給与明細にコメントがついている人はどのくらい?
- アンケートの概要
- ■調査期間:2019年11月
- ■調査方法:インターネットによるアンケート調査
- ■調査対象:地域 日本全国、雇用形態 正社員・契約社員
- ■有効回答者数:60件
「給与明細に上司・会社からのコメントやメッセージが書いてあったことがある」と答えた人は、全体の10%でした。「コメントが書いてあったことがある」と答えた人の業種は、メーカー、流通・小売、サービス業とさまざまでした。業種による差は見られず、それぞれの企業文化によるところが大きいようです。
この結果からも、給与明細にコメントをつけること自体が、まだ世の中の企業全体には浸透していないと考えられます。また、コメントをつけられる機能を持つシステムを利用している場合でも、何を書けばいいのかわからないという企業も多いのではないでしょうか。
全社員に必ず定期的に配られる書類の一つである「給与明細」を使って、社員と効果的なコミュニケーションを取れるのか?アンケートを使って、実際にコメントをもらった人の声を聞いてみました。
コメントをもらった人の感想は?
コメントをもらったことのある人と、ない人にそれぞれ感想を聞いてみました。両者にはそれぞれ違いがあるようです。
もらったことのある人の約83%が『嬉しい』と回答
給与明細を通して上司・会社からのコメントやメッセージをもらったことのある人は、約83%が「非常に嬉しい」「嬉しい」と答えました。コメントを受け取った大半の人が好意的に受け取っていることがわかります。
もらったことのない人は約25%が『嬉しくない』と回答
一方、コメントやメッセージをもらったことがない人で「非常に嬉しい」「嬉しい」と答えた人は約47%にとどまっており、約25%が「嬉しくない」「全く嬉しくない」と答えています。実際にもらったことのない人にとっては、わざわざコメントをもらう必要はないと考えられているのかもしれません。
嬉しいコメントは3パターン
コメントやメッセージをもらったことがある人・ない人に「こんなコメントが嬉しかった」「こんなコメントをもらえると嬉しいと思う」という内容を聞いてみました。
チームの目標や達成について書いてほしい
- 「難しい案件をやっている時や期末などにみんなで達成した時などに労い系があったら嬉しい」(IT・通信・インターネット/40代/契約社員)
- 「大きな仕事を終えた後など、アドバイスや自分の頑張りを褒めてくれるメッセージがあれば嬉しい」(公的機関/20代/正社員)
- 「月々の目標に対する到達度に関するコメントがあればいいと思う」(サービス/50代/契約社員)
チームで取り組んでいる仕事に対して、進捗に関するコメントや目標達成への労いのメッセージなどがあると嬉しいという意見が見られました。
個人の頑張りについて労いや期待を書いてほしい
- 「日頃の仕事を見ていてくれると分かるようなメッセージがあれば嬉しい」(サービス/30代/契約社員)
- 「自分のその月の頑張りを褒めてもらえるとやる気が出るし嬉しい」(その他/20代/契約社員)
- 「今後どういうことを期待しているのかを具体的に書いてほしい」(コンサルティング/40代/正社員)
給与明細を通じて、普段なかなか直接言えないメッセージを添えることも効果的です。「会社や上司はちゃんと自分のことを見てくれている」ことが伝われば、従業員の日々のモチベーションアップにもつながります。
事務連絡や給与の変更事項を書いてほしい
- 「“保険料の改定により保険料が変更されています”と、わざわざ書いてあったので細かな気配りがあって嬉しかった」(サービス/40代/正社員)
- 「給与明細に書くなら事務的なことに留めてほしい。嬉しくなるようなメッセージであれば別途いただきたい」(その他/20代/契約社員)
給与の仕組みや手当の根拠など、就業規則に明記していても案外知らない従業員は多いかと思います。変更があった時など、その都度細かく説明してあげることで、会社への信頼度も高まります。
コメントは不要という意見の方も
- 「仕事の対価の明細にわざわざ記入しておいてほしいことはない」(その他/50代/正社員)
- 「適切な距離を保つため、何も書いてほしくはない」(運輸・交通・物流・倉庫/40代/正社員)
など、コメント自体に否定的な意見の方も見られました。ポジティブなメッセージや必要な事務連絡であれば良いが、モチベーションが下がるようなコメントが書いてあるくらいなら、何も書かれていない方がマシという方も多いようです。
コメントを書く場合に気をつけること
これらのアンケート結果からもわかるように、給与明細へのコメント記載は、内容次第ではかえって従業員のモチベーションを下げてしまうことにもつながりかねません。ここでは、給与明細にコメントを書く場合に気をつけるべきポイントをお伝えします。
ネガティブなことはNG
給与明細にコメントを書く場合は、原則ポジティブな内容のみにすべきでしょう。アンケート結果からも「褒めてもらえる言葉や労いの言葉がほしい」との声が多く挙がっていました。給与というのは、その人の1ヶ月の頑張りの結果といえます。そんな給与を受け取った瞬間に、ダメ出しや指摘などのネガティブなメッセージを目にしてしまっては、来月からまた頑張ろうというモチベーションが下がってしまうでしょう。
また、コメントを書く側としては「もっと頑張ってほしい」という期待を込めているつもりでも、受け取る側には「責められている」「プレッシャーをかけられている」と捉えられてしまうこともあります。給与明細に書く時には、極力シンプルな誉め言葉になるよう意識し、業務に関するアドバイスなどは、本人に直接伝えるようにしましょう。
従業員数の多い企業などでは、日頃一人ひとりに感謝や労いの言葉をかけることが難しいかと思います。給与明細を効果的に使って「会社や上司は自分のことをちゃんと見てくれている」と感じてもらえるようなアプローチができれば、従業員のモチベーションアップにもつながります。
記録として残ることを意識して書こう
給与明細は会社として正式に通知する書類の1つであることを忘れないでください。本人だけでなく、家族などの第三者が目にする可能性もあります。その会社の社風にもよりますが、あまりにもプライベート的な文章や、受け取り方によっては誤解を招くような表現は、思いもしないトラブルにつながる可能性もあるので注意が必要です。
また、保険料の改定や手当額の変更など、事務的な連絡を給与明細のコメントとして伝えることも効果的な使い方ですが、従業員全員が必ず給与明細にすぐに目を通すとは限りません。中には、開封せずに机にしまいっぱなしの人や、もらったらそのまま家族に渡して終わり、という人もいます。従業員全員に確実に伝えたい内容は、給与明細ではなく社内メールや掲示板などの手段を用いることをおすすめします。
コメント記入は給与明細電子化システムが便利
今回の記事を読んで、給与明細にコメントを記載してみたいと思った方には「給与明細電子化システム」が便利です。「メモ機能」があれば対象者を個人・グループごとに指定できるので、会社からのメッセージや、給与に関する変更点の連絡などのメモを一括で記載したり、個人ごとにコメントの記録を残したりできます。給与明細電子化システムについては以下で詳しく紹介しています。
ポジティブなコメントはモチベーションUPにつながる可能性
給与明細のコメントについては、全体的には好意的な意見が多かったようです。ただし、コメントの内容によってはかえってモチベーションの低下や、トラブルの元になる可能性もあるので、あくまで会社からの正式な通知文書であることを忘れずに、内容に関しては慎重になってください。また、記載する側・受け取る側双方が負担にならないよう、ポジティブな内容・シンプルな内容を心がけましょう。
給与明細電子化システムを使って、従業員の満足度やモチベーションUPにつながるような効果的な活用方法を考えてみてはいかがでしょうか。