そもそも「使いやすいCMS」とは何か
CMSの使いやすさは人によって異なります。エンジニアにとっての使いやすさと、ライターや編集担当者にとっての使いやすさは別物です。まずは「誰が、何のために使うか」を明確にしたうえで、使いやすさの基準を定めることが重要です。
操作するのは誰かを最初に定義する
CMSを実際に操作するのがエンジニアか、ライターか、あるいは店舗スタッフかによって、求められる操作性は大きく変わります。エンジニアが中心なら柔軟なカスタマイズ性が重視されますが、非エンジニアが使う場合はUIのシンプルさや直感的な操作が優先されます。
記事の入稿・画像のアップロード・公開予約といった日常業務を、マニュアルなしで行えるかどうかは、実際の担当者が操作してみて初めて分かります。導入前にデモ環境やトライアルを活用し、想定ユーザーが実際に操作してみることをお勧めします。ミスが起きにくい設計かどうかも、使いやすさの大切な基準です。
更新頻度と担当者のITリテラシーを確認する
更新頻度が高い媒体では、記事作成から公開までのステップ数が少ないほど運用効率が上がります。一方、更新頻度が低い場合は操作を忘れやすいため、次回使うときに迷わないシンプルな画面設計が求められます。担当者のITリテラシーに合った操作性を選ぶことが、長期運用の成功につながります。
ITリテラシーが高くない担当者が使う場合、専門用語が多いUIや設定項目が複雑なCMSは、習得コストが高くなりがちです。操作画面のラベルが日本語で分かりやすく表示されているか、よく使う機能にすぐアクセスできるかなどを、選定時に必ず確認してください。
コーディング不要で使えるかが重要なポイント
使いやすいCMSの条件として特に注目されるのが、HTMLやCSSの知識なしにページを作れるかどうかです。ビジュアル編集機能の充実度は、非エンジニアが日常的に運用できるかを左右します。
ブロック型エディタで直感的に編集できるか
近年のCMSでは、テキスト・画像・ボタンなどのブロックをドラッグ&ドロップで組み合わせる「ブロック型エディタ」が普及しています。コードを書かずに、用意されたブロックを選んで並べるだけでページが完成するため、デザインの知識がない担当者でも一定のレイアウトを作成しやすくなります。
ブロック型エディタを採用しているCMSでは、表示崩れが起きにくい設計になっているものが多く、スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)も自動で行われるケースがあります。これにより、PC向けとスマートフォン向けを別々に調整する手間を省けます。ブロックの種類が豊富なほど表現の幅が広がるため、よく使うコンテンツ形式に対応したブロックが用意されているかを確認してください。
デザインテンプレートの品質と選択肢
プロのデザイナーが制作した高品質なテンプレートをそのまま利用できるCMSであれば、Webデザインの知識がない担当者でも、見栄えの良いサイトをすぐに公開できます。テンプレートの選択肢が豊富なほど、業種・用途に合ったデザインを選びやすくなります。
テンプレートを選ぶ際は、見た目だけでなく「カスタマイズの自由度」も確認が必要です。ロゴやカラー変更、フォントの調整がGUI(画面操作)でできるかどうかは、長期的な運用の利便性に影響します。また、モバイル対応済みのテンプレートであることも、SEOや閲覧体験の観点から欠かせない確認ポイントです。
ライターや編集者が迷わず使えるUI設計
複数のライターや外部編集者がコンテンツを入稿する運用では、担当者が迷わず操作できるUIの設計が生産性を左右します。マニュアルの整備だけに頼らず、UIそのものが使いやすいかを評価してください。
記事入稿から公開までの操作が少ないか
記事を書いて公開するまでのステップ数が多いCMSでは、担当者の負担が増えるだけでなく、操作ミスが起きるリスクも高まります。入力フォームがシンプルで、タイトル・本文・画像・公開日時を1画面で設定できるCMSは、ライターの作業効率を大幅に向上させます。
特に外部ライターや非常勤の編集者が使う場合、ログインしてすぐに目的の操作に到達できるかが重要です。ダッシュボードに不要な項目が多く、迷いやすい導線になっているCMSでは、入稿ミスや二重投稿などのトラブルにつながることがあります。トライアル期間中に、実際の入稿フローを複数名で試しておくとよいでしょう。
画像・メディアの管理機能
記事に画像を挿入する際、アップロードの操作が煩雑だと、担当者が作業に時間を取られてしまいます。ドラッグ&ドロップでの画像アップロード、メディアライブラリでの一元管理、アップロード済み画像の再利用機能などが備わっているかを確認してください。
画像の自動圧縮機能や代替テキスト(alt属性)の入力欄が用意されているCMSは、SEOや表示速度の改善に役立つ場合があります。アップロードできるファイルサイズや形式に制限がある場合は、運用中にトラブルになるケースがあるため、事前に仕様を確認しておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCMSの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ユーザー管理と権限設定の柔軟性
複数のメンバーでCMSを使う場合、アカウント管理や権限設定の使いやすさも重要です。管理者が簡単に設定変更できる仕組みがあるかどうかで、運用の手間が大きく変わります。
ブラウザから手軽にユーザー追加・権限変更ができるか
新入社員が加わったときや外部ライターに入稿権限を付与するとき、管理者がブラウザ上の管理画面からすぐに対応できるCMSは、IT部門への依頼が不要になりスピーディに運用を始められます。コマンドライン操作やシステム管理者のサポートが必要なCMSでは、対応に時間がかかることがあります。
権限設定の粒度も確認が必要です。「閲覧のみ」「下書き作成のみ」「公開まで可能」「全機能利用可」など、細かい権限設定ができるほど、業務フローに合わせた役割分担が実現しやすくなります。退職者のアカウント無効化やパスワードリセットもスムーズに行えるかを、導入前に確認してください。
マルチサイト・マルチ言語への対応
事業拡大や海外展開を視野に入れる場合、1つのCMSで複数サイトを管理できるか、多言語対応が可能かも選定基準の一つです。サイトごとに別のCMSを使う運用では、ユーザー管理や更新作業が複雑になりがちです。
マルチサイト管理に対応したCMSであれば、本社サイト・事業部サイト・採用サイトなどをひとつの管理画面で統括できます。言語切り替えや翻訳ワークフロー機能の有無も、グローバル展開の準備をしている企業には重要な確認ポイントです。将来的な拡張を見据えたうえで製品を比較検討してください。
導入後のサポート体制で選びやすさが変わる
CMSは導入して終わりではなく、運用中にトラブルや疑問が生じることがあります。そのとき頼れるサポート体制があるかどうかは、担当者の安心感と継続的な使いやすさに直結します。
日本語サポートの充実度を確認する
海外製のCMSでは、サポート窓口が英語のみで、問い合わせに時間がかかるケースがあります。日本語での電話・チャット・メールサポートを提供しているベンダーであれば、表示の崩れや設定ミスといったトラブル発生時にも迅速に対応してもらいやすくなります。
サポートの対応時間や営業時間外の対応有無も重要です。ECサイトやメディアなど、24時間365日の安定稼働が求められる用途では、緊急時の対応体制を事前に確認しておくことが大切です。契約後に「サポートが繋がらない」という状況を避けるため、導入前にサポート実績や口コミを調べておくことが大切です。
マニュアルやFAQなどセルフサービス資料の整備
担当者が自力で解決できる環境が整っているかも、使いやすさを左右する要素の一つです。操作マニュアル・動画チュートリアル・FAQページが日本語で豊富に用意されているCMSであれば、サポートへの問い合わせ件数を減らし、担当者の自立的な運用が期待できます。
コミュニティフォーラムやユーザー会が活発なCMSでは、担当者同士の情報交換や事例共有も盛んです。新機能のリリース情報や活用ノウハウが定期的に更新されているかも、長期的な使いやすさを左右します。ベンダーのサポートページを実際に閲覧して、情報量と更新頻度を確認してください。
CMS選びでよくある疑問(FAQ)
CMS導入を検討する際には、使いやすさに関する疑問が多く寄せられます。ここでは代表的な質問と回答をまとめました。
- ■Q1:HTMLやCSSの知識がなくてもCMSを使えますか?
- 多くのCMSには、コードを書かずに操作できるビジュアルエディタやブロック型エディタが備わっています。ただし、カスタマイズの幅が広がるほどコードの知識が求められることもあります。非エンジニアが中心の運用であれば、コーディング不要を明示しているCMSを選ぶことで、導入後の運用ハードルを低く抑えられます。トライアル環境で実際に触れてから判断することをお勧めします。
- ■Q2:無料のCMSと有料のCMSで使いやすさに差はありますか?
- 無料のオープンソースCMSは機能が豊富な反面、自分でサーバーを用意したり、プラグインの設定を行ったりする必要があり、技術的な知識が求められるケースがあります。一方、有料のクラウド型CMSには、初期設定が少なく、管理画面がシンプルな設計の製品もあります。使いやすさと費用のバランスを、運用体制に合わせて検討することが大切です。
- ■Q3:外部ライターへのアカウント管理はどう行いますか?
- 多くのCMSでは、管理者がブラウザ上でユーザーアカウントを追加し、閲覧・編集・公開などの権限を個別に設定できます。外部ライターには記事の下書き作成のみを許可し、公開権限は社内担当者のみに限定するといった運用が一般的です。権限設定の粒度はCMSによって異なるため、業務フローに合った設定ができるかを事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
使いやすいCMSを選ぶためには、「誰が使うか」を起点に、操作性・デザイン・ユーザー管理・サポート体制を総合的に評価することが大切です。ブロック型エディタの有無、日本語サポートの充実度、権限設定の柔軟性など、実際の運用場面を想定した確認が導入後の満足度を高めます。トライアルやデモを積極的に活用し、担当者全員が迷わず使えるCMSを選んでください。


