データベースとは
データベースとは、各データを集めて整理した情報の集まりのことです。身近な例でいうと、名簿や住所録もデータベースといえます。
ビジネスの場で用いられる場合は、データ管理・検索機能の備わったデータベースシステムをさすことが多いです。
日常生活においてもビジネスの現場においても、データベースという言葉を耳にすることは多くなってきました。しかしその機能や活用事例についての理解はまだ広がっていないのが現状です。そこでまずはデータベースとは何か、そしてどのような活用事例があるのかを確認しましょう。
データベースを活用してできること
ビジネスの現場で頻繁に活用されるデータベースですが、どのようなことができるのでしょうか。まずはデータベースを利用してできることを、以下の5つに分けて解説します。
- ●データの管理・共有
- ●データの分類・検索
- ●基幹ソフト・システムとの連携
- ●ブラウザでの直感的な利用
- ●セキュリティ強化
それでは詳しく確認していきましょう。
1.データを管理し、情報を共有ができる
データベースは「DB」と略され、円柱形の図で表されることの多い言葉です。この円柱形の図表の中に存在するものは大量のデータです。
データベースシステムの機能は、データを管理し情報を共有することです。散らばった大量のデータを箱の中に収める役割を持ちます。そしてその箱の中からデータを検索、抽出、共有することで、情報を活用できるようになります。
散らばったデータを集める方法はいくつかありますが、RDBと呼ばれるリレーショナルデータベースが最近の主流です。
- RDB(リレーショナルデータベース)とは
- RDBは列と行で構成されたデータベースのことです。エクセルなどの表計算ソフトというと想像が付きやすいでしょう。特徴として、情報を関連付けして分析する機能が優れていることが挙げられます。
2.データを分類することで検索・抽出を高速にできる
データの種類によって格納する場所を区分けできることもデータベースの機能です。1つの場所に大量のデータが格納されたデータベースは、検索や抽出する作業に時間がかかるでしょう。そのため検索の頻度や重要性、関連性などにより分類することで作業を効率化できます。
またデータは日々蓄積され、年数を経るごとにますます増えていきます。増え続けるデータを有効活用するためには、データベースシステムを導入し管理していくことが重要となります。
3.Excelなどのソフトや基幹システムとの連携ができる
保存されているデータは、文字や数字がおびただしく並んでいます。このままの状態では効果予測やデータ分析をすることに多くの時間を要します。これを解決するため、データベースシステムには、各種ソフトウェアや基幹システムと連携する機能が付随しています。
例えば、CSV形式でのデータ抽出や条件設定に対応しているとExcelでのデータ成形が容易になります。また自社で管理している売上データや顧客データなどの基幹システムや基幹マスタと連携すると、より詳細な分析や相関分析が可能となります。
4.専門知識を必要とせずブラウザ上で利用できる
一部の専門スタッフしかデータを抽出できないシステムは、業務に支障をきたします。データベースシステムを導入するとデータベースの専門知識は不要となります。
その理由は多くのデータベースシステムがブラウザでアクセスできる仕組みを導入しているからです。ブラウザでデータベースへアクセスできると、Webサイトを閲覧するようにデータを検索・抽出できます。
また、重要なのはデータをいかに素早く見つけ出せるかどうかです。このようにデータベースシステムを導入すると、必要な情報を必要な人がスピーディーに抽出できるようになります。
5.セキュリティ強化、監視・通知設定ができる
多くの場合、データベースには顧客の個人情報や機密情報が含まれています。データベースにはセキュリティ強化や監視機能も備わっており、データが暗号化されるなど、大切な情報を強固に保護してくれます。
監視・通知機能とは、データベースへの特定のアクセスや疑わしい行為などを察知した際に、セキュリティ担当者に通知する機能です。この機能により、企業のデータは安全に守られます。
企業のデータベース活用事例
企業ではどのようにデータベースを活用しているのでしょうか。集計すると膨大になるデータも、うまく整理すれば売上向上につながります。
それでは、具体的な活用事例をみてみましょう。
営業リストを作成し売上が向上
ある企業Xでは、営業をかける企業の情報をデータベースに落とし込み「営業リスト」を作成。代表者の名前はもちろん、財務情報や倒産のリスクまで、一発検索で把握できるようにしました。
これまでは、手動でシートに記入しなければならなかった作業が安易になり、業務の効率化が実現したのです。さらに、営業チームの作業負担が減ることにより、本職である営業により尽力できるようになったことが、売上向上に繋がったようです。
顧客情報のデータベース化が顧客満足度の
こちらはお客様の行動をデータベース化し、マーケティングに役立てた事例です。ECサイトを運営する会社Xでは、購入履歴やメルマガ会員登録、サイト訪問回数などの、行動を基にした顧客情報をデータベース化しました。
これにより、お客様がなにかを必要とするタイミングや、関連性の高い商品のおすすめなど、最適なプロモーションをかけることに成功。顧客満足度が向上したそうです。
商品情報のデータベース化で人的ミスが激減
印刷物制作会社のXでは、発注するお客様が保有する商品データベースと連携した自動制作システムを採用しています。
発注する側のデザインルールがデータベース化されているため、大量発注がかかるチラシやカタログでも、効率良く制作が可能となり、細かな人的ミスも大幅に減少したそうです。
このように、自社でつくるデータベースだけでなく、他社のデータベースと連携するという活用方法もあるのです。
情報活用の基本となるデータベースを構築しよう
データをどう活用するかでビジネスの流れが左右される昨今、データベースの構築は必須といえます。データベースを導入すれば、散らばっているデータを整理、統合し、課題解決のための礎を築くことができるからです。
情報を活用するための第一歩として、ぜひデータベースシステムの導入をご検討ください。