データベース運用で起こりやすい課題の全体像
データベース運用の課題は、単一の原因ではなく、体制や設備、運用ルールなど複数の要素が重なって生じる場合があります。まずは課題が生まれやすい背景を整理します。
課題が生まれやすい運用状況
担当者が少ない状態で長年運用を続けている場合や、データ量の増加に合わせた見直しが行われていない場合、運用上の課題が表面化しやすくなります。日々の業務に追われて改善が後回しになるケースも少なくありません。
例えば、担当者が変わるたびに運用ルールが引き継がれず、設定の意図が分からなくなることがあります。こうした状況を避けるためには、日頃から設定内容や変更履歴を記録し、複数人で状況を把握できる体制を整えておくことが望ましいといえます。設備の老朽化やデータ量の増加といった要因が重なると、課題がより表面化しやすくなる点にも注意しましょう。
課題解決に向けた検討の進め方
課題を解決する際は、現在の運用で何が負担になっているかを洗い出したうえで、既存システムの見直しか、新しいサービスへの移行かを検討することが判断の助けになります。原因を特定せずに対応を進めると、根本的な解決につながらない場合があります。
あわせて、課題解決にかかる費用や移行にかかる期間も事前に見積もっておくとよいでしょう。情報システム部門だけで判断が難しい場合は、ベンダーや専門事業者に相談しながら進めることも選択肢の一つです。複数の担当者で候補を比較し、社内で合意形成を図りながら進めることも、後戻りを防ぐうえで役立ちます。
運用の属人化やパフォーマンス劣化への対応
特定の担当者に運用が依存する属人化や、データ量の増加にともなう処理速度の低下は、多くの会社で見られる課題です。ここでは対応のポイントを紹介します。
属人化を解消するために確認したい仕組み
属人化は、設定や運用ルールが担当者の頭の中にしかない状態が続くことで起こりやすくなります。解消のためには、設定内容や運用手順をドキュメント化し、複数人で確認できる状態にしておくことが重要です。
あわせて、操作履歴や変更履歴を自動で記録できる機能があるかも確認しておきましょう。履歴が残っていれば、担当者が不在の際にも状況を把握しやすくなります。特定の担当者だけに依存しない体制づくりを意識することが大切です。定期的な棚卸しの機会を設け、設定内容と実際の運用実態にずれがないかを確認しておくことも属人化を防ぐうえで役立ちます。
パフォーマンス劣化を感じたときに検討したい選択肢
データ量やアクセス数の増加にともない、検索や集計の処理速度が低下する場合があります。原因はデータベースの構成だけでなく、クエリの設計やハードウェアの性能など複数の要因が関係することがあります。
対応としては、処理を分散させる仕組みや、読み取り専用の複製を用意して負荷を分ける仕組みがあるサービスへの移行を検討する方法があります。移行前には、現在のボトルネックがどこにあるかを調査し、原因にあわせた対策を選ぶことが望ましいといえます。移行後も定期的に処理速度を確認し、想定した効果が得られているかを見直す機会を設けておくと安心です。
バックアップ運用や障害対応の負担軽減
バックアップ作業や障害発生時の対応は、担当者にとって負担の大きい業務になりやすい領域です。ここでは負担を軽減するために確認したい視点を紹介します。
バックアップ運用の手間を減らす観点
手作業でバックアップを取得している場合、取得漏れや復元時の手順ミスが起こる可能性があります。自動でバックアップを取得し、一定期間分を保存できる機能があるかを確認しておくと、日常的な作業負担を抑えやすくなります。
あわせて、実際にバックアップからデータを復元できるかを定期的に確認しておくことも重要です。取得はできていても復元時に不具合が起きるケースもあるため、復元手順を事前に確認し、必要に応じて訓練しておくと安心です。バックアップの保存先を複数箇所に分散できるかどうかも、災害時のリスクを抑えるうえで確認しておきたい項目です。
障害対応への不安を軽減する機能
障害発生時にどこまで自動で復旧するのか、どこから人による対応が必要なのかを事前に把握しておくことは、不安を軽減するうえで重要です。自動フェイルオーバーの仕組みがあるかを確認しておきましょう。
また、障害の発生をすぐに検知して担当者へ通知できる仕組みがあるかもあわせて確認しておきたい点です。通知が遅れると対応が後手に回りやすくなるため、通知の方法や対象者を事前に設定しておくことが望ましいといえます。障害対応の手順書をあらかじめ用意し、担当者以外でも初動対応ができる状態にしておくことも安心材料になります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータベースの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
運用工数の削減とオンプレサーバーの老朽化への対応
運用工数の増加や、オンプレミス環境のサーバー老朽化は、多くの会社が直面する課題です。ここでは解決に向けたポイントを整理します。
運用工数を削減するための確認点
運用工数が増える背景には、手作業での確認作業が多いことや、システムが複雑化していることなどが関係する場合があります。定型的な作業を自動化できる機能があるかを確認し、工数を削減できる余地がないかを見直しましょう。
あわせて、監視画面やレポート機能で状況を一目で把握できるかも確認しておきたい点です。複数のツールを行き来して確認する手間が減れば、日々の運用にかかる時間を抑えやすくなります。工数削減は一時的な対策ではなく、継続的な見直しが必要です。削減できた時間を、より重要な設計や検討業務に振り向けられるよう、業務の優先順位もあわせて見直しておきましょう。
オンプレサーバーの老朽化を解消する選択肢
オンプレミス環境のサーバーは、年数の経過とともに保守部品の入手が難しくなったり、サポートが終了したりする場合があります。老朽化への対応としては、クラウド型のデータベースサービスへの移行を検討する会社もあります。
移行を検討する際は、既存データの移行方法や、移行期間中の業務への影響を事前に確認しておくことが重要です。移行にかかる期間や費用は環境によって異なるため、複数の製品やサービスを比較したうえで判断することが望ましいといえます。移行のタイミングは、既存サーバーの保守契約の満了時期にあわせて計画すると、費用面での無駄を抑えやすくなります。
内製かマネージドサービスかを判断する視点
データベース運用を自社のエンジニアで内製するか、外部のマネージドサービスを利用するかは、会社の体制や目的によって適した選択肢が変わります。ここでは判断の観点を紹介します。
内製で運用する場合に必要な体制
自社のエンジニアで内製する場合、専門知識を持つ担当者を継続的に確保できるかが重要な観点になります。担当者が退職した際に運用が滞らないよう、複数人で対応できる体制を整えておくことが望ましいといえます。
あわせて、社内にノウハウを蓄積できる利点がある一方で、最新の技術動向を追い続ける必要がある点にも注意が必要です。内製を選ぶ場合は、教育や情報収集にかける時間も運用コストの一部として考慮しておきましょう。担当者が複数いる場合でも、対応できる範囲に偏りが出ないよう、知識を共有する仕組みを整えておくことが望ましいといえます。
マネージドサービスを利用する場合の利点と留意点
マネージドサービスを利用すると、バックアップや監視などの定型作業をサービス提供側に任せられる場合があり、社内の運用工数を抑えられる可能性があります。どこまでの作業を任せられるかは製品によって異なるため、事前に範囲を確認しましょう。
一方で、細かなカスタマイズが必要な場合は、対応範囲が限られる可能性もあります。自社の要件とサービス側の対応範囲を照らし合わせたうえで、内製との組み合わせも含めて検討することが判断の助けになります。基本的な運用はマネージドサービスに任せつつ、独自の設計部分だけ自社で管理するといった組み合わせ方も選択肢の一つです。将来的に内製化する予定がある場合は、運用ノウハウを共有してもらえる契約内容になっているかもあわせて確認しておきましょう。
運用課題の解消に役立つデータベース製品例
属人化や老朽化したサーバーの見直しを検討する際に参考になる製品を紹介します。操作性やクラウド対応、大量データの処理性能など、比較の切り口が異なる製品をあわせてご覧ください。
キントーン
- AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
- 「アプリ」同士はデータで紐付けて連携できる
- プラグイン・連携サービスと組み合わせてデータ活用を促進
サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、プログラミングの知識がなくても業務用アプリを作成できるクラウド型のデータベースサービスです。サーバーの保守作業はクラウド側で行われるため、オンプレミス機器の老朽化対応や運用工数の削減を検討している会社でも導入しやすくなっています。操作履歴が残るため、属人化の解消にも役立てられます。
楽々Webデータベース
- 活エクセル|Excelを活用したままExcel業務の課題解決
- かんたん構築|ノーコードでだれもがIT人材に
- つなげて活用|貯めたデータも人もつなげて新たな価値を
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Webデータベース」は、ノーコードで業務用のWebデータベースを構築できるパッケージ製品です。オンプレミス・クラウドいずれの環境にも対応しているため、既存のオンプレサーバーから段階的にクラウドへ移行したい場合の選択肢としても検討しやすくなっています。
Dr.Sum
- 導入実績7,700社超!顧客満足度No.1・サポート品質ランク★★★
- 散在したデータを一元化、10億件のデータも1秒台で◆高速集計◆
- 直感的な操作で誰でも簡単にデータ分析が可能
ウイングアーク1st株式会社が提供する「Dr.Sum」は、大量データの集計・分析に特化したデータベース型のBI基盤です。データ量の増加にともなう処理速度の低下が課題になっている場合に、高速な検索・集計処理を行える設計が選定の参考になります。
SQLデータベースモニターソフトウェア (SolarWinds Japan株式会社)
- 機械学習でデータベースの異常を検出
- AIでクエリ調整とボトルネック修正を支援
- マルチクラウドDBに対応
MicrosoftSQLServer (日本マイクロソフト株式会社)
- 地上・クラウド対応のAIエンタープライズDB
- LangChain等統合でアプリ開発加速
- Azure Arcでオンプレ・マルチクラウドのSQL Server統合管理
まとめ
データベース運用の課題は、属人化やパフォーマンス劣化、バックアップの手間、オンプレサーバーの老朽化など、複数の要因が重なって起こる場合があります。自社の課題を整理したうえで、内製とマネージドサービスの両方の選択肢を比較検討してみてください。資料請求を活用すると、比較の手間を抑えやすくなります。


