初期費用が無料で利用できるWeb接客ツール(11月20日時点)
何かシステムを導入するときに重要になることは、初期費用の有無です。初期費用が発生すると導入するハードルが高くなるため、初期費用が無料で利用できるシステムの活用が有効です。
ここからは初期費用が無料で利用できるWeb接客ツールを紹介していきます。
ecコンシェル
ecコンシェルは株式会社NTTドコモが提供しているWeb接客ツールです。このツールはユーザーの情報を分析し、最適なバナー表示を行うポップアップ型のWeb接客ツールです。
シンプルで使いやすい管理画面で、無料で利用できるツールですが機能が充実しています。このサービスの最大の特徴は、無料のツールでありながら機械学習・深層学習に関わるアルゴリズムを提供している企業と共同開発したAIを搭載しているため、コスパに優れています。
コンバージョン率の向上以外にも、顧客単価、リピート率、滞在時間など、さまざまなWebサイトの内容を分析することも可能です。
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KARTE
KARTEは株式会社プレイドが提供しているWeb接客ツールです。このツールは顧客情報を適切に把握し、顧客に対して適切なタイミングで最適なアクションを行うことが可能です。
ポップアップ表示によるメッセージの発信以外にも、チャットツールを使ってユーザーとコミュニケーションを取ることも可能です。さまざまな企業のWebサイトに対応しているため、自社サイトの効果を最適化できる分析を行うことができます。
サイトを運営していると膨大な量のユーザーデータが蓄積されますが、効果的に活用できていないことが多いですが、このツールで社内の財産を有効活用できます。
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ZenClerkはEmotion Intelligence株式会社が提供しているWeb接客ツールです。このツールは人工知能を活用した効率が良いWeb接客を行うことができ、シナリオ設計から運用までを自動化することが可能です。
このツールはWebサイトを訪問したユーザーの行動を詳細まで分析することが可能であり、タップやスワイプ、カーソルの位置、スクロールの量、ページの遷移、画像の切り替えの情報を把握することができます。
この収集したデータを基に消費者の行動分析を行い、適切なタイミングで最適なポップアップ表示を行うことが可能です。機能は豊富で充実していますが、分かりやすい管理画面で簡単に操作できます。
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f-tra CTA
f-tra CTAは株式会社エフ・コードが提供しているWeb接客ツールです。このツールはシンプルなシナリオ設計で効果を出すことが可能です。
基本的な機能はポップアップ型のツールであり、ユーザーの行動に合わせて簡単に広告を表示することができます。自社の目玉商品やサービスに行き着くことなく、ユーザーがサイトを離脱してしまうことは重大な機会損失になりますが、このツールでは顧客の行動履歴から判断し、目玉商品の広告を表示することが可能です。
また、画面を90%以上スクロールした人にはクーポンが表示されるなど、必要としている人にだけクーポンを出すことができるため、自社の利益を損なわずに広告活動を行えます。
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無料Web接客ツールの注意点
ここまで紹介してきたようにWeb接客ツールにはさまざまな種類が存在します。便利に自社のWebサイトの対策ができる一方でデメリットも存在することを忘れてはいけません。無料のWeb接客ツールであれば、試して使うことができるメリットがありますが、場合によっては自社サイトの評価を落とす可能性もあります。
そのため、導入する場合は無料のWeb接客ツールについてよく知り、選び方を把握する必要があります。ここからは無料Webツールの注意点を説明していきます。
注意点1.自社が必要とする機能は実装されているか?
無料のツールは有料のツールと比較すると機能制限があることが多く、使える幅が狭くなります。また、AIを搭載しているツールは数少なく、仮にAIを搭載しているツールでも、精度が悪かったり、反応が遅く実用的ではない可能性が高いです。
また、1つの機能だけを持つツールもあり、特定の目的を達成するためだけであれば利用しやすいです。そのため、無料のWeb接客ツールを選ぶときには自社に必要な機能を明確にし、その機能を搭載しているWeb接客ツールを選ぶ必要があります。
注意点2.無料期間が一定の期間だけではないか?
無料で使えるWeb接客ツールは、有料のWeb接客ツールの「お試し期間」として無料で使えることが大半です。このような場合は無料期間に制限があるため、しっかりと確認する必要があります。
ここまで紹介してきたように無料のWeb接客ツールは、機能に制限があるか、使える期間に制限があります。また、有料のWeb接客ツールの中には無料版を無期限で提供していることもありますが、使える機能が限られています。利用する場合は、有料版で使える機能も考慮して選択することが大切です。
こんな場合は有償ツールがおすすめ!
無料のWeb接客ツールでは機能や期限に制限があるため、ストレスなく活用することが難しいです。場合によっては有料のWeb接客ツールの方が効果的な場合もあります。重要なことは自社サイトの特徴や規模を把握し、サイトの課題を解決できるツールを選ぶことです。
無料版と違い有料版のツールであれば機能が充実しているため、課題を解決しやすく、業務を自動化できる場合もあります。まずは、自社サイトには無料版と有料版のツールのどちらがふさわしいか知ることが大切です。
ここからは有料のWeb接客ツールの活用がおすすめになる場合を説明していきます。
ケース1.様々な機能の使用を想定する場合
先程のように無料のWeb接客ツールでは機能に制限が多く、求める結果を得ることができない可能性があります。上質なWeb接客ツールは想定するシナリオの数が多く、メッセージやポップアップする広告のバリエーションが多いです。それに対し、無料のWeb接客ツールでは、シナリオの設計ができない場合や、複数のシナリオに対応することができないことも多くあります。
また、無料のWeb接客ツールではAIを搭載していないことが多く、分析機能が備わっていないことが大半です。このようなツールであれば、本来のWeb接客ツールに求める効果を発揮できない場合が多いです。本格的にツールを導入する場合は、有料版で機能が充実しているものを活用することが有効です。
ケース2.メッセージ数・サイト訪問者数が多い場合
有料版のWeb接客ツールが有効になる場合は、Webサイトの規模が大きく、サイトの訪問者数が多い場合です。サイトを利用しているユーザーが多ければ、それだけ数多くのシナリオが必要になります。どのようなユーザーに対しても固定されたメッセージを表示するだけでは、Web接客本来の役割を達成できません。
Web接客ツールを使い、現状のWebサイトの課題を改善するためには、シナリオの数と、動的にツールが判断して最適な広告・メッセージを表示する機能が必要になります。無料版のWeb接客ツールは便利ですが、機能に制限があり、規模が大きいサイトで利用すると、逆効果になる場合もあります。
実際にポップアップ広告が邪魔だと感じているユーザーの声も少なくありません。その広告の種類が少なく、頻繁に出現できるようであれば、サイトの評価を落としてしまう可能性もあります。
そもそもWeb接客って?
Web接客ツールを有効活用するためには、「Web接客」について、よく理解しておくことが重要です。Web接客について理解していれば、機能が少ない無料版のツールでは本来の役割が満たせないことも分かります。
ここからはWeb接客について説明していきます。
お客さんにあわせて最適化されるオンライン接客
「Web接客」とはWebサイト上で顧客に合った案内や広告を表示することです。販売業で実店舗で接客する場合は、顧客とコミュニケーションを取り、その顧客に合った接客を行うことが可能です。しかし、Webサイトの場合は、ページに表示されている内容やコンテンツは固定されており、どのような顧客に対しても1つのメッセージしか発信できず、共通の訴求しか行えません。
今の技術では顧客に合わせてWebページの内容を自動で変えることができないため、訪問している読者を分析し、そのユーザーに最適な情報を提供することが求められます。このようなWeb接客を行うことで、サイトを途中で見ることをやめる「離脱」を防ぎ、サイトに期待する結果(コンバージョン)を増やすことができます。
ポップアップ・チャットタイプに分かれるWeb接客ツール
このWeb接客ツールは大きく分けて「ポップアップ」「チャット」の2つのタイプがあります。この2つのタイプは特性が異なるため、特徴とメリットを把握して有効活用することが求められます。
ポップアップ型のWeb接客ツールは、顧客の行動に合わせてポップアップ広告を表示することができます。最適なタイミングで顧客が求めている情報を提示することで、購買や問い合わせのコンバージョンに繋がり、サイトから離脱する割合を下げることができます。
【ポップアップ型の機能とメリット】
- 1.ユーザーの行動を分析し、表示するタイミングと広告の内容を最適化
- 2.ページ滞在時間、スクロール位置、スクロール・クリック・タップ
- 3.スワイプの回数、閲覧履歴、カーソルの位置などを把握可能
- 4.ユーザーが離脱する挙動を検知し、効果的な広告を表示
中にはAIを搭載したポップアップツールがあり、AIがページに訪問しているユーザーを自動で分析し、設計したシナリオに一番近い内容の広告を表示させることが可能です。チャット型のWeb接客ツールは、ポップアップツールと異なり、常にWebサイトの下部に「チャットルーム」が表示されています。ユーザーはWebサイト内で疑問に思ったことを気軽に質問することができます。
【チャット型の機能とメリット】
- 1.質問するハードルを下げ、リアルタイムで疑問を解消できる
- 2.チャットボットの活用で24時間365日休まずに対応可能
- 3.AIを搭載したものであれば、質問に対する回答を自動で判断・回答
問い合わせの内容の7割はサイト内にあるFAQを確認することで解決できるといわれています。FAQの内容を基にシナリオを設計すれば、必然的に問い合わせ業務の7割を自動化することが可能です。
Web接客が重要となった背景
現在ではインターネットやWebサイトの技術が発展しており、非常に便利な機能が充実してきました。ECサイトを運営していたり、IT企業のように自社製品をWebサイトで案内するような場合では、よりWeb接客の重要性が大きくなっています。
ここからはWeb接客が重要となった背景を説明していきます。
背景1.ショッピング等でインターネット利用の増加
Web接客が重要になった一番の要因は「ニーズ」が増えたことです。現在ではオンラインサービスが充実しており、通販などのECサイトの数や市場規模は急激に拡大しています。事実、市場規模は5年で2倍近くになっており、Webサイトはより的確な情報をユーザーに提供することが求められています。
市場規模は拡大していますが、同時に競合となるサイトも多くなっていることを意味しているため、Web接客を行いユーザーに合った情報を届けていないサイトはすぐに離脱されてしまい、ほかのサイトにシェアを奪われてしまいます。このようにWeb接客は顧客満足度向上と、サイトから離れる人を増やさない対策になります。
背景2.ITツールの利用による企業の業務改善
もう1つの要因はWeb接客ツールを使うことによる業務改善です。ポップアップツールでもチャット型のツールでも、Webサイトの分析を行い効果的な施策を打つことが可能です。このようなツールを使わなければ、ユーザーの分析を行うことができず、マーケティングにかかる時間が膨らんでいきます。
Web接客ツールを使うことで、コンバージョンを向上できますが、それ以外にも業務改善にも効果があり、急速に普及していきました。
Web接客ツール導入のメリット
ここまでWeb接客ツールについて紹介してきましたが、導入することでWebサイトの改善を行うことができます。しかし、Web接客ツールによって特徴や効果は異なるため、正確に理解することが求められます。Web接客ツールを導入するときは具体的にどのようなメリットがあるか把握することが重要です。
ここからはWeb接客ツールのメリットを説明していきます。
メリット1.ユーザーの離脱率低下をうながす
まず1つ目のメリットはユーザーがサイトから離脱することを抑制することです。現代はネット社会になっており、求めている情報をすぐに探すことができなければ、そのサイトから離脱しほかのサイトを探します。そのサイトから離脱することを防ぐためには、ユーザーが求めている情報を提供するか、興味を持ってもらえる情報を提示するかの2つの方法が必要です。
チャット型のWeb接客ツールを使うことで気軽に質問することが可能になるため、ユーザーの欲求を満たしやすくなります。ポップアップツールを活用することでユーザーが興味を持ちやすい情報を提示することが可能です。このような対策を行うことでサイトの離脱率低下を促します。
メリット2.ユーザーの購買率上昇をうながす
Webサイトには「目的」があり、ECサイトであれば商品を購入してもらうことが目的になります。この目的はWebサイトによってさまざまであり、問い合わせをしてもらうことや資料のダウンロード、会員登録などがゴールになる場合もあります。
Web接客ツールを活用することでこのゴールを達成しやすくなります。特にポップアップツールを活用することで、ユーザーに適した情報を案内でき、商品購買へ誘導することが可能になります。
まとめ
ここまで紹介してきたようにWeb接客ツールを活用することで、Webサイトを効率化しコンバージョン率を向上できます。Web接客ツールにも種類があり、製品によって特徴や機能が異なるため、内容をよく知ることが重要です。
最も大切なことは機能が良い製品を選ぶことではなく、自社サイトにふさわしいツールを導入することです。実際に自社のサイトのページ数や訪問者数、取り扱っている商品・サービスによって適したツールを使うことが求められます。自社に合ったWeb接客を利用することで業務を改善し、コスト削減を行いましょう!