ホテル・宿泊業界でCRMが必要な理由
CRMとは「顧客関係管理」と訳され、顧客と良好な関係を維持するためのマーケティング施策のことです。また、顧客関係管理を行うためのシステムのことをCRMと呼ぶケースもあります。
ホテルや宿泊業界では、Excelや紙で作られた顧客台帳を用いて顧客管理を行っているケースも多いでしょう。しかし、Excelや顧客台帳で管理している場合、顧客が前回宿泊した際に得た情報を参照するのに手間がかかります。
CRMを導入していれば、前回宿泊時の情報をスタッフ全員がすぐに参照できます。以前に伝えられた好みやアレルギーを把握しておくと好印象を与えやすく、顧客との関係を深めやすいでしょう。
関係が深まった顧客は、長期的にリピート利用してくれる可能性が高まります。そのため、ホテルや宿泊業界では、CRMを導入しておくのがおすすめです。
CRMの概要について、次の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
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2024.03.26
CRMとは?メリットや機能など基本知識を簡単解説
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ホテル運営に役立つCRMの主な機能
CRMには、どのような機能があるのでしょうか。ホテル運営に役立つものを中心に、主な3つの機能を紹介します。
- ●顧客管理機能
- ●メールの自動配信機能
- ●分析・レポート機能
顧客管理機能
顧客管理機能とは、顧客の情報を蓄積しておくための機能です。顧客の属性や利用履歴などを記録できます。
ホテルや宿泊業界の場合には、上記のような基本的な情報のほかに、食事の好みや記念日やその他の好みなどの情報を記録することで、おもてなしに役立てられます。
メールの自動配信機能
顧客の属性や利用頻度、利用履歴に応じたメールの自動配信が可能です。
例えば、利用頻度が一定以上の顧客だけを対象とした特別プランや、多人数のグループで利用したことがある顧客向けのパーティープランなどの案内に活用できます。
すべての顧客を対象とするのではなく、属性を絞ってメールを送信することで、より効果の高いマーケティングを実施できます。
分析・レポート機能
マーケティングに役立つのが、入力した顧客のデータを分析しレポートを作成する機能です。
多くのCRMでは、顧客をさまざまなセグメントに分けて分析できます。どのような属性の顧客が多く利用しているのか、時期によって利用する顧客の属性に変化はあるかなど、さまざまな角度からホテル利用者の分析が可能です。
自社の宿泊施設を好んで利用する属性がわかれば、広告やサービスを改善する際の情報として活用できます。
ホテルにCRMを導入するメリット
ホテルへのCRM導入には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、ホテルにCRMを導入する3つのメリットを詳しく解説します。
- ●顧客満足度が向上する
- ●顧客データを活用したマーケティングができる
- ●業務効率化により従業員の負担を軽減できる
顧客満足度が向上する
顧客に関する情報を、担当したスタッフのみが知っている状況になることは少なくありません。しかし、CRMを導入すれば、顧客を担当したスタッフだけでなく、顧客に求められる対応をすべてのスタッフが把握できます。食に関する好みといった細かい情報も記録しておけるため、これまでよりも満足度の高い提案が可能です。
また、CRMではアンケートツールを利用して顧客の声を集められます。集まった顧客の声は、サービスの改善に役立つでしょう。
さらに、顧客情報をもとにしたアフターフォローやメッセージの送信もできます。従来よりも細かく、各顧客の好みやニーズにあわせた対応が可能となるため、CRMは顧客満足度の向上に寄与します。
顧客データを活用したマーケティングができる
CRMに入力された多くの顧客データは、マーケティングに活用できます。顧客情報をもとにしたアプローチが可能なため、より効果的なマーケティング方法が見つかる可能性もあります。
例えば、実際に宿を利用している人が多い層を取り込めるようなプランやサービスを提供するのもよいでしょう。顧客の宿泊頻度別に、施策を変えてのアプローチも可能です。また、宿泊の時期による顧客の行動を分析し、新しいサービスを提供するといったやり方も考えられます。
顧客データを分析することで、これまで考えつかなかった視点から、アプローチを行える可能性があります。
業務効率化により従業員の負担を軽減できる
CRMを活用すると、システム上に顧客の情報がまとめられているため、スタッフ交代時に発生する引き継ぎの手間を減らせます。すべてのスタッフに情報を共有できるため、担当者への問い合わせの頻度も下げられるでしょう。担当者が不在でも業務を進められ、問い合わせへのスムーズな対応も可能です。
また、情報確認のタイミングのズレによる行き違いを防げるため、トラブルの減少にも役立ちます。さらに、システム上でアンケートを実施すれば、紙でアンケートを実施する場合と違って集計の手間も発生しません。
上記のような業務を効率化することで、従業員の負担を軽減し人手不足をおぎなえます。
ホテルにおすすめのCRM
それでは、ホテルではどのCRMを選べばよいのでしょうか。ITトレンドおすすめのCRMと、広く利用されているそのほかのCRMを紹介するので、導入を検討する際の参考にしてください。また、気になる製品は資料請求を行い、詳細を確認しましょう。
製品・サービスのPOINT
- 定着率95%!定着支援の専門チームが課題に合わせて徹底支援。
- 5,500社超、185業種以上で採用されているCRM/SFA
- 確かな効果。売上192%、営業会議時間1/6を実現するCRM/SFAツール
《F-RevoCRM》のPOINT
- 顧客との接点をすべて管理するオープンソースの統合型システム
- 環境に依存せずオンプレミスでもクラウドでも提供
- 導入企業2万社以上の実績で顧客接点のデジタル化に柔軟に対応
Zoho CRM
「Zoho CRM」は、ゾーホージャパン株式会社が提供する顧客管理ツールです。お客様に関する情報を登録可能で、営業支援ツールやマーケティングオートメーションツールとしても利用できます。個人情報を入力するツールであるため、国際基準に準拠したセキュリティの高さも安心材料だといえるでしょう。AIが搭載されており、顧客が興味をもちそうなサービスの提案を受けられる点も魅力です。
tripla Connect
「tripla Connect」は、tripla株式会社が提供する宿泊施設特化型のCRMです。顧客をセグメント化し、それぞれにあったアプローチが可能。家族構成や結婚記念日などの情報登録のほか、ペットホテルであればワクチン証明書の保存もできます。AIチャットボットと連動し、顧客セグメントごとに適したメッセージの送信も可能です。
WASIMIL
株式会社AZOOが提供する「WASIMIL」は、CRMだけでなく宿泊施設に必要なPMS(ホテル管理システム)や、予約システムなどのツールを搭載したシステムです。CRMに登録すべき情報は、PMSや予約システムから自動で収集されることに加え、機械学習による重複データの排除も実施されるため、情報整理の手間を削減できます。ゲストのセグメント分析だけでなく、ロイヤリティの高いゲストの把握もでき、マーケティング戦略の立案にも役立ちます。
CRMの導入でリピーターを増やそう
CRMとは、顧客関係管理のことです。顧客関係管理を行うシステムをCRMと呼ぶ場合もあります。
ホテルや宿泊業界では、CRMが欠かせません。CRMの導入により全従業員がすぐに顧客情報を共有でき、業務効率化につながります。また、顧客情報を把握して適切な提案ができれば、顧客満足度の向上につながりリピーターを増やせる可能性もあります。
気になる製品はぜひ資料請求のうえ、サービスごとの特徴をじっくり比較してみてください。