを活用すれば、複雑な案件をわかりやすく整理でき、長期にわたる顧客対応をスムーズに行えます。
CRM導入を検討されている方は、ぜひ一度一括資料請求を行い、サービスの比較・検討をしてみてはいかがでしょうか。