Accessとは
Accessとは、Microsoftが提供しているデータベース管理ソフトのことです。データベースの作成からデータの追加、更新や削除などの機能が備わっているため大規模なデータを管理しやすいのが特徴です。したがって10万件を超えるようなデータを扱っているのであれば、Accessを活用すると時間短縮になります。また集計の効率化や、複数人による作業が可能です。
Excel・AccessをCRMで使うメリット
CRMシステムを導入していない企業で広く使われているのが、マイクロソフトの表計算ソフト「Excel(Excel)」とデータベースソフト「Access(アクセス)」です。ここではこれらをCRMに使うメリットを紹介します。
慣れ親しんだ操作性がある
Excelとアクセスはともに汎用性が高く、企業人であれば多くの人が使うであろうソフトです。そのため、誰でも使えるという手軽さと慣れ親しんだ操作性を持っています。専門的な知識がなくともデータを簡単に扱える点で、どのCRMシステムよりも手軽にCRMの道具として導入できるでしょう。
導入コストを削減できる
続いてのメリットは導入コストを削減できる点です。CRMシステムを導入する際には初期費用や、業務フローの構築やマニュアルの作成、システム利用についてのレクチャーなどの手間がかかってきます。ExcelやAccessであれば、すでに利用している企業がほとんどなため、導入におけるコストがかからず、特別な指導も必要ありません。
Excel・AccessをCRMで使うデメリット
Excel・AccessをCRMに利用するにあたってのメリットを紹介しましたが、反対にどのようなデメリットがあるのでしょうか。
専門的な機能の不足
「汎用性が高い」ことは「顧客管理を目的として作られたソフトではない」と言い換えられます。2つのソフトは、ともにデータ管理を想定した関数機能が豊富に用意されていますが、顧客管理ツールという視点でみた場合には、必ずしも最適なツールとはいえないでしょう。
まず2つのソフトでは、複数ユーザーの同時入力が難しい、管理ができる件数に限界がある点があげられます。また、CRMにあるような自動分析機能もありません。これでは顧客が増えたとき、随時情報を入力して、適切に活用することは難しいでしょう。
セキュリティ面の不安
次に、セキュリティ面の不安が挙げられます。ExcelもAccessも、ファイルそのものが顧客データベースですが、顧客情報を管理するためのデータベースは入力漏れや情報の分散、漏えいを防ぐために一元的に集約することがよいです。。
ExcelやAccessでは、ファイルをコピーするだけで簡単に顧客データベースの複製ができてしまいます。これでは企業にとっては機密情報である顧客情報のセキュリティーを確実に保持することは難しいでしょう。
また、操作ログが残らないため、「誰がいつデータを書き換えたのか」が不明なままでセキュリティー面からみれば不安材料です。こうした点で顧客管理ツールとしては十分ではないといえるでしょう。
顧客の数が限られ、顧客管理に必要な情報も少ない企業であれば、ExcelやAccessを利用してもよいでしょう。しかし多くの顧客を抱え、顧客情報を事業戦略、営業活動に活用する企業にとって、オフィス用ソフトは機能やセキュリティーの面から顧客管理ツールとしては最適とはいえないでしょう。
顧客管理(CRMシステム)の機能
一方で、顧客情報を専門に管理するシステムとして設計・開発されたのがCRM(顧客管理システム)です。顧客管理の専用ツールとして、顧客情報を活用するためのさまざまな機能が搭載されており、多くのメリットがあります。まずはCRMシステムのもつ機能を紹介します。
基本機能
CRMは、顧客ごとの情報を一元的に管理する機能が基本です。顧客一人ひとりのプロフィールや過去の購買履歴などを一つのインターフェース上で確認できます。また、その情報を分析する機能も搭載しています。
営業支援機能
営業支援では、商談、キャンペーン、メール配信など営業先や顧客に対して行った営業活動を一括して閲覧できる「営業活動管理」、商談中の見込み客に対しての活動やステータス、確度などを入力・閲覧できる「商談管理」などを搭載しています。この機能は、SFA(営業支援システム)とも呼ばれています。
マーケティング支援機能
また、マーケティング支援は、見込み客に対して一括メール配信をする「メール一括配信」や実施したキャンペーンを管理する「キャンペーン管理」の機能があります。顧客サポート支援では、顧客からの問い合わせ内容をステータスや期限などの情報と一緒に管理・蓄積する「サポート案件管理」や、過去の問い合わせや回答を基にFAQを作成する「FAQ作成」などの機能があります。
ここまで機能についてみてきましたが、実際に製品例を検討してみないとわからないことも多いでしょう。まずは以下の記事で一度具体的な製品を見てみることをおすすめします。
CRMのメリット
CRMの最大のメリットは、詳細な顧客情報を可視化できることです。営業担当者などが個別に管理していた顧客情報を一元的に集約し管理することで、それぞれの顧客について状況が見えるようになり、顧客のニーズや行動が見えやすくなります。
顧客のニーズがわかることで、そのニーズにマッチした製品やサービスを提供できるようになり、顧客一人ひとりの満足度を向上させることが見込めます。
また、情報が一元化されることで、今まで散らばっていた顧客情報を俯瞰(ふかん)して見られるため、さまざまな営業活動や顧客の分析にも生かせます。
ExcelやAccessは、顧客の連絡先や購買履歴などの限られた情報しか管理できません。一方、CRMは、担当者などの基本情報をはじめ、購買目的、指向やニーズなどの顧客属性、購入した製品・サービスなどの情報を蓄積・管理して社内で共有できるのです。顧客管理に必要な多くの情報が保存できることで2つのソフトよりも優位性があるといえます。
メリットについては以下の記事でも詳しく解説しています。
多彩な機能を備えたCRMシステムの導入を検討しよう
ExcelやAccessを活用した顧客管理の利点は、テンプレートを使ってすぐにでもできることと、無料のテンプレートを選べば費用をかけずにはじめられることでしょう。
一方で、2つのソフトでは複数名で同時に編集できないなど、リアルタイムな情報把握や履歴の保存が難しくなり、活動分析が難しいという課題もあります。
ExcelやAccessでの顧客管理に限界を感じた場合には、CRMが必要になるでしょう。CRMは大企業向けの製品もありますが、最近では手軽にはじめられるクラウドの製品も出てきています。顧客管理について、Excelでは物足りないと感じる場合には、まずはCRMのデモや無料トライアルなどで使い勝手を試してみてはいかがでしょうか。