ファイリングとは何か
ファイリングという言葉は日常的に使われますが、単なる書類の保管とは異なる意味を持ちます。まずは基本的な考え方と、整理整頓との違いを整理します。
ファイリングの意味と目的
ファイリングとは、文書や資料を分類し、決められた場所に整理して保管する一連の取り組みを指します。目的は、必要な文書を探す時間を減らし、業務の効率を高めることです。
単に書類を箱にしまうだけでは、後から探し出すのに時間がかかります。分類の基準や保管場所のルールを決めておくことで、誰が見ても同じ手順で探せる状態を作れます。担当者が不在のときでも、他の社員が必要な文書を見つけられる状態にしておくことも、ファイリングが目指す姿の一つです。属人化した管理方法を見直すきっかけとして、ファイリングに取り組む企業も見られます。業務の引き継ぎがスムーズになる点も、あわせて期待できる効果です。
整理整頓とファイリングの違い
整理整頓は不要なものを取り除き、物の位置を整える活動全般を指しますが、ファイリングは文書を対象に、検索性を高めることを重視した取り組みです。分類や索引の付け方まで含む点が特徴です。
整理整頓だけでは、見た目は整っていても目的の文書がすぐに見つからない場合があります。ファイリングでは、後から検索しやすい仕組みを作ることまでを含めて考えます。棚がきれいに並んでいても、中身の分類ルールがなければ、探す作業に時間がかかる点は変わりません。見た目の整理と検索性の確保は、あわせて取り組む必要があります。
紙文書のファイリング方法
紙文書のファイリングには、フォルダや棚を使った基本的な方法があります。長年使われてきた方法ですが、業務量が増えるにつれて押さえておきたいポイントが出てきます。
分類基準を決めて整理する方法
紙文書は、部署別や案件別、発生年度別など、業務内容にあった分類基準を決めてから整理を始めます。分類基準が曖昧なまま整理を始めると、後から探しづらくなる場合があるため注意が必要です。
分類基準は一度決めたら終わりではなく、業務内容の変化にあわせて見直す必要があります。運用ルールを文書化しておくと、担当者が変わっても同じ基準で整理を続けられます。属人的な運用に頼りすぎると、担当者の異動をきっかけにルールが崩れてしまう場合もあるため、注意して運用を続けましょう。分類が細かすぎると、逆にどこに保管したか迷う原因にもなるため、業務の実態にあった適度な粒度を意識しましょう。
保管期間を決めて廃棄する方法
紙文書は増え続けるため、法令で定められた保存期間を確認したうえで、期間を過ぎた文書を計画的に廃棄する仕組みが必要です。保存期間は文書の種類や関連する法令によって異なります。
廃棄のルールが曖昧だと、キャビネットや倉庫が書類であふれ、必要な文書を探す作業がさらに難しくなります。文書ごとに保存期限を記録しておくと、廃棄のタイミングを判断しやすくなります。廃棄の際は情報漏えいを防ぐため、シュレッダーや専門業者による処分など、機密性にあわせた方法を選びましょう。処分記録を残しておくと、後から確認を求められた場合にも対応しやすくなります。
デジタル文書のファイリング方法
電子データのファイリングでは、フォルダ構成やファイル名の付け方にルールを設けることが基本になります。紙の文書とは異なる観点でのルール作りが必要になります。
フォルダ構成とファイル名のルール化
デジタル文書は、部署やプロジェクトごとにフォルダを分け、階層が深くなりすぎないように構成すると、目的のファイルにたどり着きやすくなります。ファイル名には日付や案件名を含めるルールを決めておくと管理がしやすくなります。
担当者ごとにファイル名の付け方が異なると、検索性が下がってしまいます。命名ルールをあらかじめ共有し、社内で統一しておく必要があります。日付の表記方法や案件名の略し方まで細かく決めておくと、後から見返したときの分かりやすさが変わってきます。あわせて、フォルダの階層数の上限を決めておくと、階層をたどる手間を抑えられます。
アクセス権限とバックアップの管理方法
デジタル文書は、誰でも自由に編集や削除ができる状態にしておくと、意図しない変更や消失が起こる可能性があります。フォルダやファイルごとにアクセス権限を細かく設定しておく必要があります。
あわせて、定期的なバックアップの仕組みも欠かせません。誤って削除した場合や、機器の故障が起きた場合に備え、複数の保存先にデータを残しておくと安心です。バックアップの頻度や保存先は、文書の重要度にあわせて段階的に設定すると管理しやすくなります。重要度の高い文書ほど、複数の拠点や外部サービスにも保存先を分ける対応が有効です。
ファイリングを効率化する文書管理システムの活用
紙とデジタルのファイリングを個別に運用するのではなく、文書管理システムを使うことで、検索性や管理の効率を高められる場合があります。導入の際に押さえておきたい基本的な機能を紹介します。
全文検索機能で文書を探しやすくする方法
文書管理システムには、ファイル名だけでなく本文の内容まで検索できる全文検索機能を持つ製品があります。キーワードを入力するだけで該当する文書を一覧表示できるため、探す時間を短縮しやすくなります。
紙文書をスキャンして取り込む機能をあわせて持つ製品もあり、紙とデジタル両方の文書を同じ仕組みで検索できるようになります。文書の量が多い企業ほど、効率化の効果を実感しやすくなります。OCR(画像から文字を読み取る技術)を使い、スキャンした紙文書の内容まで検索対象にできる製品もあります。
版管理と承認履歴を残す機能
文書管理システムには、修正のたびに履歴を残し、過去の版と見比べられる版管理機能を持つ製品があります。誰がいつ変更したかが記録されるため、変更内容の確認がしやすくなります。誤って古い版を配布してしまうといったトラブルの防止にもつながります。
承認フローをシステム上で管理できる製品もあり、押印や回覧のために出社する必要がなくなる場合があります。承認状況が可視化されるため、対応が滞っている文書も把握しやすくなります。テレワークを導入している企業では、承認業務のために出社する手間を減らせる点も利点になります。承認までにかかった時間を記録できる製品もあり、業務プロセスのボトルネックを把握し、見直しに役立てられます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で文書管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ファイリングのルールを社内に定着させる方法
ルールを決めても、実際に使われなければ意味がありません。無理なく続けられるよう、社内に定着させるための工夫を紹介します。
運用ルールを文書化して共有する方法
分類基準やファイル名の付け方などのルールは、口頭での説明だけでなく、マニュアルとして文書化しておくと、新しく加わった社員にも同じ基準をきちんと伝えられます。
マニュアルは一度作って終わりにせず、運用のなかで見つかった課題を反映し、定期的に更新していく必要があります。更新履歴を残しておくと、変更の経緯も追いやすくなります。新入社員向けの研修資料としてマニュアルを活用すれば、教育の手間を減らすことにもつながります。ルールの背景や目的もあわせて記載しておくと、社員が納得して運用に取り組みやすくなります。
定期的な棚卸しと見直しの実施
ファイリングのルールは、時間が経つと現場の運用と合わなくなる場合があります。年に一度など定期的なタイミングで棚卸しを行い、不要な文書の廃棄やフォルダ構成の見直しを行うとよいでしょう。棚卸しを通じて重複した文書や不要になった資料が見つかることも多く見られます。
棚卸しの際は、特定の担当者だけに任せず、複数の部署で分担すると負担が偏りにくくなります。見直しの結果はマニュアルに反映し、次回の棚卸しに活かしましょう。
文書管理システム選びに役立つ主な製品
文書管理システムは、社内向けのナレッジ共有に強いものから、大企業のワークフローと連携するものまで特徴が幅広くあります。ここでは代表的な文書管理システムを紹介します。
NotePM
- 社内のナレッジ情報を蓄積・共有するツール
- 豊富なAI機能が追加費用なしで利用可能(AIチャットボット等)
- 大手・金融機関も導入。実績と安心のセキュリティ
株式会社プロジェクト・モードが提供する「NotePM」は、マニュアルや議事録などの社内文書を一元管理できる文書管理・社内wikiツールです。Word・Excel・PDFなどファイルの中身を含めた全文検索に対応しており、文書が更新されると自動で履歴が記録されるほか、IPアドレス制限やSSOなどのセキュリティ機能も備えています。
SmartDB
- ノーコードで業務部門でも開発できます
- 豊富な標準機能で幅広い業務をデジタル化できます
- 大企業ならではの複雑なワークフロー/権限制御に対応できます
株式会社ドリーム・アーツが提供する「SmartDB」は、文書管理とワークフロー機能を備えた業務デジタル化クラウドです。文書の公開・改訂に伴う承認経路の設定やバージョン管理、改ざん防止の仕組み化、全文検索といった機能を持ち、ノーコード・ローコードで現場主体の業務プロセスをデジタル化できます。
DocuWare
- ドキュメントに関わる業務を効率化する機能を標準搭載
- 文書データの利活用と業務自動化を促進する様々なシステム連携
- 各種テンプレートによりすぐ業務で使える環境を提供
株式会社PFUが提供する「DocuWare」は、独ドキュウェア社が開発するクラウド型の文書管理システムです。スキャナーなど各種デバイスとの連携インターフェースを備え、OCRやワークフロー、外部システム連携などの機能を標準搭載しており、受発注や契約書管理、申請管理といったバックオフィス業務のデジタル化に活用できます。
PDFelement (株式会社ワンダーシェアーソフトウェア)
- Adobe Acrobatの半額以下の価格設定
- Windows/Mac/iOS/Android/Web対応クロスプラットフォーム
- G2 Spring 2025で高評価
まとめ
ファイリングとは、文書を分類・整理し、必要なときにすぐ取り出せる状態を保つ取り組みです。紙とデジタルそれぞれに適した方法があり、文書量が多い企業では文書管理システムの活用も選択肢になります。分類ルールを整えたうえで、自社にあう製品を資料請求などで比較検討してみてください。運用ルールの定着まで見据えて取り組むことで、日々の業務の効率化と情報管理の安全性向上の両方につながります。

