ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■アプリの提供方式・対応端末別
- 専用アプリ(iPadアプリ)を端末に入れる方式:エムスリーデジカル
- iPadで利用できる製品:CLIUS (クリアス)、セコムOWEL、セコム・ユビキタス電子カルテ
- スマートフォンで利用できる製品:Zaitak Karte、セコム・ユビキタス電子カルテ
- Androidタブレットで利用できる製品:セコムOWEL
- ■訪問先での使い方別
在宅診療向け電子カルテのアプリの使い道
アプリの役割は、院内のパソコンでしか扱えなかった電子カルテを、訪問の移動中や患者宅でも使えるようにすることです。訪問の前、訪問中、訪問後の場面ごとに、どのような使い方ができるのかを整理します。自院で使いたい場面を先に決めておくと、製品の比較もしやすくなります。
患者宅での記録と写真の添付
アプリを使うと、診察の内容やバイタルサインを患者宅でそのまま入力できます。紙にメモを取って帰院後に入力し直す必要が減り、転記ミスの防止にもつながります。記録が当日中にそろうため、ほかの職員が最新の状態を確認しやすくなる点も利点です。
端末のカメラで褥瘡や創部の状態を撮影し、その日の記録に添付できる製品もあります。撮影した写真が端末の写真フォルダに残るのか、アプリの中だけで管理されるのかは、情報管理に関わるため事前に確認しておきましょう。音声で所見を吹き込み、文字に変換して記録できるかも、入力の手間を左右する点です。
移動中の予定と患者情報の確認
次に訪問する患者の前回記録や処方内容を、移動の車内で確認できる点もアプリの利点です。院内で印刷した資料を持ち歩かずに済むため、紙の置き忘れや紛失のリスクを抑えることにもつながります。
当日の訪問予定をアプリで確認できると、急な予定変更や緊急の往診が入った場合も、院内と同じ情報を見ながら動けます。ただし、運転中の操作は避け、同乗者が操作する、停車中に確認するといった安全面のルールもあわせて決めておくことが大切です。
訪問後の書類作成の下準備
在宅診療では、訪問看護指示書や居宅療養管理指導の報告書など、訪問後に作成する書類があります。患者宅で入力した記録がそのまま電子カルテに反映されれば、書類の下書きを作る手間を減らせます。
一方で、書類の作成や印刷はアプリではなく院内のパソコンで行う設計の製品もあります。アプリでどこまでの操作ができ、どの作業を院内で行うのかを把握したうえで、訪問から帰院後までの業務の流れを組み立てましょう。訪問中に書類の内容を医師が確認し、帰院後に事務職員が仕上げるといった分担もしやすくなります。
アプリの提供方式で変わる使い勝手
在宅診療向け電子カルテのアプリは、大きく3つの提供方式に分けられます。方式によって、端末に残るデータや通信の必要性、画面の見やすさが変わるため、自院の訪問スタイルとあわせて検討しましょう。同じ製品でも複数の方式を選べる場合があります。
端末に入れる専用アプリ
専用アプリは、iOSやAndroidの端末にアプリをインストールして使う方式です。スマートフォンやタブレットの画面サイズにあわせて設計されているため、タッチ操作や音声での入力に対応しているかどうかが使い勝手を左右します。端末の生体認証と組み合わせて、ログインの手間を減らせる製品もあります。
端末にデータを一時保存できる設計であれば、電波が弱い場所でも入力を続けられる場合があります。その反面、端末内に医療情報が残る可能性があるため、端末の暗号化や紛失時の対応を含めた管理が欠かせません。
Webブラウザで使う方式
Webブラウザ方式は、端末にアプリを入れず、ブラウザからクラウド上の電子カルテにログインして使う方式です。端末の種類を問わず使える製品もあり、院内のパソコンと訪問用のタブレットを同じ画面構成で使い分けたい場合に向いています。
基本的に端末内にデータを残さない設計のため、端末管理の負担を抑えやすい点が利点です。ただし通信が途切れると操作できなくなる場合があり、画面がタブレット向けに調整されているかどうかも製品によって異なります。訪問先での通信状況とあわせて、表示の速さや入力のしやすさを試用で確かめておきましょう。
院内システムへのリモート接続
院内にサーバーを置く電子カルテの場合、訪問先からVPNなどの安全な通信経路を通じて、院内のパソコンの画面を端末に表示して操作する方法があります。外来で使っている電子カルテをそのまま使えるため、操作を覚え直さずに済む点が利点です。
一方、パソコン向けの画面を小さな端末で操作するため、文字が小さく入力に時間がかかることがあります。通信が不安定な場所では、画面の表示が遅れる場合もあるため、訪問先で実際に試してから判断しましょう。既存の電子カルテを長く使い続けたい医療機関にとっては、有力な方法の一つです。
電波が弱い訪問先でのアプリの動き
訪問先には、山間部や鉄筋コンクリートの集合住宅など、電波が届きにくい場所もあります。在宅診療向け電子カルテのアプリを選ぶ際は、通信が途切れたときにどう動くかを確認しておくことが重要です。記録が途切れないための準備も含めて整理しましょう。
訪問エリアの通信状況の下調べ
アプリを選ぶ前に、主な訪問エリアで携帯電話回線がどの程度つながるかを把握しておきましょう。訪問を担当する職員に、電波が弱くなりやすい地域や建物を聞き取るだけでも、必要な対策の見当がつきます。
端末に回線を契約する場合は、訪問エリアでの通信事業者ごとのつながりやすさも確認材料です。試用期間中に、電波が弱いとされる訪問先でアプリを動かしてみると、実際の影響がわかります。モバイルルーターを予備として持参する、通信事業者を分けた端末を用意するといった備えを検討する医療機関もあります。
オフライン入力と後からの同期
製品によっては、通信が途切れている間も端末に記録を一時保存し、通信が回復したときにサーバーへ送る仕組みがあります。電波の弱い地域を訪問する医療機関にとっては、記録を中断せずに済む点が利点です。
ただし、オフラインで閲覧できる情報の範囲は製品によって異なります。前回の記録や処方歴を事前に端末へ取り込んでおけるのか、入力しかできないのかを確認し、訪問前の準備手順もあわせて決めておきましょう。端末に取り込んだ情報は、訪問後に削除される設計かどうかも確認しておくと安心です。
同期時の重複や欠けの確認
オフラインで入力した記録を後から同期する場合、同じ患者の記録を院内で別の職員が編集していると、内容が重複したり、一方の入力が反映されなかったりするおそれがあります。
同期の際に競合をどう処理するのか、同期に失敗した記録を一覧で確認して再送できるのかは、提供会社に確認したい点です。導入後は、同期の完了を画面で確かめてから端末を片付けるなど、院内のルールも定めておきましょう。同期の状況を管理者が画面で確認できると、記録漏れに早く気づけます。
在宅診療向け電子カルテのアプリにあう端末の選び方
アプリの使い勝手は、組み合わせる端末によっても変わります。画面の大きさや対応OS、端末の管理方法をあらかじめ整理しておくと、導入後に端末を買い直す手間を防げます。端末は職員が毎日持ち歩くものなので、現場の意見も聞きながら選びましょう。
スマートフォンとタブレットの使い分け
スマートフォンは持ち運びやすく、移動中の予定確認や短い記録の入力に向いています。一方、タブレットは画面が大きく、前回記録との見比べや、家族に画面を見せながら検査結果を説明する場面で使いやすい端末です。
医師はタブレット、同行する看護師や事務職員はスマートフォンのように、職種や役割で使い分ける医療機関もあります。アプリが両方の端末で同じ操作を行えるのか、画面ごとに使える範囲が違うのかを確認しましょう。役割ごとに閲覧できる範囲を分けられるかも、あわせて確認したい点です。
対応OSとアップデートへの追従
専用アプリの場合、対応するOSの種類やバージョンが決まっています。端末のOSを更新した直後にアプリが正しく動かなくなるケースもあるため、提供会社がOSの更新にどのように対応しているかを確認しておくと安心です。
院内でOSの自動更新を止めるか、提供会社の動作確認を待ってから更新するかといった運用も決めておきましょう。端末の機種を統一しておくと、操作方法の説明や不具合時の切り分けがしやすくなります。端末の電池の持ちや、車載充電器の用意なども、訪問が続く日の運用に影響します。
貸与端末と私物端末の線引き
アプリを入れる端末は、医療機関が用意して職員に貸与する方法が基本です。厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」でも、医療機関が管理できない私物端末の業務利用は認めない考え方が示されています。
貸与端末であれば、端末管理の仕組みであるMDM(モバイルデバイス管理)を使って、アプリの配布や紛失時のロックをまとめて行えます。訪問に出る職員の人数と予備機の台数、管理の手間も踏まえて、導入計画を立てましょう。
端末で使える在宅診療向け電子カルテの比較表
訪問先で使う端末やアプリの形に注目して、この記事で紹介する製品の特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| エムスリーデジカル | iPadアプリで手書き入力ができ、iPadで撮影した写真はカルテへ転送されます。 |
| CLIUS (クリアス) | Mac・Windows・iPadで運用でき、事前カルテや訪問スケジュールの調整にも対応。 |
| homis | 外出先でネット環境が切れても入力を続けられる、訪問診療に特化したカルテ。 |
| セコムOWEL | Windows・MacOSに加え、iPadやAndroidタブレットでも利用できます。 |
| セコム・ユビキタス電子カルテ | iPhone・iPadでカルテを記載・閲覧でき、セキュアな接続方式を採用。 |
| Zaitak Karte | PC・タブレット・スマホから、往診先で過去のカルテを見ながら診療できます。 |
訪問先の端末で記録しやすい在宅診療向け電子カルテ
タブレットやスマートフォンでの操作、電波が途切れたときの入力など、訪問先での使い勝手を確かめやすい製品を紹介します。
エムスリーデジカル
- 初期0円、AIによる自動学習で入力時間80%削減!
- 15年利用で約1,000万円のコスト削減が可能!
- 金融機関・政府機関も利用する安全技術
エムスリーデジカル株式会社が提供する「エムスリーデジカル」は、オプションのiPadアプリを使い、Apple Pencilで紙カルテのように手書きできるクラウド型電子カルテです。iPadで撮影した写真はそのまま電子カルテに転送されるため、ケーブルでパソコンにつないで取り込む手間がかかりません。シェーマや記載用テンプレートをあらかじめ登録しておけるので、患部の様子を図と写真で残したい訪問診療でも使いやすい設計です。自宅や外出先からも利用でき、WindowsとMacのどちらにも対応しています。
CLIUS (クリアス)
- 事前カルテの記入、訪問スケジュールの調整もラクラク
- Mac、Windows、iPadで自由に運用!書類一括印刷もOK
- 在宅医療を低コストでスタートできる
株式会社DONUTSが提供する「CLIUS (クリアス)」は、Mac・Windows・iPadで自由に運用できるクラウド型電子カルテです。訪問診療に必要な事前カルテの作成や定期処方、書類作成、訪問スケジュールの調整といった在宅機能を、カルテの基本料金に追加のオプション料金を払わずに使えます。地図連携や前回担当者からの引き継ぎの自動化にも対応。訪問先からインターネットFAXで処方箋を送信できるため、帰院を待たずに薬局へ連絡したい場面でも役立ちます。
homis (メディカルインフォマティクス株式会社)
- "在宅医目線"のシステムで入力作業の最小化を実現!
- 多職種とリアルタイムで情報共有。コミュニケーションを活性化!
- 診療から請求業務までワンストップで対応可能!
セコムOWEL (セコム医療システム株式会社)
- 充実した在宅機能、スムーズな外来管理機能を搭載!
- Windows/MacOS対応で端末を自由に選べる!
- 豊富な動画マニュアルと手厚いサポートで安心利用!
セコム・ユビキタス電子カルテ (セコム医療システム株式会社)
- 在宅、外来、入院機能を標準搭載
- 万全なサポート体制が好評
- 多様な部門システムとの連携実績
Zaitak Karte (株式会社アイソル)
- セキュアなクラウドにカルテを保存!いつでもどこでも参照できる
- さまざまな在宅医療関連の文書作成に対応!
- インターネットFAX連携で病院に戻らず処方箋や紹介状を送れる!
まとめ
在宅診療向け電子カルテのアプリは、患者宅での記録や移動中の情報確認に役立ちます。専用アプリ、Webブラウザ、院内システムへのリモート接続という提供方式によって、通信が途切れたときの動きや端末に残るデータ、画面の使い勝手が異なります。訪問エリアの電波状況や職種ごとの使い方、端末の管理方法を整理したうえで、電子カルテの資料請求やデモで実際の操作を確かめ、自院の訪問スタイルにあう製品を比較してください。

