Web接客ツールの機能を選ぶ前の考え方
Web接客ツールの機能は、製品ごとに名称や組み合わせが異なります。機能名の一覧を見比べる前に、何を実現したいかを起点に整理すると、判断がぶれにくくなります。主な機能の区分は次のとおりです。
| 機能の区分 | 主な機能 | 向く目的 |
|---|---|---|
| 表示 | ポップアップ、バナー | お知らせやキャンペーンの告知 |
| 対話 | チャットボット、有人チャット | 質問への対応や案内 |
| 出し分け | シナリオ分岐 | 訪問者ごとの接客 |
| 特典配信 | クーポン | 購入や申し込みの後押し |
| 検証 | A/Bテスト、レポート | 表示内容の改善 |
目的から逆算した機能の絞り込み
機能を選ぶときは、まず解決したい課題を書き出します。離脱を減らしたいのか、問い合わせを減らしたいのか、購入を後押ししたいのかで、優先する機能が変わります。目的が複数ある場合は、優先順位もつけておきましょう。
課題と機能を1対1で結びつけておくと、使わない機能に費用をかけずに済みます。多機能な製品が、自社の運用にあうとは限らない点にも注意しましょう。必要な機能を絞れば、製品同士の比較も進めやすくなります。
標準機能とオプション機能の区別
同じ機能名でも、標準で使える製品と、別料金のオプションとして提供される製品があります。チャットや多言語表示、詳細なレポートなどは、プランによって利用範囲が異なる場合があります。料金の比較では、この違いを見落とさないようにしましょう。
見積もりを依頼する際は、必要な機能を一覧にして、基本料金に含まれるかを確認しましょう。あとから機能を追加できるかも、事業の拡大を見据えて聞いておくと安心です。契約後の追加費用を防ぐためにも有効です。
管理画面の操作性の確認
機能が用意されていても、設定画面が分かりにくいと、運用担当者の負担が増えます。ここでの操作性とは、専門知識がなくてもシナリオや表示内容を設定できるかを指します。担当者が毎日使う画面のため、使い勝手は継続的な運用の負担に関わる点です。
トライアルやデモでは、実際にポップアップを1つ作ってみましょう。設定にかかった時間や画面の分かりやすさを担当者間で記録しておくと、製品同士を比べる材料になります。複数の担当者で試すと、評価の偏りを抑えられます。
ポップアップやバナーで確認したい表示機能
ポップアップやバナーは、Web接客ツールの基本となる機能です。見た目の種類だけでなく、表示のタイミングや頻度をどこまで細かく指定できるかが、使い勝手を左右します。確認したい点を3つ紹介します。
表示タイミングの条件設定
表示のきっかけとして、ページを開いてから一定時間が経過したときや、画面を一定量スクロールしたときを選べる製品があります。マウスの動きから離脱しそうな状況を検知して表示する機能を備えた製品もあります。
きっかけの種類は製品によって異なります。自社が使いたい条件を事前に決め、設定できるかを確認しましょう。表示する条件を複数組み合わせられるかも、あわせて見ておくと安心です。
デザインのテンプレートと編集の自由度
ポップアップのデザインは、あらかじめ用意されたテンプレートから選ぶ方法と、自由に編集する方法があります。テンプレートが用意された製品では、制作の知識がなくても短時間で作成できます。画像の差し替えや文言の変更だけなら、画面上の操作で完結する場合もあります。
一方で、自社サイトの配色やロゴにあわせたい場合は、色や画像、フォントを変更できる範囲が重要です。HTMLを直接編集できる製品もあるため、制作担当者のスキルとあわせて検討しましょう。
表示頻度と閉じる操作の制御
同じ訪問者に何度も同じポップアップが出ると、閲覧の妨げになる場合があります。一度閉じたら一定期間は表示しない、1回の訪問で表示は1回までといった頻度の制御ができるか確認しましょう。訪問者の負担を抑える設定は、サイトの印象にも関わります。
閉じるボタンの位置や大きさを調整できるかも、使い勝手に関わります。特にスマートフォンでは、閉じる操作がしにくいと離脱につながる可能性があります。画面サイズごとの見え方は、試用期間中に確認しておきましょう。
Web接客ツールのチャット機能と有人対応の違い
チャットは、訪問者の疑問にその場で応えられる接客機能です。自動で応答するチャットボットと、担当者が直接対応する有人チャットがあり、両方を備える製品も見られます。違いは次のとおりです。
- ■シナリオ型チャットボット
- あらかじめ決めた選択肢をたどって回答する方式
- ■AI型チャットボット
- 入力された文章の意図を解析して回答する方式
- ■有人チャット
- 担当者が訪問者と直接やり取りして対応する方式
チャットボットのシナリオ作成と学習の仕組み
シナリオ型は回答内容を管理しやすく、AI型は想定外の質問にも対応できる場合があります。どちらがあうかは、問い合わせの内容や運用に割ける時間によって変わります。まずは問い合わせの多い質問から対象にする進め方もあります。
AI型では、回答の元になるFAQの登録方法や、誤った回答を修正する手順を確認しましょう。回答の精度は登録した情報の質や運用にも左右されるため、導入後の見直しの手間も考えておく必要があります。
有人チャットへの切り替えと担当者への通知
チャットボットで解決できない質問は、有人チャットに引き継ぐ設計が重要です。担当者への通知方法や、チャットボットでのやり取りの履歴を引き継げるかを確認しましょう。引き継ぎが滞ると、訪問者を待たせてしまう場合があります。
通知はメールやチャットツールなど、製品によって手段が異なります。複数の担当者で対応する場合は、同じ問い合わせに重複して返信しないよう、対応状況を共有できる機能があると安心です。通知を受け取れる端末も確認しておくと、対応の遅れを抑えられます。
営業時間外の対応とFAQとの連携
有人チャットは、営業時間内に限られる場合があります。時間外にはチャットボットのみが応答する、または問い合わせフォームへ案内するといった切り替えを設定できるか確認しましょう。時間外の問い合わせを翌営業日に確認できる仕組みも、あわせて見ておきましょう。
既存のFAQページとの連携も確認項目です。FAQの内容をチャットの回答に使えるか、チャット上でFAQへのリンクを案内できるかで、回答の作成にかかる手間が変わります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWeb接客ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
シナリオ分岐やクーポン配信の機能
訪問者の行動に応じて表示内容を変える機能と、クーポンなどの特典を届ける機能は、購入や申し込みの後押しに関わります。実際の運用を想定して、設定の手順と管理の仕組みを確認しましょう。
行動履歴にもとづくシナリオ分岐の設定
シナリオ分岐とは、訪問者の行動に応じて、表示する内容を変える機能です。閲覧したページや滞在時間、過去の訪問回数、流入元などの条件を組み合わせて設定できる製品があります。行動履歴は、Cookieなどで取得したデータをもとに判断する製品が見られます。
条件を細かく設定するほど、運用の手間も増えます。まずは新規の訪問者とリピーターで出し分けるなど、簡単な分岐から始められるかも確認しておきましょう。設定した分岐が意図どおり動くかは、公開前のテストで確かめましょう。
クーポンの発行と配信条件の設定
クーポン配信に対応した製品では、ポップアップやチャット上で割引コードを表示できます。配信の対象を、初めての訪問者やカートに商品を入れた人などに絞れるかが確認点です。発行できるクーポンの種類は、割引額や割引率など製品によって異なります。
ECサイトで実際に使えるクーポンかどうかは、カートシステムとの連携の有無にも左右されます。ツール上で表示するだけの機能なのか、値引きまで反映できるのかを確認しましょう。
有効期限や利用回数の管理
クーポンは、有効期限や利用回数の上限を設定できるかが運用の安全性に関わります。想定以上に配布されると、販促費の増加につながる場合があります。上限の設定がない場合の扱いについて、事前に確かめておきましょう。
配信数や利用数を管理画面で確認できる機能があれば、効果の検証にも役立ちます。重複配布や不正な利用を抑える仕組みが用意されているかも、あわせて聞いておくと安心です。クーポンの発行履歴を残せるかも、管理の面で見ておきたい項目です。
Web接客ツールの改善に役立つA/Bテスト機能
接客の内容は、設定して終わりではなく、結果を見て改善することで成果につながるものです。A/Bテストやレポートの機能は、改善を続けるための土台といえます。あわせて確認したい点を整理します。
A/Bテストの設定方法と判定の仕組み
A/Bテストとは、2つ以上の表示パターンを出し分け、どちらの反応が良いかを比べる手法です。文言や画像、表示のタイミングなどを変えて検証できます。一度に変える要素を絞ると、反応の違いの理由を考えやすくなります。
振り分ける割合を指定できるか、結果の差が偶然ではないかを判定する機能があるかは、製品によって異なります。テスト期間や必要な訪問数の目安も、提供会社に聞いておきましょう。勝ったパターンを自動で表示に反映できる製品もあります。
レポートで確認できる指標
レポートでは、表示回数、クリック数、クリック率、コンバージョン数などを確認できる製品があります。コンバージョンとは、資料請求や購入といった成果を指します。どの指標を見られるかで、改善の進め方が変わります。
ページ別や期間別、訪問者の属性別に絞って見られるかも比較のポイントです。CSVで出力できれば、社内の報告資料にも使いやすくなります。成果をツール内で計測できるのか、解析ツールとあわせて見るのかも確認しておきましょう。
機能の優先順位の決め方
ここまで紹介した機能を、最初から全部使う必要はありません。まずはポップアップなどの基本機能で運用を始め、効果を確認しながら、チャットやA/Bテストを追加する進め方もあります。最初から多くの機能を使うと、運用の負担が大きくなる場合があります。
優先順位は、目的への影響の大きさと、運用の負担で判断しましょう。必須の機能と、あとから追加できる機能を分けておくと、費用を抑えながら導入を進められます。運用が軌道に乗ってから広げる方法があう企業もあります。
機能の違いで比べるWeb接客ツールの製品例
ポップアップやチャット、ターゲティング、A/Bテストなど、この記事で取り上げた機能に対応する製品を紹介します。対応する機能の範囲は製品ごとに異なるため、詳細は資料で確認してください。
TETORI(テトリ)
- 豊富な機能と、月額1万円からの優れたコストパフォーマンス
- 初心者でも簡単・快適に使える、100種以上の業種テンプレート
- 充実の無償サポート!トライアルから施策成功まで徹底支援
グルービーモバイル株式会社が提供する「Web接客ツール『TETORI』(テトリ)」は、Web接客ツールです。ポップアップ、チャットボット、ターゲティング配信、A/Bテスト、レポーティングに対応しています。ポップアップは、モーダルやバー、カウントダウンなどの種類から作成できます。ページ離脱時に施策が発動する離脱防止機能や、生成AIをベースとしたチャットボットも搭載しています。ノーコードで作成でき、施策の効果を計測するレポートも用意されています。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 疑問をその場で解消し、カート/申込途中の離脱をまとめて防ぐ
- 行動ログだけでは見えない“心理データ”でCVに効く打ち手がわかる
- 継続率99%!1000サイトのCX改善ノウハウで少人数運用も安心
株式会社Helpfeelが提供する「ヘルプフィール」は、AI検索FAQをベースにしたWeb接客ツールです。購入や申し込みの直前に生じる疑問に対し、AI検索で回答し、FAQや申込導線をポップアップで表示します。ポップアップとチャットボット、レポーティングに対応し、サイト内の検索ログから、どのページでどのような不安があるかを把握できます。専任のアナリストが、ポップアップを出す場所やタイミングの設計も支援します。
Rtoaster(アールトースター)
- データ収集から活用まで出来るワンストップソリューション
- 2006年からの実績・350社以上の業界トップクラス企業と共に成長
- 対応満足度98.6%を誇る万全のサポート体制
株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster(アールトースター)」は、Web接客やレコメンドに対応するソリューションです。Webとアプリの自動接客プラットフォームを含み、パーソナライズに対応しています。ポップアップ、ターゲティング配信、A/Bテスト、レポーティングに対応しています。自動やルールベースのレコメンド機能も備え、顧客ごとに商品やコンテンツを提示できます。アプリでの自動接客も対象と、製品ページに記載されています。
Marketing Cloud Personalization
- 顧客のあらゆる瞬間をAIとデータでパーソナライズ
- 嗜好をリアルタイムで見極め、お客様に寄り添うレコメンドが可能
- あらゆるデータを分析し、キャンペーン効果の最大化が実現
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Marketing Cloud Personalization」は、AIと顧客データを用いたパーソナライズのソリューションです。顧客一人ひとりにあわせた施策を行えます。商品レコメンデーションやポップアップ表示、メールのコンテンツ出し分けなどが対象です。A/Bテストと多変量テストにより、Webサイトやモバイルアプリ、メールなどのチャネルでパーソナライズを検証できるとされています。
アドポップ (株式会社SORAMICHI)
- ワンタグ設置のみで導入、オンラインで契約・決済完了
- 直感的なUIで初心者でも簡単操作
- コア機能に絞り、リーズナブルな料金を実現
SnapEngage (SnapEngage)
- オムニチャネルで顧客接点を一元化
- 複数ボットの組み合わせによる自動応答を実現。
- CRM連携により対応履歴を自動反映。
DynamicYield (Dynamic Yield Ltd.)
- ウェブ/アプリ/メールで体験をパーソナライズ。
- 機械学習レコメンドで表示を最適化。
- A/Bテスト・分析で施策検証と最適化
SaleCycle (株式会社クローバーテック)
- 毎日300万件以上のオンライン行動をトラッキングし分析。
- 成果報酬型課金でスモールスタート可能
- 世界有数のブランド含む300万件以上のECサイト導入実績。
Web接客ツールに関するよくある質問
Web接客ツールの機能についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:最初から全部の機能を使う必要はありますか?
- A:必ずしも使う必要はありません。機能が増えると運用の負担も増える場合があるためです。ポップアップなどの基本機能から始め、成果を確かめつつ、チャットやA/Bテストも加える進め方もあります。
- ■Q2:チャットボットと有人チャットは両方必要ですか?
- A:問い合わせの内容や対応できる人員によって異なります。自動応答で解決できない質問を担当者へ引き継ぐ流れが必要か、確認して判断しましょう。
- ■Q3:A/Bテストはどのくらいの期間行えばよいですか?
- A:期間は訪問数や検証する内容によって異なります。必要な訪問数の目安を提供会社に確認し、結果の差が偶然ではないかを判定できるかも確認しておくと安心です。テスト中は他の施策を同時に変えないようにしましょう。
- ■Q4:機能が多い製品を選べば間違いありませんか?
- A:機能の多さだけで選ぶと、使わない機能に費用がかかる場合があります。解決したい課題にあう機能が、標準で使えるかオプションかも確認しましょう。
まとめ
Web接客ツールの機能は、表示、対話、出し分け、特典配信、検証の5つに分けて考えると整理できます。ポップアップは表示条件、チャットは自動応答と有人対応の切り替え、クーポンは有効期限の管理、A/Bテストはレポートとのつながりが確認ポイントです。目的に必要な機能を絞ったうえで、複数の製品を比較しましょう。気になる製品があれば、資料請求で詳細を確認してみてください。

