DMPの機能エラーを切り分ける基本の進め方
DMPのエラーは、原因が一つとは限りません。製品側、自社側、連携先側のどこで起きているかを切り分けると、対処を進めやすくなります。まず全体像を整理します。
| 症状 | 考えられる要因 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| セグメントの件数が想定とずれる | 重複、名寄せ条件、取り込み範囲や更新時点の違い | 件数の集計条件と最終更新日時 |
| セグメント作成の処理がエラーになる | 条件の指定、処理量の上限、元データの形式 | エラーの表示とログの内容 |
| 外部データの反映が遅れる | 提供元の更新周期、IDの一致状況、処理の待ち | 反映予定日と更新の履歴 |
| 広告配信との連携で不具合が出る | 認証の期限、連携先の仕様や上限、出力設定 | 連携の設定と実行履歴 |
製品側と自社側と連携先側に分けて考える
エラーの要因は、DMP製品側、自社のデータや設定、連携先のサービスの3つに分けて考えられます。例えば、製品側の障害やメンテナンス、自社側の入力ミスや権限設定、連携先側の仕様変更や上限が挙げられます。
一つの要因に決めつけず、順番に確認することが大切です。まず自社側の設定とデータを見直し、問題が見つからない場合に、製品の稼働状況の案内や、連携先に関する情報を確認すると、無駄な切り分けを減らせます。切り分けの結果は記録に残しておくと、次に似た事象が起きたときに役立ちます。
ログと通知でエラーの内容を確認する
ログとは、システムの処理内容やエラーを時系列で記録したものです。DMPでは、データの取り込みやセグメントの更新、外部への出力ごとに、成功と失敗の履歴を確認できる製品があります。
エラー時に管理者へ通知が届くか、失敗した処理を手動で再実行できるかは、導入前の確認項目です。ログの保存期間も製品で異なるため、必要な期間を満たしているかを確かめましょう。ログをファイルとして出力できるかも、調査の際に役立つ点です。
問い合わせ前に整理しておきたい情報
ベンダーに問い合わせる際は、発生した日時、操作の手順、画面に表示されたメッセージ、対象のセグメントやデータの範囲を整理しておきましょう。画面の記録を残しておくと、原因の特定が進みます。
あわせて、直前に変更した設定や連携先の更新があれば伝えてください。再現できる手順を共有できると、ベンダー側でも調査を進めやすくなります。本番のデータに影響する操作は、事前に相談してから行いましょう。
自社データ統合でセグメントの件数がずれる原因
自社のサイトや店舗で直接取得した1stパーティデータを統合したあと、セグメントの対象件数が想定と大きく異なる場合があります。件数のずれは、データと集計条件の両面から確認します。
重複や名寄せ条件が件数に影響する
同じ顧客が複数のIDで登録されていると、名寄せされないまま別人として数えられ、件数が多く見える場合があります。反対に、名寄せの条件が緩すぎると、別人を同一人物にまとめて件数が少なく見えます。
名寄せの条件を確認し、重複や統合の件数を一覧で確かめましょう。条件を変更する場合は、影響する範囲を検証用のデータで試してから本番に反映すると、意図しない統合を避けられます。統合した結果を元に戻せるかどうかも、事前に聞いておくと安心です。
取り込み範囲と更新時点の違いを確認する
元になるシステムと、DMPの件数を比べるときは、集計した時点と対象の範囲をそろえる必要があります。取り込みが日次の場合、当日に登録された顧客はまだ反映されていないことがあります。
取り込みの対象期間や条件の指定、取り込み失敗の履歴も確認しましょう。一部のデータが取り込まれていない場合は、失敗した処理を再実行できるか、ベンダーに確認してください。比較の際は、同じ日時のデータを両方で確認すると差が分かりやすくなります。
欠損や表記ゆれが抽出結果を変える
セグメントの条件に使う項目が空欄だったり、表記が統一されていなかったりすると、本来の対象者が抽出から漏れる場合があります。例えば、都道府県が「東京」と「東京都」で混在している状態です。
取り込み前にデータの形式や表記をそろえ、取り込み後も項目ごとの入力率を確認しましょう。文字コードの違いで文字が変換されている場合もあるため、元データの保存形式も見直してください。修正した内容は、ほかの担当者にも共有しておきましょう。
セグメント作成の処理でエラーが起きる要因
セグメントの作成で処理が止まったり、エラーが表示されたりする場合は、条件の指定、処理の量、元データの状態が関係している可能性があります。順に確認しましょう。
条件の組み合わせと上限を確認する
条件を多く組み合わせたり、対象の期間を長く指定したりすると、処理量が増えてエラーや時間切れの原因になる場合があります。製品ごとに、条件の数や一度に処理できる件数に上限が設けられていることがあります。
エラーが出たときは、条件を減らして再実行し、どの条件で止まるかを切り分けましょう。上限の具体的な数値は、製品の仕様書やベンダーの案内で確認できます。変更後の条件は、保存して履歴を残しておくと比較に役立ちます。
処理の実行タイミングと混雑を考える
複数のセグメントの更新や、大量データの取り込みが同じ時間帯に重なると、処理が待たされて失敗する場合があります。処理の優先順位や実行時間の指定ができるかは、製品によって異なります。
実行時間を分散させたり、更新の頻度を見直したりして、処理が重ならないようにしましょう。繰り返し失敗する処理がある場合は、実行のログを添えてベンダーに相談してください。処理の重さに応じて、契約のプランを見直す選択肢もあります。
元データの形式が処理にあっているか確認する
日付の形式、数値と文字の区別、必須項目の欠けなど、元データの形式が想定と異なると、セグメントの作成時にエラーとなる場合があります。取り込み時には問題がなくても、条件で使うときに初めて表れることもあります。
取り込み時に項目の型を指定できるか、形式が異なるデータを検知して通知できるかを確認しましょう。エラーの出たデータは、元のシステム側で修正して再度取り込むのが基本的な流れです。
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外部データの付与や反映が遅れる要因
3rdパーティデータは、自社以外の事業者が集めた属性や行動のデータです。付与した結果の反映が遅れる場合には、提供元の事情やIDの一致状況が関係していることがあります。
提供元の更新周期を確認する
外部データは、提供元が日次や週次、月次などの周期で更新している場合があります。DMP側で付与の処理を実行しても、提供元の更新が済んでいなければ、最新の内容は反映されません。
契約時に、データごとの更新周期と反映までの目安を確認しましょう。更新日時を管理画面で確認できる製品であれば、遅れているのか周期どおりなのかを切り分けやすくなります。遅れが業務に与える影響が大きい場合は、更新周期の短いデータを選ぶ方法も考えられます。
IDの一致状況が付与の範囲を決める
外部データを付与するには、自社の顧客と提供元のデータを同じ人物として結びつけるIDが必要です。一致する割合は、使うIDの種類やブラウザの設定によって変わり、付与されない顧客が出る場合があります。
付与できた件数と、付与の対象にならなかった件数を確認しましょう。想定より付与が少ないときは、使っているIDの種類や取得の状況を見直し、ベンダーに一致の条件を問い合わせてください。付与の対象外になった顧客に、別のデータで補う方法があるかも相談できます。
反映状況を確認する運用を決める
付与の処理が完了したかどうかは、処理の履歴や完了通知で確認します。反映の遅れに気づくために、確認する担当者と頻度を決めておく運用が役立ちます。
開始日が決まっている施策では、余裕をもって準備を始めましょう。反映の遅れが続く場合は、処理の履歴をまとめてベンダーに共有し、原因の調査を依頼してください。反映状況の確認手順を文書にしておくと、担当者が変わっても同じ水準で確認できます。
広告配信との連携で不具合が出る場合の対処
DMPから広告配信プラットフォームへセグメントを渡す連携では、設定や認証、連携先の状況など複数の要因で不具合が起こる場合があります。確認の順番を整理します。
認証や権限の期限切れを確認する
連携には、DMPと配信先をつなぐ認証情報が使われます。認証情報の有効期限が切れたり、担当者の異動でアカウントの権限が変わったりすると、セグメントの送信が止まる場合があります。
連携が止まったときは、まず認証の状態と権限を確認しましょう。有効期限の管理を担当者の記憶に頼らず、更新の時期を共有のカレンダーなどに記録しておくと、再発を防ぎやすくなります。連携用の認証情報は、個人のアカウントではなく、専用のアカウントで発行する運用も検討できます。
連携先の仕様変更や上限の影響を確認する
広告配信プラットフォームの側で仕様が変更されたり、受け取れるデータの量に上限があったりすると、連携が正常に動かなくなる場合があります。DMPの製品側の対応が必要な場合もあります。
連携先の更新情報や、ベンダーからの案内を定期的に確認しましょう。上限に近い件数を送っている場合は、セグメントを分けて送る方法や、送る頻度を調整する方法を検討してください。連携先の仕様の変更が予定されている場合は、事前の動作確認も必要です。
配信先での反映を確かめて再実行する
DMPで送信が完了と表示されていても、配信先で対象者が反映されていない場合があります。反映までに時間がかかる場合や、配信先で一致するIDが見つからない場合など、原因は複数考えられます。
配信先の管理画面で対象者数と反映日時を確認し、必要に応じて再送信しましょう。広告の配信前に、少ない件数で試験的に連携して動作を確かめておくと、本番でのトラブルを避けられます。再送信を行う際は、重複して配信されないかも確認しておきましょう。
運用面の確認項目から選ぶDMPと関連製品
処理の確認や再実行など、運用面の確認項目を整理したうえで比較したいDMPと関連製品を紹介します。
Rtoaster(アールトースター)
- データ収集から活用まで出来るワンストップソリューション
- 2006年からの実績・350社以上の業界トップクラス企業と共に成長
- 対応満足度98.6%を誇る万全のサポート体制
株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster(アールトースター)」は、Web接客やレコメンド、カスタマーデータ基盤(CDP)の機能をカバーしたソリューションです。データ分析やレポート作成の機能で施策の結果を確認でき、キャンペーン管理の機能で施策の運用を進められます。PCとスマートフォンの両方に対応しています。エラー時の通知や履歴の確認、再実行の可否といった運用面の仕様は、資料請求や問い合わせで個別に確認しましょう。
IM-DMP (株式会社インティメート・マージャー)
- 大規模メディアやアンケートから得られた膨大な情報
- 自由にカスタマイズ可能なセグメント
- Web広告やLP、CRM、MAなど幅広い用途に対応
Select-DMP (株式会社インティメート・マージャー)
- 約10億のオーディエンスデータを活用
- 82種の基本セグメントと連携可能
- WEB広告、LP最適化、調査分析、MA・CRM等に活用
Piano DMP (PIANO Japan株式会社)
- 訪問者の体験をデザインしエンゲージメントを強化
- セグメント化に基づく高度なパーソナライゼーション
- サブスクリプションサービスに特化したエンジンも
DMPに関するよくある質問
DMPの機能エラーについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:エラーが出たとき、最初に何を確認すればよいですか?
- A:自社側の設定とデータの見直しから始め、エラーの表示とログの内容を確認しましょう。原因は製品側や連携先側にある場合もあるため、決めつけないことが大切です。画面の記録を残しておくと、問い合わせの際に役立ちます。
- ■Q2:セグメントの件数が元のシステムと違うのは異常ですか?
- A:集計の時点や対象の範囲が異なると、件数がずれる場合があります。名寄せの条件や取り込みの履歴もあわせて確認しましょう。同じ日時のデータで比べると、違いを見つけやすくなります。
- ■Q3:外部データの反映が遅れているときはどうすればよいですか?
- A:提供元の更新周期と、処理の履歴を確認しましょう。周期どおりでない場合は、履歴をまとめてベンダーに調査を依頼してください。開始日が決まっている施策では、余裕をもって準備しておくと安心です。
- ■Q4:連携の不具合を事前に防ぐ方法はありますか?
- A:認証情報の有効期限の管理や、少ない件数での試験的な連携が役立つ場合があります。連携先の更新情報も定期的に確認しましょう。再送信の際は、重複して配信されないかも見ておきましょう。
まとめ
DMPの機能エラーは、製品側、自社のデータや設定、連携先のサービスなど、複数の要因が関係する場合があります。件数のずれは名寄せや更新時点、作成時のエラーは条件や上限、反映の遅れは提供元の周期やID、連携の不具合は認証や仕様変更を確認の入口にしましょう。ログや通知、再実行の仕組みも、選定時に比べたい項目です。複数の製品の資料を請求し、同じ条件で比較してみてください。

