Web接客ツールの導入条件を決める前の整理
Web接客ツールとは、サイトを訪れた人の行動に応じて、ポップアップやチャットなどで情報を届けるツールです。導入条件は目的や規模によって変わるため、比較の前に自社の状況を整理しておきましょう。
| 確認の区分 | 主な確認内容 |
|---|---|
| サイト環境 | タグの設置方法、対応CMS、スマホ表示、表示速度への影響 |
| 運用体制 | 担当者、承認の流れ、外部委託の範囲 |
| セキュリティ | 第三者認証、個人情報とCookie、権限とログ |
| 機能面 | 日本語対応、多言語、カスタマイズ、API連携 |
導入目的と成果指標の明確化
導入条件を決める出発点は、何のために接客するのかを言葉にすることです。資料請求の増加やカート離脱の抑制、問い合わせ対応の効率化など、目的によって必要な機能が変わります。目的が曖昧なままだと、必要な機能を見極めにくくなります。
目的が決まったら、成果を測る指標も設定します。例えば、ポップアップのクリック率や、問い合わせ件数の変化です。
指標を事前に決めておけば、製品を比較するときの基準にもなります。社内で目標を共有する際にも役立ちます。
対象サイトと訪問数の把握
Web接客ツールの料金は、月間のページビュー数や訪問者数に応じて決まる製品が見られます。まずは自社サイトの月間訪問数と、接客したいページの範囲を把握しましょう。訪問数の少ないサイトでも使える小規模向けのプランがあるか、見ておきましょう。
アクセス解析ツールで直近数か月の数値を確認しておくと、見積もりの依頼がスムーズです。繁忙期に訪問が増える場合は、その時期の数値も伝えておくと、料金の想定とのずれを抑えられます。
運用担当者と社内体制の確認
導入後は、シナリオの作成や表示内容の更新、効果の確認といった作業が継続的に発生します。担当者が1人だけでは、異動や休暇で運用が止まる場合があります。運用ルールがないままだと、担当者の交代時に引き継ぎが難しくなります。
誰が文面を作り、誰が承認し、誰が数値を見るのかを決めておきましょう。制作会社に運用を依頼する選択肢もあるため、自社で担う範囲と外部に任せる範囲をあらかじめ分けておくと進めやすくなります。
サイト環境から見るWeb接客ツールの導入条件
Web接客ツールは、サイトにタグ(計測や表示用のコード)を設置して動作する製品が見られます。自社サイトの作りによっては、設置方法や表示に制約が出る場合があります。契約前に確認したい環境面の条件を整理します。
タグ設置の方法と対応CMSの確認
タグを1行追加するだけで導入できる製品が見られます。CMSとは、専門知識がなくてもWebページを更新できる管理システムです。
CMSの種類によっては、専用のプラグインが用意されている場合もあります。設置前の準備物を確認しておくと、作業が滞りません。
ただし、タグの設置にはサイトの改修権限が必要です。制作会社がサイトを管理している場合は、設置の依頼から反映までの日数も確認しましょう。自社で作業するか、制作会社へ依頼するかも決めておきましょう。
スマートフォン表示への対応状況
サイトの訪問者にスマートフォン利用者が含まれる場合は、スマホ画面での表示を事前に確認しましょう。画面が小さいため、ポップアップが閉じにくかったり、本文を隠したりする場合があります。実機での見え方を試用期間中に確かめておくと、公開後の修正を減らせます。
検索エンジンのガイドラインでも、閲覧を妨げる全画面表示には注意が示されています。画面サイズごとに表示を出し分けられるか、表示位置や大きさを調整できるかを確認しておきましょう。
表示速度や既存タグへの影響の確認
接客用のスクリプトが追加されると、ページの読み込みに影響する場合があります。非同期で読み込む仕組みかどうかなど、表示速度への配慮について提供会社に確認しましょう。料金表だけでは分からない部分のため、問い合わせでの確認が有効です。
広告タグや解析タグなど、すでに設置しているタグとの干渉も確認が必要です。本番サイトに反映する前に、テスト環境や一部のページで動作を確かめられるかを聞いておくと安心です。問題が起きたときに設定をすぐ停止できるかも、あわせて見ておきましょう。
社内審査を通すためのセキュリティ要件
Web接客ツールは訪問者の行動データを扱うため、セキュリティ要件が厳しい企業では事前審査の対象になる場合があります。確認項目は、認証、個人情報、権限管理の3点に分けると整理しやすくなります。
ISMSなど第三者認証の取得状況
社内規程で委託先の認証取得を求める企業では、ISMS(ISO/IEC 27001)などの取得状況が確認項目です。ISMSは、組織の情報セキュリティを管理する仕組みを認証する規格です。認証は取得していても、更新時期が過ぎている場合もあります。
認証には取得範囲があり、ツールの運用部門が対象かどうかで意味が変わります。認証の有無だけでなく、対象範囲と有効期間も提供会社に確認しましょう。社内の審査書類に添付できる資料があるかも聞いておくと便利です。
個人情報とCookieの取り扱い
Web接客ツールは、Cookieなどを使って訪問者の行動を記録します。個人情報保護法や、電気通信事業法の外部送信規律への対応が必要な場合があります。取得する情報の範囲によって、必要な対応が変わります。
自社サイトの同意取得の仕組みと、ツールが取得するデータの種類や保管場所を確認しましょう。法務部門や情報システム部門と、取得データの扱いを一緒に決めておくと安心です。同意の取得方法は、サイトの設計にも関わります。
アクセス権限と操作ログの管理
複数人で運用する場合は、編集できる人と公開できる人を分けられるかが重要です。誤った文面の公開を防ぐため、承認を経て公開する流れを組めるか確認しましょう。権限が細かく設定できれば、部署ごとの運用も任せられます。
あわせて、誰がいつ設定を変更したかを残す操作ログの有無も確認項目です。シングルサインオンなどの認証方式への対応も、不具合が起きた際の原因調査や社内規程への適合に関わります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWeb接客ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
日本語対応や連携など機能面の導入条件
セキュリティの次は、運用で使う機能面の条件です。国産か海外製かという区分より、自社が必要とする言語、画面の自由度、既存システムとのつなぎ方を具体的に確認することが大切です。
日本語での画面表示とサポートを確認する
管理画面やマニュアルが日本語で用意されているかは、運用担当者の負担に関わります。海外製のツールでも日本語対応している製品はあるため、国産かどうかだけで判断しないようにしましょう。画面の用語が分かりやすいかも、操作画面で確認できると安心です。
問い合わせ窓口の受付言語や対応時間、サポートの範囲も確認しておきます。初期設定の支援か運用相談か、内容は提供会社によって異なるため、具体的に聞いておくと安心です。
多言語対応の範囲を確かめる
海外からの訪問者がいるサイトでは、接客の文面を複数の言語で表示したい場合があります。言語ごとに文面を出し分けられるか、ブラウザの言語設定で自動判定できるかを確認しましょう。翻訳を機械に任せるのか、自社で用意するのかも決めておきましょう。
管理画面の言語と、訪問者に表示する言語は別の項目です。対応言語の数だけでなく、自社が必要とする言語に対応しているかを見ることが重要です。訳文の確認を担当できる人がいるかも、運用体制とあわせて確認しておくと安心です。
カスタマイズの自由度とAPI連携の範囲を整理する
デザインの変更範囲は、色や文言の調整にとどまる製品もあれば、HTMLやCSSで細かく調整できる製品もあります。自社サイトの見た目にあわせる必要がどの程度あるかを決めておきましょう。
既存システムとのAPI連携が必須の場合は、連携できるデータの種類と、実装に必要な開発工数を確認します。連携の可否は製品や契約プランで異なるため、導入前に具体的な内容を質問しましょう。費用が別途かかる場合もあるため、見積もりの段階で確認しておくと安心です。
導入条件を満たす製品を絞り込む進め方
条件が整理できたら、候補の絞り込みと社内合意に進みます。必須条件と希望条件を分け、トライアルや見積もりで確かめる流れを紹介します。
- ■必須条件
- 満たしていないと導入できない条件。認証や対応言語など
- ■希望条件
- あれば望ましい条件。デザインの自由度など
- ■確認方法
- 資料、無料トライアル、デモ、見積もりで確かめる
必須条件と希望条件の仕分け
整理した条件は、満たしていないと導入できない必須条件と、あれば望ましい希望条件に分けます。例えば、セキュリティ認証や対応言語は必須、デザインの自由度は希望といった分け方です。仕分けの基準を最初に決めておけば、候補が多い場合でも絞り込みを進められます。
表にまとめて各製品の対応状況を記入すると、比較が容易になります。資料請求や問い合わせの回答も同じ表に追記し、社内で共有しましょう。空欄の項目が残った製品は、問い合わせで確認すれば判断材料がそろいます。
トライアルやデモでの動作確認
条件を満たしているかは、資料だけでなく実際の画面で確かめると確実です。無料トライアルやデモを提供している製品では、自社サイトの一部ページで表示や管理画面の操作を試しましょう。操作する担当者本人が試すと、使い勝手の違いも分かります。
トライアルの期間や、利用できる機能の範囲は製品によって異なります。本番と同じ機能を試せるかも、あらかじめ確認しておく必要があります。期間中に確認する項目を、事前にリスト化しておくと効率的です。
見積もりと社内稟議の準備
見積もりを依頼するときは、月間の訪問数、接客するページ、利用人数を同じ条件で各社に伝えます。初期費用と月額費用、追加オプションの有無もあわせて確認しましょう。同じ条件で依頼すれば、見積もり同士を比べやすくなります。
稟議では、導入目的と成果指標、必須条件の充足状況、運用体制を示すと説明しやすくなります。契約期間や解約条件も、確認しておきたい項目です。契約更新時の費用の変動についても聞いておきましょう。
導入条件にあうWeb接客ツールを選ぶ際の製品例
導入のしやすさや提供形態、対象とする企業規模、認証の取得状況といった導入条件の観点から紹介します。製品ページの情報にもとづいています。自社の条件にあうかどうかは、資料請求して個別に確認してください。
TETORI(テトリ)
- 豊富な機能と、月額1万円からの優れたコストパフォーマンス
- 初心者でも簡単・快適に使える、100種以上の業種テンプレート
- 充実の無償サポート!トライアルから施策成功まで徹底支援
グルービーモバイル株式会社が提供する「Web接客ツール『TETORI』(テトリ)」は、クラウドで提供されるWeb接客ツールです。専用のタグをサイトに設置することで導入でき、無料トライアルが用意されています。ISO/IEC 27001の認証を取得しており、対象とする企業規模は全ての規模とされています。トライアルの段階から、カスタマーサクセスがシナリオ作成をサポートする点も、運用体制を検討する際の確認材料です。
Helpfeel(ヘルプフィール)
- 疑問をその場で解消し、カート/申込途中の離脱をまとめて防ぐ
- 行動ログだけでは見えない“心理データ”でCVに効く打ち手がわかる
- 継続率99%!1000サイトのCX改善ノウハウで少人数運用も安心
株式会社Helpfeelが提供する「ヘルプフィール」は、AI検索FAQをベースにしたWeb接客ツールです。クラウドで提供され、ISO/IEC 27001の認証を取得しています。専任のカスタマーサクセスとアナリストが、KPIや導線の設計、定例レポートなどで運用を支援するとされており、少人数のチームで始める場合の確認材料になります。対象とする企業規模は、全ての規模です。支援の範囲や費用については、個別に確認しておきましょう。
Rtoaster(アールトースター)
- データ収集から活用まで出来るワンストップソリューション
- 2006年からの実績・350社以上の業界トップクラス企業と共に成長
- 対応満足度98.6%を誇る万全のサポート体制
株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster(アールトースター)」は、Web接客やレコメンド、カスタマーデータ基盤(CDP)などの機能をカバーするソリューションです。対象とする企業規模は500名以上とされ、クラウドやサービスなど複数の提供形態があります。データの収集から活用までを一つの基盤で進めたい企業にとって、導入条件の確認対象です。自社の規模や体制にあうかは、事前に相談しておくと安心です。
SaleCycle (株式会社クローバーテック)
- 毎日300万件以上のオンライン行動をトラッキングし分析。
- 成果報酬型課金でスモールスタート可能
- 世界有数のブランド含む300万件以上のECサイト導入実績。
LOGLY Engage (ログリー株式会社)
- ボタンや動画を用いた動的なコンテンツを作成可能
- Googleアナリティクスとの連携による高度な分析
- 14日間の無料トライアルあり
アドポップ (株式会社SORAMICHI)
- ワンタグ設置のみで導入、オンラインで契約・決済完了
- 直感的なUIで初心者でも簡単操作
- コア機能に絞り、リーズナブルな料金を実現
Web接客ツールに関するよくある質問
Web接客ツールの導入条件についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:タグを設置するだけで使い始められますか?
- A:製品によっては、タグの設置だけで始められる場合があります。ただし、サイトの改修権限や既存タグとの干渉も関係するため、テスト環境などで事前に動作を確認しましょう。
- ■Q2:ISMSの認証を取得していれば、セキュリティ審査は通りますか?
- A:認証の取得は確認項目の一つですが、それだけで審査の結果が決まるわけではありません。認証の対象範囲やデータの取り扱いも、社内の規程とあわせて確認しましょう。
- ■Q3:専任の担当者がいなくても運用できますか?
- A:運用できるかは、更新する頻度や作業量によって異なります。担当者の兼任や制作会社への依頼も含めて、自社で担う範囲を決めておくと進めやすくなります。
- ■Q4:導入条件は何から整理すればよいですか?
- A:まず導入目的と成果指標を決め、そのうえで必須条件と希望条件に分けるのが目安です。条件を表にまとめ、各製品の対応状況を記入して比べましょう。
まとめ
Web接客ツールの導入条件は、サイト環境、運用体制、セキュリティ、機能面の4つに分けて確認すると整理しやすくなります。目的と成果指標を決めたうえで、必須条件と希望条件を仕分け、トライアルや見積もりで確かめる流れが有効です。自社の条件にあう製品を探すには、複数の製品を同じ基準で比べることが欠かせません。まずは資料請求して、機能や条件を比較してみてください。

